4月1日 木ノ葉中央忍者アカデミー初等部5年生初日
―――オレ、うずまきナルト10歳。エリートクラス『A組』でやっていけるか心配だってばよ!
木ノ葉隠れの里は他と違い、まず忍者総数30000人。桁違いの段違いだ。1度に1080人が下忍になるし、教育形態も大きく異なっている。下忍・中忍・上忍というおなじみの階級の中にも細かく階級が分かれているし、里の戦力のコアが上忍ではなく現場の中忍・下忍であるところも違う。他の里はやたらと中忍以上を出してくる。でも15歳までのアカデミーを卒業しないと、いくら強くても『戦争』には絶対招集されない。常にいつ戦争が起こっても戦時編成に移れるよう準備を整えている。
ちゃんと『子供を戦場に出さない』という初代火影様の願いが反映され、三代目のじっちゃんが言っていた『第3次忍界大戦という過ち』を繰り返さないために制度が機能している。
桜が舞い散る中、オレとキバ・チョウジ・シカマル、シノと一緒に記念撮影をしていると遠くの方から俺に対する陰口が聞こえてきた。シカマルの父ちゃんは手早く撮影を済ませると、「後日、うちの倅(せがれ)に持たせるからな」と俺たちに言った。5年生になると、忍者道具をレンタルではなく受領するから特別だ。
「ナルト、行こうぜ。あっちで教科書一番乗りだ!」「ワン!」
キバと赤丸が、グラウンド兼演習場の校舎に近い場所を指示している。
「おう!」
「待ってよー!」
駆け出した俺を追いかけるため、チョウジが息を切らせながらついてきた。
「めんどくせーな・・・、行くか」
何だかんだ言ってシカマルもついて来るのだった。
☆★☆
この木ノ葉中央忍者アカデミーは5年生になると、A組からD組までの4つにクラスが分けられる。もとはくじ引き、または猪鹿蝶トリオのような約束された未来のスリーマンセルを除けばランダムなクラス分けだったけど。5年生になると、火影と上忍・教育職の特別上忍による会議によってクラスが分けられる。単純に成績で分けられるんじゃなくて、その証拠として成績が中の下くらいのオレがエリート揃いのA組にされたから明らかだ。
同じA組になったのはオレ・春野サクラ・うちはサスケ、猪鹿蝶トリオ、日向ヒナタ、犬塚キバ、油女シノ。ここから分かるように、一般家庭出身でものすごく優秀なサクラちゃん以外は血継限界の継承者または秘伝一族の後継者で固めてある。だから人柱力であるオレ、最初はすっげー場違いな気分になった。
B組には血継限界や秘伝を伝えてはいるけど、跡継ぎじゃない子たちばかり。第二子以下とか、分家頭の子供とか。あとは一般家庭または一般忍者家系出身の優秀な子たち。ヒナタの従兄、日向ネジ先輩は6年B組に在籍している。
C組にいるのは一般家庭と一般忍者家系から来た、とびきり優秀な子たち。頑張り屋で秀才だけど、何だかツンケンしていて接しにくいヤツばっかりで苦手!親の影響なのか人柱力であるオレと接するのを躊躇っているところがあるし。
D組には、血継限界一族の本家筋に生まれたけど能力が発現していなかったり、フウレン先生の孫娘であるアザミのように第三者から見込まれて入学した子たち。全体的に劣っているとか酷い言われようで、『コネのD組』とか悪口を言う酷いヤツが他校にいるから普通にかわいそうだ。オレが思うD組の凄いところは、精神力の強さ。全体的に目が死んでいるけど、滅多な事では動揺しない。オンとオフがしっかりしてる。性格や精神年齢も一番大人だし、A~C組が恒例の対抗戦を始めようとすればすぐ先生方に報告してくれる。人の弱みを握ってるし、D組は影の支配者だ。っていうかさ!小さな頃から上忍たちにコネを作れるなんて、タダ者じゃないぜ!!
