Black "k"night   作:3148

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「」ウリ、センジュさん、マサル、ホップ、マリィ、ソニアさん

そしてリンドウ君、お疲れ様でした!

それじゃあ、俺はそろそろあつ森やるかもしれないから……

はい、予定は未定ですけどね。

予定と言うことで、DLCがあと一ヶ月まで迫って参りました。

ラランテスかコジョンドかタブンネが復活するなら買います(鋼の意思

復活しなかったら評価待ちです、そんな感じで。


ムゲン団編 最終話

 「」ウリの顔は、ホップ達からは見えない。

「……博士?」

「」ウリの声は、掠れて震えていた。まるで何かに怯えた小動物のようですらあった。

『ああ、ようやく見つけたんだ! もしかしたらとムゲンダイマックスの反応を探し続けていたんだ。まさか本当に……生きていたなんて』

人の良さそうな男の言葉に、嘘は無さそうだ。彼の表情は、まるで親友を見つけて安堵している様にしか見えない。

『今なら、こっちに戻ってこられるはずだ。干渉がいつまで保つかは分からない、早く!』

その言葉に、答えを出せない「」ウリ。

『……「」ウリ、ゴメンな。ああなったのは、俺が君の気持ちに気づけなかったからだ。都合が良いのは分かってる、でも……やり直させてくれ、今からでもきっと遅くない!』

体を抱き寄せ、震える「」ウリがその言葉に頷いた。何とかその男の言葉に答えようとしているのだろう。

「ちょーーーーっと待ったぁ!!」

そのやりとりに水を差したのは、ソニアだ。

「さっきから黙って聞いてたら、都合が良いだの、戻ってこいだの……その子はね、うちの大切な! 研究員の、彼女なんだからね! 勝手にして貰ったら困るの!」

映し出された男に、指を指して叫ぶ。

『……ソニア、か?』

男は明らかに動揺している。まるで、狐につままれたかの様な表情だった。

「……」

「」ウリは、言葉を発しない。突然の状況に混乱しているのもあるだろう。だが、迷っているのは明白だ。

「ユウリ! どっちを選ぶのか、お前が決めるんだ」

リンドウが「」ウリに叫ぶ。彼は映し出されている男について理解しているのだろう。ホップは状況に理解が追いつかないのか、頭を掻き毟って、それでもなお、答えをひねり出す。

「ああもう、分かってないのは俺だけなのか!? ユウリ! 何に悩んでるのか、俺は分からないけど」

息継ぎをして、胸を張るホップ。

「俺は、ユウリが来てくれて嬉しかったんだぞ! どこに行くのか決めるのはユウリだけど、俺の我が儘かもだけど……いなくなったら、寂しいんだぞ!」

「」ウリが、ホップに振り返る。その瞳には、涙が溢れている。悲しみと喜びがごちゃ混ぜになって、声はもう殆ど響かないが。

「……ここにいたい」

ホップには、しっかりと聞こえていた。

 

 センジュが現れて映し出される男に声を掛ける。

「そういうことです。「」ウリ様はそちらに戻ることはありません。心配して頂いたことには感謝しますが……ご理解下さい」

男は複雑な表情をするが、やがて頷いた。

『分かった、最期に話が出来て良かった』

寂しそうな声色に、センジュが言葉を発する。

「私も、「」ウリ様が居る場所にいます。申し訳ありませんが……兄にさようならと、今までありがとうと、伝えて頂けませんか?」

覚悟を決めた彼女の申し出に了承すると、最期に名残惜しそうに「」ウリを見つめながら、この世界では無いどこかに繋がった奇跡が痕跡も残さず消え去った。

 

 ムゲンタワーでの闘いの後、「」ウリは二日間眠り続けていた。まるでムゲンダイナ戦を終えた後のマサルのようだったが、その後の経過は順調である。目覚めたばかりの時は面会謝絶で周りを心配させたが、ホップもマサルもマリィにも会い、むしろ前よりも陰り無く笑っている様に見えた。

「……ホップの言ってたとおり、元気そうだね」

ソニアが病室に入ってくるのを見て、「」ウリは一瞬身構える。

「ソニア、さん」

持ち込んだフルーツの詰め合わせを台の上に置き、ソニアは椅子に座る。どちらとも話しかけ辛そうで、沈黙が流れる。

「……一つ、聞いても良いですか?」

「」ウリが、慎重に言葉を切り出すとソニアは優しく頷く。

「ホップを研究員として雇ったのは……ダンデさんの代わりなんですか?」

意表を突かれたのか、ソニアは驚き、理解したその右手が振り上げられる。

「……」

だが、その右手は振り下ろされることは無かった。

「そりゃあ、兄弟だもの……考えなかったことはないわ。勿論、きっかけは、ホップの言葉だからそこから始まった訳じゃないけどね。一緒に研究していると、ダンデさんに似てると思うことは一度や二度じゃなかった」

