木ノ葉教育戦国時代   作:宝石マニア

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編成を考えていたのですが、里や国の規模について考えだすと止まらず、こうした結果になりました事を読んでくださる方々にお詫びいたします。そしてウィキと向き合いましたが、上手く編成が組めなかったので相当簡単なものになってしまいました。

変更点:中忍昇任制度を選抜試験に

あと、やっぱり中忍試験に参加しないと他国から物凄く反感がありそうなので設定を書き換えていきます。時間ができ次第、以前書いた分を修正していきます。
以後に書く分はこのページの設定でいきます。



*原作の忍者登録番号から推定したのが1年間に200人以上の新人下忍を出していたころもあったと掲載しているサイトさんがあったので、そちらを参考にします。
*里が出来たのを、原作1話でだいたい60年くらい前とします。

・忍者登録番号の考察をしている方がいないかとネットサーフィンしていたところ、戦争中は250人くらいは1年に新人忍者を出していた時もあったのではないかと考察している方を発見。すると、210人×60年で12500でナルト達の番号と近い感じになる。
でもカカシ先生は1/3(33%)が下忍認定試験合格率だという。
昔は卒業した250人の全員を忍者にしていたけど、平和な時代だから少数精鋭にこだわって低い合格率に方針転換をした?アカデミー卒業生の全員が忍者登録番号を得ないと説明がつかなくなってしまう。でも人手不足と言ってたから、本当に12500人の忍者が里にいれば人手不足じゃないかもしれない。戦死者も沢山いただろうし。海外の掲示板だと年間最低540人は新人がいないと戦力が維持できないと言っている人もいました。戦時にはおそらく2倍は育てないといけないとも。
忍連合軍は全員で8万人。80000÷5大国プラス侍で、単純に割ると1勢力13000人強。戦争といっても里内での業務を回さないといけないから、どう考えても一番目か二番目に人数が多そうな木ノ葉から13000人以上は戦力を出さないと数が合わなくなってしまう。
1年間に250人を新人として送り出してきた時代があるとして、それでも年齢的な問題や怪我、結婚出産などで年間250人以上は確実に引退してしまう。一体何人の新人を下忍にすればいいんですか?1000人くらい!?
そんな事をしたら、校舎がクソデカアカデミーになってしまう。
1学年がそんなに多いと、米陸軍士官学校みたいな規模になってしまいそうです。


→中忍試験のあたりを読み返してみると、『死の森』は半径10キロと凄まじく大きい。つまり直径20キロかつ、周辺にゲートや木の生えていない場所があるばかでかい領域が里の領域中に存在している事になる。しかも名前は第44番演習場。ということは、死の森とまではいかなくても比較的大きな演習場が点在している事になる。
里市街は市街で囲ってあるだけで、もっと広域な地域圏が存在していてもいいのではないか?海外の人で人口を『推定8万人』と言っている人がいたので、市域だけで8万人という事にしてみます。
そして、アニナルでは五大国の隠れ里に入っていない忍者一族がいくつも出てきたので、そういった隠れ里の人たちを何か理由をつけて徴用・訓練すれば治安維持も可能で軍事力も増強できる。かもしれない。
また、忍者の業務を見ていても民営化できそうなジャンルがいくつかある。民間人っぽい看護師も病院のシーンで出てきましたし。

民間人との交流が沢山書きたい


木ノ葉忍者軍団 30000人の現役忍者と5000人の即応予備人員で構成される
    第1~4旅団
     里を中心に見て(東1/西2/南3/北4旅団)に対し、戦闘スタイルと属性、任務が行われる地域(地形・気候)との相性から選抜され、配属される先が選ばれる。

緊急展開部隊
    特殊作戦部隊

    学生忍者部隊 

平時は4個旅団/緊急展開部隊/特殊作戦部隊/学生忍者部隊で日々の業務を回しているが、有事の際には『戦時編成』へと移行する。戦時編成は平時と違い、予備人員を動員し里内業務を行わせ戦地に行ける隊員を編入して臨時編成される。

