木ノ葉教育戦国時代   作:宝石マニア

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次の回で中忍選抜試験が終了後、次々回からはまたナルト君たちの視点に戻ります
次回アザミパパが判明。ヤシマなのかユタカなのか。ヒントは湿原です。

鹿島ライカ Rh+BO型
155センチ 43キロ 黒髪、黒い瞳
性質変化:雷遁、土遁(日本神話のタケミカヅチから)
備考:ツインテールでをした、メスガキ系くのいち。
   わからせるのが難しい程度には強い腕力メスゴリラな13歳。
武器:忍者刀


3 中忍選抜試験本戦、警備任務!!①

―――遂にやってきた、1月上旬。

 

 

 私、三嶋アザミは中忍選抜試験の会場で会場警備に当たっている。警備業務といっても私は下忍だから、やる事は限られているけど。本来は私・鹿島ライカ・香取フツミは本戦に出場する予定だったが、私は怪我で断念。残りのフツミはトラブルやらメンタルの問題で棄権し、結局は『原作のルーキー9人+鹿島ライカ』での本戦になった。耳にインカムを付け、上から指定された揃いの黒または紺色の任務服を身に付け。会場の外に集合したのがまだ夜が明けてすぐの頃だった。この会場警備任務に指名された下忍は無作為に選ばれたわけではないらしい。私たちはどうだか知らないが、他の人たちは既卒生や下忍でも上位の実力者揃い。

 上忍師が正式にいる直轄アカデミーの子たち以外が揃えられており、それぞれ警務隊の中でも警備部隊の皆さんが揃っている。その中にはうちはシスイさんもいた。期間限定の『イタチ班』は解散したが、かなり良い経験になったと思っている。上忍であるイタチさんの関係で知り合いが増え、前より対人能力が向上した。

 

第77班が警備を任されているエリアは、出場者たちの上忍師たちが通るルートだ。

観客も通るが、この時間は関係者しか通らない事になっている。

相変わらずカカシ先生はやっぱりまだ来なくて、紅先生とアスマ先生が一緒に歩いてきた。

 

「あら、第77班じゃないの。警備頑張ってね!」

 

「朝から頑張ってんな。これやる!」

 

アスマ先生は笑顔でチロルチョコ風のお菓子を投げ渡してきたので、私はそれを3つ纏めて受け取った。

多分だけど、先生たちは警備任務についている下忍全員に渡しているだろう。袋にたっぷり入っていたから。

 

「ありがとうございます、夕日上忍、猿飛上忍!」

 

すかさず敬礼しながら答えると、二人は笑顔で通り過ぎていった。白い歯と笑顔が眩しい。

そのへんにいる『モブ下忍』の私たちにも優しくて感動した。

 

「優しいねぇ、あのお二人は」

 

「ほんとだぜ。オレもあの二人みたいに上忍になれる位強くなりたいな」

 

「うんうん」

 

貰ったチョコレートをポケットに入れ、また任務に戻る。『イタチ隊長』が帰ってきたら差し入れの報告をする。暫くするとイタチさんにせかされながらカカシ先生がやってきた。今日のイタチさんは警務隊の一員だ。というより、警務隊に正式に所属する事になった。

 

「不審な動きは無かったか?」

 

「先ほど、猿飛上忍からチョコレートの差し入れを頂きました」

 

「中身を確かめてみよう」

 

オカヤ君とミサキ君が一瞬「え?」という形に口を開いたが、これは命令だ。確かめないといけない。

生前の私の親戚は正義感が強い人が多く、警察官とか自衛官といった仕事に就く人が何人もいた。彼らは言っていた。「部隊の中では、組織の中では命令が全てだ!」と。

 

「・・・気が乗らんけど、口寄せでもするかな」

 

私は片膝立ちになり、息をついた。

 

「アザミちゃん口寄せ嫌いじゃなかった?」

 

「血が無いときに血を出すのが嫌いなだけだよ。でも、今は出せる血がある」

 

「・・・どこの血?」

 

唇が寒さと空気の乾燥によってガッサガサ状態の今。私は歯で剥がれかけた唇の皮を千切った。

 

「フン!」

 

「ぎゃっ、痛そう!」

 

