木ノ葉教育戦国時代   作:宝石マニア

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ニーサン視点です

ネタバラシ回


13.5 雷(いかづち)の剣と服(まつろ)わぬ星

9月13日 13:38

 

―――少し遅めの昼食にと、弟と共に入った食事処は賑わっていたが辛うじて2席分だけカウンターが空いていた。イタチは店員からカウンター席について尋ねられると、快く応じて案内されてカウンター席へと着いた。ここは『雷霆(らいてい)の鹿島』こと、鹿島氏族が祖神と伝える軍神を祀る『鳴神(なるかみ)神宮 木ノ葉分社』の参道にある食事処。ちなみに彼らの連合する氏族である香取は真正面に敷地を構え、そちらには同じく彼らの祖神を祀る『石十経津(いそのふつ)神宮 木ノ葉分社』が。静織(しとり)氏族には『星織(ほしとり)神社』が。まるで対角線上にある星宮氏族の領域を監視するように、神社特有の清冽な雰囲気の中に確かな緊張感を以て3氏族は座している。この鹿島と連合する氏族が固まって住む領域があるのは、木ノ葉隠れの南東部。鹿島の鳥居が見つめる先には『不屈の氷龍』こと、諏訪氏族とその連合氏族・諏訪軍団の領域が丁度真逆である里北西部にある。

 

 

「兄さん。今日はどうだった?」

 

剣術道場のすぐ前にある食事処の一番奥にあるカウンター席で、首に青いタオルをかけたサスケがイタチに話しかけてきた。その黒髪はシャワーの後からまだ湿ったままで、風邪を引かないか心配になった。

 

「先週よりも良かった。ただ、まだ少し踏み込みが甘い」

 

「アレでもかよ!」

 

心底残念そうに、サスケはがっくりとうなだれた。今週は相当に自信満々だった。そんな弟の姿を微笑ましく思いながら、イタチは読み終えたメニュー表を渡してやる。9月上旬のこの日、鹿島氏族の領域は参拝客と稽古帰りの忍たちで賑わっていた。

 

「兄さんは決めたか?」

 

「俺はこちらの定食にする。季節の甘味付きだ。ハーフサイズなのが気になるが」

 

「なら、俺も同じのにする。で、甘味は兄さんにやるよ。今日はオレが注文する番だな」

 

鹿島氏族とその連合氏族は剣術に優れている。そして霧島氏族は別系統の流派を扱っている。木ノ葉隠れにも木ノ葉流がある。その事から、イタチは1ヵ月に1度を目安にしてそれぞれの流派の道場へとサスケを伴って通い、交流試合を申し込んでいる。普段はクールに冷静に努めて振舞っているようだが、こういった兄弟水入らずの時間になると途端に無邪気になるのをイタチはなんとも可愛い子だと思っている。今日のイタチには目的があった。鹿島氏族を客観的に観察するという目的が。

 

「すみません。このBセット2つと、この季節の甘味を1つにして普通盛りで頼む」

 

にこやかに、よそ行きの笑顔でサスケは店員に注文を伝えた。少し鹿島ライカと似た顔立ちをした若い女性店員は「ありがとうございまーす!」と元気に応え、厨房の方にそれを通る高い声で通す。

 

「サスケ・・・」

 

「遠慮なく食べろよな、兄さん。あんた最近疲れてて心配だって義姉さんが言ってた。頼むから隠すな・・・。食べたかったら追加で注文したっていい。オレも稼いでるし、ちゃんと財布持ってきた」

 

 イタチは無言で数度瞬きをした。「最近弟さんちょっとチャラいよ」と、はたけカカシから言われていたため内心では心配していたのだ。それが服装(ファッション)に限定されていた事が判明し、胸を撫で下ろした。前世の長野県戸隠時代、弟だった当時中学校1年生の佐助(サスケ)が夏休みが終わる寸前に突然グレたのだ。安心したイタチはサスケと二人、他愛もない話をしながら配膳を待つ。待ちながら周囲を窺い、会話内容を調査する。

 

                       ★★★

 

