転生アラガミの日常   作:黒夢羊

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どうも皆様、黒夢羊です。

GOD EATER3をプレイしていた『AGE喰い』と戦ったんですが、あれを主人公に食べさせたらろくなことにならなさそうだなーとか思った今日この頃です。
ヴェルナーさんイケメン過ぎて惚れそう……しかしダミアンさんには負けますねっ!

注意としていつも以上にグダっている回になるのでお気をつけくださいませ。


では、本編にどうぞ。






第34話 レクターの白い果実

 

 

 

 

 

今日もまたルインの声で目を覚ます。

最近すっかりモーニングコール役になってしまったルインと、それに慣れてしまって受け入れている自分は色々とアラガミとして間違っているのだろうなーと常々思う。

 

正直言うと煩いな……とも思わなくはないのだが、それでも人間であった頃の生活を思い出すので別に嫌ではない。というか寧ろ……こう、あれだよ。心地いい……的な感じ?

自分で考えておいて疑問系になるのはどうかとも思う……しかし、本当に最初は自分の偽善と気紛れで拾って邪魔になったら捨てるつもりだったのだが、それが今ではどうだろうか?逆に自分の方が世話になりっぱなしではないだろうか。

 

こう言ってはなんだが、自分は大型アラガミの中ではまぁまぁの実力はついてきたと思うが、それでもただパワーと手数でごり押しするだけである。

それに大型ゆえに餌を探して動き回れば、神機使いや他の人達に見つかる可能性がグンと上がる。だからもしルインがいなければこうも都合良く目的のアラガミ達を探しだして捕食出来なかったのではないかなーなんて思ったりもする。

 

 

……なんか、これは前にも思ったんだが自分って実質ヒモに近いのではないか?いやだって実行班は自分とはいえ、索敵や誘導などはルインがやることだし、ルインは自分の一部が食べれれば良いんだから実質他のアラガミを食う必要ないからほぼタダ働きと言えるだろう。

 

つまり、食材を買ってきて貰って、かつそれを調理する道具など諸々の環境や準備を整えてながら高級レストランとかのシェフを用意したアフターケアも万全にしてもらった状態で炒飯の素を使った飯を作ってる状況なのではないだろうか……ッ!!

 

無駄……圧倒的無駄っ!!確かに生き抜くために何でも利用と考えているのは変わらないし、今のイメージもなんか違うかもしれないが、こう……虚しい何かが心に広がるのを感じ、頭をぐったりと力なく下に降ろし大きくため息を付く。

 

「キュー?」

 

自分の気持ちの変化を感じ取ったのだろうか、ルインが近くまでよってきて自分の周囲を慌ただしく動き回っているのが何となく分かる。

更にこれなのだ……、少量とはいえ自分の欠片を食べ続けて来たからなのだろうかルインが自分の感情やら考えを汲み取る精度が上がってきている気がする。

 

最近はこうやって落ち込んでいたりすると直ぐに寄ってきてどうしたら良いのか考えている節がある……漫画とかゲームでキャラ化したら絶対に某聖杯戦争の赤い弓兵やら某艦隊擬人化ゲームのとある駆逐艦のようにオカン属性が高いキャラとして認知されると思う。

 

事実自分だってブラッドに襲われて恐怖と孤独を感じた時も、ロミオを助けることができなくて自分の無力さと愚かさを責めていた時も側に寄り添ってくれて癒してくれたのはルインだった。

それが助けられた恩から来るものだって言うのは自分だって分かってはいるが、それでも助けられたのは事実だった。

 

 

……アラガミを喰らい続けて人類に味方しているアラガミが本来食べるべきアラガミに助けられてるってのはいい笑い話ではないだろうか。

それはそうとして自分の肉体しか食して無いからなのか、自分もルインの考えていることがほんの少しだけだが分かり始めた……これが感応現象ってやつなのだろうか?