職種:戦闘部隊 ・忍者(歩兵) ・特殊部隊
   後方部隊 ・兵站 ・通信暗号情報 ・整備 ・警務隊(MP)
   医療部隊 ・医療忍者、・看護(衛生隊員)

忍者の地位【特別職の国家公務員、火の国/国防省の職員】
忍軍属(事務官/技官/教官)の地位【火の国/国防省の職員】

火の国
総人口500万人強(ノルウェー王国と同規模)
人口と人口に占める子供の割合:約950,000 19%(米国と同じくらい。顔岩があるので)
人口における忍者(軍人)の人数:30000

   
軍隊:木ノ葉忍者軍団(通称:木ノ葉忍軍) 
現役人員:30000人
   
   
*軍事力増強の経緯
 第3次忍界大戦終結後、木ノ葉隠れを九尾の妖狐という未曽有の惨事が襲った。そこで里長は大名と会議をし、これからは外側からの脅威がしばらく薄れるだろう代わりに「内側からの脅威を抑え込む抑止力」を備えるべきだと議決された。妖狐襲来事件以来、木ノ葉隠れの里に協力してこなかった火の国内にある忍者一族がこぞって里への戦力提供を申し出た。教育システムが国全体と一緒に改革され、火の国は一大教育立国となった。経済体制も見直され、働く場所が増えた。働き先の一環とし、忍軍には民間人のため事務官・技官という新たな職業が追加された。事務官と技官以外にも忍軍雇用員という働き方が増え、忍具や装束、兵糧丸、備品を生産する軍需企業も国営企業として設立された。よりレベルの高い忍者を効率的に育てるための教育システムが完成し、それまで正式な忍者教育を受けてこなかった人たちに教育を施すようになった事で採用人数を増やすことに成功した。

また軍事力の拡大に伴い、塀に囲まれた隠れ里の外にも広域な田舎町が広がるようになった

木ノ葉隠れの里(火の国の一大軍事拠点)
人口100000人 
人口の約30%、30000人を忍者が占めている

・忍連合軍80000÷6勢力=単純に割ると1勢力13000強
・木ノ葉は人口も軍事力も雷の国と同様上位なので、第4次忍界大戦参戦者だけで15000人以上いてもおかしくなさそう。他の里は人口が少なそう。
忍界大戦中、イルカ先生のように里に残っている忍者は当たり前だけど存在しているはずなので。3/4を前線に回したという事にしてきます(適当)


1年に最大1740人、最小990人を下忍として送り出す教育システム
引退・定年者を考慮しつつ軍事力を増強し、13000人以上の忍者を第4次忍界大戦に参戦するにはこれ位の人数を思い切って設定するべきだと判断しました。





12 開幕! 学校対抗交流戦!!

 オレが生まれ育ったのは忍五大国の一国、木ノ葉隠れ。木ノ葉隠れは他国と同じように第3次忍界大戦に参加し、沢山の人たちを失った。オレの通う忍者アカデミー教官でメンター、はたけカカシ上忍もまたチームメイト二人を亡くした。もしもオレが同じ様な目に遭ったとしたら、一体どうなってしまうんだろう?想像がつかない。その上、オレが生まれた日は【九尾の妖狐襲来事件】と教科書に掲載される大事件が起こった。その事件で里は沢山の忍者も民間人も失い、オレの両親も九喇嘛をオレのヘソに封印して命を落とした。恩師であるイルカ先生もご両親を亡くしたし、そんなわけだからオレに対する憎しみを持ち続けている里人がいるのは当たり前。

 

 オレと同期たちが生まれた翌年、血継限界の家系出身である三嶋フウレン特別上忍という人が教育制度を整備した。木ノ葉は忍界大戦が終結してすぐ九尾の事件があって、それはもう大量の人材が失われた。そこで三嶋フウレン”先生”はまず、1年間に450人という大人数を下忍にしようと決めた。

