Black "k"night   作:3148

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ローズ委員長登場回です!

結局この人は……何がしたかったんでしょうね?

んにゃぴ……よくわかんないです。




第十一話 ブラックナイト 渦巻く影

 膨大な資料に目を通すだけでも、かなりの時間が経過していた。

「とりあえず、ソニアに連絡を……っと、ビートの居るところを通るのか」

遺跡の壁を破壊したことで、ローズ委員長からジムチャレンジの資格を剥奪されたことはソニアから聞いている。折角、あれだけ真剣に取り組んでいたことを、まさか尊敬している人から否定されるとは思っても居なかっただろう。

「まぁ、自業自得なんだけどな……顔くらい見に行くか」

そう呟くと、列車を途中の駅で降りることにする。

 

 そこは拘留所で、ガラスの壁の向こうにビートが暴れないように手を拘束されている。中にはビートが居る部屋とリンドウが居る部屋に警備の人間が一人ずつ、それともう一人スーツを着た男が居た。

「……また大げさな所だなぁ。ところで貴方は? 警備員ではなさそうだけど?」

リンドウが尋ねると、ビートの弁護人だと答えた。そう言われると、リンドウはビートと弁護人を交互に見比べて、意地の悪い笑みを浮かべた。

「いやぁ、大変だったなビート! 急にお前が突っ走っていった時は俺も驚いたぜ!」

急に違和感のある話を始めたリンドウにビートは首を傾げる。

「……話を合わせろ、考えがある」

周りに聞こえないように小さな声でビートに囁く。

「……どうしてぼくが、そんなことを」

口の端をつり上げ、リンドウが答える。

「上手くいけば、ジムチャレンジに復帰できるかもしれないぜ?」

 

 「ねがいのかたまりがあれだけ集まってたら危ないって、結局何もなかったから良かったけどな」

リンドウの言葉に、弁護人を名乗った男が反応した。

「……あれだけの数があれば、無作為にポケモンがダイマックスするかも知れませんでしたからね。トレーナーのポケモンなら大丈夫ですが、特訓を受けていないポケモンや野生のポケモンだったら……」

そこまで言って、ビートは言葉を止める。

「それにしたって、ローズ委員長に相談しろって言ったのに、お前は『そうしている間に被害が出るかも知れない!』って言ってやっちまったもんな。町の人を心配するのは良いけどよ、自分のことも考えて欲しいぜ」

どうやら弁護人はメモを丁寧にとっているようだ。

「……本当にこんなことで上手くいくんですか?」

ビートが小声で呟く。

「やっちまったことは仕方ないさ。それについてどうこう言っても何にもならない。だけど、やった理由が他の人間が善意と受け取ってくれるなら情状酌量の余地が出てくるだろ? あとの小細工はあの男の得意分野さ」

リンドウが小声でビートに返すと、警備員に面会の時間が過ぎた事を告げられる。

「まぁ、ちょっとの間は大人しくしておけよ」

そう言って、リンドウは拘留所を出て行った。

 

 ビートと別れた後今度こそソニアに会いに行くために列車に乗り込む。あまり人が混む時間では無かったが、折角なので余り人が座っていない車両を選ぶ。

「連絡は……近くまで行ってからでもいいだろ」

そう呟くと、椅子に背を預け深く息を吐く。ジムチャレンジが終わった後も、何かしらばたばたと動き回っていたので、一息つける時間も久しぶりなのかも知れない。

「相席しても、いいですかな?」

「どう……ぞ?」

他にも空席はあるだろうに、と怪訝そうな目を語りかけてきた相手に向けると、想像しても居ない男だった。

「……ローズ、委員長?」

「あぁ、あまり大声で喋らないで下さい。折角静かに列車に乗れる数少ない機会ですので、騒ぎにはしたくない」

そう呟くと、リンドウの目の前に座る。いつものスーツ姿でサングラスだけ掛けているのだが、場所が場所なだけに服装に違和感はない。人気も少ないので、よっぽど騒がない限りは気付かれないだろう。

「……俺に、何か用ですか?」

目の前の相手に目一杯の警戒を払う。

「そうだね。まずはそこから話しておこうか。ソニア君とビート君のことを王族に話した犯人に警告をしに来た、つもりだったのだけどね」

その言葉にリンドウは驚く。

「随分と耳が早いんですね。こんな短期間でそこまで突き止めるなんて」

両手をあげて首を横に振るローズ。

「急に王族が騒がしくなってね。そこから追いかけていくと、君に辿り着いた。王族があれだけ騒ぎ立てれば、誰だって分かるさ」

特別に自分が優れては居ないと、そう話す。

「……つもりだった、とは?」

「ビート君の件も、ソニア君の件も、周囲にはなるべく漏れない様に努めていたのさ。人の口に戸は立てられないとはいえ、遺跡を壊したことや調査に入っている人間が特定されれば、王族じゃ無くても気にする。今の彼らにはそう言ったものは不必要だと思ったからね。だから、悪戯に彼らを危険な目に遭わせる人間には、警告が必要だと思ったのだが、ビート君の弁護人の前で一芝居打つ程度にはビート君と親交があるとは思って無くてね」

サングラスの奥に鋭い眼光が見えた、気がした。

「君は一体何のために動いてるのか。少し気になってしまったのさ」

まるで返答次第では、嫌な予感がするような話し方だった。返答に悩むリンドウだが、決意したかのように口を開く。

「ブラックナイト……黒い騎士について、知っている、と言ったら?」

その言葉に対し、ローズは身構える。ブラックナイト、その言葉について聞き覚えはあるが、疑惑があるようだ。

「是非、聞きたいね。黒い騎士、そんなものが実在したのかね?」

リンドウは決意した顔で言葉を返す。

「ああ、あんたは知らないだろうが、英雄が倒したのはそっちの方さ。王族が管理する資料に、そいつがなんなのか、しっかり記録してあったぜ?」

リンドウの言葉に、ローズは考え込む。はったりである可能性は否めない。だが、それを否定するだけの答えも持ち合わせては居ない。

「はっはっは、思っていたよりずっと面白い青年だね。どこで降りるつもりだったのかな?」

そうローズが問うとソニアが居るはずの街の名前を答える。

「シュートシティまで来たまえ、私達と共にブラックナイトについて、語り合おうじゃないか」

有無を言わさないその態度に、リンドウは抵抗出来なかった。

 

 シュートシティに着くとオリーブがローズを迎える。

「お帰りなさいませ、ローズ様……その青年は?」

ローズは不敵に笑みをこぼした。

「VIPだ、丁寧に対応してくれたまえ」

その言葉に、畏まりましたと理解を示すオリーブ。

 




読了ありがとうございました。

ビート君とも微妙に絡みたかった(小並感

ジムリーグでの復帰の辺りを見て、なんで観客受け入れてるんだ?

ってなったので、どこかで印象操作でもあったのかなって。

『実は、あの行動は市民の為でした! 若さ故の勇敢な行動だったのです!』

的な報道があれば、ジムリーダーからの復帰もありではないかと。

そんな妄想がよぎったので、こんな話になりました。
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