お前いつも適当だな!
今回もポケモンが出てこないよぉ、どういうことだってばよ?
研究所に集まってから一週間、それぞれが元居た場所に戻って少し経った頃不穏なニュースが流れる。
「それでは、次のニュースです。昨日、ラテラルタウンにて、一般のポケモンがダイマックスして暴れるという事件がありました」
脳裏によぎったのは、ブラックナイトの事だったのか、ソニアがホップに指示を出す。
「ホップ、レーダーを調べて」
ホップは頷いて、ガラル粒子の量を遡って調べる。
「……事件の時間も、増加は見られないぞ。念のため、前後一日調べても、おかしな所はなかったな」
ソニアもホップも疑問を覚えたが、その日はどうしようも無かった。
「お祖母様、昨日のニュースですけど……」
どうしても、気になったソニアは、マグノリア博士に連絡を取る。
「ソニアも気になりましたか、私も現地で調べていますが、今のところ異常は掴めていません。何か分かれば、お互いに情報を共有しましょう」
なんの手がかりも得られないまま、翌日になる。
「それでは、続いてのニュースですが」
ソニア達の予感は的中することになった。
「昨日に起こったダイマックスしたポケモンが暴れる現象が、各地で同様の事件が起こっています」
ソニア達は、情報を共有するために集まっている。
「原因は掴めましたか?」
オニオンが淡々とソニアに質問をする。
「……今のところ、ガラル粒子に変化はみれないとしか」
ソニアは追い込まれた表情で首を横に振る。
「博士が分からないって言うなら、手の打ちようがねぇなぁ。スパイクタウン覗くスタジアムがある街全てで同じ事が起こってる、原因は不明……空が暗くなったりはしてないがな」
キバナが何か糸口が掴めないかと現状を整理するが、ブラックナイトと同じというわけでは無い。
「何か、お祖母様が掴んでいれば良いんですけど」
ソニアがそう呟いて少しした頃、マグノリアが部屋に入る。
「お祖母様! 結果はどうでしたか!?」
神妙な面持ちで皆の前に立つマグノリア、決して良い報告ではなさそうだ。
「各地域のジムリーダーの方々に集まって頂いたのは他でもありません。連日のダイマックス事件の原因が……憶測ではありますが、掴めました」
その言葉に、メロンが答えを急ぐ。
「原因が分かればこっちのもんさ。とっとと対処して、面倒毎とはおさらばしたいもんだね」
マグノリア博士が続きを話す。
「原因は二つ、ムゲンダイナの復活における各地のガラル粒子の増加及び、ワットエネルギーの変電施設の影響です」
ジムリーダーが予想していたものと大きく違っていたのか、反応は薄い。
「……どういう、ことです……か?」
オニオンがマグノリア博士に疑問を投げる。
「まず、ダイマックスしたポケモンが何故暴れるか、というところから説明させて頂きます。ダイマックスバンドを経由し、ガラル粒子を取り込んだダイマックスについては、これまでポケモンが暴走することはかなり稀でした。先日の願い星のガラル粒子を無理矢理注入される、ということがあって意図しないダイマックス、暴走するということともまた違います」
これまでの事象と違うと言うことにルリナは首を傾げる。
「そんな特別な事が起きているの? 先ほどの変電施設が原因ということかしら?」
マグノリア博士は頷く、しかし、ジムリーダー達の知識では変電施設とダイマックスが繋がらない。
「まず普段予期しないダイマックスが発生しないのは、必要な量のガラル粒子がダイマックスバンドなどによって集められない限り、蓄積しないこと。また、ダイマックスしたとしても、本来それを操る力がポケモンには大なり小なり備わっています」
ヤローもまた疑問を浮かべる。
「それでは、何故?」
「ガラル粒子というものは、エネルギーの乗り物と考えて頂きたい。ワットエネルギーを運ぶ媒体となり、エネルギーを届けた後は拡散し、地脈に還るか、大気圏まで上昇し、再び彗星のエネルギーを受け取って運搬するのです。その時、人の感情が大きい方に誘導される性質があります」
その言葉に、カブが頷く。
「人の感情……つまり私達は感情をコントロールすることでダイマックスを制御していたのですか」