すると国の方も抑止力という軍事力増強に関心を持ち、『木ノ葉忍軍忍者学校(アカデミー)群』の設立が決定した。その後、訳合って他の里から逃げてきた人たちやオレと同じ”うずまき”一族出身者たちを受け入れて木ノ葉隠れに受け入れるために成人向けの教育隊が結成される事となった。それによって里は戦時中の促成教育を行わないにも関わらず、新しい教育システムとの相乗効果によって年間最大750人の下忍を送り出す事が可能になった。

 

 

 フウレン先生はいわゆる教育訓練分野の顧問(トップ)。忍界大戦時代には多くの時間をアカデミーの教壇に立って優秀な下忍を沢山育て、それでも雲隠れといった物量に勝る大国との争いで教え子を亡くして、そして自らも戦略レベルの戦闘能力を持つ指揮官クラスの忍者として前線に立っていた人。里外や国境地帯から身寄りのない子供たちを集めてこれば人口回復と同時に、才能のスカウトが出来ると見たのだ。

戦国時代、三嶋一族は晶遁という土遁からなる血継限界・晶遁を持ちながらも、まず生き残るために狙われるリスクを排除しようと出来る限り晶遁抜きで戦い抜いた知恵を教育にも生かしている。それが、かつては戦場で自らの目で見て覚える事を知識として教えられる事は全部教えてしまう事。マニュアル化を徹底したんだ。 

 三嶋一族が嫌うのは『目で盗め』という言葉。仕事と戦場から自分の感情を一切排除し、『割り切る』ことを家訓としている。目の前にあるのは忠誠と仕事のみ。だから忍軍組織の指揮系統に対するこだわりは非常に強い。

 

 

 

                 ☆★☆

 オレが所属しているのは、全寮制で1学年180人にもなる新人下忍を集めて訓練する『木ノ葉忍軍忍者アカデミー群』の一校。火影直轄の忍者アカデミーだ。ここは少し特殊で、里が指定する血継限界や秘伝、少ししか生き残っていない一族の末裔を優先的に入学させて保護している。いち早く自分で自分を守れるだけの戦闘能力が身に付けられるように。そして、警護がしやすいように。

 

 

 

 オレたちが現在いるのは、中忍選抜試験本戦の雑踏があるだろうスタジアムとは真逆の方向にある。1500人を収容できる【第二スタジアム】。色々とあって、カカシ先生やガイ先生、紅先生といった主要な上忍はあちらの警備へと割り振られている。その代わりではないが、アスマ先生とヤマト先生がこの場の指揮を任せられていて、上忍ではないが高い戦闘力を持つと評価される特別上忍や中忍の先生方が控えている。多分、暗部もいるだろう。

 学生1080人に対して、観客はまずヒナタの爺ちゃんである長老さん、付き人さんを含めた日向一族の皆さん総勢10人くらい。扇城一族のCEOと奥さん、猪鹿蝶トリオの一族から来た保護者。でもキバの母ちゃんと姉ちゃん、チョウジの父ちゃんは中忍選抜試験の会場警備。ちょっと寂しそうなヤツもいるけど、やっぱり俺たちは全員が中忍になっても大丈夫な教育を受ける学生だから割り切れているんだと思う。

 

 

 

 

 里内に同じ目的に向かって走る学生を育てる学校が複数あるとしたら、ライバル関係が必然的に生まれる。オレたち『火影直轄アカデミー』、忍軍管轄である第2~第6訓練部隊たる東西南北中央の名を持つ忍軍中学。直轄アカデミーには血継限界、秘伝のオンパレード。対し、東西南北中央の5校は『特別な存在』じゃないと思い込まれてる。実際は跡継ぎじゃなかったばかりに秘伝技を持たない秘伝家系出身者もいるし、物凄く努力家な学生も沢山いる。全員がそうなんだけど多数派であるみんなは秘伝とか血継限界とか、特別なものを持たないから直轄校より何倍も努力をするんだと中央忍軍学校に行った同級生が言ってた。

