Black "k"night   作:3148

15 / 47
ソニアさんはポンコツカワイイヤッター(当社比

最初は勢いよくぶつかって、あとは流れで……

ビート君は生き返れ生き返れで本当に生き返ったのは草でしたね(笑)

観客が手のひらを返したのは何でだろう?


第十三話 人の心は秋の空

 気がつけばホテルのベッドで目を覚ました。周りを見渡すと、ソニアが準備したホテルでは無い。ならば、誰の部屋なのか、その疑問は隣で未だ目を覚まさない人物を見ると答えが出る。

「……リンドウじゃん、マジで?」

布団を胸元に引き寄せながら、現状を理解しようと思考を回すが、余りの非日常さに何一つ考えがまとまらない。

「……ん、ソニア起きたのか」

目を覚ましたリンドウは、然程ソニアの事を気にした様子は無く、朝ご飯の準備の為にキッチンに向かうとお湯を沸かしてコーヒーとトーストの準備を終える。

「はい、朝ご飯」

無言でソニアはそれを受け取ると、パンを一口含む。

「……美味しい、じゃない!」

そういうと、ソニアが警戒心を高めてリンドウと距離を取る。

「どうしたの、ソニア?」

何を言っているのか分からないと言った表情のリンドウ。

「ま、まさか……昨日の事は覚えてないけど」

「何もしてないよ」

酷く冷たいトーンでリンドウが溜息をつく。

「……ん?」

「まさか、無理矢理俺のホテルまで着いてきて、ベッドで眠りだした上に、一緒じゃないと眠れないとか言い出したことまで覚えてないとは、ね」

限りなく怒気を孕んだ声音でリンドウが話す。そういえば、確かにテンションが上がってアルコールに手を出した記憶がぼんやりとソニアによみがえってきた。

「そ、それでも、あられも無い姿の女の子が横で寝てたら……ちょっと位は」

「好きな女の子がいるんで」

そういうのはちょっと、とノーを突きつけられるソニア。

「なん……だと?」

ソニアは めのまえが 真っ白になった。

 

 「はぁ、まぁいいや。合流するまでにブラックナイトについて調べたこと、ノートに記録してあるから」

そう言ってリンドウがノートをソニアに手渡す。なにやら先ほどの会話から、ソニアに生気を感じられないのだが、リンドウにはどうしようもない。

「それじゃ、研究頑張ってな。応援してるよ」

そう言って、ソニアと手を振って別れる。

 

 ソニアが汽車を待つ待合室で、ルリナに電話を掛ける。

「ちょっと、聞いてよ!」

ルリナが電話の向こうで迷惑そうに答える。

「聞いてるよ、女扱いされなかったんでしょ。どんまい」

どうやら、愚痴を延々と聞かされているようで、ルリナの反応も大分悪くなっている。

「全然気持ちがこもってなくない、酷くない!?」

氷のように冷たい言葉がソニアに突き刺さる。

「ダンデ君の時もそうだけど、惚れっぽいのもいい加減にしないと駄目よ?」

その言葉に、ソニアが一瞬硬直する。

「ダンデ君に振られた時の会話、まさか忘れてないでしょ?」

ソニアの表情が一瞬にしてさめてしまう。

「『私とリザードン、どっちが好き?』って言って、割とあっさりリザードンって言われたよね」

電話越しでも耳を塞ぎたくなるような絶叫が響く。

「ルリナ、それは言わない約束でしょ!?」

そういったソニアに対して、ルリナは続ける。

「あの時、比較対象をワンパチに引き下げて食い下がろうとしたのを止めてあげた恩を忘れた訳じゃないわよね?」

溜息交じりに呟いたルリナの言葉が完全に止めを刺した形になったのか、ソニアはぐうの音も出なかった。

「ハイ、シッカリトオボエテイマス」

余程ショックだったのか、片言で返事をするソニア。

「それじゃ、私もジムリーグの準備で忙しいから。ソニアも今が大変な時期なのは分かってるけど、ちゃんと研究頑張りなさいよ」

そういうと、少し沈んだ表情で頷いて電話が切れる。

「……あんまり、人の心配してる場合じゃ無い、か」

両手で頬を叩き、気持ちを切り替えてジムリーグの準備にうちこむルリナ。

 

 ジムリーグの準備に追われていると、ビートがリンドウに話しかける。

「お久しぶりです」

ビートの言葉にリンドウは反応する。

「久しぶり、まさか本当に復帰しちまうとはね」

手を止めずに、会話だけ続ける。

「……本当に何を考えているのか読めない人ですね。ここまで分かっていたのですか?」

リンドウは笑う。

「まさか、そうなったら面白いだろうな、ってだけさ。お前ならもしかしたらとは思ったけど、今の今まで忘れてたぐらいだよ」

その言葉は半分嘘だった。ポプラの提案を聞いて、ビートが復帰できるように全力を尽くしていたのだ。しかし、日々の業務に追われて中々上手くはいっていなかったようだが。

「まぁ、僕のやることは変わりません。あの婆の手の平の上は承知ですが、それでも出来る事があるのなら」

そういうと、チャンピオンリーグへと足を向ける。その途中で振り返って、リンドウに一言告げる。

「これでも、感謝してるんですよ」

その後、ビートは振り返らずに進んでいった。

 

 




読了ありがとうございました。

子供が活躍出来る環境を大人が作っている、そんな話が好きです。

但し、ババァのあれは……よくわかんないです。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。