Black "k"night   作:3148

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リンドウのジムチャレンジの話です。

毎日、三十分のリングフィットアドベンチャーは、実際きつい(笑)

それよりも、ポケモンHOMEはまだですかね?

推しのラランテスの入国許可は……来ますか?




第九話 一人の青年のジムチャレンジ その結末

 目を覚ますと、真っ白の部屋に寝かされていた。何故そうなったのかの記憶を辿ろうにも、思い出そうとしても頭痛がするだけである。窓から差し込む光が、時間が半日は進んでいるだろうと言うことを知らせている。

「病院……なんでだ?」

頭痛と腕の痛みに耐えていると、看護服を纏った女性が見回りにくる。

「あ、目を覚ましたんですね。体調は……良くはなさそうですね」

看護師が、リンドウの酷く青い顔色を見て判断する。

「どうして、俺が病院に?」

その言葉に、丁寧に返事をする。

「手当を自分でしちゃったでしょう。ああ、やり方が悪かった訳じゃないのだけれど、傷口からばい菌が入ったみたいなの」

突然の説教に結論を急かすリンドウ。

「それで、どうなったんだ?」

「消毒がしっかりしてなかったこと、無理な旅を続けたこと、慣れない土地もあったんでしょうね……発見がまだ早かったから、一時的な発熱で済んでるけど、最悪の場合、腕を切断しないといけない可能性もあったの」

体の怠気の理由がはっきりし、リンドウは熱があると言われると自分の体調が良くないことを自覚する。

「……どれくらいで治る?」

「一週間は安静にして下さい。その後も、経過を確認するために病院に通ってもらいます……残念だけど、ジムチャレンジは諦めて下さい」

リンドウは看護婦を睨みつける。だが、彼女の態度は変わりはしない。

「……一人にしてください」

リンドウがやっとのことで絞り出した言葉に、看護婦は仕方ない、と言った様子で頷いた。

 

 「えっ!? もうゴーストバッヂを手に入れたの? はやかー、まだラテラルタウンにもつかんとよ?」

電話の向こうからマリィの声が響く。リンドウの表情が少し、和らいでいる様に見える。

「まぁ、マリィならすぐだよ。オニオン相手なら相性も悪くない。ジムミッションの方は……まぁ、なんとかなるだろう」

自分は二度としたくないけれど、とリンドウは付け足した。

「なんで? 楽しそうやったよ?」

純粋な表情で疑問をぶつけるマリィに返す言葉がないリンドウ。

「やってみれば分かるさ。それからオニオンが使ってくるポケモンだが……」

ジムリーダーの対策を丁寧にマリィに伝える。今までと同様に。

「なるほどね。よっし、うちも負けんと。直ぐに追いついちゃるけんね!」

前のめり気味の勢いで通話が切れる。リンドウは壁に背中を預けて、少しの間動けずにいた。

 

 ロトムフォンには、しばらく表示されることの無かった息子の名前が点っていた。

「どうしたんだい、藪から棒に」

メロンが素っ気ない口ぶりで通話に出ると、マクワは挨拶もそこそこに本題を切り出す。

「アイツ、ジムチャレンジをリタイアしたぜ」

その言葉に、メロンが動揺する。

「確かな筋からの情報だ……まぁ、やり方見てりゃ分かるだろうが、無茶しすぎだ。遅かれ早かれ、ってとこだろうな。アイツにしては頑張った方じゃ無いか?」

「あんたに何がわかるってんだい!」

メロンが柄にも無く怒鳴りつける。それに対して。反抗する訳でも無く、ただ淡々と言葉を続ける。

「俺だって動向を探るくらいには気に掛けてたんだよ。推薦してたあんたには伝えておいた方が良いと思ってな」

メロンは力なく呟く。

「……余計なお世話だよ」

「……あんたにだって、俺のことは分からないだろうし、アイツのこと、全部分かってる訳じゃないだろ。あの結果だって、できすぎなぐらいだと、俺は思うぜ」

そう言うと、通話はきれてしまう。ロトムフォンの電源を切り、己の力不足に憤り拳を強く握りしめる。

 

