ラブライブ!IF ~少年と少女たちの物語~   作:秋麦沈初

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第一章 サブストーリー
仄かな―――


「──―ん、ふあ~あ。……うう、寒!」

 

 思わずベッドから出たくない衝動に駆られる。冬の朝は地獄だ、だけど起きないわけにはいかない。

 

 ……数分後、どうにかしてベッドから這い出て顔を洗い完全に目を覚ます。今日は音也くんと遊びに行く約束をしていた。早く準備しないと。自室に戻り着替えを始めたところで

 

 ──―コンコン

 

「穂乃果、音也くんが来たわよー。準備できた?」

 

「あ、今行く!」

 

 お母さんが呼びに来た。音也くんは相変わらず真面目だ。まだ約束の時間の三十分前だっていうのに。私は少し急ぎ気味に準備をしながらどうでもいいことを考える。

 

「それにしても、男の人と遊ぶのって小学生以来だけど……なんだか音也くんって男の子って感じがしないんだよね? なんでかな? ……よし、こんなもんかな」

 

 遊ぶと言っても適当にぶらぶらするだけ……なんだけど、ことりちゃんが「男の人と遊ぶ時はちゃんとおしゃれしなきゃ!」とか言って、私を着せ替え人形にしてきた。

 

 そのため、今の服装はニットにジーンズといつもよりちょっと大人びた感じ服装になっている。自分じゃあんまりこういう服は選ばないから新鮮というか、違和感というか……上は楽だからパーカーとかが多いし、下は動きやすいように丈の短いスカートかショートパンツばっかりだし……たまに可愛い服とかは着るけど、こんな感じで大人びたコーディネートはなんか海未ちゃんとか絵里ちゃんの専売特許というか……

 

「こらー穂乃果ー! いつまで待たせるつもりー」

 

 と結構長い間思案に耽っていたみたいだ。……どうしよう、音也くんに変だと思われないかな? ……ええい、ママよ。こうなったら当たって砕けるよ! 

 

 部屋を出て玄関に向かうと玄関のところで待っている男の人、音也君がいた。とりあえず、待たせたことを謝る。

 

「音也くん、おはよ。ごめんね、待たせちゃって」

 

 音也くんから反応がなく不思議に思って音也くんの顔を見ると、音也くんと目が合った。

 

「あ、うん。そんなに待ってないよ」

 

 どことなく動揺気味にそんなことを言う音也くん、どうしたんだろう? やっぱりこの服装が変だったとか!? 

 

「ねぇ、この服そんなに変だったかな?」

 

「え? いや、いやいや、そんなことないよ。むしろ穂乃果に似合ってて思わず見とれちゃって……って何を言ってるんだ、僕は!」

 

「そうなんだ! 良かったー。ありがとう、音也くん!」

 

 変におもわれてなくて良かったよ。うーん、それにしても相変わらず照れる音也くんは可愛いというか、男の子に見えないというか……

 

「う、うん。それじゃあ、行こうか」

 

「あら、もう行くの? ふふ、若いわね~。楽しんできなさい、デート」

 

「あ、うん、行ってきます、お母さん!」

 

 ……あれ? デート? 

 

 

 しばらく歩きながら音也くんをぼーっと見てみる。黒いジャケットを着た音也くんは大人びた雰囲気も相まって学生には見えない。よくよく考えてみればお父さん以外でこんなに男の人と近く接しているのは音也くんくらいだ。

 

 そんな音也くんと今二人で並んで歩いている。……デートじゃん!? これ、傍から見れば完全にデートだよ!? なんだか意識した途端急に恥ずかしくなってきた。

 

「……穂乃果」

 

「な、何? 音也くん」

 

「そんなに見つめられると恥ずかしいんだけど……」

 

「あ、ごめん」

 

 思わず二人して顔をそらす。私が読んでる少女漫画の中に同じようなシーンあったよ!? 完全に付き合いたてのカップルのそれと同じ状況なんだけど!? どーしよう、考えるほどにテンションがおかしな方向に……

 

「……ねぇ、穂乃果?」

 

「へ?」

 

 音也くんがまっすぐこっちを見てる。え? 何この状況!? え? そんな、これってまさか告白!? 嘘!? まだ早いよ! 

 

「僕といるの嫌?」

 

「……え?」

 

「だって、ずっとそわそわしてるから。早くこんな時間終わってくれって思ってるのかなって」

 

 ……ああ、そうだった。音也くんってこういう人だった。そうだよ、私がしっかりしないと、音也くんが離れて行っちゃう! 

 

「そんなことないよ! 前にも言った通り私は音也くんといるだけで十分楽しいから!」

 

「っ! ……あ、ありがとう」

 

 ……? なんだろう? この気持ち。なんか今の音也くんのはにかむような表情を見たら……なんか……分かんないや。

 

 

 この後は二人ともいつも通りの感じが戻ってきて、楽しく遊ぶことができた。

 

 自室で一人考える。

 

「デート、か」

 

 音也くんとデート……私あの時、音也くんが離れるのがすごく嫌だと思った。けど、なんで? 

 

「海未ちゃんとことりちゃんに聞いてみようか……な……あ!」

 

 無意識に呟いた言葉に気づく。私の中で音也くんは、海未ちゃんやことりちゃんと同じくらい大切な人になっているということに。だから離れて行くのが嫌だと思ったんだ。

 

「……友情、かな?」

 

 自分で言った言葉にどこか納得できないまま、それ以外に言葉が思いつかず無理やり納得する穂乃果であった。彼女が本当の気持ちに気づくのはもっと後の話。

 




どーも秋麦です。

どうにか今日中――すごいぎりぎりですが――に投稿できました。穂乃果目線の話です。試しに投稿してみました。どうでしょうか?

時系列的には一年の冬頃です。まぁ、サブストーリーはこんな感じで音也以外の目線、または音也がいない場面の話などをまとめた感じになってます。これぞssって感じですよね。あくまで個人の意見ですよ?
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