というわけで、ブラックナイト! はっじまっるよ~
オニオンとかサイトウさんの設定は、割と適当です。
特に気にしないというかたはよろしくお願いいたします!
「これより、ブラックナイトを始める!」
ローズのその言葉と共に、空が黒い雲に覆われて、地鳴りが起こる。モニターには各ジムで赤い柱が立ち上っているのが映されている。
「あれは……」
ワイルドエリアの自然現象として見られる、光の柱の現象だ。そこの近くにはダイマックスしたポケモンが現れるとされている。
ダンデ対マサルのチャンピオン戦が中止され、ダンデはローズが居るだろうナックルシティへと駆け出す。
「マサルは、どうする……?」
自分がやるべき事に迷いのない兄と自分に何が出来るのか分からないホップは、迷う。
チャンピオン戦を控え室で観戦しようとしていたジムリーダー達はいきなりの出来事に驚き、最初にキバナが言葉を発した。
「ナックルシティで事件が起きてるなら、俺様が行かない理由はないな」
そういうと立ち上がり、控え室を後にする。
「どうやら、ナックルシティだけじゃなく、各地のジム。つまりはダイマックスが行える場所も異常事態になってるみたい。なら、僕は自分のターフタウンに戻って、皆を安心させないと、ね」
ヤローはそう言って、ターフタウンに戻ることを伝える。ルリナも同様だと語ると控え室を後にした。
「……僕は、どうすれば」
そうつぶやいたオニオンに、メロンが答える。
「自分がしなければいけないと思うことをしなさい。誰かに答えを求めても、後悔することになるわ」
メロンの言葉に決心したのか、オニオンが控え室を出ると、褐色の少女とぶつかる。
「あっ、オニオン丁度良かった。さっきのローズ委員長の演説はどういうことか分かる?」
サイトウの言葉に自信なさげにオニオンが答える。
「もしかしたら……わかる。人が……いる、かも?」
オニオンの言葉にサイトウが飛びつく。
「分かる人がいるんですね。なら、その人に会いに行きましょう! 今すぐに!」
その言葉に、しっかりと頷く。その人物の名前に、一同は納得したり、驚いたりと様々だった。
リンドウは、ローズの演説を最後まで聴くこと無く、シュートスタジアムの外に出ていた。
「っと、今からだとアーマーガアタクシーの方が早そうだけど」
周りを見渡すと混乱している人達が乗り場に押し寄せている。列車に乗る方が早いかどうか、それを考えている間に聞いたことのある声が聞こえる。
「げっ、メロンさん!?」
「げっとはなによ!」
反射的に逃げようとしたリンドウをオニオンの影が捕まえる。
「ゲンガーですか、やりますねぇ」
そう呟いたサイトウが追いかける集団から飛び出し、影を掴まれて動けないリンドウに近づく。
「ガラル空手 強襲の技 ツバメ返し」
跳び蹴りを胴に当て、倒れ込むのと同時に足に寄る絞め技と拳による打撃を加える。
「ぐはぁっ!?」
受け身を取るどころか、地面に叩き付けられる前に意識を刈り取られるリンドウ。
「うー、ん。あれ、俺は一体?」
目を覚ますと、腕を縛られている。場所は人気の少ない場所で、周りはオニオン、メロンサイトウ、カブに囲まれている。
「えーと、これは?」
首を傾げるリンドウに、メロンが答える。
「ローズ委員長の行動やブラックナイトについて、あんたなら何か知ってるんじゃ無いか、ってね。ちょっと前からローズ委員長と行動してたでしょ」
その言葉にリンドウが戸惑う。
「あ、いや、まぁ……そうだけど」
歯切れの悪い返事に、サイトウが苛立つ。
「隠し事をしようとするのならば、多少痛い目に遭って頂くことになりますが」
その言葉に顔色を悪くするリンドウ。
「教えて、欲しい……です」
オニオンの切実な言葉に、リンドウは逆に質問を返した。
「オリーブさんから、何も聞いてない?」
「なるほど、ガラルの千年後もブラックナイトも、さっきの演説が初めてだ、と」
リンドウがそう呟くと盛大に溜息をこぼす。
「あんまり余裕があるわけじゃないけど、説明しないわけにはいかないか。ブラックナイトも気になると思うけど、先にガラルの未来について、かな」
そういうとリンドウは続ける。
「千年後のガラル地方って、エネルギー問題でどうなってるか想像つく?」
その言葉にメロンが答える。
「たしか、化石エネルギーがなくなって電気が無くなるんだっけ? そりゃあ、大変なことだけど、千年後って言われてもね」
実感が沸かない、とそう言う答えだ。それについては他の面子も同意見らしい。
「まず、それが間違いだ。化石エネルギー、つまり石炭とか石油なんだけど、現在の使用率で計算すると百年後には八〇%使い切る予測が出てるんだよね」
その言葉に驚き、サイトウが言葉を放つ。
「百年後って、そんなに早いのですか?」
「ここ十数年でも、電気の普及と交通網の発達、そして各家庭における電気の使用率の増加が目まぐるしいから、エネルギーの使用量は毎年右肩上がりだ。実際なにも対策をしなければ、百年待たずに使い切るのは間違いないだろう、って偉い人達も言ってるみたいだよ」
その言葉にカブは言葉に詰まる。
「……確かに、鉱山の化石燃料もいつまでもとり続けられるわけじゃない」
考え込むカブに更にリンドウが続ける。
「百年っていうのは、あくまでエネルギーが無くなるまでの期間ってこと、ゼロになるまでに人間同士の化石燃料の奪い合いになるだろうね。残りが少なくなるにつれてより過激になっていく。仮に五〇年後に化石燃料が半分になっていたとしたら、原油は高騰し、電気は富裕層の元にしか届かないだろうなぁ」
