転生アラガミの日常   作:黒夢羊

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どうも皆様、黒夢羊です。

まずは謝罪を。
投稿が遅れてしまい申し訳ありませんでした。
遅れた理由としては単に私のモチベが下がってしまったのがありまして、とある作品を読んでモチベが復活したので突貫でこれを書きました。

なのでかなりおかしな部分があると思いますがどうかお許しください。
次回の投稿はまた遅れると思います。



それでは本編へどうぞ。




第55話 鬼人形遊び

 

 

「ギィアアアア!」

 

辺りを震わすような絶叫を上げ、2つから4つへと増殖した神機を携えた漆黒のスサノオが此方へ迷うこと無く突進してくる。

 

そして自分との距離がある程度縮まった所で右腕の神機の1つが口を大きく開き、此方を捕食しようと迫る。

それを横に逸れることで回避し、両手を短剣へと変化させ神属性宿らせた紫炎を纏わせる。

そして続けざまに迫る左の神機をバックステップで躱すと同時に神機の側面を切りつける。

 

切り口から鮮血が飛び散り、剣に纏っていた紫炎が神機の表面を焼き、神機の表面が爛れていきながら異臭を放つ。

それを確認しながら、着地時を狙った右側の2つ目の神機の攻撃をマントから前面に炎を噴出させ強引に体を後方に下げる事でなんとか避ける。

 

距離を空けてほっとしたのも束の間。

スサノオが振るった神機を構え直したと思えば、神機の4つの口全てから赤い光が漏れ始め──

 

 

 

──って、おいおい!それは洒落になってない!

直ぐ様両手を元に戻しながら、先程同様マントから炎を噴出させて後方へと下がって行き、ビルとビルの合間の道へと退避する。

自分が退避した直後に極太のレーザーが通り過ぎていく。

 

……威力は見るからにヤバイ上にさっきよりもチャージ時間は早まってないか?

いや、先程は出す前に何とかしたから確定は言えないが。

取り敢えず、奴から逃げるなら視界から消えた今がチャンスだろう……だが、このままだとレア博士の方へ向かってしまうとも限らない。

かといってこのままコイツと戦っても身体強化が解けるのも時間の問題だし、ブラッド隊が到着すると、ブラッド隊とコイツを同時に相手にしないといけなくなる可能性がある。

そう考えるとこのまま撤退した方が良いだろう。

 

 

 

 

 

──けど、ブラッドの皆が万が一コイツと戦って負傷してしまったらどうする?今後の展開に大きな不安要素を残してしまうだろう。考え過ぎかもしれないが、終末捕食を防ぐことが出来なくなるかもしれない。

 

ならば、自分がここでアイツの相手をして遠ざけるのが理想だろうか。

強化が切れた元々のスペックで戦えるのかも試してみたいが、前の2本腕ならまだしも4本腕の状態の相手と戦うのはかなりリスクが高い。

……やはり、スサノオを何処か撒きやすい場所へ誘導して撤退するべきだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────

 

 

 

 

幾ら身体能力が既存の個体から大幅に強化されているといっても思考はやはりアラガミなのか、こちらが隠れた場所へ追撃しには行ったが、そこからは自分を見失ったことに苛立ちを感じているのか神機で捕食したり、尾の剣で切りつけたりと手当たり次第に暴れている。

 

その光景を見るに此方を感知するようなセンサー的な能力は備わって居ないわけだ。

 

 

暴れているスサノオの背後へ属性球を撃ち込み、自分を認知させるとそのまま此方へ放たれるレーザーを避けながら奥へ奥へと進んでいく。

目指すのはかつて自分が特訓をしていたあの場所。

ブラッド隊との命を懸けた鬼ごっこをした通路を通り過ぎていきながら目的の場所へと向かう。

 

 

そして、スサノオよりも先に広場にたどり着いた自分は前方に多数の属性球を放ちビルの合間へと再び隠れる。

属性球の対処に気を取られたスサノオは再び自分を見失なったことで広場のビルや地面に向けてレーザーを放つなど暴れていたが、暫くすると突然糸の切れた人形のようにピタッ、と動きを止めた。

 

一体何が起きた……?

そうやって自分が注意深く観察していると、先程の暴れっぷりとはうって変わったように静かに、先程と走って来た道とは別の方向へノシノシと戻っていった。

 

 

 

 

取り敢えず、一件落着……なのか?