技術では無く、ポケモンとの絆、そう言っていたマグノリア博士の持論は端的に説明するとそうなるようだ。
「実際はもう少し複雑な動きをしますが、取りあえずは感情に左右される、ということが重要です。ガラル粒子が少なかった……つまり、ムゲンダイナの復活前はダイマックスをする量のガラル粒子を集めるのにも訓練が必要な程でした。しかし、現在はパワースポットがある地域では、簡単にダイマックスを行えます。それに加えて、ジムリーグも終え、ダイマックスをする回数自体が減少しています」
ソニアが考える。
「つまり、ワットエネルギーを持ったガラル粒子が、消費されないまま彷徨っている、そういうことですか?」
マグノリア博士が頷く。
「ワットエネルギーを持ったガラル粒子は、感情に引き寄せられます。人間がガラル粒子からエネルギーを得ることは出来ないので、そのまま次の感情へ、ガラル粒子が様々な感情に移り渡っているのが現状です。そうして、最終的な終着点が変電施設になっています」
ようやく変電施設という言葉が出て、ビートが口を開く。
「変電施設というのは、ワットエネルギーを電気エネルギーに変換する施設、ということですか?」
マグノリア博士は頷く。
「大気中に存在するガラル粒子を集め、電気エネルギーを作り出す機会ですね。マクロコスモスが次世代エネルギーとして現在試作機を稼働させています」
そこでマクワが肩を落とす。
「またマクロコスモスか、碌な事をしないなぁ」
「変電施設自体が悪影響を与えているわけではありませんが……自体を加速させる一因になっています。要するに、感情に影響を受けたガラル粒子が一カ所に集まっている事が問題になっているのです。一カ所に集まったガラル粒子はお互い干渉し合い、同じ方向性の性質に変化します。磁石が引かれ合う様に性質を同じにして、やがてその性質が拡散して、大気中のガラル粒子にも影響を与えていっています」
漸く結論が見えてきて、ネズが口を開いた。
「その拡散する性質とやらが、ダイマックスを暴走させる原因、というわけですね。それならば、それを何とかしなければいけない、ということですか?」
しかし、マグノリア博士は首を横に振る。
「ガラル粒子が影響を受けているのは人間の感情、それも負の感情、怒り、憎しみ、悲しみに特に影響を受けています。それらが擬似的にポケモンに流れ込む事で、暴走しているのです。しかし、負の感情を抑えるなど、すぐに対応出来るものではありません」
それこそ長期的な対応が必要であると、マグノリア博士は告げる。
「それなら、対応策はないんですか?」
マリィが尋ねるとマグノリア博士が答える。
「……いえ、ガラル粒子が一カ所に集まり留まっているのを、消費してリセットしてしまえば、事件は一旦収まるでしょう。次同じ状態になるまで、恐らく年単位でかかりますので、定期的な発散を行えばダイマックスが暴走するような自体は防げるはずです」
今回の原因さえ何とかしてしまえば、今後の対策も容易であるようだ。
「対策まで見えているなら、話は早い。その変電施設を……破壊でもすればいいんですか?」
ビートがやや物騒な事を言うが、大まかには正しいとマグノリア博士が答える。
「ただし、現在負のガラル粒子の巣窟になっている場所には、一般のポケモンが近づいただけで強制的なダイマックス及び破壊衝動に襲われ、制御出来なくなります。そこで活動できるのは、キョダイマックスが出来る固体と人間のみ、と判断しました」
その言葉にソニアが、一人この場に居合わせていない人物に気付かせた。
「ダンデ! もう向かってるって事ですか?」
そう言うと、マグノリア博士の端末に連絡が来る。少し話をすると、モニターに画面を映し出す。
「……マグノリア博士の、悪い方の予想が当たったみたいですね」
モニターには、ダイマックスをしたポケモンが群れをなし、互いに傷つけ合っている様子が映っていた。
読了ありがとうございました。
ここいる?(二回目
脳内設定吐き出したいけど、別に書く必要ないんじゃないかなぁ、って思う。
それはそうと、それ無しに物語を書けないのが問題なんですけどね(笑)