転生アラガミの日常   作:黒夢羊

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どうも皆様、黒夢羊です。

更新が遅くなってしまい申し訳ありません。
今回は苦手な戦闘パートと言うこともあり書き終わるのに時間がかかってしまいました。
しかし時間に反して内容は読み辛いものになっている可能性が高いので、そこはどうかお許しください。


では、本編へどうぞ。


第54話 狂イ血濡レ求メル黒之草薙

まずはまだ生きている周囲のアラガミを盾にしつつスサノオの弱点である神の属性球を複数生成し、狙うはど真ん中の胴体も兼ねている口。

確か口は貫通が弱点だった筈……なので属性球の形状を球から氷柱のように先端を尖らせたものへと変化させる。

 

仕込みを終えると黒いスサノオに円上に群がるアラガミの壁を飛び越え、スサノオの視覚から外れると同時に上空から炎の噴出を利用した蹴りを相手の顔面に入れる。

スサノオは他のアラガミの対処に意識を裂かれていた為に見事に蹴りは決まり、憤怒に歪んでいる人面がよりグシャアと歪む。

 

そして今しがた蹴りをかまして絶賛歪んでいる最中のスサノオの顔面を踏み台にしながら、そのまま再度上空へと高く飛び上がる。

中々の速度と威力を込めた蹴りだったのだが、黒いスサノオはそんなもの知ったことかと言うように体勢を直ぐ様立て直すと、両腕の神機を空中で無防備を晒している此方へと向ける…………すると、真紅に染まった神機の内部が淡い赤の光を放ち始めていき、それは次第に強まっていく。

 

 

恐らくはスサノオの攻撃の1つであるレーザーだろう。相手の攻撃力がどのくらいのモノか分からない現状だと、敢えて受けてみるのも1つの手ではあるがリスクが高すぎるので却下──なので漆黒の神機から未知数のレーザーが放たれる前に迎撃と、本命の攻撃を通すことに決定。

 

空中で数発の神属性の球を作り、スサノオの顔面に向けて放つ。しかし、即席だが通常の大型アラガミでさえそこそこの威力が期待できる属性球は眼科で赤く神機を光らすスサノオには一切効く気配が無い。

だが、それはあくまでも囮であり本命ではない。

──直後。上空へ両腕と顔を向けていた黒いスサノオの体が大きく揺れる。

それの正体は先程戦う前に作り上げていた貫通と神属性を持つ属性球……いや、この場合は属性弾と言った方がいいだろうか。それが当初の目的通り相手の口へと全弾命中したのだ。

 

 

……最初に作った属性弾をその場に待機させ、自身のみで攻撃を仕掛け、意識を此方へと向けさせる。そして隙の出来た場所へ待機させていた属性弾を発射させる。

まぁ、言ってしまえば簡単な事だ。誰でも思い付きそうな方法だろう……実現可能かはほっといて。

 

そして全弾命中し、怯んだスサノオに上空から襲いかか──

 

「グルゥアアアッ!!」

「ッ!?」

 

──ろうと、背部のマントから炎を噴出させて接近しようとしたその時。属性弾が命中し、その威力で下がっていた両腕の神機が再び持ち上がり、漆黒の顋を命一杯に広げ、迫る自分を喰らおうとして来た。

先程特徴的な音と共に抉るように綺麗さっぱりその箇所だけ姿を消したビルが頭の中をよぎる。

そして状況を明確に理解した体の全細胞が危険信号を発し、マントからの噴出を停止。そして両手からガルムから得た爆発を用いて強引に着地する方向を変更する。

 

出来るだけスサノオから距離を開けて着地。そしてスサノオの方へ視線を向けると、視界の殆どが真紅で埋め尽くされる。

咄嗟の判断で左手から爆発を起こして体ごと左に逸れると、その横をスサノオの伸びた黒い神機が通りすぎる。

 

 

……おいおい、伸びるってのは分かってはいたが、その神機何処まで伸びるんだ、フ○フルかよ。

思わずそう内心で呟くが無理もない。今自分が居た箇所から神機を伸ばしたスサノオまでの距離はおおよそヴァジュラ2体分以上はある。そんな距離まで神機が届く程に伸縮性があるなんぞ想定しているわけがないだろう。

 

