ラブライブ!IF ~少年と少女たちの物語~   作:秋麦沈初

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前回のラブライブIF

穂乃果、ことりと一緒にショッピングモールを歩いていた音也はことりの意向で服屋巡りをすることに。

 穂乃果、ことりのファッションショーを見たり、自分が着せ替え人形になったりしたが、なんだかんだで楽しんだ音也であった。


みんなで晩ご飯 前編

「もう二人とも満足した?」

 

 時間もそこそこ経ち、日が傾いてきたであろう頃、僕は二人にこう聞いた。

 

「うん、今日は楽しかったよ」

 

「そうね~。音也くんの可愛い所が沢山見れたし」

 

「ちょっ、それに関しては忘れてくれ、いや、忘れてください」

 

「ふふっ、どうしよっかな~」

 

 すごいニコニコしながらこちらを見ることり。小悪魔だ、ことりは。絶対中身は真っ黒だ。

 

「……もう、いいよ。それより、今日はこれで解散でいい?」

 

「あれ、何か用事でもあるの?」

 

 不思議そうに聞いてくる穂乃果。まだ遊び足りないのか? ……いや、そういう訳ではなさそうだ。ただ単に気になっただけか。

 

「用事ってほどでもないけど、ついでに晩ご飯の食材でも買って行こうかと思って」

 

「えっ? 音也くん、料理するの!?」

 

 心底驚いたように反応する穂乃果。

 

「えっ? 一人暮らしって言ったよね? そんな凝ったものはできないけど、自炊くらいするよ」

 

「はえ~、そうなの。てっきり男の子だから、出来合いのばっかり食べてるのかと」

 

「それは流石に偏見だよ? というか、節約しようと思ったら、自分で作ったほうが安かったりするもんだよ」

 

 男だから料理しないなんてことはない。というか、女だから家事できなきゃいけないとか、男だから家事はしないとか、そういう風潮は日本の悪い所だと僕は思う。最近はだいぶそういうところも改善されてきたが……まぁ、こういうことは今考えることじゃない。

 

 穂乃果は僕の答えを聞いて、何か考えるような仕草をした後、僕にこう言った。

 

「じゃあ、ついて行くね」

 

「何が、じゃあ、なのか分からないけど、穂乃果ならそう言うと思ってたよ」

 

「穂乃果ちゃんが行くなら、私も行くね」

 

「ことりも? ……まあ、僕は別にいいけど。面白くはないと思うよ?」

 

「大丈夫! 音也くんもことりちゃんもいるから」

 

 うん、なんか予想通りの反応だ。こんなこと自然に言えるのは穂乃果くらいだぞ。そんな僕の心中を察したのか、ことりが僕に言ってくる。

 

「これが、穂乃果ちゃんのいい所だよ」

 

「確かに」

 

「? どうしたの、二人とも。ほら、行くよ」

 

 

 その後、なぜか穂乃果に先導されて食品コーナーに向かう。買い物カゴを取り食材を見ながら晩ご飯を考える。

 

「今日の晩ご飯は何にしようかな~っと。……今日も鍋でいっか」

 

「鍋? 鍋か~、良いよね、鍋」

 

 鍋という単語にいち早く反応する穂乃果。おお、鍋の良さが分かるか。

 

「そうだら~、作るの楽だし、野菜は沢山とれるし、実家じゃあこの季節になると鍋ばっかりだったから、僕も鍋が好きになっちゃって。……一人鍋は寂しいんだけどね」

 

 思わず、方言と弱音が出てしまった。そんな僕の弱音に気づいたからなのか知らないが、穂乃果はこんなことを言った。

 

「よし、今日は音也くんの家で鍋パーティーだね」

 

「はっ?」

 

「えっ?」

 

 急に発せられた言葉の意味が分からず──いや、言葉の意味自体は理解できるがそういうことではなく──思わず穂乃果を凝視する。そんな穂乃果もよく状況が理解できていないようで動きを止めた。そんな僕たちに助け舟を出したのはことりだった。

 

「穂乃果ちゃん……音也くんが微妙に引いてるよ」

 

「なっ、なんで!?」

 

 ことりの言葉に驚いたように反応する穂乃果。いや、こっちが驚きだわ。

 