 病室に訪れたオニオンにリンドウは驚く。

「なんで、ここに?」

その問いには答えず、ベッドの端に腰掛ける。

「さっき、マリィさんとホップさん。それとマサルさんがラテラルジムをクリアして、ゴーストバッヂを手に入れました」

その言葉に、マリィが含まれている事に安堵する。

「そうか……ありがとな」

オニオンの優しさにリンドウは笑みをこぼす。

「それはそれとして、それを教えに来てくれたのか?」

オニオンが仮面の下で笑みを浮かべている、のではないかと感じた。

「それは、ついでです。僕はあなたと話をしに来たのです」

その言葉に、疑問を覚える。それと同時に理解が間に合っていないのか、首を傾げる。

「……俺に?」

リンドウの言葉にオニオンは頷く。

「……あなたは闘いの時に、ゴーストが怖くないって、言ったから」

勿論、全く恐怖を抱かないといえば嘘になる。だがしかし、あの時のリンドウには恐怖を乗り越える勇気と決意があった。

「あれは、まぁその場のノリというか」

カタカタと仮面を震わせる。どうやら笑っているようだ。

「お兄ちゃんが怯えているのは……分かってる」

虚勢はオニオンも分かっていた。

「ゴーストはやっぱり、生きている人が恨めしいんだよ? 存在を認めてくれる人、精一杯生きている人が好きなんだ」

それはオニオンも同様だ、と言う。

「それなら、チャンピオンとか……マサル辺りがいいんじゃないか?」

勿論その人達も好きだと返事をする。

「だけどね……眩しすぎる人は、あまりこっちを見ないから」

過去を振り返らず、過ちに捕らわれない人間は、ゴーストが足を掴む前に先に進んでしまう。眩しすぎてそれと共に居ることが出来ないのだと言う。

「なるほど……俺ぐらいの中途半端が丁度良いって訳か」

褒められているのか貶されているのか、どちらか分からないから表情を曇らせる。ただ、オニオンが機嫌良さそうに病室に来てくれるのであれば、それでもいいか、と感じた。

 

 「見つけたっ!」

病室の扉を乱暴に開いたのは、ソニアだった。

「なんだよ、お前は俺のファンか!?」

そんなものが存在するような活躍はしては居ないが、そうでもないと心当たりはない。

「とりあえず、これを見て!」

ロトムフォンに映された画像を見せられると、リンドウは驚く。

「壁画が壊されて、中に石像?」

映されているのは二匹のポケモンと二人の王。そんな逸話はリンドウは知らなかった。

「そう、そうなの! 私達が知っている伝承とは内容が異なっているの! ねぇ、何か知ってることは無い!?」

ブラックナイトの次は、石像についてのヒントを探りに来たらしい。

「んなこと言ったって、俺は何も知らないぞ?」

そう答えると、ソニアは見たまま肩を落とす。あまりにその姿が哀れだったのか、言葉を続けた。

「まぁ、伝承を知ってそうな奴に声は掛けてみるよ。それでいいか?」

その言葉にソニアは再び嬉しそうな顔をする。そして、リンドウの袖を掴むとこう告げた。

「それじゃ、善は急げ、ね!」

もうすぐ退院が出来る、少しの外出ならば良いよ、と医者から告げられていたので、ソニアに半ば拉致のような格好で外に連れられても、誰にも呼び止めて貰えなかった。

 




読了ありがとうございました。

残念、リンドウ君のジムチャレンジは終わってしまった(デレデレデレ

まぁ、物語は続きますが、先のジム戦はありません。


……リンドウの手持ちだとどうあがいてもポプラさんに勝てなかったとか言う理由ではナイデス(滝汗

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