転生アラガミの日常   作:黒夢羊

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どうも皆様、黒夢羊です。

最近主人公の腕の籠手を残すかどうかで色々悩んでいて……籠手も格好良いけどガントレットとかも良いですよねっ!……的な思考を繰り返しています。

GE2の時間軸では人型アラガミが現れない(というか私の世界線では登場させない)ので主人公が意思疏通を図るのはほぼ不可能に近いですが、GE3の時間軸ではフィムがいるので会話はできるんでしょうかね?

あと、そろそろオリキャラ注意のタグを追加しないといけないなーと思っています。


それでは、本編へどうぞ。







第35話 特務『月下の死神』

 

 

 

 

「さて、まずは君達を急に呼び出したことを謝罪させて欲しい」

 

極東支部の榊博士のラボに急に呼び出された俺─八秦 ジン……いや、俺達は入っていきなりここの部屋の主であるペイラー・榊その人に頭を下げられた。

 

「いや、大丈夫ですよ榊博士……それよりも顔をあげてください」

 

いきなりの事に固まり対応が遅れた俺達だったが、呼び出されたうちの1人であるレオン・フィエールが榊博士に顔をあげるようお願いをする。

顔は優しそうな目付きを始めとし、高いレベルで整っている上に柔らかい物腰、所謂内外共にイケメンという奴だ。極東支部内でも何人かに告白されたとかなんとか。

 

そんなコイツの柔らかい声に影響されたか、もしくは最初からその謝罪は形式的なものだったのか……恐らく後者だと思うが、榊博士はそう言われ下げていた顔をあげた。

 

 

「いや、本当にすまないね……さて、時間も惜しい事だし本題に入らせてもらうよ」

 

 

そう言い榊博士は手元の機材を動かし天井からスクリーンを呼び出す。そして更に手元を動かすとスクリーンに地図が映し出され、俺達がそれを確認したのを見ると口を開いた。

 

 

「先日の夜、『黎明の亡都』にて3人の神機使いが行方不明になったのは知っているね?」

 

「ああ、知ってるぜ。何せ捜索に駆り出された身なんでな?」

 

 

榊博士の言葉に返したのは偵察班所属のゴッドイーターであるルドガー・ロックヘッド。

おちゃらけた言動が目立つが、実力やとっさの機転は申し分なく何度も危険な任務を生き抜いて来た優秀なゴッドイーターと言っても良いだろう……そして先のディアウス・ピターの襲撃で生き残った唯一の生存者であり、俺と同じ特異種と直接相対した人物でもある。

 

そんなことを考えていると、目の前の榊博士の言葉によって自分の意識はスクリーンへと戻される。

 

 

「そう、ロックヘッド君も捜索に参加してもらった3人だが……3人の死体と神機が今朝発見、そして回収された」

 

「「「「……ッ!」」」」

 

 

薄々分かっていたが、こうも直接死んだことを告げられると苦しいものがあるな……いや、まだ発見されただけマシなのだろうか。

そんな俺の考えを読んだかのように、榊博士は「だが」と一言呟き、こちらの意識を集めてから話し始める。

 

 

「その死体と神機がかなり酷い状態でね……、神機は全て真っ二つに切られ、死体の方は全身穴だらけという状態だ」

 

「それは……また」

 

 

悔しそうに歯を食い縛るのは俺の2つ後輩の大石(おおいし) カエデ。

かの英雄様やブラッドの副隊長さんとまでは行かないが、その実力は身内贔屓を抜きにしても極東支部に実力はかなり高いと思う。

しかし、コイツはロックヘッドや俺と違い特異種と遭遇した事はなかった筈だが……ん?それを言えばレオンもそうか。

 

俺が今回集められた人選について悩んでいると、沈黙に痺れを切らしたのかロックヘッドが口を開く。

 

 

「死んだ奴らの事は仕方ねぇ、ならそいつらの分を次に繋げるのが最優先だろ……で、なんで俺達を呼んだ?」

 

「そうだったね、まず今回3人が襲撃された時の状況から説明させてくれ」

 

 

そう言うと博士は両腕を組み、何時にない真剣なオーラを出しながら俺達に語りかける。

 

 

「まず、3人は夜間のミッション中に謎のアラガミによって襲撃を受けた……その際に恐らくそのアラガミの偏食場か何かだと思わしき、強力なジャミングが発生した」

 

 

ジャミングを発生させる偏食場持ちのアラガミか……聞いたことは無いがそれはかなり厄介な話じゃないか?