仲良しのヒナタたち血継限界や秘伝家系の子供たちは授業が終わってすぐ、親や保護者が迎えに来てすぐ帰ってしまうから。オレが一緒に帰ったり、放課後を一緒に過ごすのは必然的にサクラちゃんやアザミになる。アザミは血継限界の家系に生まれてはいるけど、晶遁が得意じゃない。水遁は上手く使えるけど、幻術が得意だ。だからD組に組み分けされ、精神を削るような幻術の優秀さから野外戦闘訓練でもアザミには手を出したがらない奴が多数。腕力が無いのを気にしているから、蹴り技に関しては体術も優秀だ。サクラちゃんは学年1番の優秀な成績を持ち、暗記力と頭脳は伝説の三忍・綱手様が弟子に迎えるほどのレベル。チャクラコントロールも人並み外れていて、『医療忍者志望者選抜授業』で既に医療忍術を学ぶことが決定した。
よく里外に出ている綱手様から直接学べる機会は少ないが、綱手様が信頼する医療忍者が絶賛するほど。だから、サクラちゃんは一般家庭出身者の星のような存在。
もちろん、放課後を一緒に過ごす奴らの中には男子もいる。うちは一族の生き残りであるうちはサスケと、うちは一族の血を引く庶家である扇城一族の星宮アマツだ。どちらも3年前にあった『うちは事件』で家族を亡くしている。サスケの場合はお兄さんんである、オレとも仲良しだったイタチさんが家族と一族を、そして家族を皆殺しにした疑いをかけられて里外に逃亡中。アマツが生まれた扇城一族は星ノ宮大社の社家だ。それと同時に扇とうちわを生産する世界的企業『扇城屋』の経営者一族。扇城屋と社家は無事だ。なぜなら、殺された扇城一族の者は星宮アマツの姉と兄、そして両親。アマツの年齢が離れたお姉さんが、うちは一族の男性と婚姻が決まっていたらしい。そこで一族同士の顔合わせをするため集落に行ったところ、うちは事件に巻き込まれて姉ササラさんとご両親が死んでしまった。アマツとサスケは仲良しだしまだ幼かったから、扇城屋CEOの家で夕食を食べてから帰宅または家族と合流する予定だった。しかし二人がうちは集落に行くと、お互いの家族は殺され、血だまりの中にはサスケの兄・イタチさん、またはアマツの兄カガセさんがいた。写輪眼を用いた強い幻術のせいで、どちらがいたのか分からない。
分かっている事は、うちはイタチまたは星宮カガセが『うちはと星宮(扇城一族の血が濃い集団のみ)』を皆殺しにしたという事。なのに、上層部はうちはと里の確執が理由だと強調してイタチさんが犯人だと言い切った。
でもオレとサスケはそうは思わない。
詳しい事は不明だが、二人は同じタイミングで里からいなくなった。
これだけは明確だ。
でもでも、二人は仲良しでよく一緒に修行している。顔立ちが似ているから本当の兄弟みたいで、それを見た扇城屋のCEOは嬉しそうだ。アマツはカガセさんをとても尊敬していて、そっくりな仲のいい兄弟だった事をオレも覚えている。まるで双子のようにそっくりな二人は、趣味も声も、好きな食べ物もそっくり。チャクラの感じもよく似ているから、たまに間違えそうになるほどだった。イタチさんとサスケの兄弟とも仲良しで、兄弟4人でよく遊んでいたっけな。懐かしい思い出だ。
アマツが生まれた一族だけど、元は『うちは一族』の血を引く専属の武器職人一族だった。姓は違うけど、大事な親戚として扱われていたそうだ。血を濃くし過ぎないために嫁がせ、嫁を貰う、一族を続けていくための大事な親戚。だから本家うちはと同じように写輪眼を発現するし、その場合は『うちは』の養子に迎えられたらしい。そんな扇城一族も、戦国時代末期になると当時のうちは族長のせいでうちはから逃亡して千手一族に降伏し、里に職人として移住した。どうして可能だったかというと、うちはに協力したままだった武器職人一族『扇城』と、降伏して跡継ぎ娘を結婚相手が見つからなかった星ノ宮神社神職の息子に嫁がせた『忍者一族系扇城』の二つに分断されたから。武器職人一族はうちはに忠実だったけれど、忍者一族としてうちはの下位互換として活動していた方の家はうちはと違う個性を持っていた。
二つに分かたれた同族だけれども、互いに婚姻を結び合う関係は続いていた。結果、星宮一族は写輪眼と強力な幻術・封印術・結界術を手に入れた。
うちはと千手の敵対関係は学校で習うから有名だけど、他にも有名な組み合わせがある。アザミの生まれた『三嶋一族』は『霧島一族』と仲が悪く、かなり壮絶に殺し合ってきた。もっとすごいのが『諏訪一族』vs『鹿島一族』だ。諏訪一族が現在の本拠地であるクレーター湖『天龍湖』周辺地域に逃げ込んだきっかけとなる戦いで、雷遁によって諏訪軍団を完封して勝利した。次に、そんな『鹿島一族』と同盟を組む『香取一族』『静織(しとり)一族』vs『星宮(ほしのみや)一族』。
今では割と仲が良さそうだけど、『諏訪・香取・鹿島』の3一族は『火の国三大軍神』と呼ばれる強力さだ。かつて忍界大戦時に大活躍し、敵を怖がらせたらしい。でも、普段は精神的に安定していて知的で理性的な、神社やってる家という印象しかないけど。あと、オレが神社の境内に行っても優しくしてくれる人たち!