転生アラガミの日常   作:黒夢羊

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どうも皆様、黒夢羊です。

以前友人に「感動できる系の小説とか無い?」と言われたので、自分の好きな本を幾つか紹介したのですが。
最近返事が来て、どうやら全部泣いたそうです。
感動するといってもな涙が出る作品や、良い意味で何も言えないという作品だって言えます。

皆さんにもオススメの本とか紹介したいという気持ちはあるのですが、やっても良いものか…という感じですね。



では、本編へどうぞ。




第40話 やさしいかいぶつさん

 

──ある日、私は生まれました。

生まれた場所はとっても寒い場所で、辺りが真っ白でした。

 

生まれた私はとっても小さくて、お腹が空いていました。お腹が空いて仕方がなくって、ご飯はないか探しました。

すると、目の前に美味しそうなご飯がありました。

私はそれを食べようとかじりつきました……今思えばそれが大きなミスだったんだなって……でも、正解だったのかなって。

 

 

当時の私がかじったのは大きな大きな怪物でした。

怪物は私の方を向くと大きくガオーッて吠えました、私はそれがとっても怖くて逃げました。

 

私は速く逃げることができたみたいでなんとか追い付かれずに逃げれてたんですけど、行き止まりについてしまいました。

どうしようって思ったら目の前の壁に小さな穴があって、私はそこに逃げ込みました。

 

奥まで逃げ込んだけど、怪物は追いかけてきていて穴を大きな足を使って穴を壊そうとしてました。

どんどん入り口が広くなっていったからとっても怖くてプルプルと震えるだけしかできませんでした。

すると、怪物の向こうから大きな大きな叫び声が聞こえました。

 

 

とってもとっても大きな叫び声。今そこにいる怪物よりもよっぽど怖そうな声。私はますます怖くなってしまいました。

 

でも、その声を聞いた怪物が声の聞こえた方へ向いて、私は助かりました。

それでもまだ近くは離れてなくて、私は怖くて穴の中から外の様子をこっそりと見てました。

 

すると、そこには白い怪物さんがいました。

私を追ってきた怪物と同じくらい……いやそれよりももうちょっとだけ大きな怪物でした。

白い怪物さんは怪物に向かって攻撃してました。

私は思いました。「私を助けてくれてるんだ!」って。

 

そのあと白い怪物さんはやられそうになったけど最後はパンチをたくさんして勝ちました。

怪物さんはお腹が空いたのか倒して怪物をムシャムシャって食べてました。私はお腹が空いていたのを思い出して、こっそり近づいてちょっとだけ食べました。

 

怪物さんはこっちに気付いてないみたいでただひたすらムシャムシャと食べてました。

 

 

だから私は待ちました。怪物さんがご飯を食べ終わるまでしっかりと待ちました。

怪物さんはご飯を食べ終わるとなんにも無かったかのように帰っていこうとしました。私は慌てて尻尾を噛んで私を忘れてるよって知らせようと思って引っ張りました。

 

すると怪物さんは何かに気付いてくれたのか動きを止めるといきなりこっちに振り返りました。

私はそのままかぶりついてた尻尾と一緒にブーンと飛ばされて地面をコロコロと転がっちゃいました。

 

やっぱりなにも気づいてないみたいで、怪物さんはまたまたそのまま帰ろうとしました。

私はさっきみたいに尻尾にかぶりつきました。

すると、怪物さんは今度は尻尾を動かして私を見つけてくれました……私はいきなり動いたから慌ててそれどころじゃなかったけど。

 

それでも怪物さんは私は助けてくれたから連れてってくれるかなって思ったら、怪物さんは私を無視してそのまま帰り始めました!途中何回も尻尾を右に左にブンブン動かすから離れないように必死でかぶりついてました。

 

 

 

それから大分たって怪物さんの寝るとこについたら怪物さんはそのまま寝ちゃいました。

私は暫くどうしたらいいかわからなくてオロオロしてました。

でも外が真っ暗になっていくのを見て怖くなったから怪物さんの腕の中に潜り込んで寝ました。

とっても大きくて安心できました。

 

