Uターン転生者で、前世では警察一族に出生。『一族で一番の検挙率』を誇った長野県警の刑事として大活躍していた。忍界での前世の反動か、責任感と正義感は人一倍強いが人生を思い切り楽しむ事を大切にしていた。
長野県民・内田紫彗だった時はNARUTOとBORUTOをしっかりと読んでいたが、その間にネットで色々な情報に触れるうち軽度なオタクになってしまった。
再び忍界で『うちはシスイ』として生まれ直してからは命をもっと大事にするようになり、前前世の忍界の記憶と情報、前世で読んだNARUTOの知識を生かしてイタチと共に今度こそ『生き残る』ため奔走してきた。
が、『前』の時には存在していなかったイレギュラーが多すぎるし長野県民転生時代に見た顔をやたらと見かけるので戸惑いが未だに消え切らない。
7月中旬
扇城一族の経済規模はかなりのものだ。だから扇城一族に恩恵を受けている人々が数えきれないほど存在している。木ノ葉隠れは忍者の隠れ里とはいえ、民間人の生活がある。その民間人の生活の一部を支え、民間人による評議会に議員を出し、民間人の生活がより良くなるような活動をし実際に実績を上げてきた。
現在も毎年少数ながら忍者こそ出しているが扇城一族は事実上、九尾襲来以降は忍者を極力出さないようにしている。今はナルトに封印されている九尾をマダラが操った実績があり、写輪眼を発現する可能性が高い扇城に対して警戒の声が多方面から上がったからだ。そのため、九尾襲来以降で忍者の道を選んだ者たちは誰一人として一族からの経済的支援を受けていない、という事になっている。
しかし、扇城出身者という存在は忍軍が「見込みがある若者を紹介して欲しい」と言うほど優秀だ。
うちはより『性能が低い』と彼らが自嘲して言うが、ちゃんという事を聞く。都合が良い存在と言う見方も出来るか。彼らは彼ら自身の事を『最高級品をグレードダウンした大量生産品』と呼んだ。
そして、写輪眼を発現した者は積極的に里に申し出て、管理されるのを受容している。
扇城一族には過剰にオープンな部分がそこらじゅうにある。
出来る限りどの分家で子供が生まれただとか、死んだとか、すぐ新聞に載せる習慣がある。
進学先や就職先だってそうだ。公開できるものは全て公開してしまう文化だ。
昔のオレはそれを信頼を得るためなら仕方がないと思っていたが。
単なる『アピール』ではないか?と考える様になった。
オレの扇城の知り合いと言えば、双子女子の微風(そよかぜ)と野風(のかぜ)。
彼女らの両親は一族から援助を受けなくても生きていける医者だ。経済的にとても余裕がある。
同い年でCEOの息子、ハズキ。ハズキは下忍になって以来寮生活をしているが最近、哀れな事に苦手な父親から法事などで呼び出されて困っている。いつも上忍師である人物・霧島バンカに『僕、ちゃんと出来ましたか?』と確かめるように問いかけている。かなり優秀なヤツだ。
現在の扇城一族で写輪眼を持つ者は既に里に登録してある。
まずは引退した忍者で元上忍、現CEOの扇城トオル。
二人目は上記の息子で中忍、オレと同期の扇城ハズキ。8月生まれ。
三人目は引退済み特別上忍、前CEOの扇城マサキ。
姓こそ違うが、里抜けをした星宮アマツと星宮カガセ。
ここからは現在判明している比較的最近亡くなった故人である。
特に有名だったのがクレイジーサイコ姫として知られた、扇城アズサ上忍。アマツの母親。
彼女のはとこ、扇城ユウヤ。アズサ上忍と共に任務に当たり、殉職。忍界大戦時代。
数年間自分を養ってくれた家にはもう、1年以上寄り付いていない。
最初は単に時間が無かっただけ。次に行く機会を作ることが出来なくなり、今は意図的に寄り付かないようにしている。一緒に暮らしていた親友でライバルだった星宮アマツは里を抜け、それに対して扇城一族は当然激怒している。アマツの生家にある資料を整理する任務の依頼人が事件で死亡し、それに関して扇城一族の関与の可能性が浮上してきてからオレはひたすら資料を漁るまいにちれた家にはもう、1年以上寄り付いていない。