延びきった神機を戻すスサノオを見つめながら必死に頭を回転させる。

──全弾命中した口は、一定のダメージが見られるが結合崩壊してはいない……と言うことは、耐久力は通常のスサノオ2体分かそれ以上で、あの黒いカリギュラ以下と考えるべきか。

あのまま属性弾による攻撃を加えていけば、安全をある程度確保しながら間違いなく結合崩壊は狙えるが、その前に自分の強化が切れてしまう可能性が高い。

ならより強く、早くダメージを与えられる接近戦で行くか?……しかし、接近戦になれば間違いなくあの神機による攻撃が待ち構えている。あの神機の跡形もなく消し去る攻撃を常に警戒し続けながら立ち回らないといけないのはかなり辛いものがある。それに、尾が変化した剣に至っては未だに攻撃に使用していない為、その脅威は未知数。

 

 

 

 

どちらを取っても自分にとってあまりよろしくない状況になるのは分かりたくはないが分かった……ならば、この身体強化が続いている今の内に決着をつけるべきだろう。

そう結論を付けると、再び自分を喰らおうと伸びてきた神機を避け、両腕と両足に紫の炎を纏いながら円を描くようにスサノオへと向かって走る。

 

スサノオが伸びた腕を戻す頃には間近へ到達し、がら空きの胴体へ拳を叩き込もうとするが、その隙を消すために尾を使った回転切りを相手が放つ。

足元を狙ったそれを飛び上がり回避すると、そのまま右足の蹴りをスサノオの頭部へめり込ませ、直ぐ様両手から爆発を起こしてその場から離脱する。

空中を漂う数秒の間に神属性の球を複数作りだし、それを頭部へ向けて放ち、奴がそれに対処している間に着地する。

 

 

そして着地するとほぼ同時に地面を蹴り、再度スサノオへ接近する。自分が近寄るのを防ごうと2つの神機がその真紅の顋を広げて迎撃してくるが、強化された感覚をフル動員し、ギリギリの所で避けながら本体へと近づく。

そしてがら空きになった胴体へ拳を叩き込み、めり込んだ拳をそのまま喰らおうと本来の口がガバリと開き、此方へと向かって来たので直ぐ様腕を引き、嫌がらせも含めて口の至近距離でかなり強めの爆発を起こし、後方へと下がる。

 

……黒いスサノオの反応速度が思ったよりも早い。

全体的なスピードが高いこともあって、ある程度予測はしていたが、その想像よりも早い。

折角近づいても1発、良くて2発攻撃を当てることが限界だ。他のアラガミなら先程や開幕にかました蹴りを食らえば大なり小なり怯む筈なのだが、目の前のコイツは怯む様子すら無い。

 

怯むことが無いから直ぐに攻撃へと転じてくる……1発与えることにあの神機を始めとした攻撃に身が晒されるのは此方が与えるダメージ量と受けるリスクが見合っていない。

やはりここは遠距離からじっくりと結合崩壊を狙い、傷口に塩を塗り込むようにそこから崩していくべきだろうか……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──いや、そもそも結合崩壊を狙う必要はないんじゃ無いか?

 

そう……ここは自分が知っているゲームだった頃のGOD EATERの世界じゃない。

ならばゲームでは出来なかった事もできる筈だ……いや、出来る。現に今ここに生きている自分という存在がその証拠だ。

 

 

さて、そうと決まったのなら強化された体が維持されている間に勝負を決めにいかなければならない。

しびれを切らしたのか低く屈み、その後こちらへ向けて大きく跳躍し襲いかかってきたスサノオを炎の噴出と持ち前の俊足によって、宙を飛ぶその下をくぐり抜けていき、がら空きの背後目掛けて数発属性弾を放ち、真紅の鬣に全弾を命中させる。

流石にガルムやマルドゥーク、その2体の能力を手に入れた自分のように空中で爆破などを起こし方向を無理矢理変更する……何てことは出来ないようで、なすがままに受けた後に地面へ着地し、此方が『居た方向へ』振り向く。

 

しかし、スサノオは自分の姿を捉えては居ないだろう。それもそのはず、先ほど属性弾を放った後に空中へ飛び上がり、現在スサノオのほぼ真上にいるからだ。

自分の姿が見えない為に周囲を見渡しているスサノオだが、まだこちらに気づかれる訳にはいかない。

 