 この情報収集任務が必要になった切っ掛け。それは扇城屋を乗っ取った形となった星宮一族の訴えだ。彼らが何故、扇城屋を乗っ取ろうと思ったか。その理由に関係する。彼らは里や国の要職に就けない代わりとして、九尾の件でうちはと共に疑われながらも経済活動で里を支えて信頼を得ている”扇城”と接近した。民間分野で誰も文句が言えない地位を手に入れて発言権を得ようとしたが、肝心の扇城家自体が予想以上に里との信頼関係を築いていた。里の中枢に関わる役職に就いた者も居た。それはスパイとして送り込んだ星宮の血を引く扇城家の者からの報告で明らかになっている。その者は星宮アマツと対話し、いわゆる”闇堕ち”を回避するために動いてきたのだが。アマツは”彼女”とは仲良くならず、五代目火影が目を付けている男とばかり過ごした。彼女はあの事件で懐いていた秘書の職にある親戚の女性と仲が良かった血の繋がった友人―――星宮家の母と姉を亡くし、せめて一人残されたアマツだけは誤った道に行かぬよう努力してきた。カガセの行動を怪しみ、三嶋フウレン特別上忍を通して三代目火影に情報を報告してきた伝説の三忍・自来也とは”前世”の世界に於いて陸上自衛隊の上官と部下の関係にあった女性。前世の諏訪オカヤとは同じ災害派遣に行き彼女が上司で幹部、オカヤは部下で3等陸層。彼女を庇ったオカヤの突然の死を悲しんでいた。そして今世彼女は再び友を亡くした。星宮スバルとセイラの兄妹である。

 

 常にアマツの一番近い距離にいた、扇城屋で最高経営責任者の側近として働いていた中忍、扇城ハルキ。五代目火影・千手綱手はその男をかねてより怪しいと思っていた。その男は星宮一族と扇城一族双方の血が混じっていると思われがちでサスケもそうだと思っているが、実際には鹿島の者だ。経緯は少し複雑で、星宮と和睦をと考えた鹿島が星宮に養子に出した子供で写輪眼の使い手でもある。扇城一族の”うちは”に対する献身は健気なほどで、うちはを警戒する鹿島の感情を和らげようと鹿島に対して扇城から嫁を出した。そうして生まれたのが、扇城ハルキ。扇城の養父、星宮の養母によって彼は育てられた。彼が養子に入ったのは5歳の時。亡き扇城タイキはハルキを血の繋がった従兄として認識していた。5歳といえば、かなりしっかりしてきた年齢である。扇城は星宮と親しい。その為、星宮を監視するために送り込まれたといっても不思議ではない。ハルキは中忍になった18歳の頃、熱心に扇城マサキに対して扇城屋の仕事を手伝わせて欲しいと頼み込んで側近の座を勝ち取った。ハルキは仕事が本当に仕事が出来る。

 そういった事情もあって、扇城一族はうちは側に対して『血を不用意に拡散させた』事をいたく気にしている。イタチとしては、彼らの努力があって里内で信頼を勝ち取る事が助けとなった事実を重視している。済んでしまった事は仕方ない。こう考えていかなければ停滞するのみ。前に進むには許すのも必要だ。

 

 

                        ★★★

 

 鹿島。この転生者が興した氏族は里に対する忠誠心が非常に高い。『能力の高い者には果たすべく責務がある』という家訓を掲げる。能力の平均値が高いエリート一族の一つに数えられ、正義感が強い。それだけに里の利益について常に考えており、里に不利益となる事を徹底的に排除しようとする。その矛先が向かうのは『うちは、扇城』、『星宮』そして『諏訪軍団』の3グループだ。『うちは、扇城』に対してはマダラの里抜けと操った九尾を伴った襲撃、二度目の襲撃、そしてあの事件が理由。『星宮』『諏訪軍団』は戦国時代に於ける領土戦争での怨恨が理由。だが『うちは、扇城』に関してはイタチの帰還と他一族との交流を見て、かなり脅威度を引き下げている様子。

 

