木ノ葉教育戦国時代   作:宝石マニア

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サスケ君→見た目だけチャラスケ化が進むけど、中身はド真面目。

サイ先輩→前前前世からいのを愛してる、転生してきた『山中サイ』その人。
     転生後の世界をエンジョイしつつも、ダンゾウから逃れきれなかった自分に自己嫌悪中。いのからすれば王子様。


自来也&綱手→転生してるから、ナルトとサクラの早期強化を積極的に図る。

九喇嘛→まさか自分が逆行転生していると気づかれているとは思っていない。


3 6年A組、うずまきナルト!

 季節はめぐり、新学期がやってきた。オレは何とかA組の一員として1年間を過ごし、どうにか6年生に進級した。6年生になると上忍師決定に向け、より戦闘訓練と野外活動が増えてくる。オレの友達はみんな血継限界と秘伝家系の出身者だから、放課後になるとなかなか会えなくて大変だ。でも、ヒナタとは逆に一緒に過ごす時間が増えた。ローテーションで組まれる臨時の『任務班』で一緒になる時はうれしい。

 ヒナタは最近、一族の人たちが妹であるハナビにかかりっきりで少し寂しそうにしている。それもそうだと思う。それまで日向一族はヒナタを跡継ぎとして育ててきたけど、ヒナタはとても優しいから相手が苦しんだり痛がったりする姿を考えると攻撃するのが苦手。相手が妹なら尚更。今年、ハナビは直轄アカデミーの1年生として入学してきた。ハナビは幸いオレの事を「ナルトお兄さん」と呼んでくれて、ヒナタいわく「慕って」くれるから嬉しい。学校で行われた1年生歓迎会でヒナタはハナビのために頑張って活動し、校内の施設について一人で説明していた。ヒナタの父親はとても厳しい人だけど、ヒナタとハナビが学校内では前と変わらず仲良しなのを見てこっそり笑顔だったのをオレは知ってる。1年生の保護者も歓迎会に来たので、6年生のオレは受付でヒナタの父親に服に付ける花を渡した。その時、真顔に戻る前にとても嬉しそうな笑顔だったんだ。

 

 

 ヒナタは良くも悪くも家で修行する時間が減ったから、必然的にオレと修行している。代わりにヒナタの父親はヒナタのため、日向一族の血を半分引いて白眼を持つけど日向一族の人間として一族会議で意見する権利を持たないという、曖昧な立場の若夫婦をパーソナルコーチとして付けてきた。日向ユヅル上忍、日向カスミ中忍だ。二人はそれぞれ白眼を持ちながら、片親が日向一族の人間ではない。いつもは黒い瞳をしていて、使用する時だけ瞳が白くなり、周囲に血管が浮く体質の持ち主。ユヅル上忍は特に優れた白眼と柔拳の使い手で、忍界大戦で忍者だった両親を亡くした事をきっかけに日向一族と養子縁組した経歴がある。妻のカスミ中忍は元々、白眼を持つという事実は日向一族に知られていたから、呪印を付けられた上で普通に育った人。チャクラコントロールが上手な医療忍者だ。二人とも人柱力であるオレに対して凄く優しいし、勉強も忍術も教えてくれる。

 

オレたちは夕焼けが迫る校庭でブランコに座り、ヒナタの迎えである付き人の男性が来るのを待っている。今日も沢山修行した。4月も終わりに近付き、写生大会が開かれるほどに咲いていた桜の花も大体全部散ってしまった。

 

「ナルトくん。今年は下忍認定試験だね」

 

「だな!ヒナタは自信あるか?」

 

「うん。あるよ!あんなに沢山練習したんだもん。きっと大丈夫」

 

 そう。オレとヒナタは放課後の校庭や学校にある演習場で、毎日のように術のトレーニングを続けてきたのだ。初等部6年生を対象とした下忍認定審査会は1月初めに行われる。

 

 

「ナルト君って、憧れの上忍の人っているの?」

 

「オレ?オレはぁ・・・、一番よく知ってる人しか分からないからアスマさん、とか?」

 

「猿飛上忍って、チャクラ刀を扱う方だよね」

 

「そうそう!木ノ葉丸と一緒によく遊んでもらったり、修行つけてもらったりすんのが休みの日には楽しみなんだ」

 

猿飛アスマ上忍は、オレにとっては叔父さんみたいな存在だ。オレは孤児だから、孫弟子という事で三代目のじっちゃんの家で育ててもらってきた。本当のじいちゃんだと思ってる三代目の息子だから、アスマさんはオレの叔父さんと同じ。

 

「あのさ、あのさ、ヒナタの憧れの人ってだれ?」

 

「夕日紅上忍、かなぁ。私は幻術が苦手だから・・・、幻術の専門家である夕日上忍がとても格好いいと思うの。まだ上忍に占める女性の割合も低いし、そんな中でプロフェッショナルとして認められている夕日上忍はすごく憧れるな」

 

「やっぱり女子って、くのいちに憧れるのか?」

 

「全員じゃないけどね、そういう傾向はあるかなぁ」

 

自分の父親に憧れる女の子は沢山いるよと、ヒナタは言った。

もしオレの父親が生きていたら。きっと憧れただろうと思ってしまう。

二代目火影様が開発したという『飛雷神の術』の使い手で、『木の葉の黄色い閃光』と呼ばれた四代目火影・波風ミナト。ヒナタも、柔拳と白眼の使い手としては父親に憧れを持っているそうだ。

もし叶うならオレは父ちゃんと直接話してみたかったなぁ。


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