ラブライブ!IF ~少年と少女たちの物語~   作:秋麦沈初

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前回のラブライブIF

 穂乃果にスクールアイドルに誘われた私とことり。だけど恥ずかしがった私は思わず

「……部活はどうするんですか」

「何が違うと言うのです!もういいです。退部でもなんでも勝手にしてください」

 なんて穂乃果に怒鳴ってしまいます。落ち込んだ私はなんとなく音也の所へ、すると……

「……うん、いいよ。多分スクールアイドルのことでしょ?」

「で、冷静になって考えたらどうだったの?」

 私の考えが読めるかのような言葉、驚く私に音也はいろいろと話してくれました。

 そんな音也の言葉に励まされた私はもう一度穂乃果としっかり話そうと決意、結果三人でスクールアイドルをやることになりました。


グループの名前は?

 穂乃果、海未、ことりの三人でスクールアイドルを始めると昨日聞いてから一日経った今日、家に帰ってきた直後に突然穂乃果から電話が掛かってきた。今日は三人とも学校で用事があると言うので一人で帰ってきたのだが……

 

「グループの名前?」

 

「そう、名前」

 

 何事かと聞くとグループの名前が決まらないと言う。今、三人で相談してたようだ。学校での用事とはそれのことか、得心がいった。電話の向こう側から海未とことりの声も聞こえる。

 

「まだ決めてなかったの?」

 

「うん、なんかこれだ! って来るのがなくて」

 

「ふーん、そうなんだ」

 

「なんか、興味なさげだね?」

 

 興味がない訳ではない。ただ……

 

「……僕に考えてとか言うんでしょ?」

 

「バレた?」

 

 なんとなく察しがつく。わざわざ電話までして僕に言ってきたのだ。だが、今回は力になれそうにない。

 

「今回に限っては断らせてもらうよ、昨日あんなこと言った手前あれだけど……」

 

「なんで?」

 

「自信がないというか……なんかイタイ感じになるというか……」

 

「? よく分かんないけど……例えば?」

 

 た、例えば!? 穂乃果も相当な無茶振りをするよな。

 

「……純真たるマーメイド……とか、翼を求めし天使たち……とか」

 

 ……自分で言ってて黒歴史を思い出す。恥ずかしい、なんて罰ゲームだ、これ。

 

「……音也くんのもアイドルっぽくないね」

 

 穂乃果がある程度理解ある人物で良かったが、その優しさは逆に僕の心に響く……

 

「……あれ? も、ってことは三人で考えた時も……」

 

「うん、特にいいのが浮かばなくて……」

 

「例えばどんなのがあるの?」

 

 今度はこっちが聞いてみる。まぁ、案の定と言うか三人の考えた名前もアイドルっぽくないものばかりだった。

 

「……って感じでもう案が出てこなくて。それで音也くんに聞こうと思ったんだけど……」

 

「そうだったんだ」

 

「でも、音也くんもダメとなると……そうだ!」

 

 おう、びっくりした。急に大声を出すからスマホを落としそうになった。電話の向こう側で海未に怒られて謝ってる声が聞こえる……だが、穂乃果は何か案を思いついたようだ。

 

「何か思いついたの?」

 

「名前、募集しよう!」

 

「募集? どこで?」

 

「学校で。そうすれば私たちのことを知ってくれる人も増えるかもしれないし」

 

「あー、成る程、いいんじゃない?」

 

 確かにスクールアイドルを始めたことを知ってる人は恐らくまだ四人だけ──まだ、始めたって言っていいのかは置いておいて──なのを考えると案外良い案かもしれない。まずは近場から知名度を上げていこうというやつだ。スクールアイドルの名前募集とか結構興味惹かれて注目されそうだし。

 

「うん。ということで、明日学校に募集箱でも置いとくよ。ありがとう、音也くん、じゃあね」

 

 そう言って電話を切る穂乃果。僕、何もしてないのだが……まぁ、いっか。

 

 

 それから数日後の夜……

 

「もしもし、音也くん? 名前決まったよ」

 

 また、穂乃果からの電話。どうやら名前が決まった報告のようだ。というかそれまで余り音沙汰なかったのだが大丈夫なのだろうか? なんでもまずは基礎体力作りとか──運動部である程度体力のある穂乃果と海未はまだしも、ことりはその辺り点でダメみたい──で、走り込みをしていたり、学校でスクールアイドルの部活を作ろうとしてたり、曲を作ろうとしたりで忙しかったようだ。ようやく落ち着いたといった所か。

 