 

次の日の朝、怪物さんは何やら座ってジーッとしていました。

どうしたんだろうって辺りを動き回っているといきなり怪物さんがこっちを向いて唸り出したからビックリしました。何かしたのかなって思って近寄って聞いてみると唸り声をやめて何も言わなくなりました。

 

その後はずっと怪物さんの足の上でゴロゴロしました。怪物さんの足が思ってたよりもずっと広くて楽しかったです。

それから暫くして怪物さんが動き始めたので、付いていきました。私がついていくと怪物さんは何か困ったように頭を抱えました……でも、少しすると元に戻って私を手の中に入れて2本足の怖い化け物を3匹倒しました。

 

 

そのあと怪物さんは手の中から私を解放してくれました、その時私の視界に映ったのは美味しそうな化け物でした。私は思わず食べようと思ってそちらに向かいます。

 

すぐにたどり着いた私は早速食べようとしましたが、後ろの視線が気になって振り向きました。すると怪物さんがこっちをじっと見ていました。

私はどうしたらいいんだろうと悩みました。でも、まだまだ頭が良くなかったこの頃の私はどう考えても答えが出ずに何回も怪物さんの方を見ることしかできませんでした。

 

私がそれを繰り返していると、怪物さんが私を軽く押してきました。それは「食べて良い」という合図だったんだと思います、けど怒った怪物さんは怖いから本当に良いのかまだ迷ってました。

 

すると怪物さんは化け物内の1つを半分にするとこっちの目の前に置いてくれました。流石にこれは食べても良いと言ってくれているんだなーと思って……でも、怖いからゆっくりと食べました。

そのときに怪物さんを見ても怒ることはしなかったから、本当に大丈夫なんだと安心すると減ったお腹を満たすように食べ続けました。

 

 

今思えばはしたないなーなんて思ったりします。

 

 

その夜、怪物さんは住みかに帰ったら、なにやら炎や雷を出した後に寝てしまいました。

私も寝ようと思いましたが、そこまで眠いという感覚がなくて寝ることが出来ませんでした。その為、怪物さんの辺りをうろうろしたりゴロゴロしていると、不意にお腹が空いてきたのです。

 

でも私じゃあ怪物さんみたいに強くないからご飯を捕まえることも出来ません。だからどうしようかなーと思っていた自分の目に、怪物さんのヒラヒラと小さく動いているマントが入ってきました。

それがとても美味しそうに見えて思わず欠片だけ食べてしまいました……味はとっても美味しくて、もう一回だけ食べようかなーっと口を開こうとした時です。

 

体が熱くなってきて、最終的には火で焼かれるような熱さまでになりました。

熱い!熱い!そう叫ぼうとしても声がでなくて辺りを這いずり回ることしか出来ません。

 

ずっと続くと思えた拷問のような熱は次第に消えていって、その代わり私の体はとても軽くなりました……試しに飛び回って見れば何時もよりも速く動けました。

 

 

それに何よりも驚いたのはその日の朝でした。

私を見た怪物さんがこっちを見て驚いてるのが分かりました……何で分かったかって?

 

それは怪物さんが「驚いてる」って言う気持ちを私が感じ取ったからです!えへん。

どうやら怪物さんから見た私は真っ白になっているようで、怪物さんとお揃いの色らしいです!

 

そんな感じで喜んでいると怪物さんは餌を探しに行く見たいで、私もついていこうとしました。

 

すると怪物さんは私にここで待っていて欲しいみたいだから、待っておこうと思いました……すると、私が怪物さんの考えを分かっていることに驚いたのかそのあと色んなお願いをされました。でも私は全部こなしたのです!えっへん。

 

そのあとお礼の代わりなのか、怪物さんに怪物さんの欠片が食べたいってお願いしたら食べてもいいって。許してくれました!

