お待たせしました。
待ってなかったら大変申し訳ございません。
それではどうぞー。
あの後、僕達ブラッドは無事にレア博士を救助し、極東支部へと連れて帰った。
……何故フライアを後にして、護衛もつけずにあんなところに居たのか。今フライアはどうなっているのか、ジュリウス達はどうしているのか。等々聞きたいことは沢山あったが、アラガミに追いかけられ続けた事によって精神が不安定になっている為に心を落ち着ける期間を設けることにした。
そして先程レア博士への最初の尋問(シエル曰く)が終わった所で、その内容を僕達は榊博士へと報告した。
「成る程、白いハンニバルがレア博士を助けた……と。非常に興味深い話だね」
眼鏡の位置を直しながらそう口にする榊博士。
どことなく嬉しそうな感じがするのは僕の気のせいだろうか。そう疑問に思っている間に榊博士は話の続きをつらつらと述べていく。
「オラクル細胞は物質をなんでも捕喰するという特性を持っている。だから例えオラクル細胞を持っていない人間であっても捕喰の対象になる……だが、その白いハンニバルは間違いなく特異種だと思うけど、発見したであろうレア博士を捕喰しなかった……それはどうしてだろうね?」
突如投げ掛けられた博士の問いかけに、少し頭を悩ませたのちに答えを出す。
「お腹がいっぱいだったから……ですかね?」
「成る程、ヒロ君の意見は確かにそう考えられるものだね。幾らオラクル細胞がなんでも捕喰すると言っても1つ1つ細胞が持つ容量には限界があるかもしれない、だから獲物であるレア博士を見つけても捕喰する気にならなかった……というのは十分にあり得るだろうね……シエル君はどう思うかな?」
僕の意見に頷きながらそう返してきた博士は、続いてシエルに対して質問を投げ掛ける。
少しだけ考えて答えを出した僕と違って、だいぶ考える時間を作り、シエルは答えを出した。
「そのアラガミ独自の偏食傾向が関わっているのではないでしょうか。より具体的に言えば、捕喰する対象に優劣をつけている……とか」
「ふむ、シエル君の意見も的を得ているね……アラガミの中には特定の物質や生物を中心に捕喰したり、よりオラクルが強いものに興味を示す個体が確認されているから、特異種がシエル君が言ったような習性を持っていても何らおかしくない」
博士はそう言い終えると、部屋の隅にある扉のようなモノへと視線をチラッと向け、再び僕らの方へと向き直る。
「確かに、二人の言った可能性は十分に考えられるし、レア博士が目があったように感じただけで見つかってなかっただけかもしれない……だけど、こうも考えられないかな?『特異種は人間を捕喰の対象として認識していない』……と」
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自室のシャワーを浴びてスッキリした後にベットに飛び込み、先程の報告をしに行った時の事を思い出す。
「いやー、さっきの榊博士には驚かされたなぁ」
『特異種は人間を捕食の対象として認識していない』。
言われてみれば僕らが相対した時も僕らの方が先に攻撃はしていて、あちらからは攻撃はしていない。
……他の時は分からないけど、確かにあのアラガミは自分から進んで人間を攻撃しているような感じではなかったと思う。
だって僕らと戦い、僕らが動けなくなった時も特異種は捕食することなく何処かへ帰っていったし。
「……本当にそうなのかなぁ?」
思わずそう呟く。
僕が今まで出会ってきたアラガミは全てが人間を捕食の対象として見ていた。実際に食われそうになって死にかけたこともあった……それに、アラガミに大事な仲間を殺された。
いきなりそんな事を言われても信じろ、というのが無理な話だ。
アラガミは人類の敵。
それがこの世界の常識なのだから。
実際にシエルは「そんなことはあり得ません」と言ってたし。
その発言をした博士だって、「あくまでもそう言う可能性があるだけの話」って言ってたしなぁ……。
まぁ、でも。
戦わなくて良いのならそっちの方が良いに決まってる。
今はまだ信じることは出来ないけど、可能性を考えて動くことはできる。
アラガミと戦わなくて良い世界。
そんなあり得ない、夢のような世界の可能性を考えた僕は疲れをとる為に瞳を閉じた。
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黒いスサノオが何処かへ消えていき、謎の寒気を覚えた自分は直ぐ様その場を離れ、寝床へと戻ってきた。
あのスサノオと戦って思ったことだが、十分に戦える力は付いている……ぶっちゃけるとアラガミの中でもかなり上位の強さなんじゃないか?
