転生、キャラ崩壊、オリジナル、幻覚etc……どんとこいな方はよろしくお願い致します。
リンドウは、ユウリについて考えていた。知っていることは、凄腕のトレーナーであること、ホップやマサル達との幼なじみであること、ムゲン団と関わりがあること、ホップに対して特別な感情を抱いていて、尚且つ複雑な事情を抱えて居るであろう、ということ。
「まぁ、分かんないな」
汽車で移動しながら、そう結論づけてブラッシータウンの駅を降りると、不思議な雰囲気の少女が奇妙なポーズで固まっていた。
「……ユウリちゃん、何してるの?」
溜息をつきながら、ユウリに声を掛ける。
「えっ、いや、その……何でもないです」
気まずそうに目をそらして、その場を去ろうとするが、リンドウは肩を掴んで捕まえる。
「こらこら、ホップに会いに来たんじゃないのかよ。幼なじみなんだし、ホップも会いたがっているし、研究所に行けば会えるぜ?」
リンドウとは顔を合わせず、気まずそうに顔を伏せたまま答える。
「……研究所には、行きたくない、です」
ユウリに対して、盛大に溜息をつくと、リンドウは端末をとりだして電話を掛ける。
「あ、ホップか? そうそう、今ブラッシータウン駅まで来てるんだけど……いや、ちょっと話があるんだけど、来てくれないか? それと、ソニアには内緒で出てきて欲しいんだ」
通話の向こうで、ホップの疑問の声がきこえていたが、無視して通話を切った。
「それじゃ、俺はお暇するから。じゃあな」
そう言って、リンドウは踵を返す。その場にユウリが残されるが、彼女は口をぱくぱくと開くだけで何も言葉を発することは出来なかったようだ。
駅まで戻ってから、リンドウはソニアに電話を掛ける。
「もしもし、打ち合わせ場所を変えたいんだけど……ちょっと事情があってね」
リンドウの言葉に、少し違和感を覚えたみたいだが、ソニアは特に気にはしなかったようだ。
「ふーん、まぁ、丁度良いから良いけど。シュートシティのカフェに集合でも良い? なんか、会いたい人が居るって」
ソニアの言葉に同意をして、電話を切る。アーマーガアタクシーを手配してシュートシティに移動する。
タイミングはリンドウの方が早かったらしく、待ち合わせのカフェに着くと黒髪を長く伸ばした女性と目が合う。
「……マリィが二十年もすれば、ああなりそうだな」
スレンダーなスタイルに、黒を基調とした服装、切れ長な眼が特徴的で、端的に言えば美人に当てはまるだろう。
「ん?」
その女性が立ち上がり、リンドウの方に向かってくる。
「貴方がリンドウさんですね、お会いできて光栄です」
そう話すと握手を交わす。
「失礼ですが、貴女は?」
リンドウが女性に尋ねると、良く通る声で彼女は答える。
「ムゲン団のセンジュと申します、どうぞお見知り置きを」
ムゲン団と言うことに驚いたリンドウだが、ソニアと合流して話をしていると徐々に納得したようだ。
「つまり、暴れてるのは下っ端というか、末端で、貴女も困ってるってわけか。まぁ、それはそうだろうなぁ」
センジュの説明に納得しながら、話を先に進める。
「何度もご迷惑をおかけしていて申し訳ありません。貴方の活躍のおかげで大事に至らない事も多いのです」
再び感謝の言葉を述べるセンジュ。その言葉にソニアが答える。
「いやぁ、リンドウなら結構暇してるから、こき使っても大丈夫ですよ」
笑顔でそう答えるソニアに、リンドウは不審な顔を浮かべる。それは、ソニアに対してだったのか、凍て付くような雰囲気のセンジュに対してなのか。
「それで、本題に入って貰っても良いかな? お礼を言いに来ただけって事はないんじゃないか?」
そう言うと、センジュは頷く。
「はい、貴方と度々行動を共にしている少女についてお聞きしたいのです」
その言葉に、ソニアが首を傾げる。
「それって、ユウリちゃんのこと?」
何の関係が、というソニアの問いには答えない。
「……ユウリ、と呼ばれているのですね」
少し、考え込むようにセンジュは噛み締める。
「悪いけど、プライバシーを守れるくらいの常識はあるつもりでね」
リンドウはそういい放つと席を立つ。
「ちょ、ちょっと何処に行くの!?」
「帰るんだよ、キルクスシティの宿までな」
リンドウの後を追うようにソニアも席を立つ。センジュと呼ばれた女性は、去って行く二人を見つめていた。
アーマーガアタクシーでキルクスシティに降りると、リンドウは周りを見渡す。宿とは真反対の方向に歩き出すと、動き出した影を幾つか見つける。
「早いなぁ、数は……五人ってところだな。まぁ、胡散臭い話でもあったし、そういうことなんだろうな」
そう呟くと、狭い路地へと歩いて行くリンドウ。歩いて数分しないうちに、先ほど会った女性に出くわした。
「あまり抵抗せずに話して頂ければありがたいのですが?」
そう言葉にしたセンジュは、周りを囲むムゲン団に指示を出せるようだ。
「はいはい、俺もユウリとあんたらの関係について聞きたかったからな。そんなにぼこぼこにされたのが気に食わなかったのか?」
リンドウの言葉に、センジュは首を横に振る。
「彼女は、ムゲン団にとって必要不可欠な存在です。それこそ末端の不始末を処理して頂いていることに感謝しているというのは、嘘ではないので」
リンドウはセンジュの言葉に嘘はないと思ったのだろう、会話を続ける。
「彼女でなければ、ムゲンダイマックスを制御することは出来ない。ムゲン団は彼女を探すために結成されたと言っても過言ではないのですから」
センジュの言葉に嘘はなくても、リンドウは感情がこもっているとは思えなかった。
「そう言われてもね、あいつは今幼なじみとお話ししてるところでね。無粋な真似はしたくないのさ」
「……ユウリじゃないか」
呼ばれて急いで出てきたのだろう。額に汗を浮かべて、少し服装が乱れているようにも見える。周りを見渡す素振りをして、目的の人物が居ないことを確認する。
「久しぶりだな! 元気か? ごめんな、リンドウに呼ばれてきたんだけど、見なかったか?」
ホップの言葉に少し迷って、ユウリは答える。
「リンドウは、急に用事が出来たって……ホップに伝えてくれ、って言われた」
ユウリの言葉にホップは溜息をついて、大げさに肩を落とした。
「はぁ、人を呼び出しておいてそれはないんだぞ……」
そうしていると、ホップが違和感を覚える。どうやら、モンスターボールが揺れているようだ。
「どうした、バイウールー?」
外に出たがっているようで、スイッチを押して外に出すと、バイウールーはユウリに近づいていく。
「えっ……」
突然の出来事にユウリは動くことができなかった。バイウールーはユウリのモンスターボールに触れ、起動させてしまう。
「めぇええ」
ユウリが起きたことに気付くまで、一瞬の間があった。出てきたのはウールー、首に変わらずの石をぶら下げている。見た目は生まれたばかりのようにも見えるし、当然育てられている様には見えない。
「あっ……」
慌ててモンスターボールに戻そうとするが、一番知られたくない人間に、それを知られてしまった。
「……ユウリ、それって」
読了ありがとうございました。
ソニアも結構中心人物なのに全然出てこないな!?
まぁ、「」ウリちゃんと絡むとドロドロするし……仕方ないか。
いいから、ユウホプだ!(集中線