だから、本当は第1部隊よりもずっと里人たちから尊敬されている。

 

 

 

 

 

 オレたちが現在いるのは、中忍選抜試験本戦の雑踏があるだろうスタジアムとは真逆の方向にある。3000人を収容できるらしい【第二スタジアム】。色々とあって、カカシ先生やガイ先生、紅先生といった主要な上忍はあちらの警備へと割り振られている。その代わりではないが、アスマ先生がこの場の指揮を任せられていて、上忍ではないが高い戦闘力を持つと評価される特別上忍や中忍の先生方が控えている。多分、暗部もいるだろう。

 

オレは出場者じゃないけど、出場者をサポートする係についた。指名手配犯から呪印を入れられたアマツは出場できなくなってしまったので、補欠だったサスケが代わりに繰り上がって選手になった。

 

 

 

もうすぐ試合が始まる。オレたち出場者とサポート係は全員でスタジアムの出場者入り口に並び、呼ばれるのを待っている。緊張を抑え込もうと一人深呼吸しようとしていると、オレの肩をそっと叩く手があった。

 

「・・・アマツは大丈夫だろうか」

 

「カカシ先生と自来也師匠がいるから大丈夫なんじゃねーの?」

 

 この試合で一番期待されていたのは、大名たちから「うちはサスケを超える天才」と言われて期待を受ける星宮アマツだ。アマツは初等部時代、サスケとは顔立ちが似ているのもあってまるで兄弟のように仲が良かった。うちはの血を引きながらうちはではない血の繋がった庶流一族の親戚であるアマツは昔から優秀で、初等部で一緒だったころからサスケといいライバル関係にあったように見えたけど。

しかしアマツは外交任務の途中、いつの間にか呪印を首筋に入れられた状態でアンコ先生と共に倒れていた。里はこれを重く見て、アマツの出場を取りやめさせた。

 優秀だけど努力家で驕らず、優しいヤツだったアマツ。俺は当初アマツが変わってしまったと思っていたけど、そうじゃなくて本来の自分が出てくるようになっただけなんじゃないかと思う時がある。アマツはアカデミーに入るまで実はサスケに遠慮していたみたいだった。そして、成績表を見ては不満な顔をしていたから。

 

 

(ナルト、思案しているようだが気を引き締めていけ。学校行事の事は口出ししない約束だったが・・・)

 

「ありがと、九喇嘛。どうしたんだってばよ?」

 

 学校生活関連には絶対口を出さないと約束している九喇嘛の声は何故か不安げだ。九喇嘛は尾獣だけあってとんでもなく強いけど、思うところがあるのか珍しく内側から話しかけてきた。

 

「九喇嘛とは誰だ?」

 

「サスケ!?」

 

少しだけ伸びた襟足を掻き揚げながら、サスケが俺をのぞき込んできた。

好奇心に満ちた目をしていて戸惑っていると、九喇嘛は(コイツなら大丈夫だな)と言った。

 

 

 

 サスケは思った以上に九喇嘛の事を簡単に受容し、「よろしく」と言いながら何故か俺に握手を求めてきた。サスケってこんなヤツだっけか?いや、出会った時からこんなヤツだったか。意外と天然な面があるというか、『割り切る』という事が上手いヤツだとは思っていた。

 

