Black "k"night   作:3148

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ローズ委員長と薄暗い研究室に二人きり……何も起きないはずがなく(適当

久しぶりのソニアさんです(当社比

気づいたらポケモン博士になってましたね。一応博士号的なものだと思うのですが、ポケモン世界での博士ってどんな立場なんでしょうか?

まぁ、この世界観だと適当なんですけどね(笑)


第十二話 ブラックナイト マクロコスモスと

 「正直、軟禁くらいは覚悟してたんだけどなぁ」

カフェにて、イエッサンやマッスグマと共に昼下がりを満喫しているリンドウ。ポケモン用の食事も頼めるので、ゆっくりするには万全だ。

「落ち着いたらポケジョブも再開しないとなぁ……給料がいいから、ちょっと考えちゃうけど」

リンドウが主に行っているポケジョブは、建築関連のポケジョブになる。ドテッコツやカイリキー等の力自慢のポケモンを必要な企業や取り組みに斡旋することが多い。勿論、イベントの雑務など他の仕事も無くはないが、知り合いを当たっていくと、常に仕事をしているポケモンは割と少ないのだ。知り合いの紹介と言うことであれば、利益が大きくなくても、何もしていないよりは、という理由で力を借りれることが多い。リンドウに対しては、賃金を払った上での仲介料が残るのみなので、一回当たりの利益が飛び抜けて良いとは言えないが、日々を生活していくには充分な額になることは多い。

「……それにしても、ローズのおっさん、ジムチャレンジ進行の手伝いって言っても、資料の整理と各所の報告ばっかりじゃねぇか。俺より適任はいそうだけどなぁ」

それでも、人手不足なのはリンドウも感じていた。リンドウの代わりに休みをとっているスタッフも連続勤務だったようで、体調は決して良くはなさそうだった。

「さて、イエッサン、マッスグマ、仕事の続きするぞー」

自分のポケモンに声を掛ける。リンドウの言葉に素直に反応するポケモン達。ジムチャレンジの激戦の疲労は既に抜けているようで、むしろ退屈な日常に欠伸を漏らしている程だ。

 

 任された仕事を終え、ローズに報告をしようとローズタワーに赴くと受付の人に声を掛ける。

「報告に来たんですけど、ローズさんってどこにいます?」

「ローズ委員長なら、地下室に向かわれています。戻ってこられたら、伝言をお伝えしましょうか?」

受付の対応にリンドウは丁寧に断りをいれる。

「いえ、端末で報告しておきます、急ぎでもないので……地下室って確か研究室でしたよね?」

「はい、そうお伺いしております。研究については社外秘になります。マクロコスモスの中でも、秘書か関係する職員以外は知らないようですが」

受付も特に深いことは知らないようだ。研究の内容など、安易に外に漏れてもいけないので当然と言えば当然なのだが。

「ありがとうございました」

そう言って受付に背を向けると、リンドウが記憶を掘り起こす。

「ローズタワーの作る時、俺も来てたんだよなぁ。めちゃくちゃ頑丈な造りで人がいくらいても足りなかったんだよな」

過去に大変な目に遭ったことを思い出し、ふと好奇心に駆られる。

「エレベーターにも、非常口はあるんだよなぁ」

 

 近くのトイレに入り込み、天井にある点検口を開いて天井裏に入ると、しゃがみ歩き位は出来るスペースが広がっていた。

「エレベーターは、あっちか」

方向を見定めると、歩き出すリンドウ。狭いところを歩くのは慣れているのか、特に時間も掛からずエレベーターがある所まで辿り着く。二本の太いひもに沿ってエレベーターが上下しているのだろうが、今は静かになっているので動いている様子も無い。