スサノオが向かった方向にはレア博士とかは居なかった筈……。

ひとまずほっ、と安心したのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

『フフフ……』

 

 

 

「っ!?」

 

 

ゾクッ!と何故だが分からないが、全身に寒気が走った。

すわ!新しい敵か……と辺りを見回して見るが黒いスサノオが去った今、周囲には前に自分が作り出したものと、あるのは先のスサノオとのチェイスと奴が暴れ回ったお陰でボロボロになったビル達だけ。

先程のスサノオのような新たなアラガミの姿は確認することはできない。

 

……さっさとここを離れよう。

寒気は消えたが、変わりに誰かに見られている……というか観察されているような気持ち悪い感覚が自分を襲い。それから逃れる為、足早に『』を去ることにした。

 

 

 

 

───────────────

 

 

 

 

ブラッド達の元拠点であり、極致化技術開発局そのものでもある移動支部『フライア』の局長室のすぐ近くにあるとある部屋では、部屋の主である金髪の女性が車椅子から若干身を乗り出しながら画面に映し出された1体のアラガミを恍惚の表情で見つめていた。

 

それは端から見れば恋する乙女……というよりも最早ストーカーとかそんなレベルにまで達している……まぁ、一言で言えば「コイツ、絶対にヤバイ」感をこれでもかと感じることができる。

 

 

そんな何を想像しているのか、画面に映るアラガミへ手を伸ばしながら彼女は更に顔を蕩けさせて──

 

 

「ラケル先生、失礼します」

 

扉の向こうから声が聞こえると同時に普段の彼女──ラケル・クラウディウスの動きからは想像もできないような速度でアラガミの映像を消し、何事も無かったかのように扉の方へと向き直る。

 

「……あら、いらっしゃい。ジュリウス」

 

開いた扉の先には愛しい愛しい自分のジュリウスが立っていた。これが他の有象無象であれば、自分が始めて惚れた相手との(彼女からの一方的すぎる)逢瀬の時間を邪魔された事で、少々微笑みを浮かべるのに時間がかかってしまっただろうが、愛しい我が子であれば話は別だ。

 

何があったのだろうかと我が子から投げ掛けられるであろう問いに答える準備をするが、目の前のジュリウスは一向に語ろうとしない。

 

「…………ジュリウス?どうかしましたか?」

 

何か言いにくいことがあるのだろうか、と思った彼女は優しく……それこそ聖母のように愛しい我が子へと聞く。

ラケルの言葉を聞いたジュリウスはハッ、とするとどう口に表していいのか少し悩んだ末に喋り始めた。

 

「何か良いことでもあったのか……と思ってな」

「……はい?」

 

ラケルはそう思わず聞き返す。

良いこと?それは勿論現在進行形で愛しい我が子が会いに来てくれた事が良いことだし、今のところ計画だって順調に進んでいる為に、彼女からしてみれば基本的に良いことずくめである。

だが、ジュリウスが言いたいことはちょっと違ったようで、再びどう言うのかを少しの間悩み口に出す。

 

「……いや、何時もとは違う表情をしていたからな……何と言えばいいのか」

 

今だどう表現していいのか悩み続けるジュリウスに反して、ラケルは納得がいった。

どうやら久々に彼の勇ましい姿を見たことで興奮やら喜びが隠せていなかったらしい。彼を気にし始めた頃に姉に何時もと様子が違うことを気取られてからは出来る限り誤魔化してきたのだが、少々気が緩みすぎていたらしい。

 

ラケルは再びジュリウスに微笑むと車椅子を再度反転させ、壁に取り付けられた巨大な画面へと顔を向ける。そこにはつい先程まで彼が『お人形』と戦う姿が映し出されていた場所。

ラケルは口を緩ませると、愛しいジュリウスへ向けて語りかける。

 

「実はですね、ジュリウス。貴方達ブラッドの父と言うべき方が居るのですよ」

「……ブラッドの父…ですか?」

 

ジュリウスの返しに、嬉しさを隠しきれずに答える。

 

「ええ……今はまだお身体が万全では無い為、会うことはできませんが、いつかきっと貴方達に紹介しますよ」

「それは、楽しみにしておきます」

 

 

 

 

───────────────

 

 

 

 

それから元々の目的であった神機兵の進歩状況を報告したジュリウスは部屋を後にする。

そして残ったのは再び彼女だけ。

 

「────フ、」

 

暫くして彼女の口から笑みが溢れる。

 

「──フ、フフフ」

 

笑みはだんだんと深まっていき、その青い瞳はどす黒く……それでいて澄みきったように染まる。

 

 

そうだ、何時かは彼をあの子達に紹介するべきだろう。

それが果たして間に合うかどうかは別として。

 

「それにしても……お人形にしては少々強すぎましたかね?」

 

再び映し出された特異種の映像を見つめながら、彼女は呟く。

彼女の想定とは少々違い、彼は自分が用意した実を食べること無くそのまま立ち去ってしまった。

実はまだまだあると言うのに。

 

「フフフ……存外、貴方は恥ずかしがり屋なのかもしれませんね」

 

本人が聞いたら的はずれもいいところだ、と文句を言いそうな呟きを漏らしながら彼女は計画の準備を進める。

 

 

 




今回も最後まで読んでいただき、本当に有難うございます。


個人的にインフレした主人公と対等に戦うにはインフレしたアラガミを用意しないと……と、思った結果があのスサノオです。
……まぁ原作主人公達はそれ以上に化け物なんですけど。

次回はおそらく極東支部サイドになると思います。
あとできれば新ヒロインサイドもかけたら書きたいです……。


それではまた次のお話で。

後日談的なのをネタバレ覚悟で先に書いてしまっても

  • 構わんよ
  • やめろぉぉぉぉぉぉぉ!
  • ネタバレしない程度にお願い
  • そんなことより更新頻度を高めるんだっ!
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