いるかどうかは分かりませんが、待っていてくれた皆様……お待たせしました。
今回は主人公パワーアップ回です……多分。
主人公がどんどん強くなっていくと、それに応じてテキヲ強くしなければならないのですが、ほんわりほのぼの系で行っているこの作品なら特に気にしなくても良いですね(白目)
では、本編へどうぞ。
あれからまぁまぁの時間が過ぎたと思う。
……なんでこんなぼかしたような感じなのかって言うと自分の時間の感覚が少し曖昧になってきているのだ。
いや、考えてみても欲しい。
朝起きてする事と言えば、ひたすら神機とアラガミを探すだけ。
生きるためなら中型や小型をある程度捕食すれば良いし、ヴァジュラくらいなら『強化した能力』で初めて対峙した時とは比べ物にならないくらい速く、そしてダメージを受けずに狩り、捕食することが出来るようになった。
ディアウス・ピターやプリティヴィ・マータなどはまだまだ感応種から手に入れた能力を使わないと勝つことは難しいが、それでも以前に比べて物理的な攻撃手段が増えた為にかなり戦いやすくはなったと思う。
生き抜く力が強くなっていくのは良いのだが、今の自分に足りないのは戦いの経験値だ。
そのために自分と同じ神属に属しているハンニバルやカリギュラと戦いたいのだが、これが中々見つからない……いや、あの憎き黒いカリギュラ以外見かけた事がない。
経験値を手に入れるのなら、手当たり次第にアラガミを倒せば良いと思うかもしれないが、倒したアラガミは残さず腹に納めるのが自分の心情で、この体で変にクアドリガやコンゴウとかを食ってしまい、手足がキャタピラになったり短くなったりしたら困るので、どうしても困ったとき以外は襲わないようにしている。
瓦礫とか草を食うのは最終手段だ。
せっかくここまで厳選とまでは行かないが能力を選んで来たのだから、下手にそこら辺のモノを食って台無しにしないようにしなければならない……まぁ完全に自分の我が儘だ。
それで話を戻すが、一向に自分と同じ神属を見かけないので拠点を移すことにした。
勿論強いアラガミの能力を得るため、戦闘の経験値を手に入れるために動くのだが、その他に『贖罪の街』で遺された神機を段々と発見できなくなってきていた上に、神機使いを見かける頻度が高くなった気がしたので、身の安全も考えてのことだ。
という訳で今自分は『愚者の空母』の辺りで生活をしている。
……前に住んでいたろって思うかもしれないが、ここはあれ以来殆ど脚を運んでいないので、まだここに居ることはバレていないと思う。
そして、またここで遺された神機を集めようと思っていたんだが……予定を変更することに。
今現在、廃ビルに隠れている自分の視線の先に居るのは、トウモロコシのような体にドクロを思わせる頭部を持つ、ハンニバル神属の感応種スパルタカス。
スパルタカスは周囲のアラガミからオラクルを吸収し、己をパワーアップさせるという感応能力を持つ。
これを手に入れれば敵対するアラガミを弱体化させながら、己を強化して戦闘を優位に進めることができるだろう。
欠点としてはオラクルの吸収中は無防備になることだが、そんなもの隠れて行えば良いだけのことだ。
バレたらバレたで逃げるなり、周囲に他のアラガミが居ればイェン・ツィーから手に入れた感応能力を使って壁にして消耗させ、そこにトドメを刺すなり出来るのだから。
……さて、肝心のスパルタカスについては此方に気づいて居ないようなので、相手がここから立ち去る前にさっさと準備を進めるとしよう。
──因みにさっき話していた『強化した能力』の事だが、あれ以来ヴァジュラ神属等を捕食したことで既存の能力が更に強化された……が、それとは別にもう1つ、ようやく使えるようになった能力についてだ。
視界に依然アラガミの死体を頬張るスパルタカスを収めながら、右手を分解&展開させ、再構築する。
最初は幾多の細い黄金の繊維が次第に根元から黒く染まりながら片刃の太剣を形作る。それは何処かデザインされたようなしかし、禍々しい見た目をしており生物的な何かを感じさせる。
その太剣は神機使いであるリンドウが半分アラガミだった際に腕から生み出されたモノとほぼ同形状のものだが、本来のそれとは違うのはそのサイズである。
人であるリンドウが使っていたモノと、アラガミである自分が使っているモノは何倍以上の大きさを誇る。
その神機モドキの峰を屈めた背に乗せ、自身の背後に前よりも遥かに量が増えた炎球を従わせる。
そして『仕込み』が終わったことを確認すると姿を隠していた廃ビルから飛び出し、スパルタカスへと突撃する。
此方に気づいたスパルタカスが吠えるが、それを無視し
てスパルタカスの周囲から氷の柱を体の合間を縫うように発生させる。
パズルのように腕や脚を抑える氷柱に一瞬動きが止まるスパルタカスだが、止まったのはあくまで一瞬の事。
黄金の体を強引に振るい、氷柱を破壊する。
だが、一瞬止まったのなら良い。
自分の背後に従わせていた炎球の約半分を接近しながらスパルタカスに向けて放つ。
氷柱から抜け出した直後のスパルタカスに、弾丸のような速度で迫る炎球を避けることは出来ず、防御の姿勢をとることすら出来ないまま全てその体で受けてしまう。
そして炎の弾幕を受けて怯んだスパルタカスに片手で逆袈裟斬りを入れると、スパルタカスから鮮血が飛び散り、太剣の刃先に微量ながら肉片が付着する。