 

 

 

 

 

……それからは沢山色んなことをしました。

怪物さんと一緒にご飯を食べたり寝たり。ある時は餌を一緒に探したり、ある時は餌を釣るための囮になったりしました。

神機使いっていう怖い人にも襲われたけど、今となっては良い思い出で、こんな日が続くのかなって思ってました。

 

 

 

 

でもある時、怪物さんはボロボロになって帰ってきました……体も心も。

どうやら大事な人を助けられなかった事が辛かったみたいで、その沈んだ思いが私にも伝わってきました。

それでも苛められた相手と同じ人間を助けるなんて、私には分かりません。けど、怪物さんが悲しんでいるのは私も悲しいです。

 

だから怪物さんに届くか分からないけど、一生懸命生きてほしいってお願いしました……すると、怪物さんはこっちを見て不思議そうに考えました。

どうやら怪物さんは生きてくれるみたいです。

ただ、悲しいのが私が怪物さんが居なくなったら困るからっていう考えみたいです……困るんじゃなくて悲しいんです。

 

 

だから私は、怪物さんが困らないように。悲しまないように一生懸命手助けしようって頑張りました。

だからおっきな化け物の誘導だって恐くないって訳じゃないけどへっちゃらでした。

 

 

 

 

怪物さんの欠片を食べれば食べる程、怪物さんの考えていることが詳しく分かってきて、私が怪物さんと同じようにもっと難しく考えることができるようになりました。

だけど怪物さんには私の気持ちがあまり分かりません……怪物さんが考えているのは私の体を怪物さんが食べてないから見たいです。

 

怪物さんが私の体を食べるのを想像すると、ちょっとだけ恥ずかしい、ぽわぽわした気持ちになります。

きっと痛いんだろうけど、でもそれも怪物さんならいいかなぁーって考えちゃうくらいに変な気持ちです。

それがなんなのか私には分からなかったけど、とっても良いことだって思ってました。

 

 

怪物さんといる時間が楽しくて、嬉しくて。

ずっとこの時間が続けばな……って思いました。

 

 

 

 

 

でも……それも終わりみたいです。

 

怪物さんが黒い化け物に襲われている時、助けたいって気持ちだけで動きました。

化け物が吐いた何かが体に当たってとても痛かったけど、怪物さんを守るために頑張りました!えへん。

 

 

……なんて事も怪物さんには伝わらなくて。

ただただ、怪物さんの悲しい気持ちだけが伝わってきました。

 

泣かないで。

私は、怪物さんに泣いてほしくないです。

私は、怪物さんに笑っていてほしいです。

 

 

どんなに私が想っても怪物さんは自分で自分を怒り続けています。

どうすればいいんだろって。悩み続けました……でも、前みたいに私には時間がなくて、段々と私が消えていくような感じがします。

 

それを私は必死に繋ぎ止めて、悲しんだり、怒ったりと忙しい怪物さんに最後の我が儘を言いに行きます。

前に自分を食べてくれたらと考えたとき、とてもポカポカしました……だから私が消えても、私だったものは怪物さんと一緒にいたいです。

 

 

 

 

怪物さんは悩んでました。

私が段々と眠くなって来るときも、ずっと。

 

……起きてるのも辛いです。

だから……もう、寝ちゃいます。

 

 

 

 

 

あ……、どうせなら。

 

最後くらい……褒めて欲しかったなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

……まぁ、仕方ないかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はルイン。

アバドンでもアモルでもない。

ルインっていう素敵な、とっても素敵な名前。

 

 

 

 

こんな素敵な名前をつけてくれて、ありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……そして、おやすみなさい。怪物さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回も最後まで読んで頂き、有り難う御座います。

ルインとはGE2編ではお別れとなります。
感想でもルインが死んだことに対して皆さんが色々と言ってくださり、本当に嬉しかったです。

さてさて、次回は考察回か主人公視点のどちらかになります。
考察は……まぁいつものガバガバ&こじつけですので、どうかお許しください。


では、また次のお話で。

続編があるとしたらどれが良いでしょうか?

  • GE3編
  • IFストーリー編
  • レゾナントオプス編
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