……ん?偏食場?

 

 

「偏食場となぜ断言できるのでしょうか?感応種か何かの感応能力等では……?」

 

 

俺と同じ事を思ったのか、レオンが手を上げて質問をする。確かにその通りだ……ジャミングが発生したのであればあちらの情報はこちらには届かないはず。

何故感応種ではないと判断したのか。

 

 

「それについてはそのアラガミと本格的な接触を行う前に3人が神機の不調を訴えていなかった事からそう判断している」

 

「なるほど、感応種が接近した際特有の神機の不調等の報告が無かったからそう判断したというわけですね」

 

 

榊博士の回答に納得したのか、2度3度頷きながらレオンは上げていたその手を下げる……しかし、レオンと同じく納得していた俺は続けて放たれた榊博士の言葉に脳内の警戒レベルが一気に跳ね上がった。

 

 

「その通りだ……それに仮に感応種が現れたとしても、君達なら撤退することは可能だと判断した」

 

「倒すではなく撤退……ですか?」

 

 

再び疑問に思ったのか、レオンが今度は首を小さく傾げながらオウムのように聞き返す……が、それに答えたのは博士ではなく、ロックヘッドだった。

 

 

「当たり前だろ、今回の作戦は恐らく未知のアラガミの情報をここへ持って帰るのがメインだ……だが、かといって何時ものように調査班や偵察班を使って見ろ。確実に全滅だ」

 

 

ロックヘッドの言葉に便乗するように俺も自分の意見を述べる。

 

 

「それに今回殺られたゴッドイーターは確か全員極東支部に置いて中堅クラスの実力を持っていたはず……なら、言い方は悪いがそれ以下の力しか持ってない調査班や偵察班だと今回のはちと分が悪いだろうな」

 

「それに今回はそのアラガミに加えて強力なジャミングが付いてくる。ならば、低い確率を何回も繰り返して人材を消費するよりも、オペレーター等との通信が途絶したとしても充分に成果を持って帰ることの出来る可能性のある高い確率を叩き出せる奴らに任せた方が良いって判断したんだろうよ」

 

 

ロックヘッドの言いたいことは、どうやら俺と同じだったらしく、俺が言い終えた後に補足の説明はなかった。

すると、もう俺達が口を開くことはないと確認したのか、榊博士が困ったような小さな笑い声を上げながら眼鏡を直す。

 

 

「いやー、私が言いたいことを大体言われてしまったね。そう、ロックヘッド君やジン君の言うとおりさ」

 

「だから、今回のアラガミの討伐は可能であればなんだ。成功条件がアラガミの外見や行動の確認……そして出来れば体の破片などを採取してそれを持ち帰ること」

 

「それならば、本部から来ているブラッドの方々では駄目なのでしょうか?彼らならば例え感応種だとしても対応は出来ますし、実力も申し分ないと思います」

 

 

榊博士から告げられた今回の未知のアラガミに対する調査の内容に不安を覚えたのかカエデがレオンに吊られたのか、小さく手をあげながら提案する。

しかし、その案は恐らく却下されるだろう。

 

俺の予想通り──とは言ってもカエデ以外の二人も予想出来ていたであろうが──榊博士は首を横に振ってその提案を却下する。

 

 

「すまないね、現在ブラッドの皆には感応種であるマルドゥークを討伐するために動いてもらっている状態でね……この為に動かせないんだ」

 

 

というのは事実ではあるのだろうが恐らく建前であり、現状では感応種と戦うためにはブラッドの存在が必要不可欠で、その貴重な資源を失うわけには行かないのだろう。

なら『感応種を倒すことができる存在』と『感応種に対応する事が出来る存在』であればどちらが優先されるかなんて事は余程の馬鹿かお人好しでなければ簡単すぎる問題だ。

 

もしこのアラガミが感応種であったならばブラッド達を寄越しただろうが、生憎今はそうではない可能性の方が高い。なら先程俺とロックヘッドが言ったように『高い確率を叩き出せる奴』が行くのが現状では比較的マシな判断だろう。

 

 