 名門旧家の令息と令嬢ばかりが通う名門校、火影直轄忍者アカデミー。そこには迫害や白い目で見られてしまう氏族出身者の子供たちが差別なく、平和な学校生活を送っていた。あの事件までは、純血のうちはの子弟も普通に通っていたようだった。自分たちを迫害したり偏見の目で見てこない、数少ない学校だから、と。星宮アマツの母親が生まれたという扇城は忍界大戦が終わるまでうちはから気にも留められない家として扱われてきたが、戦後に教育制度が改革されてから最初の変化を迎えた。民間人ながら戦火に巻き込まれて命を落とした者に対してショックを受けた一族の構成員が突然、写輪眼を開眼したのだ。それにより一族は子弟を忍者教育機関に送り込むと決めた。次の変化はあの、うちは一族事件。それによりうちはの血を引く者は混血のイズミさんと、純血のサスケを除いていなくなってしまった。残りは里抜けして行方知れずの兄、イタチさんのみ。オレはサスケの父親であるフガクさんと、お母さんのミコトさんと、兄であるイタチさんの事は出会う前から知っていた。サスケの両親はオレの両親と仲が良かったらしいから、タイミングが合わなくてサスケと会う機会が無かっただけであの一家の事が好きだった。イタチさんは暗部にいたから、オレをこっそり監視していたことがあった。ご両親を知っているから気配というか、雰囲気で何となく”いる”と思ったのだ。噂の『上の子』『うちのお兄ちゃん』が。

でもある日、俺は九尾の妖狐こと九喇嘛の事件で家族を失った人たちから暴力行為を受けてしまった。その時、イタチさんは必至な顔をして俺に手当てをしてくれた。本当は明かしてはいけないのにお面を取り、俺を安心させようとして名前まで教えてくれてしまった。だから、よく知っている人だ。でもイタチさんは処罰を受けたような雰囲気ではなかったから、水晶玉でオレを監視していたじっちゃんが許してくれたんだと思う。

 

 

 あの事件のあと、サスケはうちはの混血庶流である扇城一族が経営する扇城屋のCEO兼当主であるおっちゃんに里子として引き取られた。同時に里と国が提供するPTSD治療プログラムを受けた上、おっちゃん支出による療養や里外で評判のカウンセラーによる療法も受けた。家族と一族を失ったサスケは同じ血を引く扇城一族を好ましく思っているように見えるし、実際、CEOを結構慕ってる。サスケは元からうちはを差別しない直轄校に通っていたけど、事件のあともCEOによる生活のを受けて通い首席卒業している。

 サスケに出会ったのは、初等部・男子部の入学式の朝だった。何故だか互いに興味を強く持ち、話してみたいと思った。そこから星宮アマツとも知り合い、ちょいちょいと色々な一族の知り合いが増えた。俺とサスケは速攻で意気投合し、直轄アカデミーの受験でも互いに教え合いながら仲良く過ごせた。その時になると、その時点で裏事情をバンバン教えてくれていたサスケはイタチさんについてもぼちぼち話してくれるようになった。あの事件があった時はやっぱりお兄さんを猛烈に殺してやりたいと思ったこと、怒りながらも冷静になると逆に悲しみが勝ってきたということ。そして、やっぱり”信じられない、信じたくない”という感情が今もあるということ。またイタチさんに会いたくて、会ったら本当の事を知りたいとも話してくれた。サスケと話していて思ったのは、サスケが上手く割り切っているという事だ。もしかしたら、今のサスケを見たイタチさんは逆に戸惑いそうだなって思うくらいに。

誰よりも怒りに対する対処が上手なのだ。

 

 

「ともかく。九喇嘛が言うにはここにいないアマツには気を付けろと言ってるんだな?」

 

「そうだってばよ(そうだ)」

 

現実をびっくりするほどサラリと受け入れて、サスケは頷いた。

誰かに知られたら怒られそうだけど、オレはうちは兄弟の再会を望んでしまう。

 

 

                 ☆★☆

 1年生の後期に中忍選抜試験を受験し、中忍になった飛びぬけて優秀なスリーマンセルがいる。現在3年生の諏訪タツミ・守矢凪・八坂あずみのスリーマンセルだ。里創設時に噂を聞きつけて入植してきた天龍湖地域出身の氏族集団で、中心である諏訪氏族とその分家・藤森と片倉の一部には血継限界である氷遁が継承されている。元々は天龍湖の外にいた家系らしいが、鹿島と香取に追い詰められて天龍湖に来たとか。でも天龍湖の土着氏族・守矢と安曇を配下にし、周囲の家も取り込んで武装中立体制の勢力『諏訪軍団』を作り上げた。鹿島と香取はそんな諏訪軍団の領地に何度も一方的に攻め入っては撃退されていたらしい。

