木ノ葉教育戦国時代   作:宝石マニア

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早く新学期編に行きたいのですが、中忍選抜試験本戦/木ノ葉崩し/6大忍者アカデミー交流戦の三正面作戦が待っています。

砂の三姉弟→木ノ葉崩しに参加する意思がグラついてくる。
      我愛羅のメンタルがナルト達の力によって物凄く安定してくるが、それが原因で波乱が起こるかもしれない。

バキ先生→部下たちと同じく

木ノ葉情報部隊→里への道中での風影暗殺計画については既に突き止めている。 
        阻止作戦を開始。緊急展開部隊を里外に展開済、状況開始。

雪白→守矢一族の三男坊としての籍を手に入れる。堂々と太陽の下を歩くように。
   守矢琥珀、通称:珀(ハク)となる。”白”に玉へんがつき、自分をもっと尊くて大切なものだと思えるように。自分をもっと好きになれるようになっていく。


11 ちょっとした外交任務③

 勢いがあって声が大きいだけのオレと違って、お嬢様育ちのアザミと名家の生まれであるサスケは流石、初対面の有力者たちと上手くやっている。シャイなヒナタは白眼だし知名度が高いので、初めて一対一で話す有力者、たしか竹取一族の当主と楽し気に話している。

 

 

 

「漫画を、読ませてくれるのか・・・?”この”、俺に?」

 

 最近流行している”鬼を巡って兄妹や仲間、友情、家族の絆が試される”『刃を振りかざして鬼を滅する王道少年漫画』と、”正しい死を探して謎多き少年が身の内にある存在と向き合いながら”『呪術を廻(めぐ)って戦う少年漫画』”、そして”訳アリ少年がデビルハンターとなって戦う”『電動鋸の悪魔とか出てくる入り組んだ少年漫画』。

 

「もちろんだってばよ。ソレ、禁輸品だから国外に持ち出せないからな!」

 

「そ、そうなのか・・・。それより俺が恐ろしくないのか?」

 

「どこがだ?同い年だし、立場似てるし、こんなに共通点があるヤツと会ったのは初めてだ。よろしくな!」

 

 オレはそれぞれを自室の本棚から1巻だけを持ってきて、鞄に忍ばせておいたのだった。出立前に気になったから急遽質問したがフウレン先生も大丈夫だよと言っていたので、本当に持ってきて良かった。我愛羅はどうして木ノ葉隠れの、火の国の人間が人柱力である俺に対して割と優しいのか本当に気になっているようだった。今のところマンガや小説は今のところ他国への『禁輸品』。少年少女が人ではない存在と真正面から向き合い、自分の立ち位置だとか生き方だとか、時には自分自身のルーツだとか。そういったものを積極的に知りたくて奔走し、傷つけられたり、自分から傷ついたり。自分で世の中の最大限の幸福のために死を選んだりする。傷つけたくなくて、嫌でも拒否しても傷づけてしまったりもする。最強な先生だって封印される事があるし、かつての友人が中身だけ別人になってたりするかもしれない。俺が生きる忍者の世界は何でも起こるから、亡くなられた初代様や二代目様が生き返ってきたりして。流石にそれはありえないかな。でも、何でも備えておかないと。

 

 我愛羅は担当上忍(バキ先生というらしい)が止めようとするが、嬉しそうな顔で手始めに『鬼を滅する王道少年漫画』のページを捲りはじめた。俺はバキ先生に『呪術を廻って戦う少年漫画』を手渡してみた。サスケはそれを「俺のオススメNO1です」と言い、ストーリーの概要を説明しはじめた。

 

「ん?我愛羅それまさか・・・、噂で知られる『週刊 全力飛翔少年』連載中の単行本か!?」

 

「テマリさん!?」

 

「ちょっとな、噂でしか聞いた事がなかったけど。本当にあったんだな禁輸品の漫画本が・・・」

 

金髪を4つ結びにした綺麗な我愛羅のお姉さん、テマリさんがサスケと俺の間に割り込んできた。

 

「テマリさん。あとコレしかないけど、読みますか?」

 

「良いのか!?じゃあ、ちょっと読ませてもらうよ」

 

クールで美人だけど、ちょっと怖いお姉さんという印象だったテマリさんって。

実は可愛い感じのところもあったんだな。初対面が怖すぎて、オレは心から驚いている。

 

ちなみにカンクロウさんはずっとハンバーグを食べまくっている。どんだけ気に入ったんだろう?

 

「砂隠れのテマリさん・・・、か。俺の母ちゃんみたいな人だな」

 

「シカマル・・・」

 

 

 

                ☆★☆

 長くかかった交流会も終わり、オレは休憩室でサスケと話していた。途中バックヤードの方で何かバタバタしていたのが気になっていたのだが、従業員の皆さん達が色々忙しくて大変だったのだとばかり思っていたが理由は全く違っていた。扇城アマツとアンコ先生が、何者かによって呪印を付けられて倒れていたのだった。諏訪先輩が木ノ葉まで伝令鳥を飛ばしたらしく、里からカカシ先生とガイ先生がやってきて二人をおぶって大急ぎで帰っていった。オレたち学生は里まで普通に帰るように命令を受けたが、守矢先輩だけは湖の南岸にある実家へと大至急向かうよう言われ、憔悴した顔で水面を走っていってしまった。諏訪先輩も同じような表情でいたが、切り替えるように両頬を自分で叩くと「さぁ帰ろう」と言った。