そう呟いたリンドウにメロンは答える。
「別に、エネルギーなんて化石燃料だけじゃないだろ? そりゃあ、少なくなれば不便にはなるだろうけど、他に太陽光とかもあるんじゃないかい?」
「足りないし、安定しないんですよ。勿論そういった再生可能エネルギーも開発は進んでは居るけど、それが普及するにも時間が掛かるしね」
底まで話した段階で、オニオンが疑問を口にする。
「それじゃあ……千年って、何?」
「ガラル地方に完全に人間が住めなくなるまでの時間だよ。百年後には僅かなエネルギーを奪い合って戦争が起こり、各地で紛争頻発するようになる。限られた富裕層にのみエネルギーのある生活をする権利が与えられる。三百年後には、限られた富裕層にもエネルギーが枯渇し、ガラル地方に住む人間は社会性を維持できなくなる。石器時代並に生活レベルが低下し、五百年後にはポケモンとの生存競争の結果、人類は住む場所を追いやられ……全滅するのに千年はかからないだろう、ってね」
その言葉に嘘はないと感じたのだろうか、冷や汗を流すサイトウ。
「だ、だけど、ポケモンの力を借りれば、エネルギー問題はなんとかなるんじゃないかい?」
メロンの希望的観測は、すぐさま否定される。
「例えば、エレキブルとか馬鹿みたいな電気エネルギーを蓄え込んでるんだけど、それを実用化しようとすると問題が起こるんだ」
リンドウの言葉をカブが引きつぐ。
「ポケモンの管理とインフラの整備、そして継続性、だったか」
その言葉にリンドウは頷く。
「そのポケモンを四六時中発電の為に働かせることがそもそも困難だし、そんな大規模の発電量を、変圧するのも蓄電する技術もない。ついでに言えば、何十年と電気エネルギーを供給しようとすると、それだけの電気を溜め込んだポケモンを育成するのに、同じか、それ以上のエネルギーを消費するって話」
そこで、カブが閃く。
「つまり、一番現実的なエネルギー問題対策が、ローズ委員長のムゲンダイナ、ということか」
その言葉にリンドウが頷く。
「ムゲンダイナとは、一体何が出来るんです?」
「そいつ自体はあくまで、願い星、つまりは彗星のかけらだな。それの活性化のみ。ムゲンダイナ自体がエネルギーを産み出してるわけじゃない」
メロンが疑問を呟く。
「活性化させた分だけ、エネルギーを消費する、とかじゃないのかい?」
「活性化させて消費した分のエネルギーの大多数を宇宙にある彗星から補給する。高い所か低いところに水が流れる様に、使った分だけエネルギーが集まりやすくなるってこと。まぁ、地脈だったりいろんな所から集めたりもするんだけど、地球外からも集められるからこっちが無くなるには、千年二千年の話じゃ無いかな」
そこまでリンドウが話すと、オニオンが話す。
「どうしたら……ブラックナイトを、とめられる?」
リンドウが少し間をあけて答える。
「二人の英雄と王についてはソニアが今まどろみの森で調べてるはず。どれだけ進んでるか分からないけど、こっちも英雄について調べないと、剣と盾を見つけさえすれば、可能性は残されているから」
オニオンがリンドウの拘束を解くと尋ねる。
「剣と盾は……どこに?」
その言葉にリンドウが答える。
「……王族の末裔に伝わっているはずだ。それがどこにあるかまでは分からなかったけれど、この状況になった以上、出張ってくるはずだ」
そう言って、王族の末裔の場所を語る。
「……メロンさん、申し訳ないけど、街を守っていてほしいんだ」
その言葉にカブが疑問を浮かべる。
「何故だ、原因の解明には戦力が必要だと思うが?」
カブの言葉に、メロンが返答する。
「街を襲うダイマックス化したポケモンを抑えられるのは、ダイマックスになれたポケモンとトレーナーだけ、さね。実際に闘いに出る訳じゃない剣と盾の捜索に戦力を削くよりも、少数で探して、あとは防衛の方が良いってことさ」
そうメロンが話すと、リンドウは頷く。
「オニオン、サイトウ! あんた達はリンドウをフォローしな! 街の守護はあたし達で充分だよ」
そうメロンが宣言すると、メロンの息子のマクワからも声が上がる。
「マイナーとは言え、俺もジムリーダーの一人だ。オニオンが居なくてもなんとかなるさ」
頼もしい仲間達の声にリンドウは頭を下げる。
「無理はしないでくれ、ブラックナイトはいつまで続くか分からない。貴方達が倒れたら、街を守る人間がいなくなってしまう」
危険だと感じたのならば、逃げて欲しい。そうリンドウが頼む。
「舐めんじゃないよ、若造。そんな心配されなくたって、ちゃんと街を守ってみせるさね」
メロンがリンドウの頭を少し乱暴に撫でる。その仕草に、子供扱いするなと手を振り払う。
「行って来な、こっちは任せときなよ」
その言葉に頷き、リンドウとオニオンとサイトウは王族の末裔の居場所まで向かう。
読了ありがとうございました。
今回は、ローズ委員長が話していた千年後のガラル地方について、です。
多分、八割位の人が何言ってんだこの人? ってなったので、色々考えてみました。
分かってるのは、化石エネルギーとか、電気がなくなるとかそれ位なので、
九割九分ねつ造です。本編とは関係ないので(笑)
要するに、ローズ委員長がもっと周囲に説明してたら理解されていたのに、って感じです。