黒死牟どのが好きです、ああいう天災に振り回されて、憧憬と劣等感に苛まれる系男子はいいですね。
現在の無惨様がヤベーってなるにつれて、縁一のヤバさが再評価されていくのが面白くて草
……あれ、これなんの話だっけ?
そうだ、シーソーコンビがなんやかんやの話でした
「あっ、いたいた! マサル! 大変だよ!」
ターフタウンに駆けつけてきたソニアが、マサル達の姿を見つけて声を掛ける。話によると、ターフタウンのガラル粒子反応はダイマックスポケモンを治めたことにより、収まったようだが、次はバウスタジアムとエンジンスタジアムで同様の現象が起こっているようだ。
「えぇー!? ダイマックスしたポケモンが暴れてた!? えっ、これ、シーソーコンビの仕業なの!?」
マサルからターフタウンで起こったことをありのまま聞いたソニアは、少し大げさに驚いている。
「あっ、ソニア!」
ターフスタジアムからホップとネズが出てくると意外だったようで、再びソニアが驚く。
「元ジムリーダーですからね、どこに居ても不思議じゃ無いです。それよりも、他のスタジアムでダイマックスポケモンが暴れてる、ですと?」
ソニアがその通りと答えるとネズがマリィのことを心配する素振りを見せる。
「あ、スパイクタウンは大丈夫っぽいです」
異変が起こっているのは、バウスタジアムとエンジンスタジアムのみで、スパイクタウンに異常は見られていない。
「……そうですか」
安心した表情を見せるネズとは別に、激昂するホップ。
「ポケモンが勝手にダイマックスさせられるなんて、放っておけない! マサルもそう思うよな!?」
ホップのその問いには、マサルも今すぐ現場に向かうと答える。躊躇わないその姿に、ネズが勇ましいと感想をもらした。
「シーソーコンビの事は私に任せといて! ネットの目撃情報で居場所を特定してやるわ!」
そういうと、携帯端末を操作して、近隣の目撃情報を検索していく。ネズが先導してダイマックスが起こっている現場へと向かうマサル達。
ソニアが端末を操作して、リンドウに電話を掛ける。
「もしもし、リンドウ?」
繋がると、現状を手早く説明する。
「無理矢理ポケモンをダイマックスさせる、か。マグノリア博士に調べて貰いたいところだけど」
現状を伝えただけでは、原因を調べきるのは難しいだろう。現地での捜査では、危険がともなう。
「普通じゃありえないと思うんだけど……」
考えこむソニアに、リンドウが否定する。
「落ち着けソニア、例外はあっただろう? それに今は、ムゲンダイナに寄るガラル粒子の増大が各地で見られているんだ」
リンドウの言葉に、ソニアが思い至る。
「……ワイルドエリア」
ワイルドエリアの特にガラル粒子が濃い場所ではごく稀に野生のダイマックスポケモンが現れることがある。目撃される時に光の柱が立っているなどと言う報告もあるが、目撃例が少ない為、不確かな事ではある。だがしかし、願い星バンドとトレーナーの力以外でのダイマックスの事例の殆どがワイルドエリアによるものだ。
「擬似的なガラル粒子の増大? そんなこと、出来ないことはないけど……それなら大変!」
ソニアは慌てて、シーソーコンビの捜索に当たる。
エンジンスタジアムとバウスタジアムでのダイマックス騒動を治めると、ソニアからマサルの端末に連絡が入る。
「マサル! 大変! ポケモン研究所にシーソーコンビが現れたの!」
近くに居たホップが画面を覗き込みソニアの安否を心配する。
「いまんとこ、願い星を渡せってネチネチ言われてるだけ……でも、怖いから早く来て!」
それだけ言うと電話が切れてしまう。
「あの二人組のことですよね。願い星を集めている……?」
ネズがソニアの言葉に違和感を覚えていると、構わずにホップが研究所に向かってしまう。
「何も考えずに……というと馬鹿みたいですが、あいつは我武者羅な方がらしいですね」
そう呟くと、マサルに最後まで付き合うと告げて研究所に向かう。
研究所の入り口近くにあるソファに腰掛け、ソッドとシルディが陣取っている。
「ローズ委員長が集めていた願い星が今、此処にある事はセレブリティにはお見通し!」
「セレブリティでは無い貴女方には不釣り合いな代物です。我々に差し出しなさい」
二人の言葉に頭を抱えつつ、ソニアが言葉を返す。
「願い星とセレブにはなんの関係もありません! なんでそのことを知ってるのかは知らないけどさ! あんた達なんかに、渡せるわけ無い!」
ソニアが頑として願い星の在処について話そうとせず、同席していたマグノリア博士も拒む姿勢を崩さない。
「やれやれ……どうしましょう、弟よ」
「ふむ……困りましたね、兄者」
高らかに二人が笑っていると、ホップが入り口から入ってくる。
「困ってんのはソニアと博士だよ!」
入るなりに怒りを顕わにするホップ。しかし、二人組はそれに対し驚く様子も無い。
「ポケモンを強引にダイマックスさせて、許さないぞ! それと! 朽ちた剣も返せ!」
ホップの啖呵にも平静に二人が答える。
「おやおーや! てっきりチャンピオンが来ると思えば……まさか負けた方がおいでになるとは!」
「またコテンパンに敗北を味合わせて差し上げましょうか?」
その言葉に反論出来ないホップにソニアは焦る。
「言い負かされてんじゃないっつーの!」
ホップに少し遅れて、ネズとマサルが研究所の扉をくぐる。
「その通りですよ、一度負けたくらいで気持ちまで負けては駄目です」
ネズの一言でホップも気持ちを持ち直し、マサルと共に闘う意思を固める。