 まぁ、部活や曲はまだ作れていないようだが。僕の方でも、絵里と揉めたらしくて絵里が希と一緒にうちに来たり、曲作りを頼まれたと言う西木野さんといろいろ話したりしたのだが……まぁ、それは一先ず置いておこう。

 

「へ~、良かったね」

 

「ありがとう……それで名前……聞きたい?」

 

 何かを期待するような言い方。何を期待してるのか知らないが、穂乃果の思惑通りに反応するのはなんとなく釈然としない。という訳でまずはパソコンで調べてみることにする。もしかしたらすでに……

 

「あ、見つけた。これでしょ? μ'sってやつ」

 

 スクールアイドル専門サイトに登録されてるのを見つけた。学校名で検索したら出てきたのでこれだろう。良かった、穂乃果たちの方もこのサイトについては知ってたんだ。言い忘れてたから、まだ登録もしてないと思ったけど、穂乃果たちもしっかりいろいろ考えてる様で安心した。

 

「え? あー、ずるいよ、音也くん」

 

「いや、スクールアイドルのサイトに登録したか調べる意味で検索したんだけど……」

 

 うん、完全に言い訳だ、これ。そもそも、これサイトに登録されてなかったら結局穂乃果に聞くことになったんだよね。……その場合はその場合でいろいろ言い訳を考えてたけど……

 

「じゃ、じゃあ、μ'sってどういう意味だと思う? あ、石鹸じゃないよ?」

 

 どうしても、僕に聞いてほしいのか? 穂乃果は。……いいや、面倒だしこのまま調べよう。

 

「分かってるよ……あ、これだね、ふーん、ギリシャ神話の九柱の音楽の女神のことなんだ。それは、知らなんだ、これ考えた人は相当な博識だと思うよ」

 

 というか、こんな知識がある人がオトノキにいるのか……何者だろうか? 

 

「また、調べてるし……でも、そっかぁ、音楽の女神なんだ」

 

 あ、穂乃果も知らなかったのね。まぁ、穂乃果の反応から鑑みるに女神なのは知ってたけど、音楽を司ってるのは知らなかったみたいな幹事かな? 

 

「うん、ぴったしだよね」

 

 ただ、気になるのは九って所だ。今のメンバーは三人なんだけど……果たしてこれを考えた人は何かを意図していたのか……

 

「そうだね、この名前を考えてくれた人には感謝しないと……」

 

 まぁ、穂乃果は気に入ってるみたいだし、今は気にしなくてもいいか。

 

 

 それからは穂乃果とちょっとした雑談をしていた。まぁ、最近ゆっくり話せていなかったからその分いろいろ話した。僕も朝練には神田明神でやる時はたまに参加する……オトノキでやられるとさすがに行けないが。その時は、あくまで練習だからこんな風に話すことなんてあんまりないのだ。

 

「っと、もうこんな時間、明日も朝練あるんでしょ? もう寝た方がいいんじゃない?」

 

「え? あ、もう十一時!?」

 

 で時刻はいつの間にか夜十一時、さすがに朝練で早起きする穂乃果をここまで束縛する訳にはいかない。

 

「うん、だから明日も頑張ってね」

 

「ありがとう……ごめんね音也くん、最近音也くんを一人にしてる気がする……」

 

 確か最近は一人で帰ることが多いし、朝もそこまで高坂家に頂くようなことは少なくなった。だが、それで謝るのは見当違いだ。

 

「大丈夫、確かに最近はまた一人の時間が増えてきたけど……あの時とは状況が違うから……僕は一人じゃないって分かってるから」

 

 そう思えるようになったのもみんなのおかげだ。

 

「そっか、それなら大丈夫そうだね……それじゃ、おやすみ、音也くん」

 

「うん、おやすみ、穂乃果」

 

 そう言って通話を終える。それにしてもμ'sか……九人……僕の知り合いのオトノキの生徒は大体それくらいだったような……気のせいかな? なんとも言えない気持ちを抱きながら僕は眠りにつくのだった。




次回"振り付けを考えて"4月17日21時投稿予定。

 このペースだと思ったよりメインストーリーが短くなりそうです……そろそろ週三がきつくなってきました。はい、愚痴です。

 あ、この話を書くに至ってμ'sの元ネタであるムーサについて調べたんですが……希、海未はよく知っていましたよね。私も典型的なオタクの例に漏れず、神話とかは結構好きなんですけどムーサは知りませんでした。九柱の女神の内、二柱くらいしか知ってる女神いませんでしたし。
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