転生アラガミの日常   作:黒夢羊

30 / 58
どうも皆様、黒夢羊です。

最近私の所だけかもしれませんが気温の上がり下がりが激しくて体調を崩しかける事が多いです……。
皆さんも気を付けてくださいね。

最近一気にアラガミ化小説が増えて気分なウハウハ状態なんですが、体が追い付いてない感じです。
読む楽しみが増えて生きる気力が沸いてきてます。
やはり他の方のを読むのが一番楽しいですからね。


では、本編へどうぞ。







第30話 ご注文は帝王と女王ですか?

 

 

 

 

『贖罪の街』の中心部、プレイヤー達が何度も見たことのあるであろう場所から少し離れたビル群の間を自分は走り抜けていた。

数日前、一晩悩みに悩んで決めた事として取り敢えず優先順位を決めた。能力のスロットの枠とかがあるのかもしれないと若干気になるが、対マルドゥーク用の能力はある程度揃っているし、この能力だけでも生き延びるだけならなんとかなることも多い。

 

 

少々楽観的かもしれないが一先ずは氷属性の能力を得るためにマータ系を狩って捕食することにした。

ただ、問題なのは未だにマータが見つかってないことと、バルファ・マータとプリティヴィ・マータの見分け方である──ぶっちゃけて、アイツらの見分け方ってあるのだろうか?

 

ここでバルファ・マータについて説明しよう。

プリティヴィ・マータよりも遠距離とかの火力がアップした隙のない個体……以上!!

え?これじゃあ分からない?いやいや、これで終わりなんですよ皆さん。いや、確かに詳しい人はもっと細かい解説入るかもしれないんだが、自分からしてみればそれだけしか違いがないのだ、見た目同じだし。

 

さて、本題に戻ろう。この通りバルファ・マータというアラガミはほぼ……というか完全に?プリティヴィ・マータの上位体なのだが、見分けが付かないのである。

それはもう双子か!ってくらいには。

で、今自分が一番恐れているのはこのバルファ・マータをディアウス・ピターが連れている可能性である。作中などでもディアウス・ピターはプリティヴィ・マータを連れている光景がある。

つまりプリティヴィ・マータを探そうとしている今、ディアウス・ピターと出会う確率も上がっていて、更には発見したプリティヴィ・マータがバルファ・マータな可能性があるのだ。

 

 

しかし、今回の場合は実は群れの方が助かったりもする。それは前に捕食して手に入れたイェン・ツィーの感応能力だ。

何があったか分からないが、自分のは本来の能力よりも少し変異していてターゲットへの攻撃を『強制』させるようなのだ。たいして変わらないと思うかもしれないがこれがどっこい大きな変化で、イェン・ツィーのはダメージを与えればそのアラガミは回復するために逃走したりするのだが、自分のはそれをさせないらしい。傷付いている者に回復をするための撤退を許さないとか完全に暴君のそれであると当事者だが思う。

 

で、今は自分の他にもルインにプリティヴィ・マータを探してもらっている。

悲しい話だが現状のルインの方が走るスピードが自分の全速力より速いのだ。さらに小さいために小回りが効くため撤退しやすい。対して大柄な自分はこうやって建物の中や外から目標らしきものがいないか探しているのだ。

 

 

戦闘面で幾ら勝っているとはいえこうやってほとんど任せっきりなのは自分の精神的に来るものがある。

しかし、これの方が探しやすいというか効率が良いのだ、もし自分とルインが同時に探し回って片方が見つけた場合どうやって報告すれば良い?自分が見つけたならまだ良いが、途中でルインが戦闘に巻き込まれた場合かなり厄介なことになるかもしれない。

ならばこうして動けない片方が待っている方が集合地点もはっきりしているし、何よりルインのスピードであれば自分のいるここにすぐに戻ってこれるからタイムラグが少ないのである。

 

 

因みにこの方法で2日前くらいから探しているのだが一向に見つかる気配がない。

下手に動き回ると他のアラガミだけじゃなくて神機使いにも見つかる可能性があるし、何よりも先に述べた危険性があるので、それを避けるためなんだが……それでもこうも見つからないとそろそろ場所を変えた方が良いのではないかと思う。

あと一日はやってみて見つからなかったら変えるか……そう考えながらため息を付いていると──

 

「キュイー!」

 

……どうやら見つかったようだ。

 

 

 

 

───────────────

 

 

 

 

ルインの道案内に従いながら走り続けるとビル群から抜けた大きな広間がそこにあり、形ある時代はきっと公園か何かだったのだろうと思う。

その広間の中心には確かに目標のプリティヴィ・マータが居た……ディアウス・ピターと一緒に。

 

 

…………。

それを遠目に確認したあと、ルインに視線を向ける。こちらに視線が向いたのに気付いたルインは何故か頭を上にあげてヒレを器用にくの字に折り曲げた。

……これはあれか?「自分出来たよ!凄いでしょ!」的なあれか?人間で言うところのドヤ顔か?

 

 

うん、確かにルインはしっかりと仕事をした。それは確かだ。自分は『こいつを探してきて』と念じただけだし仕方ないとは思うんだ……だが、こうも予想通りに複数体+ピターと居なくて良いだろ……ハッ○ーセットかなんかかあんたらは。

まぁ悩んでても仕方はない。ルインには寝床へ帰っているように指示し、近くにあった建物の屋上に上り体を伏せながら様子を見る。

見たところ数はピター1体、そしてプリティヴィ・マータが4体か……初代主人公達が最初に出会った時ほどじゃないがかなりの数だな。しかもこの中にバルファ・マータが混ざってる可能性もある……と。

……というか、よくよく見てみればあのピターリメイク版の奴じゃないか?外見の特徴が自分の記憶が正しければリメイク版の方に寄っているから多分そうだと思う。

いやまぁバルファがいるならリメイク版のピターだっているだろう……とは言っても初戦でリメイク版か。

ん?いや、リメイク版のピターしかもしかしてもしなくてもこの世界に居ない?