「痛い!!」

 

痛い。地味に痛い!ミサキ君が心配して手にチャクラを溜めている。

指に唇から流れてきた血を付けてチャクラを込め、コンクリートの床に掌を押し付けた。

ボフンと音がしたと思うと、煙の中から暫く会っていなかった一頭の灰色をした山犬が姿を現した。

 

「イタチさん、紹介します。こちらは三嶋一族代々の口寄せ動物の一頭、山犬のミョウケンさん」

 

『はじめまして、イタチさん。私はミョウケンといいます。お見知りおきを』

 

「こちらこそはじめまして。俺は上忍のうちはイタチだ」

 

凛々しい瞳をした大きな山犬は、正確には狼犬だ。純粋な犬でも狼でもなく、二種のミックス。犬の忠誠心と狼の攻撃力を併せ持つ、山に棲んでいた三嶋一族が辿り着いた最高のパートナーが狼犬である。

 

『お久しぶりです、アザミお嬢様。随分と大人っぽくなられましたね!』

 

「私たち下忍になったじゃんね」

 

『おめでとうございます。ところで、ご用件は何でしょうか?』

 

「今日の任務は警備任務です。なので警察犬になってくれませんか」

 

『お任せを、お嬢様。このミョウケン、最善を尽くしましょう』

 

イケメン忍犬と評判な三嶋一族が契約する山犬一族は全員、こんな感じだ。執事系のミョウケンさんはこの程度に収まっているが、他はホストみたいな山犬しかいない。気の良い山犬ばかりなのだが、彼らは揃いも揃って女好き。私を『お嬢様』と呼ぶし、『我が命に代えても』とか『主命を果たします』とか言う。いとこ三兄弟に対する態度と、私に対する態度が全然違う。しかし子供には優しい。

 

「早速ですが、このチョコレートに不審な点はありますか?」

 

『ありませんね。食べても大丈夫でしょう』

 

「ありがとうございます」

 

普段は祖父や叔父が口寄せをするミョウケンさんは体が大きい。思ったよりチャクラの消費が大きかったが、任務の労力を考えたらプラマイゼロだろう。これから不審物に遭遇するだろうし。

 

 

                       ☆★☆

対戦表

 

①第1試合

春野サクラ   vs 山中いの

 

②第2試合

うずまきナルト vs 犬塚キバ

 

③第3試合

奈良シカマル  vs 油女シノ

 

④第4試合

日向ヒナタ   vs 秋道チョウジ

 

⑤第5試合(シード)

うちはサスケ  vs  鹿島ライカ(忍界転生者チーム期待のエース)

 

 シード選手に選ばれたのはサスケ君だったが、これは昨日じゃんけんで決めた事だとイタチさんが教えてくれた。私の隣ではミョウケンさんが澄ました顔をしていて、通り過ぎる知り合い皆が「かわいいね」と言って頭を撫でていく。同い年の従弟であるトウヤ君が「アザミちゃんとこにミョウケンさんいるじゃん!」と言いながらやってきたと思ったら、モフモフして去っていった。トウヤ君は同い年ながら結構な晶遁の使い手で、今では本家相伝の忍術を教わる程になった。トウヤ君は中忍選抜試験こそ受けなかったが、中忍に『登用』される可能性が高いと期待されている。

 

「おっ、第1試合のはじまりだな!」

 

オカヤ君がワクワクを隠し切れずに、試合が行われるグラウンドを指さした。

そこにはサクラちゃんといのちゃんが額当てを額に付け、それぞれ自信に満ちた顔で見つめ合っている。

 

                       ☆★☆

 

第1試合 サクラvsいの

最初に動いたのは、いのちゃんだった。心転身の術にそれに抗うサクラちゃんという静かな攻防を、警備任務につく隊員を含めて観客たちは見守っている。心転身の術を振り切ったサクラちゃんは射程圏から大急ぎで離れると、手裏剣を放った。暫く忍具同士での戦いが続くと、ストックがなくなったからか体術戦へと移行した。選りすぐられた優秀なくのいち同士の、血継限界を持たない二人の戦い。