「点検用の梯子が……あった」

エレベーターが移動しても安全な位置に下に降りる梯子を見つける。そこまで移動すると、ロープを取り出し、イエッサンをボールから繰り出した。

「ちょっと肩に乗ってくれ……よし」

イエッサンを背負う形で梯子につかまると、ロープをイエッサンがサイコキネシスで固定する。それに掴まって梯子沿いに落下するように降っていく。

「結構深いけど、時間は掛からなさそうかな」

ロープが適度な長さになると、イエッサンに指示をだす。するとロープが落ちてくるので現在の位置にロープを再び固定。まるでレスキュー隊員のラベリングのようにするすると降りていく。

 

 最下層まで着くと。エレベーターが止まっていた。天井からエレベーターにはいると、扉を開ける。そこから研究室内部へと侵入する。

「エレベーターが戻ってないから、ローズ委員長はいるはずだけど……」

廊下を歩いているが、人が居る気配はない。研究員は既に出払っているようで、もしかすると中に居るのはローズだけかも知れない。

「広い部屋に出たな」

そこは実験室なのだろうか。周囲の壁は厚く、多少のことがあってもびくともしないだろう。その中心に一人の男がたっている。

「あれは、ローズ委員長?」

入り口に影になるように中を覗き込む。良く周囲を見渡すと、赤黒く光る願い石にこの部屋全体が囲まれているのが分かる。莫大な量の願い石を集めて成し遂げようとする目的が部屋の中心、ローズの目の前に鎮座していた。

「あれは……」

中心のそれに気を取られていると、ローズが入り口に目を向ける。

「やぁ、そろそろ来る頃だと思っていたよ」

リンドウが来たことに気付いたようだ。リンドウは諦めて部屋の中に入る。

「これはまた……凄い物を見つけましたね」

リンドウが驚きと落胆のような、複雑な表情を浮かべてローズに語りかける。

「エタナトス、二万年前に彗星と共にガラルに落下してきたと言われるポケモンだ。このポケモンの力があれば、千年後のエネルギー問題も解決出来る」

自信満々に語るローズがリンドウと向き合う。

「……エネルギー問題はいいんですけど、他に問題ありませんか、それって」

リンドウが呟くとローズが疑問を問う。

「例えば?」

リンドウが後ろ髪を掻きながら答える。

「まずはそいつを制御出来る二人の王と二匹の英雄がいないでしょう。仮に居たとしても、ブラックナイトをどうするっていうんですか。こんなシュートシティのど真ん中で起きたら、被害が出るなんてレベルじゃ無いですよ」

饒舌に語るリンドウに、ローズは笑みをこぼす。

「随分と詳しいようだね。だが、ガラルには英雄が居る。リーグチャンピオン、ダンデが。彼ならば、ガラルを救う英雄になることも出来るはずだ」

ローズの言葉に、リンドウは安心した様子はない。

「あぁ、まぁ……英雄には相応しいかも知れないですね。ただ、それには剣と盾が必要じゃ無いですか?」

リンドウの言葉にローズが疑問を持つ。

「伝説にあった剣と盾かい? あれは、明確に存在する物なのか?」

ローズのその言葉にリンドウが溜息をこぼす。

「いや、別にその形をしていなければならない、って訳では無いですど。ダイマックスに有利に立ち回れる武器がないと流石にチャンピオンでも厳しいとは思いますよ」

そう答えたリンドウにローズは返答する。

「うむ、それならばその剣と盾を準備してくれたまえ。手段は任せる、必要な手配はオリーブ君に言ってくれれば可能な限り対応出来るはずだ」

ローズのその言葉にリンドウは言葉を無くす。

「エタナトスが目覚めるまで、あと少しだ」

ローズが恍惚と赤く光る彗星のかたまりを眺めていると、リンドウが口を開く。

「ムゲンダイナ、ですよ」

その言葉にローズが少し驚く。

「伝承の中では、そう呼ばれています。まぁ、どっちでも同じでしょうが」

そう呟いたリンドウに、ローズが答える。

「ムゲンダイナ、うん、良い響きだ。未来への可能性を感じる。私もそう呼ぶとしよう」

 