……かなりキツいですねこれは。

 

 

 

と、まぁ前であれば無理だと諦めていたが、今はあれに対処できる力も一応ある。

それにマルドゥーク戦までに力をつけて、ある程度はこなせるようになっておかなければ手助けをするどころか神機兵やブラッド達に殺されかねない。きっと小型とかなら監視網を掻い潜って誘導やらなにやら出来るのかも知れないが今の自分は大型でセンサーに引っかかる可能性が高い。ならバレても凌げたり逃げれる程の力は最低限必要なのだ。

 

……なんか色々と無茶苦茶な事を言っている気もするが、目標ははっきりしている『マルドゥーク戦に置いてブラッドの皆を助ける、そしてそのために強くなる』だ。だから目の前のコイツらを倒して捕食するのはその一歩になる。

 

 

戦う覚悟を決めて、能力を発動。

対象はあの中で一番厄介であろう『帝王』ディアウス・ピターを選択し、周囲のアラガミへ攻撃するよう命令する。

すると、周囲を囲んでいたマータが一斉にピターに向けて攻撃を開始した。まずはピターを囲っていた2体のマータが右から左と順に襲いかかり、その体を引き裂こうとする。

奇襲は成功。右に居た個体の攻撃が命中し、ピターの右肩に傷を付けたが、それに続いた左の個体の一撃はピターの雷撃によって体ごと吹き飛ばされるという形で失敗に終わった。

 

しかし、ピターが左の個体へ雷撃を行うその瞬間に右の個体は後ろへ跳躍。するとピターが雷撃を終えると同時に後方に居た2体のマータがそれぞれ5つずつ、合計10個の氷弾をピターに向けて放つ。

しかし、ピターはそれを読んでいたのか体を回転させ後方の2体に体を向けそのままバックジャンプしながら、ヴァジュラとは比較出来ない程にバチバチと雷を迸らせる雷球を5つ生み出しそれを相殺するように放つ。

5の雷球と10の氷球、本来であれば後者が数の元に勝つのであろう……しかし、相手は帝王。

 

 

帝王が放った雷球は3つの球がそれぞれ密集していた2つの氷球を道連れにし、残りの2つは1つの氷球と相討ちになる。辛うじて残ったのは端に放たれた2つのみで、それを帝王は生ぬるいとばかりにその体で受け止める。

氷球は両肩の鎧に命中するが、少し先端が欠けた程度で対してダメージは無いように見える。

 

 

4体の女王の攻撃を凌ぐと反撃開始と言うように正面の2体へ襲い掛かろうと飛び上がるが吹き飛ばされたマータが復活し、自身の体を使い飛び上がったピターにタックルをかまし空中から地上へと引きずり降ろす。

地上へ落とされた帝王へ先程攻撃を与えたもう1体が氷の柱を飛ばしマントの1つを中から真っ二つにする。

落とされてマントを1つもがれた帝王はダメージを受けながらも即座に体を起こすと、地面から赤白い光を放ちながらマントを収納し、その代わりに蝙蝠の羽の骨組みのような……しかしそれよりも遥かに禍々しい翼が姿を表す。

 

 

そして帝王たる己を地に尽かせた愚かなる女王に向けて駆け、接近するとその翼で体を切りつける。

切りつけられた女王は絶命し、フラっと地に伏せる。

そして警戒する3体へと向き直り、跳躍を開始するがこれ以上戦力を減らされても困る。

 

 

ピターが通るその下から神属性の炎槍を突き出し、腹から貫こうとしたが、少しタイミングがずれたのか槍は腹ではなくピターの正面に突き出てその顔に垂直の傷をいれる。

自身の苦手な属性だからか飛び掛かるのをやめて、直ぐに着地したピターは苦しそうに翼で顔を覆う。

その間にビルの隙間へマータを運び直ぐ様捕食する。この時ばかりは神速種で良かったと思う。

味は申し訳ないが分からなかった。

 

マータを殆ど捕食し、顔を覗かせるとそこには倒れた1体のマータと、互いに距離を置いて共倒れをしないようにしている2体のマータ。そしてそれを見つめる黒の帝王ピターが居た。

 

 

……目標は既に達成しているんだが、今後ピターと出会う確率を考えると今ここで倒して捕食しておいた方が良いだろう。次に会うときの供回りが減っているかもしれないしな。

さて、そうなればさっさと準備を始めないとな。

自分はそう言いながらマントから神属性の炎球と、左手に炎槍を作り出しながら奇襲の準備を始めるのだった。

 

 

 

 




今回も最後まで読んで頂き本当に有難う御座います。

個人的にはリザレクションのピターさんは好きです。
でもピターさんリメイクするならバルファ・マータさんももう少し外見変えて欲しかったですね……、まぁ私開発者でもなんでもないただの一般人なんでこんなこと言うのもアレなんですけどね。

さて、今回は前後編です。
書く気力がありませんでした、すいません。
最近ここのあとがきをディスガイアっていうSRPGの次回予告風にでも使おうかと思ったんですけど、ネタが切れそうなんで考え中です。


では、また次のお話で。

主人公は今後

  • 純愛を!
  • ヒロインに依存を!
  • ハーレムを!
  • 原作キャラと命を賭けた戦いを!
  • もっと強くなるだよ!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。