強くなればなるほど神機使いに目をつけられる……っていうとてつもないデメリットがあるけど、逆に強くならなければ他のアラガミに捕食されるわ、神機使いに処理されるわ……ってどっちに転んでも最悪だな。
まぁ、そうなるなら強くなって撃退できるようにならなきゃいけないよなぁ。
……でも、初代主人公は言わずもがな、リンドウさんにソーマさん、それにブラッドレイジとかいうチート状態になる2代目主人公を余裕で撃退できるような強さって何処までいけば良いのか……と思うが、そこまでの強さにならなければあの黒いカリギュラには勝てなさそうだしな。
今は神機を喰らい続けて神機に対しての耐性とか腕の武器化を出来るようになったけども……最近神機を喰らい過ぎたからか遺された神機が見当たらなくなってきたんだよなぁ。
確かに残っているのは残っているけど、回収を始めた時よりも遥かに見つけにくくなってる。
……不安だけどちょっとだけ遠出をするべきだろうか?ここ最近近場しか回ってなかったのもあるし、あまり足を運んだことの無い所へ行けば神機も見つかりやすいかもしれない。
そんなわけで今回は『嘆きの平原』にやって来ました。
円状の広場の中心にある、あの竜巻みたいなのはゲームの時から存在感があったが、こうしてリアルで見ると凄いな……。
離れているここまで風を感じる辺り、やはり竜巻か何かなのだろうか?いやでもそうだったら回りの物は吹っ飛んでるだろうしなぁ……。
って、そんなことを考えてる暇は無い。さっさと遺された神機を探さなければ。
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──今日で何度目だ。
度重なる人間の襲撃に怒りと苛立ちを覚えながら妾は跳ねる勢いで地面を蹴り、荒廃した建造物の合間を縫うように走る。
仲間と外を見に来たのは良いものの、人間の集団に襲撃を受け、散り散りになってしまった。
仲間達は無事なのだろうか……そう姿の見えない同族の心配をするが、それも一瞬のうち。己の横スレスレを掠めていった銃弾が、自分の心配をしろとでも言うように意識を現状を乗り越えることに移させる。
身の丈に及ぶ武器を持った神機使いであろう数名が撒いても撒いても、どういう方法を使っているのか分からないが隠れている己を見つけ出し、襲ってくる。
そのせいで録に眠れておらず、常に動かし続けてきた体もそろそろ限界が近づいている。
ここは戦うか?……いや、それは得策ではないだろう。相手はこちらと違い複数で、増援だってあり得る。
それに何よりもあの中の一人が桁違いに強いのだ、金の籠手のようなものをつけた人間の雄。
あれがいる間はまともに戦ってはならないと、本能が告げていた。
他にもあの雄と拮抗する実力を持つ人間は居たが、交代制なのか、それとも別の箇所を捜索していたのかは分からないが今はその姿を見かけない。
だが、妾が見つかっている今、奴らが情報を聞きつけ再び此方へとやって来て挟み撃ちなんてことになるかもしれない。
八方塞がりか……そう思いながらビル群を抜けて大きな円状の広場へと降り立つ。
後ろからはやはり人間どもが追いかけてきており、直ぐ様私の発見し、追跡して────
……こないだと?
気配が動かない。どういう事だ?
振り返って見るとあの雄を先頭にした人間の集団は私が先程までいた、広場を見下ろせる高台からこちらを……正確に言えば妾の左斜め前辺りを見つめたまま立ち尽くしていた。
不思議に思い、その視線の先へと顔を向けた私の目の前に飛び込んできたのは、人間らが振るっていた武器の残骸らしきものを小脇に抱えてながらこちらを見つめる純白の竜人だった。
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……え、なんでリンドウさんとキュウビがここにいんの?
……え、もしかしてもしかしなくてもこれってかなりおピンチ?
後日談的なのをネタバレ覚悟で先に書いてしまっても
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構わんよ
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やめろぉぉぉぉぉぉぉ!
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ネタバレしない程度にお願い
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そんなことより更新頻度を高めるんだっ!