 かつて鹿島によって主君を失い天龍湖に押し込められた諏訪は土着勢力を配下に収めて新たなる国を興し、君臨した。そこからも戦国時代が終わるまでは戦い自体は続いていた。広大な領地を誇る主君に仕えていた忍一族が信仰を中心にした共同体へと変化したのだ。里創設の噂を聞いた彼らのうち頭領家と祭祀家の分家は里へと入植し、祭祀に関わる氏族連合の家々だけが天龍湖周辺に残って藤森財閥の創設と地域発展の中心となった。藤森財閥は生糸の生産に始まり紡績工場の設立をきっかけに知名度を上げ、今では転生者やその家庭出身者である民間人がペイン襲来やら忍界大戦の戦火を避けるために入学させる『私立藤森学園』という全寮制の教育機関の設立、観光業への参入などと手広く手掛ける地方財閥だ。氏族全体の経済的後ろ盾であると同時に、忍を輩出する家庭に対する血が濃くなり過ぎないために存在する遺伝子の供給源としても機能している。設立された木ノ葉隠れに来てからは扇城、そしてうちはと友好的な関係を築き保ってきた。あえて政治の中枢に接近する事なく、彼ら曰く『立場を弁え』ながら堅実な生活を送っている。鹿島とは宿命のライバル同士。一応は【休戦協定】を結んでいる。しかし諏訪の者は鹿島を遺伝子レベルで苦手としている。ビジネスライクな態度と互いの我慢による絶妙なバランスで成り立っている関係だ。

 現在の頭領は諏訪ユウヤ。里創設時に頭領だった諏訪イザヤが従弟のシュウへと地位を委譲して以来、そこから続く3~4世代が頭領家の”本家筋”だ。諏訪イザヤは妹を政略結婚で鹿島頭領の弟に嫁がせ、頭領の座を従弟の諏訪シュウに委譲した彼自身は隠居。生涯独身だったという。

 

 問題は星宮だ。星宮は鹿島らが使えていた国の国主が手に入れようと考えていた領地を治める武勇に優れた氏族で、鹿島の者たちを簡単に蹴散らす程の戦闘力を誇っていた。それを鹿島と氏族連合が使えていた主君は領地拡大に当たって苦々しく思い、どこにも属さない事から『服(まつろ)わぬ悪の星』と呼び配下である彼らに討たせようとした。だが星宮は強敵だった。その過程で数多の犠牲が出た。長きに渡る戦いは憎しみを産み、増幅させ、埋まらない溝を作った。いくらいがみ合っていても、転生者を始祖とする彼らの目的は『4度ある忍界大戦で上手く立ち回り犠牲者を減らす事』。それらは帰らの祭神による”お告げ”として神社に受け継がれ、転生者ではない者たちにも強く信じられている。世界に過剰に干渉せずいる方法を彼らが模索した結果―――それが宗教だった。名前だけを借りた神々の助けで信仰心を高めて警戒心に訴えかけ、影分身による経験値倍増という事実もまた、”お告げ”として伝えられた。祭神による”お告げ”とはいっても、原作を知っている上で分かっている事実をそれらしく仕立てただけのもの。転生者達が生前、慣れ親しんだ神々の名を借りているに過ぎない。それでも信仰があれば、世界を救うための嘘も説得力を増していく。その結果が優秀な上忍を大量に輩出している現在の状況である。

そして彼らは木ノ葉隠れに集った。『世界の終わりに立ち向かう者たちを守れ』という”お告げ”の許に。

 

 同じ目的を持っていた筈の者たちはそれを見失い、争い合った時代もあった。殆どの氏族たちが”合図”である”木ノ葉隠れの創設”を機に歴史が産んだ怨恨を捨て去り、初代火影の許に『里を支える枝葉』として集った。しかし鹿島とその氏族連合たちはどうしても、どう藻掻いても、星宮を許せなかったらしい。あまりにも血が流れ過ぎたのだろう。同じく不倶戴天の間柄だった諏訪氏族は当初の目的を忘れず、『生き残り戦い抜く』段階へとシフトした。それが【休戦協定】だ。条約を結ぶ条件が友誼の証として嫁を出し合うというものだったのだが、長く鹿島との血で血を洗う争いにより犠牲ばかりを出してきた星宮はそれを拒否。徹底的に不利な条件を突っぱね、それどころか再び鹿島と戦う姿勢すら見せ始めた。星宮は里に対する忠誠は確かにあったが、権力に擦り寄るよりも自分たちのスタイルを貫く気質の者たち。作られたばかりの里において二つの勢力は喧嘩が絶えなかった。生き残るために時には裏切りを行った事もあった星宮を、鹿島は非常に軽蔑していた。それが『いつ裏切るか分からぬ服わぬ星』という言葉へと繋がっていった。

 