 

ただ本当に少しだけで、ルインが強く念じた……いや感じた、なのか?……まぁ何はともあれ、こいつが伝えたいと強く思ったモノがぼんやりと伝わるようになったのだ。

あちらだけ一方的に回線が良いというのも少し複雑なのだが、こちらの回線を良くするにはルインの欠片を食べれば良いのだろうが、圧倒的に量が足りない上に別に聞こえなくても困ることは今のところは無いので別に良いかと思っている。

 

 

 

 

というか……最近思ったことが1つあって、時折聞こえるルインの声が完全に女性のそれなんだが、これは自分の欲望が反映された結果なのだろうか?

いやでも、もしも自分の欲望が反映されるたのだとしたらリッカさんとかフランさんの声になるのでは……いや実質リッカさんとかフランさんに慰めてもらったら元気が出ると思うんですよね……。

 

そんなことを考えていると、先程まで心配そうに周囲を彷徨いていたルインの気配が止み、ずっと一ヶ所に止まっているのに気付き、顔を上げてみるとそこには見るからに不機嫌そうに目を吊り上げるルインが居た。

え、えーと……何事でしょう?一応怒っていると言うことはぼんやりとだが分かる。だが、怒る理由が何だか正直分からない……あれか?アラガミだから人間の事考えてたのが気にくわないのか?

 

 

そうやって見てみたが、どうやらそれは違うらしく頭を左右に振って否定の意を示す。

はて……ならばなんというのか?今までで機嫌を損ねること……あれか?ルインを食べなくて良いとかのくだりか?と、思ったがどうやらそれも違うらしい。

だとしたら、あれか?慰めてるのは自分なのに他の奴の名前を出すのは気にくわないって感じか?

 

すると、どうやらギリギリ正解だったのか左右に頭を振りそうにはなっていたが、頭を今度は上下に軽く振って頷いた。

これでもギリギリなのか……。

 

 

 

 

しかし、こうなった後のルインを宥めるのは少々面倒くさいのだ。前は自分の一部を与えれば収まっていたが、今となってはそんなのは寧ろ逆効果で余計に機嫌を損ねる事になってしまう。

これを解決する方法はあるにはあるが、如何せん面倒くさい。というか必要性が個人的には理解できないのだがこのままだと次の獲物やらを捜索や誘導するときに手伝ってくれない可能性があるので、自分は仕方なく尻尾を動かして依然として目を吊り上げているルインの体に巻き付ける。

そして巻き付けた尻尾の先端を自分の手元まで持ってきて掌の中に落とし、空いたもう片方の人差し指でルインの頭を軽く撫でる。すると、吊り上がっていたルインの目元が段々と緩んでいきしまいには頭を指に擦り付けてきた。

 

 

……簡単だとか思った奴は前に出てこい。

自分もといハンニバルとルインのサイズを比較して欲しいが明らかにサイズが違う。そしてパワーも違うだろう。

更に言えば今の自分の爪は通常のハンニバルよりもシユウの翼腕のように鋭利になっているためちょっとでも間違えればルインを傷つけ、その痛みでルインが再び不機嫌になることだってあるのだ。

それに、自分が自身の爪で軽く引っ掻いた傷の1つだって、ルインにとってはかなり大きな切り傷になるから、回復するのにも時間がかかる。下手したらコアを傷つける可能性だってあるのだから意外とこの一連の行動は精神を消耗するのだ。

 

 

 

 

 

もう一度言うが、傷付けないように気を使わなければいけないのでかなり面倒くさいが……。

 

「キュ~♪」

 

……理由はさっぱり分からないが、それでもここまで喜んでくれるのであれば少し、ほんの少しくらいはやって良かったとは思えるような気がする。

 

 

 

 

 

 

結局あの後、何時もよりも長くルインの頭を撫で続ける作業が続いて疲れきったので散策に行く気にもなれず、近くを通ったシユウを喰らい今日の食事は終えることにした。

……肉体の回復速度はかなり素晴らしいのだが、精神面の回復速度を上げてくれるようにはなってくれないものだろうか。

 

そう一人愚痴を思いながらも今日は散策できなかったので、明日はしっかりと獲物を探しに行こうと心に決めてルインと共に眠りに付く。

 