その事をこの場に居る全員が理解したのか、少しの間沈黙が降りる……。

そして、その沈黙を破ったのは、最初の時のようにロックヘッドだった。

 

 

「……しゃあない。その任務俺は受けるぜ」

 

「「「!!」」」

 

 

信じられない物を見たかのように目を見開くレオン、それに対してロックヘッドは鋭く睨み返す。

 

 

「俺らが降りたところで、新しい候補者が呼ばれるだけだ……なら、現状で一番可能性が高い奴らが行くしかねぇだろ?」

 

 

そう、確かに俺達よりも先に呼ばれた奴らが居るのかもしれないし、もしかしたらそいつらの方が成功する確率が高かったのかもしれない……。

だが、俺達が呼ばれたってことは現在動かす事が出来る人材の中で一番可能性が高いという事。もし、俺達が断れば次に呼ばれる奴らは今よりも成功する確率は更に低くなるのだろう。

 

……人の心を上手く使った汚いやり方だ。だがそれでも自分が行くことで、助かるかもしれない奴らがいるのなら腹を括るしか無いだろう。

自分がいたところよりも1歩前に出て声を発する。

 

 

「俺もその任務を受けるとするかね」

 

「ジ……ジンさんまで」

 

 

困惑したようなレオンに向かって一言だけ、自分の気持ちを述べる。

 

 

「命は惜しいが、俺が行くことで助かる命の方が多いなら行くしかないだろう?……今まで犠牲になった奴らの分も仕事しなきゃならんしね」

 

 

その言葉を聞いて、レオンの表情が変わった。俺よりも若いが、同じくらい修羅場を潜っては来ているし、他の奴よりも優しい分、死んでった奴らに思うところでもあるんだろ。

俺と同じように1歩先に進み、口を開く。

 

 

「……分かりました、俺も行きます」

 

 

その表情は困惑等に染まっていた先程とは違って決意に満ちており、その意思はもう揺るぐ気は無いようだ。

……少し単純すぎて心配だが、まぁこれもコイツの個性としておこう。

まぁ、作戦に参加させるために死んだ奴らを引き合いに出す時点で榊博士の事は悪くは言えないな……。

 

 

──と、3人が参加を表明したわけなんだが……そうなると残るは1人という事で、俺を含めた全員の視線がカエデに向けられる。

向けられた当の本人は既に覚悟が決まっていたようで、閉じていた瞼を開き、強い意思を宿らせた瞳を見せる。そして、1歩前に進み俺達と同じように口を開く。

 

 

「私も参加させていただきます」

 

 

こうして、集められた4人全員が任務の参加を表明した事になる。

これには榊博士も予想していなかったのか驚いたようにその狐のような糸目を微かに開いた数秒後、再び元に戻るが、その代わりに口元には笑みが浮かんでいた。

 

 

「ありがとう。君達ならそう言ってくれると思っていたよ……では、現在分かっているだけの資料を配布するから、確りと目に通しておいて欲しい」

 

「そしてこれは特務として扱う事になる。だからくれぐれも情報を漏らしたりしないようにしてくれ」

 

 

釘を指す一言に全員が静かにうなずく。

そんなことは言われなくても全員が分かっていることだ……しかし、形式上言わなければならない。

 

 

「それらしきアラガミの姿が確認され次第、君達には出撃してもらう事になる。だから今のうちに確りと準備やブリーフィングを忘れないようにしてくれ」

 

「「「「了解!」」」」

 

 

こうして俺達は準備とブリーフィング等を重ねて、今できうる限りの万全の対策を練った。

あとは出目次第だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、この日から約4日後。

 

俺達の元に特務対象となるアラガミらしき影が『贖罪の街』で確認されたとの情報が入る事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回も最後まで読んで頂き、本当に有難う御座います。

いい加減原作キャラと絡ませたいとは思うんですけど、下手したらコレキュウビのところ辺りまで絡まないんじゃ……とか思ってしまってるのでちょっと怖いです。

いや、流石にマルドゥークとかで絡ませるとは思うんですけど……多分。
どうにか気を付けたいですね………。


では、次のお話で。

主人公が次に手に入れるのは?

  • マルドゥークの感応能力及びガントレット
  • カリギュラの仕込み刃
  • スパルタカスの感応能力
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