 

 そして『うちはサスケを超える天才』と大名たちが持て囃す、他里や他国の人々が戦闘を見たがった天才、星宮アマツ。俺たちよりだいぶ背が高く、3年の先輩方に並ぶ175センチの長身でイケメン。頭は良いし、強いし、写輪眼はあるし、色々なものを持っている努力家。世の中はサスケよりアマツに注目している。

 

しかし、サスケの登場はかつてのうちはの高名な噂をこの目で見たいと望む大名からすれば願ってもない事。サスケ参戦のアナウンスは大名たちを沸かせた。

 

 

 

 スタジアムの真ん中で男女36人が向かい合う。上から降ってくるのは、大名や違う里の人、そして保護者たちからの視線。”九尾の人柱力”という立場である俺には憎しみ、サスケには羨望と哀れみ、シカマルに対しては期待。日向一族であるヒナタとネジ先輩に対する視線からは明らかに物珍しさが混じった興味深い感情が伝わってくる気がするし、諏訪先輩たちスリーマンセルに関しては多くの観客の視線が釘付け。

 

 まず1年生から試合が開始され、それぞれが打ち合わせ通りのフォーメーションに移行する。サスケと鹿島ライカは動きがうまくかみ合わないが、第3部隊が誇る一般家庭出身の二人はちゃんと隙を見ていた。次の試合は第2部隊vs第6部隊の1年生。サスケは写輪眼や火遁を多用せず、カカシ先生直伝の雷遁と大型手裏剣各種といった忍具で第3部隊の学生を軽くあしらっている。

 

 

かくして、中忍選抜試験と同日に学校交流戦が開幕したのだった。

 

 

                   ☆★☆

【はたけカカシの憂鬱】

 木ノ葉隠れの里の上忍、はたけカカシは火影直轄忍者アカデミーの教官という立場にある。同時にうずまきナルト・春野サクラ・うちはサスケの1年生スリーマンセルのメンターにして、うちはサスケの師匠である。カカシは白い牙という2つ名を持つ父がいたが、自殺によって戦時中に亡くしている。そこまでは「忍者の世界はこんなものか」という諦めが心を支配しつつあったが、突然里が本気を出してきた。伝説の三忍と同期生、教育職にある旧家・三嶋一族当主の三嶋フウレン特別上忍が三代目に提言し、メンタルケア特命チームを立ち上げたのだった。暗部も驚く秘密厳守の特命チームにカカシは救われた。愛するチームメイトであるオビトとリンを戦場で亡くした時も、師である4代目火影・波風ミナトを亡くした時も、カカシは救われていた。誰にも言わなくても良い、誰にもばらされない、公正な機関。長らく里に欠乏していたものだった。悲しみが完全に癒えないのは当たり前だし、仕方がない。自分は今実際に生きているのだから、歩んでいくしかないのだから、そのために未来の事を考えよう。そうカカシは決め、2年ほど前からアカデミーの教育に関わるようになった。中でも、うちはサスケについてカカシは多く関わってきた。

 

 今はちゃんとした忍軍医療部隊の部署となったメンタルケアチームの繋がりで、カカシはうちは一族事件で一人残されたサスケと関わるようになった。精神的に寄り添うだけではなく、サスケの要望で師匠として放課後や休暇が重なった時に鍛えてきた。これまでコピーした”うちは”の技を教え込み、サスケが復讐心をこじらせて間違いを犯さないよう、あえて”うちは”の誇りを保てるように育ててきたつもりだ。サスケは忍者学校初等部を卒業すると、全寮制で里内外の学生が集結する木ノ葉直轄忍者アカデミー第1部隊に入隊・入学した。忍術関連の総合成績トップかつ、学問成績2番手だからサスケが首席だった。ちなみに春野サクラは学問系で断トツトップ、師の遺した一人息子うずまきナルトは体術が一番上手だった。1学年につき6人の現役上忍または特別上忍がメンターとしてつき、メンター1人で30人くらいを担当する。『担任の先生』という立場だ。