 そんな時に起こったのが、『うちはマダラの里抜け』と『九尾を写輪眼で操っての里襲撃』という事件である。事件の影響で、マダラの行動によって唱えられていたうちは一族と写輪眼に対する危険視が更に高まっていった。そして鹿島はある計画を思いついた。里にとっての脅威はうちは、鹿島にとっては星宮。里にとっての脅威を一つに纏めてしまえば、里にとっては効率的に治安を守れるのではないか?それを思いついた当時の鹿島当主の弟・鹿島ヒタチは”うちは”の分家・扇城の中でもマダラに同情していた僅かな層に対し、星宮との縁談を薦めた。同時に志村の者たちの中でも結婚に困っている者に対し、結婚の世話をしてやった。勿論相手は星宮の独身者。当時の鹿島と扇城は現在よりも仲が良かった。

 結果、写輪眼を発現する遺伝子を持つ星宮の人間が誕生。写輪眼はすぐには出て来ず、志村の血を引く者たちとの間に生まれた混血2世代目にちらほらと発現者が登場した。分離の法則が為した結果だ。鹿島は『危険分子』という名目で圧力をかけたが星宮の勢いは止まらず、鹿島は次第に過激な方法へと段階を進めていく事になった。

 

 それが、里の要職へ就く事の妨害である。対象は里の中枢―――政治に関係するポジション。そのため星宮は民間の仕事または政治に近付かない生き方へと方向転換し、就職先として扇城屋を受け皿にするようになった。扇城は星宮に対して寛容だった。扇城が星宮を受け入れて重宝していれば、鹿島も態度を軟化させると信じていたのだ。星宮は星宮で、願うのは『誰もが等しく飢えない平等な』平和。肥沃ではない土地を行動範囲にしていた氏族であるため、戦う事でしか生き残っていけなかったのだ。周囲を鹿島とその氏族連合に固められ、交流があった諏訪は大渓谷と山脈の彼方。その考えにマッチしたのが、扇城マサキから見て年齢が離れた異母兄である扇城イリヤだった。扇城イリヤは共産主義的な考えに傾倒しており、【世界を統一した統一政府を樹立して全てを共有する飢えない平和な世界】を理想としていた。星宮の者たちは扇城イリヤを支持した。彼は全ての従業員に対して平等だったからだ。良くも悪くも。どんな仕事をしていても同じ給料と待遇を徹底したのだから。そんな異母兄の考えと見通しの甘さ、そして過剰な理想主義を嫌悪していたのが扇城マサキ特別上忍。彼は異母兄の死後、会社を改革すべく立ち上がった。星宮の者たちが不用意に支社を世界に展開しようとするのを阻み、給料体系も年功序列に基づいた同じ給料から実力主義へと。社員の半分以上を占める様になっていた星宮の者たちはそれを嫌がり、同じ考えだった『戦争すると儲かる』事をよく知っている株主たちと歩みを揃え始めた。扇城は里と国のため、評判の悪い富裕層を識別するため藤森財閥と密約を交わしてそれらと関係を持ってきた。戦争の可能性を少しでも下げるために。それに関して忍者の諜報技術はとても役に立ったのだ。

 

 野心溢れる星宮は扇城屋の経営陣にも続々と名を連ねるようになった。その頃に起こったのが10月10日、うずまきナルト中忍が生まれた日に起こった九尾襲来事件である。うちはに対する不信と疑惑は”原作通り”に増していった。里の復興時にうちはの居住区の隔離もまた同様に起こった。違うのは警務隊の者たちの取り締まり態度が以前と変わらなかった事と、クーデター計画など起こさなかった点か。九尾襲来の疑惑を掛けられているにも関わらず、にこやかで愛里心と愛国心に溢れた”転生者”のうちは達。口には出さなかったが、彼らは確かに前世のイタチに対し「オレ、うちは一族が一番の推しなんだ!」「流石に可哀そうすぎるでしょ、うちは」「出来るなら助けたいわ」と言っていた戸隠の親戚たちだった。

 星宮は九尾の被害で更地になって、歴史書の殆どを失った扇城に目を付けた。実際には扇城マサキが巻物に本物を封印しており、スペアがあるのみだったのだが。肝心なところで方向性が違っていた扇城をどうにか経営から引きずり降ろそうと、彼らは新たに建てられた星宮神社の保管庫に『危険で不安定なな扇城一族』を演出する巻物を作り置いておいた。信用を無くさせ、後ろ盾である”うちは”に愛想を尽きさせることを目的として。優しいサスケは愛想が尽きるどころか、扇城を心配していた。

 