 

 

 

───────────────

 

 

 

 

 

「ハァ……ハァ……ッ!!」

 

夜空に星が光り輝く時刻、『黎明の亡都』を駆け抜ける一人の影があった。

右腕には赤い腕輪をしており、その人物がゴッドイーターだと言うことをこの世界に生きる者であれば誰もが知っていることだろう。

だが、その人物の──ゴッドイーターの唯一にして相棒とも呼べる武器である神機は異様な状態に陥っていた。そのゴッドイーターの神機はロングブレード、アサルト、シールドで構成された第二世代神機なのだが、そのロングブレードが真ん中から上が綺麗さっぱり無くなっていたのである。

 

無くなったといってもアラガミに喰われたようではなく、なにか鋭いモノで一刀両断された……と表した方が適切。そう言えるほどロングブレードの断面は綺麗であった。

最早人間技では無いことは明らかであり、人ではない異形の何かが行ったとしか思えないその有り様……そして、この世界でそんな芸当が行える存在と言えばたった1つしかあり得なかった。

 

「くそっ!なんなんだよあのアラガミは!」

 

そんな異形の中の異形に出会ってしまったこの不幸なゴッドイーターは悪態を付きながらもただひたすら逃げ続ける。

 

「通信も繋がらねぇ……ジャミングでも起きてんのかよ!?」

 

その声は震えを通り越して涙ぐんで来ており、先の出会いによるこの人物の恐怖がどれだけのものだったかを伝えるには充分で合っただろう……しかし、その伝えるべき仲間は既に死んでしまっているようだが。

 

 

もうどれだけ走っただろうか?流石のゴッドイーターでも無尽蔵のスタミナを持つわけではなく、息も切れる。

恐怖から逃げるので精一杯だった為にスタミナ管理なんてものは出来ておらず、糸が切れたようにその場に倒れ込んだ。

 

「ハァ……ハァ……流石に……撒いただろ……」

 

そう言うのとほぼ同時に暗闇から巨大な影が姿を表した。その姿を視界に捉えたゴッドイーターは再び腰を上げて逃げようとするが、足が震えて言うことを聞かない。

 

「……お、おい?嘘だろ……?」

 

そんなゴッドイーターの言葉に耳を貸す気もなくその影は1歩、また1歩とゴッドイーターに歩み寄っていく。

暗闇に輝く2つの赤い眼。そして月の光りに照らされ光る黒い硬質な皮膚はさながら死を告げるような死神のよう。

 

「や、やめてくれよ……俺はまだ死にたくない!」

 

その願いは聞き入れられず。

 

「無理矢理こんな仕事をやらされて!なんで俺がこんな目に合うんだよ!」

 

その叫びはなにも響かず。

 

「くそっ!くそっ!くそっ!!お前らが!お前らが生まれたせいで俺達はこんな目にあってんだ!」

 

月明かりに照らされた巨大な無数の刃が妖しく煌めく。

この影が死神だと言うのなら、まさしくこれは死神の鎌であろう……鎌と言うには少々数が多すぎる気もするが。

 

「くそがァァァァァァァァ!!」

 

そして、月明かりに照らされた大地で1つの命が刈り取られた。

その刃に返り血を浴びた死神は赤い眼を爛々と輝かせながら、月に向かって吠える。

 

 

 

 

その咆哮は暗闇に暗闇に呑まれ、消えていく。

その己の咆哮に続くように死神は再び月の光を嫌うかのように暗闇の中へと消えていったのだった。

 

 

 




今回も最後まで読んで頂き、有り難う御座いました。

ルインがヒロインのようですが、今後まだまだヒロインが出てきます……アラガミですけどねっ!
最後に犠牲になったゴッドイーターさんは本当に名もなきモブさんと言うことで……申し訳ないです。

40話までにある程度物語を進めたいですが……果たしてその通りになるのかどうか……。


では、また次のお話で。

主人公が次に手に入れるのは?

  • マルドゥークの感応能力及びガントレット
  • カリギュラの仕込み刃
  • スパルタカスの感応能力
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