教官としてだけではなく親以外の精神的に頼れる大人として、中忍選抜試験受験者の適格性を見極める審査員として、メンターは活動している。

 

 

 カカシが旧制アカデミーで旧制教育システムを受けていた当時、まだ世の中は戦時中だった。第3次忍界大戦では目にもとまらぬ速さで若者が死んでいった。まるで数合わせのようにどんどん力のない子供が卒業させられていき、現代からみたら無茶苦茶な飛び級は当たり前。ロクに実践的な技を教えられないまま前線に投入され、言いたくはないが無駄死にとしか言いようがない最期を迎えた子供もいた。中忍昇格もまた人数合わせに近い部分があり、指揮能力なんかより、どうにか戦場に出せる基準である中忍が欲しいだけだった。仲間を奪った長かった戦争が終わったと思えばカカシは師とその夫人を亡くし、既に両親がいなかったので独りぼっちになった。九尾の襲来によって里は忍者と民間人どちらの人口も大きく失ってしまった。その頃に、三嶋フウレン特別上忍が三代目に教育制度の改革を提言したのだ。それに対して組織編成に詳しい竹中ハルシゲ特別上忍と、医療忍者の息子を持つ民間人医師の南方ユウト氏が協調し、里の制度改革という一大ムーヴメントが到来した。結果、この里は現在100000人の人口と、うち30000人の忍者人口を誇る一大軍事都市へと成長を遂げた。

 当初、カカシは若者たちが過剰に甘やかされているのではないかと不安だった。戦時中には『目で盗め』『見て覚えろ』が当然だったというのに、今では『戦場での知恵』として簡単に教えられてしまう。自分でもっと考えさせるべきではないか?とカカシが指摘すれば、彼は「覚える前に死んじゃったら意味ないよね?」と言った。水上歩行訓練も、木登りや崖登りも、かつては先輩や師を見て覚えたもの。英才教育された者くらいしか幼少期から知らない。属性変化や血継限界に対する知識も、かつては先輩たちから教えられたり戦場で見て認識するものだったというのに。カカシが最初はどうかと思っていた最大のものは、うずまきナルトについての通達だった。ナルトの両親は四代目火影夫妻であり、九尾の人柱力であるという事実。それは里人に周知され、今はナルトに普通に接する人もいれば、憎しみを持った目で接してくる人も両方いて、破ってはいけないラインを守るので平和が保たれている。それでも、ナルトが小学校の時分までは露骨な差別があった。だが、今では同級生と元同級生が親にナルトの良さを普通に話すので相当差別迫害が減ったように見えるが。

 

 任務を行うにあたり、上忍はいつも同じ人間とチームメイトになるとは限らない。当然ながら新制教育制度を卒業してきた者とも一緒になる。はっきり言って、最初は結構バカにしていたのだが。彼らはカカシが思っていた以上に『使える』者ばかりだった。その上素直で、ちゃんと忠告を受け入れてくれる。礼儀正しいし、教養はあるし、何よりも意外とメンタルが強い。あまり心が強くないと自称する者でさえ、自分の心と向き合う方法を知っている。戦時中の書記や記録を授業で取り上げているのもあるだろう。

マンガや小説という心の支えとなる娯楽が恐ろしい速さで増加しているのもある。学生達と接していればカカシだって、それらに触れる機会が出来てきた。可愛い弟子であるサスケが奨めてきたのは、大人気週刊誌に連載している『呪術を廻(めぐ)って戦う少年漫画』である。サスケたち学生は毎週のように学内のPX(売店)で読めるから良いだろうが、カカシは上忍で多忙だった。

