Black "k"night   作:3148

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「」ウリちゃんがホップと会ったり、会わなかったりするお話です。

「」ウリちゃんとユウリちゃんの表記が時々で変わっていますが、そういうものだと思って下さい(後々修正するかも

いやぁ、「」ウリちゃんは可愛いなぁ……

転生、キャラ崩壊、オリジナル、幻覚etc……どんとこいな方はよろしくお願い致します。



ムゲン団編 第三話

 

 久しぶりの旧友との再会だったはずだが、ホップは足早に去って行く。

「悪い、まだ引き渡しの手続き終わってないんだ。ちょっと待っててくれ」

リンドウは走り去るホップを見送ると、ユウリと呼ばれた少女を見る。まるで放心したかのようにホップが去った方向を見続けている。

「……俺で良ければ、事情を聞くけど?」

その言葉に、はっと我に返るユウリ。数秒思考していたが、メモ帳に番号を書いてテーブルに置いた。

「っまた、連絡する!」

そういうと足早にカフェを後にしたユウリ。彼女の事情が全く分からないリンドウだったが、コーヒーを一口啜る。

「番号だけ渡されても、連絡出来ないだろ」

 

 戻ってきたホップには、ユウリは用事があるから出たと伝えた。

「まぁ、運が良ければまた会うんじゃないか?」

リンドウが話すと、ホップは露骨に残念そうにする。

「そっかぁ、まぁ忙しいなら仕方ないか」

ホップが言うには、ユウリはマサルやホップ達の幼なじみで、年齢は同じらしい。両親の都合で引っ越しをしていらい、連絡もつかなかったという。

「ガラルに戻ってきたなら、連絡ぐらいくれれば良いのにな! 次会ったらお帰りパーティだぞ!」

友人の帰郷に、臆面もなく歓びの表情を見せるホップ。

「……そうだな、折角だしマサルやダンテさんと一緒にお祝い出来れば良いな」

リンドウの言葉に、屈託のない笑みを浮かべるホップ。

 

 ホップと別れてから、躊躇う様子を見せているリンドウだが、決心して番号を入力する。

 プルルルル

コール音がしばらく鳴るが、出る気配がない。相手が電話に出ない理由を探してみても、リンドウには思い当たる節はない。

「……何故だ?」

気を取り直しで、もう一度掛けてみる。しかし、コール音がなるだけで出る気配はない。

「もう一回ならして駄目なら、放っておくか」

そう言って鳴らすと、少しの間があってから繋がる。

「……もしもし」

その声は間違いなくユウリの声だった。

「まさか、番号を間違えてるかと思ったが、そうじゃないみたいで安心したよ」

リンドウが溜息をつくと、彼女は言葉を発する。

「ホップは……私の事を何か言ってた?」

開口一番ホップの事を聞かれると、会話を出来ている自信がなくなってしまいそうだが、リンドウは律儀に答える。

「久しぶりの帰郷を祝いたいってさ。折角戻ってきたなら、連絡くらいくれれば良かったのにとも言ってたな」

その言葉に、安堵したような様子が伝わってくる。

「一応確認だが、ホップと直接連絡を取る気はないのか? 幼なじみなら……」

リンドウが言葉を言い終える前に、ユウリが遮る。

「駄目! まだ、ホップとは話せない……話したくない」

ユウリの言葉に疑問を抱きつつも、本人達の問題に介入するつもりもないのだろう。リンドウは彼女の言葉を肯定する。

「分かった、伝えないよ。連絡先を知ってることも伏せておく。ただ、君はとても強いトレーナーみたいだし、良かったらまたムゲン団が悪さをしていたら協力してくれないか?」

リンドウの誘いに数秒の間があったが、協力することには抵抗はないらしい。

「……分かった。また連絡してくれたら協力する」

その言葉を聞いて感謝を述べ、リンドウは通話を切った。

 

 数週間経った時、頻繁に発生するムゲン団の悪事にその都度ユウリは手伝いに応じていた。

「いや、本当に強いなユウリちゃん」

そもそも、ポケモンバトルはそれほど強くないリンドウは、一対一でも怪しいレベルだ。それに比べて、ユウリは相手が何人であろうと、ドラパルド一体でなぎ払っている。

「別に、強くても良いことなんて……」

そう呟くと、空腹を知らせる音が鳴る。恥ずかしげに顔を伏せたユウリにカレー屋に誘うリンドウ。

「助けて貰ってただなのも悪いから、カレーでも奢らせてくれないかな?」

恥ずかしげに頷いたユウリは、テーブル席に二人で座る。

「そういえば、どうして手伝ってくれるのか聞いても大丈夫?」

かねてからの疑問をリンドウが切り出す。カレーをスプーンで食べるのを止めて、口を開いた。

「ムゲン団は……知り合いが居るかも知れないんです。もしかしたら、と思って」

少し歯切れが悪い答えだったが、あまり深く追求はしないリンドウ。

「ホップが、ユウリちゃんのことを探してたけど、まだ会わないのかい?」

その言葉に、再び食事の手を止める。心なしか、スプーンを握る手が震えているように見えた。

「私も……会いたい。でも、怖いの。ホップに、否定されるかもしれないから」

ユウリは、喉の奥に何かものが詰まっているかのように、或いは嗚咽を吐き出すかのように言葉を紡いだ。彼女の言葉を聞きながら、静かにリンドウは頷いた。

 




読了ありがとうございました。

「」ウリちゃんはめんどくさい系女子だと思ってます(笑)

まぁ、数十年チャンピオンの座で孤独を拗らせたなら、多少はね?

無敗の敗北者……? 取り消せよ、その言葉!

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