Black "k"night   作:3148

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「」ウリの回想のお話です。

五匹目? 六匹目? のウールーについて、ちょこちょこと触れてます。

実は、剣盾2はエアプ勢なんですよね……

まぁ、それでも愛があれば二次創作(三次創作)してもいいよね!

転生、キャラ崩壊、オリジナル、幻覚etc……どんとこいな方はよろしくお願い致します。


ムゲン団 第五話

 それはまだ、「」ウリがチャンピオンなってあまり時間が経っていない頃。

「はぁ、チャンピオンって結構忙しいのね」

様々な行事に引っ張りだこになり、ジムリーダー以外の知人に会う時間が少なくなった。殆どの人が年上なのもあり、マリィとの交流だけが癒やしとなっている。

「折角ハロンタウンまで戻っても、ホップはソニアさんとフィールドワークだし」

その日何度目かも分からない溜息を溢した「」ウリの前に現れたのは、一匹のウールーだった。

「めぇ?」

野生で出てきたウールーに、ホップのポケモンを重ねる。

「ふふっ、ここで出会ったのも何かの縁かもね」

 

 「今回の防衛線も、チャンピオンの圧勝でしたね! 無敗の絶対強者、「」ウリ!」

これで何度目だっただろうか、トーナメントを勝ち上がってきたチャレンジャーを打ちのめす。毎年来るトレーナーも居れば、新顔がいることもある。だがしかし、いつの時からかダイマックスを使う事すらなくなった。

「いやぁ、まさに圧勝でしたね。手持ちの三匹までで完勝! どうですか?」

インタビュアーが「」ウリに感想を求める。

「年々チャレンジャーの質は上がっていると思います。全体的に去年よりもレベルは……高くなっているかと」

だが、彼らが強くなるスピードよりも、「」ウリが強くなるスピードが速すぎる。最早、彼女と対等に闘えるトレーナーは、ガラル地方を探しても存在しないのかも知れない。

 

 自室に戻ると、モンスターボールからウールーが飛び出る。

「めぇ」

捕まえた時と変わらない姿に、荒んだ心に柔らかい風を吹き込んでくれる。

「ねぇ、今年もホップは来てくれなかったよ」

ウールーを抱きしめながら、「」ウリは呟く。ある年を境に、ホップはトーナメントに参加しなくなったのだ。博士号の研究が忙しくなり、多忙を極めているのだから、仕方のないことなのだろう。その時、自室の端末にメールが届いていることに「」ウリが気付く。

『チャンピオン防衛おめでとう!』

そのタイトルを目にして、少し気分が落ち込んだが、差出人がホップなので期待を膨らませて端末を操作する。

「……え?」

そこに添付されていたファイルを開くと、ホップとソニアが仲よさそうに写っている写真だった。

「ど、うい……うこと?」

いつものような、近況報告と最後に付け加えられている文章に、「」ウリは端末をなぎ払う。頭を抱えて髪を掻き毟る。耳に響く甲高い音が、自分の絶叫だと気付くのさえ時間が掛かった。

『ソニアと結婚することが決まったんだ! 「」ウリは絶対式に来てくれよな!』

「」ウリの目の前が真っ白になる。

 

 それ以来、ウールーに変わらずの石を持たせている。特訓も何もしていないので持っている意味などないはずだが、態々外すこともない。なぜなら、モンスターボールから出すこともしないからだ。

「……」

いなくなったホップの姿を幻視して、捕まえたポケモン。

「……」

今では、目にするだけで吐き気を催すほど、悪夢の象徴になった。

「……」

だが、手放すことは出来ない。なぜなら、彼との繋がりが本当に切れてしまうように感じるからだ。

「……」

居なくなれば、失う。そばにあるだけでも、胸を痛めつける。どうにも行かない袋小路の中で、少しだけ痛みを和らげてくれるのは、ポケモンバトルだけだった。

『チャンピオンの入場です!』

歓声に迎え入れられて、「」ウリは歩を進める。無敗のチャンピオン、歴代最強、トレーナーとしての最高の肩書きを手に入れた彼女の手の平には、何も残っていなかった。

 

 「……あっ」

「」ウリの執着の象徴、過ちを現すそれを見られることに、「」ウリの顔色が一気に青ざめる。

「……ユウリ、それって」

「」ウリは弁明の言葉を探す、彼に知られてはいけない自分の汚点を、憎しみ、嫌悪、嫉妬の象徴を、見られたくはなかった。

「ウールー! 捕まえたんだな! 嬉しいなぁ、同じポケモンを育ててるんだな!」

嬉しそうにホップがウールーを抱え上げる。ウールーは親しげに抱き上げるホップに歓びの表情を浮かべている。

「あっ、俺もウールーを育てているんだぞ? もうバイウールーに進化したけどな」

そういうと、ウールーを持ち上げたり、抱きしめたりと楽しそうにじゃれ合う。まだ捕まえたばかりだと、ホップは育ち具合をみて呟いた。

「ウールーのことなら、俺に聞いてくれよな! 俺の相棒だから、なんだって分かるぞ!」

天真爛漫な笑みをユウリに向ける。彼の言葉に、行動に嘘はない。

「……うん」

奥歯を噛み締めて、涙を堪える。どうして、ホップを信じる事が出来なかったのか、あの時に全て自分の気持ちを伝えていれば、何か変わったかも知れないのに。

「そうだ、リンドウから聞いたんだけど、バトルすっごい強いんだな!」

ホップの言葉に曖昧に頷くユウリ。あまり、ホップからバトルのことは聞かれたくないのかも知れない。

「今は研究の勉強してるけど、俺もチャンピオンを諦めた訳じゃないぞ! 博士でチャンピオン、かっこいいだろ!?」

照れくさそうに笑うホップ。鼻を掻く仕草も、あの時と変わらない。

「ガラルに戻ってきたなら、ユウリもチャンピオン目指すよな?」

ホップの言葉が、「」ウリの記憶を呼び覚まさせる。かつての輝かしい記憶を。

「鍛えあって、二人でチャンピオンをめざすぞ!」

ユウリの瞳に涙が溢れる。いつでも忘れることはなかった、自分がトレーナーを初めて、冒険をする切っ掛けをくれた言葉が、蘇る。

「……いっしょに?」

あの時と同じ言葉を紡ぐ。涙で前が滲んでまともに前も向けない。だけど、ホップの姿は鮮明に彼女の瞳に映っている。

「一緒に!」

 




読了ありがとうございました。

冒頭で触れたとおり、未だに剣盾2購入できていません。

色々とネットで調べて楽しみにはしているのですが……

店頭では売ってないしなぁ、忙しくて発売見逃したのがなぁ……

皆さんは既にプレイしましたか?(グルグル目
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