 

 

 隊列を組んで里に帰る途中、3人の上忍とすれ違った。顔を知っているから分かる。深刻な表情をしていたので、やっぱり、フウレン先生の危惧は間違っていないんだと思った。何が起こるのか、起こってしまったのか、まだまだ下っ端であるオレたちには分からない。というより、まだ下っ端が知る段階ではないのだと思う。

 

8月の夕方は何故か切なくて。太陽が落ちるのすら待って欲しいと思ってしまう。

7時なのに高い夏の太陽。中忍選抜試験の本戦が終われば夏休みが待っている。

 

 

ただ、その夏休みが穏やかなものであって欲しい。

 

 

オレは結構動物的なカンが鋭い。何だか、説明がつかない寂しさを感じているのだ。

 

 

 

『守矢(モリヤ)の意思、白(ハク)の選択』

 元霧隠れの暗部として追い忍の任務に就いてた15歳の少年、白(ハク)は戸惑っていた。波の国で木ノ葉隠れの里からやってきた『学生忍者部隊 第1学生部隊』と出会ってから、少年の運命は予想していたのとは全く違う方向へと転がっていった。これまで忍者としての常識として知っていた木ノ葉隠れの体制とはすっかり異なった制度になっていて、教育制度が従来とは全く違っていた。情報部隊も一時解体のちに再編され、白が気付く前にガトーの評判だとかおかしさを突き止めていた。その結果、白は波の国で遺体も残らないような状態で再不斬と共に殺されたことにされ、木ノ葉隠れへと移った。

 しかし、移ってから幾つか問題が浮上した。白が白という人間のままではおそらく、雪一族の血継限界を狙うものから一生付け狙われるかもしれない。死んだはずの人間という事で生き方に制限が出てくるかもしれない。木ノ葉は忠誠心の高い捕虜を外人部隊として雇い、契約社員のような扱いにして受け入れている。白は白という名前も過去も捨て、自分の命と未来を救った里に報いる暗部として生きるのかとばかり思ていた。だが、それは違っていた。まだ15歳ということ、情状酌量の余地があるということ、精神的に安定しているということ。これらを考慮され、仲良くなったナルト達と同様に『学生忍者』として人生を『やり直す』事を提案された。だが、白は雪一族の最後の生き残り。血継限界は守るべきものだというのが木ノ葉隠れの考え方だった。そこで紹介されたのが、雪一族と同様に『氷遁』を扱う諏訪軍団という神職と忍者を事実上兼業する家系だった。諏訪軍団には30以上もの配下一族が属しており、里と国に忠誠を誓う一大戦力。

 

 『諏訪軍団』の惣領である『諏訪家』。祭祀を司る大祝(おおほうり)と、忍者を輩出する忍者家の二家が二重に存在するという特殊な形態を取る。『タケミナカタ』という神を祖先にするとされている、恐ろしく長い歴史を持った家系だ。その諏訪家の相棒と言っても良い立ち位置にある『洩矢神』の末裔としている『守矢家』。守矢家の当主が直接白(ハク)と話したいと三代目火影に連絡してきたのは、国立アカデミーに転入するための集中講義と手続きを終了した午後の事だった。守矢一族の当主には3人息子がいるが、うち1名はずっと屋敷で教育を受けていて何をしているか不明。そういわれていた。

 

 守矢一族当主、守矢謡(ヨウ)は国立アカデミーの学生である次男・凪(ナギ)を護衛につけて白を天龍湖の南岸『上天龍(かみてんりゅう)』にある屋敷へと招いた。そして、白にこう言った。

 

「私の末子、琥珀(コハク)が雪白くんとよく似た顔立ちで同い年だ。琥珀は小児ガンの治療を長く続けてきたが・・・。親としてこんな事を言いたくはないが、もう数日しか時間が残されていない。だからどうか、あの子の人生を受け継いでいってくれないか?君の存在を知った琥珀本人からのお願いだ。私は君を息子として全力で守るし、君の家族になりたい」

 

 当主とその夫人から届く揺るぎない視線に貫かれ、白は亡き母を思い出した。父はどんな人だったのだろう。それは分からないが、これから分かるような気がした。琥珀の状態が急変したのは白が里に到着したころ、旅立っていったのは日付が変わる数秒前だった。

 

 そうして、雪白は”守矢家の秘蔵っ子”守矢琥珀として堂々と第1中等忍術専門学校の3年生に転入したのだった。新たに両親と兄二人を得て、氷遁使いの守矢琥珀――雪白は真夏の太陽の下を歩く。

 

 

 

 脆弱な免疫のせいで出来なかったこと。太陽の下、向日葵畑で散歩すること。

 

「ほら、琥珀くん。向日葵畑が見えていますか・・・?」

 

透明な夏の光は肌を刺すようだが、それがまた生きている証のようで。

白は一人、積乱雲が覆う泣きたくなるほど青い夏空を祈るような気持ちで仰ぐのだった。

 




次の回は部隊編成で、翌々回は中忍試験本戦/トーナメントです

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