 シュートシティの町中をブラブラ歩いていると、マッスグマがお腹をすかせていることを訴えてくる。

「まぁ、歩き回ったところでどうにもならないか」

そう呟いて入ったレストランで見知った顔を見つける。

「リンドウじゃん!?」

「……あ」

ソニアはリンドウを見つけると共に近づいて責め立てる。

「あ、って何? お姉さんに対してその反応は可笑しくないかな?」

そう言うとリンドウは素直に謝る。

「いや、まさかこんな所で出くわすとは思って無くて」

嘘でも本当でも無い言葉で誤魔化すと、調べたこと伝えるのを忘れていた、と聞こえない声で呟く。

「まぁいっか、それより折角会ったんだし、一緒にお昼でも食べてかない?」

 

 二人でカレーを食べていると、リンドウが違和感を持つ。

「……ん?」

少しの間思考した後、漸く気付いた。

「ソニアさん、元気なさそうですけど、どうしたんですか?」

以前と比べて、口数が少ないのだ。伝説のことを聞き出すために病室から引っ張り出すような行動力を目の前にしてきたからか、余計に感じるのかも知れない。

「ん~、そう見える? そんなつもりはないんだけどなぁ」

そう言うと、溜息を吐く。

「いや、見たままテンション低いですよ」

食事の手を止め、悩みの種を聞き出そうとする。リンドウからすれば、伝説の剣と盾のポケモンに一番近いかも知れない人物だ。今この場で不調なことはすこぶる不都合なのである。

「あんまりリンドウに話すことじゃないかも知れないけど、今私はブラックナイトについて調べてるの」

ソニアの今更な発言につっこむべきか一瞬悩んだが、そのまま次の話に進む。

「お祖母様からの課題でね、これの研究次第では博士号への推薦もあり得るの。伝説級のポケモンへの手がかりを発見できれば、実績としては充分だから……」

つまりはソニアにとってはブラックナイトの研究自体が、今後の進退を決めると言っても過言では無いようだ。

「そっか、ソニアも博士になるんだな。すごいね」

そう呟いたリンドウを恨めしそうに睨むソニア。

「簡単に言っちゃって、石像の発見以降碌な結果が出てないのに。本当に私、博士になれるのかなぁ?」

ソニアの言葉に、リンドウはキョトンとした顔をする。それに対して、ソニアが不満を持ったようだ。

「何よ、私何かおかしなこと言った?」

どこか苛立たしげなとげのある言葉に、リンドウは少し慌てて返答する。

「いや、意外だなぁと思って」

その言葉にソニアは何故かと問う。

「だってさ、ソニアが研究を途中で諦めるイメージがつかなくて。正直博士になるのが決まったのかと思ったんだ」

その言葉に、ソニアが逆に驚かされる。

「それに、博士になりたいから研究してる訳じゃないだろ。出来るかどうかを悩むより、やってみて次どうするかを考えていけば、結果はついてくるよ」

ソニアの行動力があれば大丈夫、とリンドウは語った。その言葉に、ソニアは頬を赤らめ、照れ隠しのようにカレーを盛大にかきこむ。

「っぷはぁ! そうだよね、悩むより行動あるのみ!」

元気が戻ったソニアはまた研究について語り始めた。その様子に元気を分けて貰っているのか、リンドウもどこか笑顔が多くなっているように見える。

「そうと決まれば、フィールドワーク! の前に、英気を養いましょう!」

元気いっぱいのソニアに引き摺られるように、次の店に連れられるリンドウ。

「えっ、ちょっ……あれぇ!?」

 




読了ありがとうございました。

英名はエタナトスらしいですね、カッコいい(小並感

伝説のポケモンで名前が変わるのは初めてだそうです、そこにストーリーがあったらいいなー、とか思ったり。

個人的には、デジモン感があるムゲンダイナもエタナトスも嫌いじゃないし、好きだよ(唐突

でも、前向きな意思を持って名付けられたのがムゲンダイナだったらいいな、ってそんな感じ?
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