苦悶の声をあげながらバックステップするスパルタカスに追い討ちをかけるように残った炎球を放つ。
今度は後方に下がりながらも確りと両腕を交差させ炎の弾幕から身を守る……が、弱点の属性でもあるためにそのダメージは決して軽いものではない。
スパルタカスが地面に着地したのと同時に自分は地面を蹴り、接近する。普段なら届かない間合いであっても神機を用いれば充分攻撃範囲内に届く。
神機に炎を纏わせ片手で今度は袈裟斬り。
見事に刃の中央辺りから食い込んだので左腕も使い、そのまま一気に腹部の辺りまで神機を食い込ませる。
神機で体を裂かれ、炎で肉が焼かれ……と相手からしてみれば散々だが、この世界ではなにもしなければ死ぬは自分なのだ。
ならば仕方ない。
流石に腹の辺りまで来ると刃が通り辛くなり、そのまま食い込んでいる部位を焼きながら引き抜く。
するとスパルタカスは本体と別れを告げそうになっている左腕を必死に繋ぎ止めながら、自身の能力であるオラクルの吸収を始める。
少しずつ力が抜けていくのが分かるが、そう易々とさせる訳には行かないので顔面を左手で掴むと、そのまま持ち上げて勢いを付けながら地面にめり込ませる。
すると、抜けて行った力が体に戻ってくるような感覚を感じる……というかそんな簡単に解除出来るのか。
やはり不遇なアラガミだ……、まだ一部でマスコット的扱いのグボロの方がマシなのではないか。
そう思いつつも気絶したのか動く気配のないスパルタカスにトドメを刺すために神機で腹を貫き、そのまま引き抜く。
そして、スパルタカスの感応能力をイメージしながら久々に新しいアラガミの肉にありつくのだった。
……因みに味はキムチで炒めたというか、ちょっとピリ辛な肉だった。
───────────────
「おらー!いい加減止まったらどうだ!」
……どうしてこんなことになったのだろうか。
背後から迫る敵の気配と殺意……そして声を感じ、聞きながら黄金の毛並みを持つ『彼女』は走る。
きっかけは自分の仲間が今住んでいるところから抜け出し、外の世界へ行こうとしたのに付いていった事からだった。
よく分からない建造物や、景色に驚きを覚えていた彼女はそのまま仲間とはぐれて居た所を昔得た知識にある『ゴッドイーター』とおもわしき人間がいきなり襲いかかって来た。
──そして、今に至る。
どれだけ引き離しても次々に現れる、現れる。彼女からしてみれば鬱陶しいことこの上なかった。
その中でもヤバイのが金色の腕、白い剣、赤い剣……この特徴を持つゴッドイーターだ。
コイツらだけは他のを引き離しても未だに自分を追いかけている。
特に金色と白のはヤバイ。赤はまだ対処できるが、金と白は今の彼女では本調子であったとしてもマトモな相手出来るかどうか怪しかった。
故に今彼女に出来ることは背後に向けてレーザーをやたらめったらに放ち、動きを遅くするだけ。
幸い、あの3人のゴッドイーター以外は撒けたようで、その姿をみることは無くなった。
この調子ならあの3人もどうにか撒ける筈だ。
暫く自分の命がかかった鬼ごっこを続けていた彼女は普段なら感じない疲労感を覚えていた。
しかし、いつあの化け物が襲ってくるか分からない以上、早めに仲間との合流を終えてもといた住み処へと戻るべきだろう。
そう思い、彼女は疲れた体に鞭を打ちながら再びこの世界を駆け抜けるのだった。
───────────────
「ふふふ……」
己以外が存在しない部屋で儚げな美女は微笑む。
それは何も知らぬ可愛い我が子に対してか、それとも胸に宿るこの熱さを教えてくれた紫白の荒神か。
それは彼女にしか分からない。
暫く微笑み続けていた彼女は何を思ったのか、自分が座る車椅子を動かし、自らが操る機材の前へと向かう。
「ジュリウスには悪いですが……少しだけあの方に味方させてもらいましょう」
そう言いながらパネルやら何やら、何も知らぬ者が見れば理解が出来ないであろう数のシステムを解除し、そこで飼われていた『ナニか』達を解き放つ。
それを確認した彼女は再び満足げな微笑みを浮かべながら一言呟く。
「これは貴方様への供物……貴方様が完全なる身へと至るための果実達です……どうか、受け取ってください」
彼女からしてみればそれは愛を込めた贈り物で、もしそれがバレンタイン等に渡されるチョコ等であればどれだけ可愛らしかっただろう。
しかし、解き放たれたのは人類に仇なす者。
決して可愛らしさなどは感じないし、感じることすら出来ない。
彼女の脳内に思い浮かぶのはこの星が使わしたと言わんばかりの禍々しい紫白の翼と天輪を持つかの神の姿。
それがまだ人間でいう胎児の状態であることがもどかしくて堪らない。
だから彼女は贈るのだ。
彼という胎児を、生命を再分配する成人へと成すための供物という名の果実を。
「さぁ、私達も負けてられませんよジュリウス……フ、フフフ……」
今回も最後まで読んでいただき有り難う御座います。
あの人の口調って何処までだったらOKなんですかね……というか喋りすぎですかね?
彼女の言う供物がなんなのかはご想像にお任せします、本編に出てくるかどうか分かりませんし。
あと思ったんですけど、主人公レーザーとか無くてもオラクル球を弾丸のように放てるんで充分でしたね。
では、また次の話で。
続編があるとしたらどれが良いでしょうか?
-
GE3編
-
IFストーリー編
-
レゾナントオプス編