スサノオを中心にして四方八方から実態を持ち、先端が鋭利な氷柱を作り出し、スサノオに向けて飛び出させる。

それを尾を使った回転切りでなんなく対処したスサノオだが、お陰で此方に気付く時間を稼げた。

高く飛び上がった上空から落下していく中で砕け散っていく氷柱を眺めながら、両腕を分解させ、再構築していく。装飾のなされた黄金の籠手と純白の外皮を残しながら、バラバラになった細かい繊維が再び纏まっていき2振りの歪な……しかし、切れ味は高そうな太剣へと姿を変える。

 

 

いまだに此方に気付いていないスサノオの目掛けて背部のマントから炎を噴出させ、急加速する。

炎が噴出する音に気付いたのか、ようやくスサノオが上空の此方に気付き、迎撃をしようとその腕を持ち上げようとする──が、もう遅い。

目標は右腕の付け根。炎によって加速し続ける中で右腕を大きく振りかぶり、もはや自分と相手がすれ違う寸前と言うところで思いっきり上げた腕を降り下ろす。

 

そして、降り下ろされた腕──太剣の刃がスサノオの胴体と右腕を切り離し、切り離された腕が宙を舞う。

 

 

 

──だが、まだ終わらない。

 

 

 

勢いのまま滑って行きそうな体を地面に突き刺すようにおろした両脚と背面のマントをうまく利用し、体を左に急旋回させ、今度はまだ何が起こったのかを理解できていないのか、そのまま突っ立っているスサノオの左腕目掛けて左の太剣を背後から切り上げて体と左腕を右腕同様に切り離す。

 

 

それが終わると直ぐ様両腕を元に戻し、地面に落ちている2本の神機付きの腕を拾うと、相手がまだ呆然としている間に捕食を開始する。

バリバリと、味わう暇も無く、ただひたすらに切り離した2本を体内に取り込む為だけに、喰らう。

 

そうして自分が黒いスサノオの両腕を喰らい終わったのとほぼ同時に、絶叫に近い叫び声が響く。

 

「ヴギァアアアアァァァァァヴヴヴヴィィィィィアアアアアアアアアアアアアアアァァァアアアアアッ!!」

 

すわっ!来るか!!……とも思ったが奴の最大の脅威である神機は既に潰した。そうなれば幾ら従来のアラガミよりも素早いと言えど手数が一気に減ったのだからどうとでもなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……しかし、自分は気付くべきだった。

自分が有利な状況に持ち込んだ時にそれを解説するってことは一種のフラグということに。

 

叫び声を上げていたスサノオだが、次第にその叫びは低く、そして恨みを吐き出すような唸り声に変わっていった。

 

「ギュアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

 

その唸りに呼応するようにスサノオの体から紅い閃光が放たれ、ミシミシ……という鈍い音が鳴り始める。

 

次第にその音は強くなっていき、それに比例するように切り離した2つの切り口がボコボコと膨れ上がる。

 

 

ア………アアアアギィアアアアア!!

 

そして唸りが再び叫びへと変わり、スサノオが叫び終わると同時に膨れ上がった切り口から腕が生える。

 

しかし、生えてきた腕は2本1対では無く。

4本2対の漆黒の神機が此方へ口を開き、真紅の口内を見せる。

そして本体はうつ向いていた人面を上げていく。

憤怒に歪んだ人面は今だ変わらず……だが、そこにどこか狂気じみたものが混じったように感じるのは自分だけだろうか。

 

 

 

 

……おいおい、洒落になってないぞこれは。

 

 

 

内心で冷や汗が止まらない自分を知ってか知らずか、黒き4腕の神はどす黒い咆哮を挙げた。

 

 

 

 

 




今回も最後まで読んで頂き本当に有難うございます。

黒いスサノオの強さは黒いカリギュラがSSSだとしたらSS~SS+位だと勝手に位置付けてます。
取り敢えずこの作品最強は将来の主人公と黒いカリギュラです……今のところは。

次回も多分戦闘パートになるので更新が遅れると思います……早く新ヒロインを出したい。


それでは短いですが、また次のお話で。

後日談的なのをネタバレ覚悟で先に書いてしまっても

  • 構わんよ
  • やめろぉぉぉぉぉぉぉ!
  • ネタバレしない程度にお願い
  • そんなことより更新頻度を高めるんだっ!
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