観客が見守る中、不意に静寂が訪れた。ぐらりといのちゃんの体が揺らぎ、地面に倒れた。そして小さく手を上げて審判に何やら話している。

 

「勝者、春野サクラ!」

 

審判はサクラちゃんの手を掴んで高く揚げ、勝利を宣言した。

ナルト君が「よっしゃーッ!」と叫び、嬉しそうに飛び上がった。

 

                        ☆★☆

第2試合 ナルトvsキバ

 ナルト君とキバ君が向かい合い、試合が始まった。原作とは違い、『かしこさ』レベルが格段に向上したキバ君はナルト君を煽るような言動を全くしない。赤丸君と入念に打ち合わせをしてきたようで、とにかく突っ込むという真似をしない。赤丸君とアイコンタクトをしたキバ君は兵糧丸を口にしてから印を組むと、擬獣忍法を用いて獣人分身を行った。チャクラが倍増しているキバ君は一時的だが爆発的な力を手にしているという事になる。『四脚の術』でナルト君を追い回し、ナルト君は「ひぇ~!」と叫びながら逃げている。キバ君はナルト君を負う中でも隙を見つけたのか、『牙通牙』をお見舞いした。

 ナルト君は『この忍界』において、既に螺旋丸を習得しているがキバ君相手に出す段階ではないと判断しているんだろう。既にキバ君の技を見切ったようで、「こっちだってばよー!」とか言いながら技を出させている。チャクラの消費を狙っているらしい。流石のキバ君と赤丸君でも、兵糧丸の効果が切れてきたみたいだ。ナルト君はそれを見て不敵に笑うと影分身もせず、単騎でキバ君に飛び込んでいった。

ヘトヘトだった赤丸君はナルト君によって気絶させられると優しい仕草で地面に寝かされ、それを見たサスケ君は「優しいな、ナルトは」とほのぼのした事を言っている。ヒナタちゃんは「もっと好きになっちゃった」なんて頬を赤らめはじめた。キバ君は「よくも赤丸を!」と言いつつも、真顔で体術の構えをした。

 一方、観客たちはというとまだ第2試合だというのに完全にエキサイトしている。その優しさも、前向きさも、原作より早い段階で里人たちの心をがっちり掴もうとしていた。一方でキバ君に対する応援の声も大きいから、この里はもう『卑の意志』だとかそういう言葉が似合わないほど綺麗になってきているんだなと思うと喜ばしい。

 ナルト君とキバ君の純粋な体術による戦い。どちらも体術が得意な子だから途中までは勝敗が決さなかったが、やはりナルト君は自来也氏が鍛えているだけあって技にバリエーションがある。原作でサスケ君がやっていた影舞踊で背後を取り、空中に蹴り上げてすかさず出した影分身に打ち上げて貰い、ナルト君は踵落としで決めた。もちろん、勝者はうずまきナルト。

 

                         ☆★☆

第3試合 シカマルvsシノ

 二人はひたすら耐久戦をしていたが、突然シノ君が右手を上げて『降参』と言ってシカマル君の勝利にmなった。何をしていたのか、私たちがいた場所からは分からなかった。残念な事に。審判は分かっているようで、二人に二人よりずっと大きな声で「よく頑張ったな」と言っている。

 

第4試合 ヒナタvsチョウジ

 おそらく同じ世界からの転生者によって強化されたヒナタちゃんは、チョウジ君を瞬殺していた。「ごめんね!」と言いながら八卦空掌を放ちチョウジ君を指一つ触れる事なく吹っ飛ばした。ナルト君は3秒くらい黙っていたが、「すっげー!早く戦いたいってばよヒナタ!!」と大喜び。サスケ君は黙り込んだきり、ナルト君が話を振るまで喋らなかった。観客席にいたヒナタちゃんの妹であるハナビちゃんは目を輝かせ、お父様とおじい様は「強くなったな、ヒナタ・・・」と涙ぐんでいる。

チョウジ君のお父さんは唖然としていた。私たち第77班もしばらく無言だった。

 

                     ☆★☆

 

 

第5試合 サスケvsライカ(忍界転生者の星)