 一方で星宮は次第に『世界的大企業を乗っ取ってしまえば発言権が増す』可能性に気付き、扇城マサキを引きずり下ろす方向へと進んでいった。株主と共謀して扇城マサキを引きずり下ろし、代わりに『どうすれば平和になるか』に関する勉強をしていた扇城トオルを担ぎ出した。扇城トオルは前世でイタチが在籍した国立大学の先輩教授で、第二次世界大戦と戦後を専門としていた近代史の望月教授。そのため、扇城イリヤの考えの甘さにはとっくに気付いていた。生前はスパイ映画を好み、『裏切りのサーカス』がお気に入り。口先だけなら『007』のジェームズ・ボンドになりたいのに、彼が一番近いのはQ。特殊なギミックを搭載した忍具(ガジェット)開発のアイデア構想に明け暮れてノリノリで忍者になった、本当は経営者など向いていない研究者向きの人物だ。彼は常に『もぐら』を探していた。それはもうノリノリで。星宮の者たちはそれを知る訳がない。扇城トオルは『内需(ドメスティック)すぎる経営者』となり、わざと星宮の者たちを煽っては様子を見てきた。ノリノリで。もぐら叩きの対象には側近の扇城ハルキも含まれていた。扇城マサキが目を付け、トオルが継続して監視してきた怪しいヤツNO1。

 写輪眼を本家筋に限定されるが手に入れた星宮はまたしても気付いた。『別天神』という万華鏡写輪眼の存在に。星宮が向ける恨みの矛先はもはや鹿島だけではなく、確かに里にも向いていた。鹿島の一向に改善しない態度、阻まれる昇進。平和への希求。そこから万華鏡写輪眼を利用したクーデター計画が立案されたが、誰がどう行動したか、『クーデターを企てているのはうちは』という間違った情報へと入れ替わった。その結果が、『どうしてああなったんだ』と里人が首を捻る『うちは滅亡事件』である。

 サスケは言った。『兄さんがいなくなってから、何故か犯人が確定していないのに兄さんが犯人だって風潮が里内で盛り上がってきた。証拠など無いのに。オレも色々あったが、あんたを信じてた。その意見を言っているヤツらは決まって鹿島の奴らだった。星宮が嫌いなら星宮だって言えば良いのにな。理由は分からないが、あいつらには里の世論に影響を与えるだけの権力がある』。

 

 どうにかここまで、身内に対する諜報を躊躇いなく気軽に行う”山犬”こと三嶋氏族と『もぐら叩き同好会』の会長だと自称する扇城マサキたち『創業時から変わらぬ品質と理念を保つ扇城屋創業者一族』に協力する形で判明した全体の大まかな流れだ。諏訪アザミら第77班を諜報向きに育てた甲斐があったと、イタチは心から思っている。第77班は目的を失わない、幻術に耐性がある。

大人並みの判断力、意思決定力がある。諜報をさせるにもってこいの特徴を持ち合わせている。

―――実際に中身は不幸な事件で命を落とした30歳前後の成人した男女なのだが。

 

                        ★★★

 

「サスケ。食べ終わったら鹿島の者と手合わせをしてみないか?」

 

兄の言葉に弟は視線を上げ、「そうする!」と無邪気な声で応えた。イタチが生きてきて一度も発した経験が無いような、純粋に感情を表現するような明るい声音だった。

兄弟は仲良く会話しながら遅めの昼食を食べ進める。宿敵としてきた者たちの訴えに対し、戸惑いを隠しきれない鹿島の者たちの発するざわめきを耳に感じながら。




【氏族ごとの能力平均値】

《鹿島》
忍3.0 幻2.5 体3.5 賢3.0 力3.5 速3.0 精4.0 印3.0 合計:25.5

《香取》
忍3.0 幻2.5 体4.0 賢3.0 力3.5 速3.5 精3.0 印3.0 合計:25.5

《静織》
忍3.0 幻3.5 体2.5 賢3.0 力3.0 速3.0 精3.0 印3.5 合計:24.5


《諏訪》
忍3.5 幻3.5 体2.5 賢3.0 力2.5 速4.0 精2.5 印3.0 合計:24.5

《三嶋》
忍3.0 幻2.5 体3.5 賢3.0 力3.0 速2.5 精3.5 印3.5 合計:25.0

《稗田》
忍3.0 幻3.5 体2.0 賢3.0 力2.5 速2.5 精2.5 印3.5 合計:22.5

《霧島》
忍3.0 幻2.5 体4.0 賢3.0 力3.5 速3.5 精3.5 印2.5 合計:25.5



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