SoulColors   作:波津木 澄

3 / 3
Soulcolors -Genocide- 2/2

 最悪だ。最悪だ。最悪だ。最悪だ。

 真っ赤なケツイを抱いたあのクソガキが時間軸を滅茶苦茶にして、オマケにオイラが微かに覚えてる限りでも数十回はモンスターを救っては殺しって行動を繰り返していやがる。

 ああ糞が。みんなで地上に出ることができて、仲良く暮らしました。それでいいだろうが。なんでわざわざ滅茶苦茶にするんだ。

 クソガキはオイラに殺され続けて諦めたかと思えば、思い出したみたいに皆殺しを始める。本当に訳が分からない。あのクソガキは一体何がしたいってんだ。

 おまけにクソガキの行動を把握する頃には軒並みもう手遅れになっている。訳が分からない。

 でも、一つだけはっきりしてる。あのクソガキはPapyrusを殺した。そんな奴をオイラが――オレが、許せるはずがないんだ。

 

 きっと、こいつをケツイって呼ぶんだろう。そうはっきりとわかるくらいにはオレは今、ケツイに満たされている。

 

 慈悲は、絶対にない。

 

__________________________________

 

 

 クソガキの振るナイフがオイラに突き刺さり、抜ける。

 どれだけオイラがランダムに行動しようが、規則性はあるみたいでこいつは一切迷いなく避けてきやがった。

 一体、それだけのパターンを割り出すのにどれだけやり直したのかはわからないし、わかりたくもない。

 ………こんなに、動いたのは久しぶりな気がする。Grillby'sで休みたい。あぁ、Papyrus。お前も来るか…?

 そう言って、PapyrusとGrillby'sに向かって歩くが、すぐに限界がきて崩れ落ちてしまう。

 

 ―――最後に、懐かしい白の炎を見た気がした。

 

__________________________________

 

 

 今、目の前で親友が死んだ。初めてできた友達だった。

 時がたつにつれて、だんだんと親友になれたと思っていた。

 あんな掃き溜めじゃなく、ちゃんとした場所で話し合いたいって思ってた。弟にだって、会ってみたいと思っていた。臆病なジブンは、結局できなかったけれど、まだ可能性はあったはずだ。

 けど、どれも今できなくなった。それも目の前にいるニンゲンのせいだ。

 

 殺してやる。

 

 ケツイの炎が赤黒く染まる。視界が真っ赤に燃え盛る。

 思考が弾け、気が付けばすでに拳を振りぬいていた。ニンゲン――否、化け物はまともに食らって大きく跳ね飛ぶ。

 

 さぁ、戦闘開始だ。

 

 化け物がナイフを振りぬく。知ったことか。体に切り傷が刻まれるが関係なしにまた殴る。今度は避けられた。

 化け物がナイフを振る。ケツイを青く染める。化け物の体はなにかに引っ張られるかのようにして壁に叩きつけられる。

 化け物が跳ぶ。ケツイを黄色に染める。いつか親友がくれた空っぽのピストルの中から出る弾丸が化け物を撃ちぬく。

 化け物が走る。ケツイを紫に染める。化け物は亀裂の上しか走れなくなった。

 化け物がナイフを投げる。ケツイを水色に染める。ナイフは少ししか刺さらなかった。

 化け物があがく。ケツイを緑に染める。ジブンの体にあったはずの傷が無くなった。

 化け物がケタケタと愉快そうに笑う。ケツイを橙に染める。化け物を殺すだけの勇気を抱いて、拾ったナイフを振りぬいた。

 

 殺したはずの化け物が笑う。殺す。また化け物が笑う。殺す。化け物が嗤う。殺す。嗤う。殺す。嗤う。殺す。

 

 殺して、殺して、殺して、殺して、殺して。でも化け物は諦めない。気持ち悪い。殺す。

 

「なぁ、こんなことをして何になる?」

 

 化け物は何も言わずにナイフを振りぬく。

 

「お前のその赤いソウル……一体何をケツイした?」

 

 化け物は答えない。振るわれるナイフを撃って弾く。

 

「ジブンの感覚じゃ、ソウル……ケツイは、自分本位のものを抱くにつれて赤くなるはずだが」

 

 化け物は応じない。地面に打ち付ける。

 

「おい、答えろよ」

 

 何も言わない。手を撃つ。

 

「答えろ!」

 

 何も言わない。………脳天を貫く。

 

__________________________________

 

 

 攻撃を全て避けられる。まるで知ってるみたいに化け物は動く。

 こっちにはまるで覚えがないのに、誰かを殺したって感触が付きまとうのが気持ち悪い。

 気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。

 なのに化け物はケタケタと嗤っている。

 

今すぐ殺す。絶対に殺す。許しはしない。慈悲はない。殺す。殺して殺して殺して…何度だって殺してやる。

 

 ケツイが赤黒く染まる。そのケツイを乗せて奪ったナイフを振りぬく。

 しかしそのナイフも宙を切った。化け物の拳が伸びるのを見てケツイを水色に染める。染まり切る前に殴られて吹き飛ばされた。

 頭を振って前を見れば目の前に紅く染まったナイフが――――

 

 

 

 

 

 

99999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




解説ぅ…いるのか? これ
赤黒いケツイ
→またの名を"殺意"

ケツイを青く染める
→誠実、重力操作。

ケツイを黄色に染める
→正義、遠距離攻撃能力向上

ケツイを紫に染める
→不屈、攻撃した相手に移動制限付与

ケツイを水色に染める
→忍耐、防御強化

ケツイを緑に染める
→親切、回復能力

ケツイを橙に染める
→勇気、精神異常耐性付与

ケツイが赤黒く染まる
→殺意、攻撃能力の超上昇/攻撃後大きな隙が生まれる

ロード感知
→オリ主にその能力はないが、原作でも少しは覚えている以上、人を殺す、なんて印象強いものは残ると判断。

最後
→いくら生命力が高くとも、どれだけ即時回復能力に優れていようとも、ニンゲンは脆い。一撃で殺されては耐えるも何もない。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。