つまりはコミックス派。イチャイチャパラダイスの次くらいに楽しみに刊行を待っている。

でも、子供たちはカカシの反応が見たくてネタバレしたがるのだ。

それにカカシが術を使おうとする度に「領域展開!」とか言ってくる。

カカシは思った。13歳って、こんなガキだったか!?と。

いや、結構ガキだった。

戦時下で封じ込めていただけで、誰もが結構ガキだった。

今ではサクラが「ハロウィンが楽しみですね」「身長教えてくれません?」と言ってくるのも、ちょっとした楽しみになった。それでも、さすがにネタバレは許せない。

それが、今のカカシの心地よい憂鬱。

 

 

そして、胸が詰まるような憂鬱がもう一つ。

カカシの弟子、うちはサスケをライバル視する星宮アマツという少年に付けられた呪印について。彼の母親が生まれたと扇城一族が”うちは”から枝分かれした家系なのは周知の事実であるし、写輪眼と火遁の出現具合からしても真実だとすぐに分かる。サスケとアマツは忍者アカデミーに来るまでは同じ直轄アカデミーで学んでいた。その頃から仲が良かったことは報告書で読んで知っている。サスケは確かに才能を持っているとカカシは認識しているが、あの事件以来、優秀な兄を追いかけて強くなろうとして怪我をしたことがあった。その時にカカシはサスケと対面を果たして以来の師弟関係だ。カカシはまずサスケの回復を待ち、もっとマイペースに修行を進めろとアドバイスした。かといって甘い修行をしている訳ではない。順序だてているだから無茶苦茶に見えないだけで、やっている事は十分に高度。急成長させるより基礎をつくるべきだと判断したからだ。

 

 以来、懐かれている。カカシはサスケがすぐ中忍になれるくらいに強くしてやろうと決め、今では『千鳥』を習得させた。ただ日向ヒナタがそうしているように「出し惜しみも大事だ」と教えてやっただけで、外ではまだ披露していないだけだ。うずまきナルトの方も伝説の三忍である自来也氏と幼少期に師弟関係になっていたから、カカシは安心している。さらに春野サクラは忍軍附属小学校入学直前ににたまたま里に連れ戻されていた綱手様に自ら弟子入り志願をしに行く度胸があるのだから、里の将来は安泰だ。そんな可愛い教え子たちはともかく、心配なのは扇城アマツ。情緒不安定加減すぎて、初等部時代にチームメイトだった三嶋アザミと稗田ミサキが精神的に病んでしまうほど。二人には不眠の傾向があってハーブのサプリメントを摂取している。

 

 

 サスケのほか直轄校出身の子供たちに話を聞いた事柄を纏めてみれば、ああ見えて案外無邪気なところがあるサスケは気づかなかったようだが、アマツはサスケに遠慮していた部分があったようだった。しかしアマツは忍者アカデミーに入ったあたりから不安定になっていった。今では陰で「里抜けしそうなヤツNO1」とささやかれ、不安がられるほどに。そして、その不安は呪印という形でハッキリと形になった。アマツは里が自分を”うちは”として認めてくれず、それが嫌だと思っているようだった。カカシは呪印に対して出来る限りの事はやったが、その最中で情報部隊から『大蛇丸』という昔里抜けした要注意人物が浮上している事が判明した。元々、アマツが外で任務をするたびに「いつも長髪の変な人が見てくる」と言ってくるので調査をしていたがまさか。正体が本当に大蛇丸だとは。

 

 

中忍選抜試験本戦の会場であるこのスタジアムで出場者を見下ろしながら、カカシは苦虫を噛み潰したような顔をする三代目火影を見ていた。緊急展開部隊に死傷者続出、護衛対象をロスト。耳に付けた通信機は小型で高性能な物で外に音漏れは無いハズ。「え?」という声が聞こえてきて、カカシは部下やもっと年若い上忍たちに向けて「顔に出すなよ」と忠告してやった。

しかし会場にいる殆どの上忍と試験に関わる忍者たちは揃って同じような表情を浮かべた顔を見合わせていた。

 

「・・・来るぞ」

 

カカシの一言に、近くにいた味方の殆どが視線を向けてきた。

 

 

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