 サスケ君が纏っているのは、私の推しことマダラ様たちの時代ではメジャーだったうちは一族の正装である。あの濃紺でヒラヒラしている、かっこいいあの装束。うちは一族に対する理解が急速に進んでいる今の木ノ葉隠れにおいて、うちは兄弟は応援の的だ。観客席から「うちは君かっこいい!」「がんばってー!」と商店街のおばさんとお姉さま方から黄色い声がかかる。歴史好きなおっさん達も、復刻された伝統装束での戦いが楽しみらしい。私も歴史が好きだから、とても楽しみだ。

 対して、鹿島ライカの服装は巫女装束を連想させる。短い袴は赤で、額当てはサクラちゃんと同じ巻き方で。例えるのが難しいが、金剛姉妹の三番艦と言えばわかりやすいだろうか。私は確信した。鹿島一族の中でも忍界転生者が強い力を持っていて、鹿島ライカにあの装束を着せたんだろうと。似合っているけど。

 

 二人の共通点。それは『有名な一族の二番目の子供であること』、『剣術使いであること』、『プライドが高いということ』。そして、『強力な雷遁使いであること』だ。吹き荒(すさ)ぶ冬の風に二人の装束の裾がヒラヒラと遊ぶようにひるがえる。会場内を緊張が包み込んだ。

 

 試合開始の号令が掛った瞬間、二人は抜刀しそれぞれの獲物の刀身に雷遁を纏わせてチャクラ刀とした。そのまま切り合いが始まり、メスゴリラと称される腕力とチャクラがあっても流石にトップクラスの実力を持つ男子と斬り合うのは分が悪いと判断したか、回避してバク転で背後に下がって印を結んだ。

多分だが、『土遁・裂土転掌­』。盛り上がるように地割れが起こって、会場が沸いた。

ド近眼だから詳細は分からない。申し訳ないが。サスケ君は一瞬だけ、ほんの刹那だけ驚いた。しかしその口許は笑っていたと思う。余裕の笑みだ。サスケ君は体勢を整えると舞うようにヒラリと攻撃の範囲外へと着地し、刀を仕舞ってからまた走った。私が横を見ると、イタチさんもサスケ君そっくりの笑みを口許に浮かべていた。ナルト君もサスケ君の試合に対して何も言葉が出ないようだ。

 

「サスケって、すっげぇ綺麗に戦うってばね。かっけぇな」

 

ナルト君って本当にサスケ君が大好きなんだな。きらめく空色の瞳にはライバルの活躍が映っている。

翻る濃紺の装束の裾を追うだけで、「美しいな」という感想が生まれる。舞うような戦いに溜息が出る。

いつの間にかサスケ君は短刀を握っていて、その刀身には雷ではなく火遁が纏わせられていた。

 

「なるほど、シスイから教わったのか」

 

「アレ、シスイさんの術なんですか?」

 

「君は知っているだろうに。三嶋さんが『ゲーム』で見て知っている『うちは流・日暈の舞』だ­」

 

突如現れた『ゲーム』という言葉を聞き、イタチさんは忍界・あの世界・忍界とUターンで転生してきた人なんだと突然現実に引き戻された。それにしても『うちは流』って、響きからしてかっこいい。

 

「だってホンモノですよ、ホンモノ。テンションが上がるよ」

 

「諏訪軍団にもああいう技があるといいだけどな。三嶋にはあるか?」

 

「あるかもしれんけど、本家相伝だからね。私が知らんだけかもしれん」

 

「そっかぁ。俺も全然分からんだよな。うち頭領家っていっても分家の末端だし、父ちゃんは婿養子の神職だし!」

 

「おじさん婿養子だったの?僕全然知らんかっただけど!」

 

テンションが高めになって三河弁全開の私たちを見て、イタチさんは穏やかな表情で頷いている。

 

ワイワイしている間に勝負がついた。といってもライカが倒れている訳ではなく、首筋にサスケ君によって短刀を突き付けられて「降参します」と宣言したのだ。地面は焦げたり抉れたりして、地形が変わっていた。ナルト君は静かに「あれが、うちは・・・!」と一言。

 

「サスケが勝ったか」

 

「ですね」

 

サスケ君の勝利宣言がなされると、会場のテンションも最高潮。

イタチさんも小さくガッツポーズをしていた。

 

 

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