最初は単に時間が無かっただけ。次に行く機会を作ることが出来なくなり、今は意図的に寄り付かないようにしている。一緒に暮らしていた親友でライバルだった星宮アマツは里を抜け、それに対して扇城一族は当然激怒している。アマツの生家にある資料を整理する任務の依頼人が事件で死亡し、それに関して扇城一族の関与の可能性が浮上してきてからオレはひたすら資料を漁る毎日だ。
☆★☆
オレが兄さんの結婚式の二次会で今は亡き星宮セイラから渡されたノート。そこに記されていたのは扇城一族が婚姻関係を結んだ星宮一族の地下について。「私たちは忍じゃないので入れません」とあり、兄さんから聞いた事があるタイプの隠し部屋だろうなと思った。几帳面な性格をした星宮セイラと兄スバルはおそらく、家のすみずみまで床板を外すなどして清掃しようとして入り口を見つけたのだろう。
オレは何とかその隠し部屋までたどり着き、中にある資料を出来る限り外へと持ち出した。その過程で諏訪アザミの祖父、三嶋フウレン特別上忍に見つかってしまったが。だが安全な保管場所を提供してもらう事が出来た。古い資料、それは日記。戦国時代の字体が使われたものが殆ど。しかし三嶋特別上忍はそういった文献を解読することが趣味であり、得意。好奇心旺盛な彼はそれらの解読をやりたいと言い出し、兄さんの承認を得てそれを依頼し、解読が完了したものを彼の家の書斎で読むという生活をしているのが今だ。
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オレは常日頃から天才的な兄と比較される機会が非常に多かった。大好きな兄が褒められるのは本当に嬉しかったが、幼い時はそこから生じる感情を上手く処理する事ができなくて無茶な修行をした。それによって付いた傷を見た両親と兄はオレの正直な気持ちを知りたがった。それによって、オレと兄さんは同じ血を引いていても同じ人間ではなく、同じ到達点を求める必要が無いと認識する事が出来た。
和解の道を求めているというのに、異常なほどに進まない話し合い。妨害工作。突然無くなった書類たち。その不可解さに両親と兄は時折苛つきながらも、オレには「ゆっくりと育て」と暖かな言葉をくれた。庶家である扇城は里との和解に対して積極的。マダラの件で里はうちはに対して強い疑いを持っていたが、それから逃れて比較的平和に公正に扱われている庶家。同じ血を持ちながら精神的に安定し、向いていないと口では言いながらも安定して強い忍を輩出する有力な庶家。それこそが扇城。意識した上でうちはの血縁であるという認識を上書きするように忍界トップシェアを誇るうちわ生産者として君臨し、民間部門にも有力者を沢山出した。
指揮官たちの間では『不安定で扱いづらいが優秀なうちは』と『うちはを扱いやすくグレードダウンさせた扇城』といった評判。忍界大戦中には、武器生産や整備を請け負って経済的に国と里を全面的にバックアップした。マダラの件で常に強い疑いを持たれたうちはとは対照的に、ひたすら自分たちは無害な存在だと積極的にアピールしていった。その一方で里に貢献したいと強い写輪眼持ちの忍を沢山出し、戦場では本家たる『うちは』を庇うような理由で命を散らした。誰もがうちはの人間に対して『自分の存在をずっと覚えていて欲しい』と言って事切れたという。
『認めてもらう』対象。それが『うちは』なのか、『木ノ葉隠れの里』なのか。
いまいち資料を眺めていても掴めない。