そこまで話して、「」ウリにこの話の続きを聞くか確認する。「」ウリが首を縦に振るのを見て、再び口を開く。

「ホップにダンデさんに似ている所を見つける度に、罪悪感を覚えたの。酷い話よね、ホップは迷った末にやっと見つけた目標に頑張ってるだけなのにね。いつだったかな、そのことをリンドウに話したの」

「」ウリは、身を乗り出す。

「リンドウは、なんて?」

渇いた笑いをソニアは返す。

「『俺も、センジュさんをみて十五年もしたらマリィがこうなるのかなぁ、って思うことがあるよ。どきどきするよね』って言ってた」

呆れた様に溜息をつく「」ウリ。

「だからね、リンドウにびんたしたの」

 

 スパンッ

振り抜いた右手が、リンドウの頬からいい音を出す。

「いってぇ!」

信じられない、そんな表情でソニアを見つめるリンドウ、だが無言でソニアが右腕を振り上げる。

「えっ、ちょっとまっ」

スパァン

先ほどよりも響きの良い音がする。

「わ、悪かった。そういうことかと思って……」

再び、右腕が振り下ろされる。リンドウは、諦めと絶望が入り交じる表情で結末を受け入れるしかなった。

パァァァン

 

 「」ウリがその言葉に、吹き出す様に笑った。

「三回、ビンタしてやったわ」

ソニアのどや顔に「」ウリが肯定する。

「それは、仕方ないですね」

言ってる事はそんなに違う事はないだろうが、与える印象は別物だ。なにより、ソニアはそれと同じだと思って欲しくなかったのだろう。

「……まぁ、リンドウからしたらそんなことだったってこと」

思い出しただけでも、ソニアにとっては不快らしい。

「それで、許してあげたんですか?」

首を横に振るソニア。

「まさか、ビンタで済ませるわけないじゃない。リンドウは理不尽だって言ってるけどね」

溜息をつくソニア。「」ウリは苦笑いで応える。

「私は、ホップに悪いことをしたと思ってた……けどね、リンドウから見たらそんなことだったらしいの。多分、ホップも話しても怒ることもないでしょうね」

それが良いことなのか、悪いことなのかは分からないけれど、と付け足すソニア。

「意外と本人以外は気にしてなかったりするんですね……もっと早く、ソニアさんと話してれば」

そこまで話した「」ウリの唇に人差し指をあてるソニア。

「今からだって遅くないでしょ。まだ面会時間はあるんだし……私、色々ユウリちゃんに聞きたいことあるんだからね」

ソニアの笑顔は、長年溜め込んできた暗い感情を少しずつ溶かして、漸くわだかまりがなくなったようだった。その日の病室では、年相応の笑みを浮かべるユウリがいた。

 

 テーブルで向き合うセンジュとリンドウ。場所はいつものカフェ、頼んだコーヒーもまだ熱を持っている。

「ありがとうございました。貴方のおかげで「」ウリは随分と、良い方向に変わったと思います」

センジュの感謝の言葉に、リンドウは首を横に振る。

「俺のおかげなんて、何もしてないよ。礼をいうなら、ホップかマサル辺りじゃ無いか?」

コーヒーに口をつけて、少し啜る。

「……前の世界と何が違うのか、考えていました。勿論、似ている所があるだけで同じ所などないのですが。それでも、前の世界に近ければ近いほど、「」ウリは同じ道を辿ったと思うのです」

センジュはまるで、「」ウリが不幸を歩む運命にあったのだと言わんばかりだ。

「境遇には同情するよ、あんたも大変だったんだろうな。だけど、不幸になるのが運命って言うのは……悲観的なんじゃないか?」

そもそも運命どころか占いもあまり信じないリンドウにとって、その言葉はあまり腑に落ちる内容ではなかった。コーヒーに写るのは、穏やかな笑みを浮かべるセンジュの顔だった。

「運命、そう言えばまた誰かに責任を押しつけて居るみたいですね。単純に私達自身が選んだ選択が、いつもその先が悪い方向に続いている、そう思っただけです」

その時に選んだ自分は、正しいと思って選んでいるのですが、と愚痴をこぼす。

「そんなの、誰だって正しいと思って選んでるよ。結果論なら、どうとだって言えるさ」

コーヒーの苦みが、口の中に広がる。

「そうですね。だからこそ、私達だけではこの結果に辿り着けなかった。マサルさんも、ソニアさんも、勿論ホップ博士が居なくては「」ウリ様の笑顔を再び見ることは叶わなかったでしょう」

