14日 『火影直轄忍者アカデミー 通称:木ノ葉中央忍者アカデミー』
在籍者:男子 うずまきナルト/うちはサスケ/奈良シカマル/犬塚キバ/油女シノ/秋道チョウジ/サイ/日向ネジ/ロック・リー
女子 日向ヒナタ/山中いの/春野サクラ/テンテン
フウレンが今日やってきたのは、名門旧家出身者と上忍・特別上忍などがスカウトした子供たちが通っている『木ノ葉中央忍者アカデミー』。血継限界家系や秘伝家系出身の『既に覚悟が決まった』子供たちにとって、忍者になるのは自然なこと。全体の教育コストを下げるためにも血継限界・秘伝家系出身者/一般家庭出身者/一般忍者家系出身者とで学校を分けた方が良いのではないかとフウレンは考えたのだった。
そこで設立されたのが、ここ『木ノ葉中央忍者アカデミー』である。
3種類のアカデミーはカリキュラムが異なっている。誰もが出来る限り同じ条件で成績を競い、技術を研鑽していくためには差別ではなく区別が大事だとフウレンは思っているからだ。
学校でのスタートラインだって、一般家庭出身者はまず『忍者とは何か』から始めないといけない。いくら忍者が割とメジャーな職業である木ノ葉隠れでさえ、家族に忍者がいなければ忍者知識なんてたかが知れている。
だから、3種類の学校を用意した。
その結果は明らかで、ここ4年で卒業した木ノ葉隠れの里の若い忍者達は明らかに平均して能力が高い。明らかに底上げされている。チャクラコントロールをしっかりと教え、下忍になる時の基準を高くし、高くするためには学校で教育されるレベルも見直した。従来よりも強い忍者を出すのは当然だが、精神的に安定した市民を育てるのにも注力している。木ノ葉隠れは人口10万人、うち0歳から13歳までの子供の数はベビーブームもあって33%を占めている。しかし、今の13歳は終戦の年なので1つ下の学年に比べると人数が少ない。だから、忍者の採用人数を里外出身忍者一族から補っている。かつて里ができても木ノ葉隠れに入らずに、警備員や用心棒として生計を立てていた人たちをスカウトして『木ノ葉市民教育』と『木ノ葉流基本戦闘訓練』を施して下忍として採用したのだ。彼らは働こうとしても、戦火に町が焼かれてしまっていては働き口がない。そんな人たちの子供たちも木ノ葉隠れの市民として受け入れ、チャクラが練れる才能のある人材を大勢確保した。
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フウレンが教員に案内されて廊下を歩くと、子供たちが『体育室』で忍術の授業を受けているのが見えた。その中にはフウレンの孫娘、アザミがいる。亡くなった娘が生んだ孫だ。孫の父親の一族とフウレンは関りが深く、どんな人物かはこれから能力を発揮するにつれて分かってくるだろうと思ってる。それに、顔立ちと状況証拠から何となく見当はついているが。前世において、八ヶ岳にある湿原に咲くアザミの花をイメージして薊子と名付けられた孫娘。ようやく授かったと娘夫婦は喜び、フウレンと妻にとっては初孫だったので強く心に残っている。フウレンは前世、娘の夫がどうにも気に入らなかった。態度には絶対に出さなかったが、ストレス解消の名目で酒と煙草、ギャンブルに依存するのがどうにも耐えられなかった。そんな奴との間にでも子供が欲しかったのは、向こうの両親から強く望まれていたからだった。子供は欲しいが、ハッキリ言って夫の子は産みたくない。でも跡継ぎを生まなければと、娘は苦悩していた。離婚を薦めたがある日、妊娠したと満面の笑みで報告してきた。今思えば、アレは何かの予兆だったのだとフウレンは考えた。
驚くことに娘は今世では結婚しないまま妊娠し、シングルマザーとしてアザミを出産した。説明がつかないが、娘は前世の夫に当たる人物に対して『生理的な嫌悪感』を強く主張していた。前世の義弟にして今世でもアカデミーの教え子だった青年を『君はこんなに素敵な子なのに不思議だね』と言い、可愛がっていた。そこで前世、夫とその両親と上手くいかずに子供が出来ないと悩んでいた娘を助けた”誰か”がいたのだとフウレンは今世で確信した。その誰かについての検討は何となくだが付いている。付いていても言い難い。そういう”誰か”だ。
フウレンの両親は従兄妹同士だ。妻も母方の遠縁から嫁いできた。前世も似たようなものだったが、この世界では完全に一族内で行われる政略結婚だった。フウレンには諏訪という、氷遁を血継限界として保有する雪一族とは全く別系統の”転生者”によって創設された忍一族の血が色濃く流れている。諏訪には藤森、岩波という前世の世界でも長野県でたまに聞く苗字の血継限界を持たない庶流の家系が存在している。フウレンの父方祖父が三島、祖母と母方祖父母が『岩波』の出だ。妻のイナは旧姓が『藤森』。イナの祖母は血継限界を持つ諏訪から嫁いできたくノ一の曾祖母が藤森に嫁いで生まれ、彼女自身にはその因子が無いだろうと思われる。娘も息子も氷遁使いの兆候を示していなかったからだ。
アザミは何かと、フウレンが前世と今世でそれぞれ高校教諭・担当上忍として育てた自慢の教え子とよく似ている。長野出身の父親がいると言っていた教え子は旧家出身で品が良くて優しく、誰よりも優秀だった。田舎の進学校から突然東大に合格したと思えば、アメリカの大学院を卒業して帰国した。一流の建築士として活躍していたが、急性骨髄性白血病で若くして命を落とした。”その子”は娘が嫁いだ男の弟で、彼女にとっては”義弟”でもあった。アザミが生まれた時には19歳。小学校教師だった娘の最初で最後の教え子。1年で悩んだ末に離職していた。真面目でいじめに対して真剣に立ち向かう娘を慕っていた。その子とアザミは似ている。顔立ちは確かに娘や妻とよく似ているのだが、尋常ではない集中力や限局した興味対象についての瞬間記憶能力といったものが教え子を思わせた。忌々しいあの男の特徴は感じられず、一見すれば平凡にも見える孫娘の中にあの非凡な教え子の面影がある。転生してきてから、里のトップクラスの上忍として第一線で戦う姿を見てからは尚更だ。アザミの持つ忍者としてのポテンシャルは相当に高い。それが物語っている。
この世界は従来の世界の木ノ葉隠れとは違い、天才はたけカカシより僅かにパラメータが低いものの優れた若い忍者の層がとても厚い。だから『うちはオビトとのはらリン』を助けられると戦場で山岳連隊を率いていたフウレンも思っていたが実際は甘かった。原作通りの人物(キャラクター)は若くして戦死したり、助かっても直系先祖に助けられて闇堕ち(推定)したりした。うちはオビトが帰還しなかったという事はそういう事だろうとフウレンは解釈している。