『認められる』事に対する渇望というものを、遥か昔に枝分かれした『扇城』は持っているのだとオレは想う。戦場に立つ事があまりにも向いていないと言われた者たちは戦力にならない鼻つまみ者として扱われながらも、彼らを突き放した一族のために武器職人として戦場に赴いた。自分たちから申し出て、愛している一族の邪魔ものを引き取った。それを不本意だと思っていた後世の者たちが多くいたようだが、実際のところは『認めてもらいたい』一心で狂ってしまった一族の女や外から命乞いとして押し付けられた女を引き取ってきた。それによって一族は戦闘の才能が低い庶家を便利屋扱いするようになり、やがて戦う力の低い者でさえ最前線で働かせられた。曲がりなりにも血継限界の血統を持つ分家、戦場での高度なストレス下に置かれた者は時折写輪眼を開眼してしまった。まるでスイッチが入ったように戦えるようになるケースの多さから、戦場に出る時"だけ"は本家の家紋を背中に掲げる事が許された扇城。その本分はその器用さから武器職人、整備職人だというのに。
千手から勝利をもぎ取るためにはどこまでも残酷になれた『うちは』は、同じ血が流れる者たちを一族が叫ぶ『愛』の範疇から外す事によって使い捨てた。『愛』の対象からあえて外す事によって。
一見すればそう『見える』が、資料から読み取った結果からだと本当に『そう』だろうか?
巧みに誘導するような言動が記録されており、オレはぞっとした。
これまた狂気を思わせるのが、そういった扱いを彼らが自分から望んでいた節があるという点だ。
そうすれば認めて貰えていると信じていたのか。それとも裏に別の狙いがあったのか。
自分たちから長すぎる千手との戦いによって荒廃しギスギスした一族の者たちの心を和ませるため、『サンドバック』を志願したんじゃないか?彼らの思う『愛』って何だ?
遠ざかりたいのか、近付きたいのか。
別物になりたいのか、同じものになりたいのか。
はたまた優位に立ちたいのか。
得られなかった承認を『愛』としていたという仮説は、書かれた日記や歴史から勝手にオレが推測した。
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オレが休日にナルトを連れて生家に行くと、まだ10時半だというのにシスイが疲れた顔をしてうちわで顔を煽ぎながら居間で休んでいた。よく見ればシスイが持っているうちわは扇城屋製造品で、それが入っていたらしい袋にはデカデカと『不良品』とある。机にはポテトチップスが一袋。あまり食べ進んでいない。
「どうしたんだってばよ、シスイさん」
「・・・ああ。少し、色々あったんだよ」
優しいナルトの声にシスイは力なく微笑んだ。いつも通りの元気が無い。食欲もなさそうだ。
「俺は呪われているかもしれない。ここ数日悪夢を見るんだ」
見てみればいつもより肌に血の気がなく、唇も少し青い。
心配したナルトは了承を得てシスイの下瞼を引っ張り、貧血気味なのを確認した。
「これを見てくれ」
シスイは突然、傍らに置いていた段ボールから不気味な人形を取り出した。
ソレは藁で出来ていて、切った半紙に『うちはシスイ』と達筆に名前が書かれて赤い紐で縛り付けられていた。それだけでも不気味なのだが、その体には何本も五寸釘が突き刺さっていた。
「うわぁ・・・」
「・・・ヒドいな」
しばらくすると兄さんと義姉さんが揃って帰ってきて、シスイが持ってきた段ボールの中身を見て絶句していた。兄さんとシスイは親戚である以前に親友同士である。静かに怒りを燃やしているのがオレには分かった。わなわなと燃え盛る、オレやシスイ、姉さんじゃないと分からない微妙な表情の変化から怒りを感じ取った。ナルトはそれを感じ取っているようで、急に姿勢を正しはじめた。
「こういう類(たぐい)のものに強い人物を知っているか・・・?」
地を這うような静けさで絞り出されたような兄さんの声に、ナルトの姿勢が最大限まで正された。
空色をした瞳が泳ぐ。部屋の隅、机の上、台所の方向へと次々に。
そしてナルトは意を決したように口を開いた。
「カ、カカシ先生、とか・・・!?」