「よっしゃ……勝った! 勝ったぞ!」
ホップがマサルと共にダブルバトルで挑むと、シーソーコンビを打ち負かす。
「我々のトレーニング用のポケモンが負けるとは!?」
「ふん! 二人がかりとは言え、褒めてあげましょう」
その言葉にネズが呆れる。
「お前らも、二人がかりに見えますがね」
ホップが朽ちた剣を返せと二人に食いかかっていると、助手が言葉を掛ける。
「あの……よろしいでしょうか? お話中失礼します」
その言葉が終わると、助手はシーソーコンビのもとへと向かう。
「ちょっ!? そっちは危ないですよ!?」
気遣うソニアの言葉も聞かず、助手はシーソーコンビに耳打ちをする。
「潜入任務、ご苦労様でした」
「願い星は手に入れましたか?」
その言葉に頷くとソニアが驚き、マグノリア博士が保管庫の方を確認する。
「……あら、見事にやられましたね」
手際の良さに、呆気にとられた様子だ。
「フハーッハッハ! 可笑しすぎて、逆立ちしてお茶菓子が食べられそうです!」
「先ほどの勝負はただの目くらまし! 我々は闘う前から勝利していたのですよ!」
「それでは……グッドバイ!」
二人組は言いたいことを言い終えると風のように去ってしまう。ホップが後を追いかけて研究所を出て行き、助手も研究所を離れようとするとソニアが声を上げる。
「どうして!!」
足を止めて振り返るが、意思は変わらないようだ。
「ソニア博士、ごめんなさいね」
ソニアがショックに拳を握りしめる。裏切りが見抜けなかった事に対してか、それとも信頼を預けた相手から返されたことが裏切りだったからか。
「最初から……騙していたんですね」
その言葉に、力は無かったのかも知れない。「我々の計画のため、仕方ないことなの。我々がもう一度、王の末裔として君臨する為に……」
そう言い残すと、助手は立ち去ってしまう。ネズ達は一瞬ソニアの方を顧みるが、悔しさに目を伏せているのを見て、今はこの場を離れることにする。
「今は、そっとしておいてあげましょう」
マグノリア博士も保管庫に確認に移動して一人になっていると、ソニアの端末に着信がなる。
「こんな時に誰が……リンドウ?」
一瞬、取ることを躊躇ったが、鳴り止まないので電話に出る。
「あー、漸く出たか。大変だね、ソニア博士」
どこか嫌みな言葉に、ソニアは怒りを隠せない。
「言われなくても、大変なのよ! 用が無いなら……なんでアンタがそれを知ってるの?」
いくら何でも、リンドウが現状を把握するのには早すぎる。仮にマグノリア博士やマサル達から連絡が来ていたとしても、だ。
「なんでって、ローズ委員長の願い星の在処を教えたのは俺だしな。助手さんも可愛い顔して、運び出すポケモンの準備を俺に振っちまうんだから、中々の上玉だぜ」
今回の騒動にリンドウは一枚かんでいる、そう言っている。ソニアはその事が上手く理解出来ていない様だ。
「どういう……こと? リンドウまで、裏切ったの?」
ソニアが膝を着き、端末を落としかける。
「お、おい! 大丈夫かソニア!? おおお落ち着け! ややこしいことになってるけど、裏切ってないから!」
ソニアの反応が予想外だったのか、端末の向こうから慌てるリンドウの声が響く。
「何よ! あいつら誘導させておいて、裏切ってないとかよく言うじゃん!」
涙目になるソニアに、リンドウは慌てる。
「待て待て待て、確かに俺が誘導したけどな? そうしなかったら、あいつらもっと周囲に迷惑掛ける方法考えてたんだよ! ソニアの所だったら、マサル達もすぐに対応出来るし、ネズさんも声を掛けたら動いてくれるっていうから任せてたんだが……」
怒って良いのか、悲しんで良いのか分からず、涙目のまま画面を見つめるソニア。
「いや、悪かったよ。事情を説明したら王族も面倒な事になりそうだったから、マサル達に任せる形になった。だけど、あいつらの目的は誰かを傷つけたりってことじゃないからな」
リンドウの言葉に、ソニアは続きを促す。
「あいつらの目的は、王の復権だ。要するにソニアが書いた、二人の王と二匹の英雄じゃなくて、ガラルを救った王の方が正しい歴史だと証明したいだけなんだ」
その言葉に、ソニアが落ち込む。
「それじゃあ、私が本を書いたから……?」
リンドウがその言葉は否定する。
「そんなことあるか、逆恨みも甚だしいだろ。ここまで来ればあいつらも引き返せないだろうから、後はマサル達と協力してボコボコにしてやればいい」
チャンピオンと元ジムリーダーとジムリーグ最終まで残った奴、これだけ居れば楽勝だろうとリンドウが喋る。
「……ホップは不調だけどね。片方に負けてたし」
「……マジか」
それについては予想外だったらしく、目を丸くする。
「とにかく、助手についても今は考えるな。この騒動が終わってから、また誰か雇えばいい話なんだから」
そういうと、再びソニアが落ち込む。
「……悪かったよ。何でも言うこと聞いてやるから、元気出せよ」
「今何でもって言った!?」
急に元気になったソニアに、リンドウがたじろぐ。
「お、おう……俺に出来る範囲なら、だぞ?」
「よーし、それじゃ、シーソーコンビを追いかけないと!」
リンドウの言葉がちゃんとソニアに届いているのか不安になるが、とりあえず元気になったソニアに一安心する。
「何かあったら連絡してくれ、必要なら直ぐに向かうから」
その言葉にソニアは頷き、電話を切る。少し乱れた衣服を整えて、研究所の扉を開いた。
読了ありがとうございました。
今、なんでもって(ry
ソニアさんはちょろ可愛い路線であって欲しい(願望