そこで一度区切り、コーヒーをもう一度啜る。

「リンドウさんが、何かをしたとは言いにくいかも知れません。貴方が居ない世界を想像してみると……また前と同じ過ちを繰り返していたでしょう」

根拠などないのですが、とセンジュは付け足す。結局の所、話の内容などあってないようなものだったのだ。ただセンジュは感謝を述べる為だけの、そんな会話だったのだろう。リンドウはコーヒーを飲み干し、席を立つ。

「ご馳走様、まぁまた何かあったら呼んでくれよ」

その言葉に、センジュは返事をする。

「勿論、それと貴方が用事がある時は遠慮無く連絡を下さい。私達は、できる限り貴方のことを支援しますので」

言葉半分に聞いて、テーブルを離れようとしたリンドウに、伝え忘れていたと前置きをしてセンジュが口を開いた。

「うちはリンドウの事、ばりすいとうと。なんかあったら、連絡しとっとね」

無言で離れていくリンドウは、頬が熱くなるのを感じていた。

 

 「なんでこの間は来なかったの?」

フィールドワークに付きそうリンドウに、ソニアが詰め寄る様に問いかける。

「来なかったって……代わりにセンジュに来て貰ってただろ。なんだったら俺より仕事出来るくらいだと思うけど?」

先日研究室での作業に必要だったのでソニアはリンドウに応援を頼んだのだが、来たのはセンジュ。仕事が捗ったのは言うまでもない。

「もう、そういう問題じゃ無いでしょ! リンドウをよんだんだから、リンドウが来てよ!」

人差し指でリンドウを刺すソニア。面倒なのに掴まったと言いたげな表情をするリンドウ。

「連絡受けた時に忙しいって言っただろ。応援探している時に丁度センジュさんが受けてくれてたから、むしろセンジュさんには感謝して欲しいくらいだが」

困った表情のリンドウには、センジュには感謝を伝えているとソニアは怒る。

「それじゃ、何が問題なんだよ?」

リンドウの疑問に、ソニアが言葉を紡ぎ始める。研究所の作業ではセンジュとは別に「」ウリが手伝いに来ていたこと。ホップは真面目に仕事をするし、他の二人も仕事に関しては手際の良さは文句のつけようが無かった。だが、「」ウリがホップに関わる事になる度に、甘ったるい雰囲気を醸し出す。ホップも真面目に仕事しているが、「」ウリに意識して貰えること自体に悪い気はしていない。センジュは仕事が進む範囲でホップと「」ウリの仲をサポートしようとしていく。

「仕事はしっかり終わるのに、終わったころには私は孤独感で一杯だったの! わかる、この罪の重さ!」

何故そんな話になっているのかと、色々と思うところが無いわけではないリンドウだったが。

「まぁ、ユウリが研究所に会いに来れるくらい仲良くなったなら良いんじゃ無い?」

その言葉自体にはソニアは頷く。ムゲンタワーの一件依頼、ソニアを始めとした苦手意識はすっかり薄れていたのだ。

「……私だけぇ、置いてかれてる感がぁ……嫌なのぉ」

とうとう泣き出したソニア。言っている意味を理解出来ないリンドウだが、とりあえず慰める。

「置いてかれてるって、そんなことないだろ」

ハンカチを手渡し、ソニアの涙を拭う。

「ダンデ君は帰ってこないし、なんだかんだでマサルとマリィちゃんは良い雰囲気に戻ったし、ホップは目の前でいちゃつくし……私だけ何も進展がないの!」

リンドウは、何も言わずにソニアを抱きしめる。

「……!?」

表情が目まぐるしく変わるソニアだが、リンドウの手を振りほどこうとはしない。

「寂しかったんだな。まぁ、今日は俺で我慢してくれ……これからなるべく行く様にするからな」

ごにょごにょとソニアが何か呟いていた様だが、小さい上にしっかりと言葉になっておらず、聞き取りにくくて、その、とりあえずリンドウには伝わってはいなかったようだ。

 




読了ありがとうございました。

むりやり詰め込んだので、最終話だけ文字数多いけどママエアロ

GWに始めてから一ヶ月、早かったですねぇ。

ここまで付き合って下さった方々、本当にありがとうございました。

リンドウ君達に続きの物語が出来るのは何ヶ月先になるかは分かりません。

ただ、とりあえずの区切りが付いたので、物語は完結という形をとります。

もっとリンドウとソニアさんをいちゃいちゃさせたいけど、難しいねんな……

DLCの出来が良かったら復活は早いと思います(フラグ
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