「いや、穂乃果の性格は分かってたつもりだけど、そこまでいくと逆に分からない。友達って言ってもそこまではやらないよ」

 

「えっ? お泊まり会とかしない?」

 

「それは同性の話でしょ!? 何、穂乃果って今まで異性の友達いなかったの?」

 

「失礼な。穂乃果だって小学生まではちゃんと男友達だっていたよ」

 

「じゃあ、その子たちとはそんな事してたの!?」

 

「してないよ。でも、音也くんとならしたいかな」

 

 ああ、この子は……すぐそういうことを言う。その内に勘違いしてしまいそうになる。

 

「っ、それはズルイよ、穂乃果。……分かった、ちゃんと家族に許可は取れよ。僕は別に良いから」

 

「やったー。いいって、ことりちゃん」

 

「うん、良かったね。それじゃあ、お邪魔させてもらうね」

 

「……ことりも来るのは決定事項なんだね。まあ、穂乃果だけよりはマシか」

 

 穂乃果と家で二人きりとか、僕の理性がもたないからな。

 

「あっ、そうだ。海未ちゃんも呼ぼう!」

 

「海未ちゃん、来てくれるかな? 電話してみるね!」

 

「大丈夫だよ、きっと」

 

 僕のことは放っていつのまにか二人で話してるし、会話的に人数増えるのか……。しかも、海未って言ったら、園田さんのことだよな。くそ、足りないものだけ買って行こうと思ってたのに。……多めに食材買ってくか。

 

 そういえば、嫌いなものとかあるのだろうか? さすがに嫌いなものを知らずに出して嫌な顔をされるのは嫌だからな。

 

「ねぇ、嫌いなものってある?」

 

「穂乃果はピーマン」

 

「ことりはにんにく」

 

 ピーマンはともかく、にんにくがダメなのか。

 

 それじゃ、もつ鍋とかはダメか。……にんにくのないもつ鍋なんて僕が嫌だし。

 

「あ、一応魚系とかもやめといて」

 

「うん? 園田さんの嫌いなもの?」

 

「ううん、海未ちゃんが嫌いなのは、炭酸。そうじゃなくて、私の後輩で一人魚が嫌いな子がいて」

 

 それは、後輩も呼ぶってことか。まぁ、今更何人でも一緒か。

 

 しかし、魚か……魚って結構使うんだよなぁ。

 

「その後輩は魚が食べれないの? それとも苦手なだけで食べれはする?」

 

「うーん、骨が嫌とか言ってたし、骨がないやつなら……待って、今電話で聞いてみるね」

 

「分かった、後で教えてね」 

 

 しかし、穂乃果の後輩って女子……だよな? ……なんか女子ばっかり集まる気がするし、塩鍋とか寄せ鍋とかでいっか。

 

「烏賊とか貝がダメな人はいる?」

 

 電話してる穂乃果に変わってことりが答える。

 

「それは大丈夫だと思う」

 

 よし、寄せ鍋にしよう。と、穂乃果の通話も終わったみたいだ。

 

「どうだった?」

 

「骨がないならいいって」

 

「そっか。それで結局何人来るの?」

 

「えーっと、私たち含めて五人かな」

 

 五人も来るのか!? ……机買っていかないと駄目そうですね、はい。思ったより早くあのちゃぶ台はお役ごめんか。もうついでだから、炬燵でも買ってくか。とりあえず食材買って、ATMに行って……

 

「あっ、そうだ。食器とかも買っていかないと」

 

 そうして、いろんな食材と食器等を買い二人に持ってもらって、僕はATMでお金を下ろして炬燵を購入、運びながら帰路についた。トラックで運ぶサービスもあったが追加でお金がかかるのでやめた。というか、運んで帰れるように組み立て式の炬燵を買ったんだ。

 

 二人には心配されたが、僕も二人に荷物を持たせている立場なので特に問題ないよと言った。ただ、今考えると、もっと他にいい方法があっただろ、とも思う。

 

 その後僕の罰ゲームみたいな苦行はある三人が合流するまで続いた。




次回は2月29日21時投稿予定です。

 もともとこの話は、前後編に分かれていなかったのですが、それだと長すぎたため分割しました。本来は一括投稿するつもりでしたが、私の都合から日を跨いでの投稿となります。ご了承ください。

 
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