一夏ちゃんに狙われた俺は、どうしたらいい? 作:銭湯妖精 島風
HRの後、一夏からの追求をどうにかこうにか何とか躱し、特別何もトラブルもなく授業を受けて放課後になり、一夏が鈴を伴って教室を出て行ったのを確認し2人を見て口を開く
「そんじゃ、2人とも一夏の事頼む」
「任せておいて」
「良いけど、お前1人で本当に大丈夫なのか?」
一夏からの追求は躱せたけど、弾からの追求は躱せなかったので、
因みに鈴も俺が重いラブレターを貰った事に感づいてる様だった
「・・・正直に言えば、めっちゃ怖いけど、今は俺より一夏を優先するべきだろ?」
俺がそう言うと数馬は、あからさまに呆れた表情をして
「お前と一夏が幼馴染なのがよく分かったわ、とりあえずあんま無理すんなよ?ヤバかったら逃げろ」
「お、おう」
数馬に前半 何を言われたのかが分からなかったので少し曖昧な返事すると、『こいつ本当大丈夫か?』みたいな表情をされてしまったが、もう指定された時間になるので、自分を奮い立たせ教室を後にする
本音を言えばマジで怖いから行きたくない、だが行かなかった場合に相手が逆上して一夏や弾達を傷つける可能性が否定できないから行くしかない、せめて対話が可能な事を祈ろう
「さてさて・・・指定場所は定番の校舎裏っと」
この学校の定番の告白ポイントは2つ有って、1つ目が北校舎裏で、もう1つが東校舎屋上で北校舎裏が東校舎屋上からソコソコ見えるので、東校舎屋上は覗き見スポットでもある
そんな訳で指定場所へ行くと、茜色のボブで前髪が長くて片目が隠れている身長155~8くらいの女子がソワソワして立っていた
その表情は、あんな手紙を書くように見えないぐらいには血色が良い・・・俺の予想とは違った、うん
それはそれとして、この人は見憶えないな・・・うーん?
「あ・・・来てくれたんだ」
彼女は俺に気付き嬉しそうな表情を浮かべる、そんな彼女を見ながら改めて彼女を観察してみる
まず髪は茜色、弾程ではないけど赤系の色をしていてボブっぽい髪型で前髪が長くて右目が隠れてる、次に当たり前だけど この学校の制服を着ている、リボンの色が俺達
やっぱ該当する記憶がない・・・多分
「待たせてしまった様で、すみません」
「うぅん、気にしないで大丈夫だよ」
俺が軽く謝ると彼女は少し焦った様に言い軽く手を振る、この人・・・自分で
「て、手紙にも書いたのだけれど、わ、わわ、私は君の事が好きなの、だから私とお付き合いしてください!!」
先輩の出方をうかがっていると、意をけしった先輩が赤面しながら告白してきた
これで人生2回目の告白か・・・と思いつつ、全く心を動かされていない事に驚く、もともと断るつもりだったけど、少しぐらい感情ってか何かが起こると思ってたけどな、うん
「ごめんなさい」
「な、な・・・なんで・・・?」
俺が告白を断ると先輩は、断られるのを想定していなかった様な表情をして聞いてくる
「そうですね・・・まず俺は貴女の事を何にも知らない、それこそ名前すらも」
俺は真っすぐ先輩を見据えて言う、尤もらしい事をこじつけて理由っぽく言ってるだけの詭弁を彼女へ言う
「そんなの付き合ってからでも知れる、君は優しい人だから・・・ふふ、私が君を自由にしてあげるから、ね?」
「何を言っているんです?」
これは不味い、非常に不味いかもしれない、急に何か言い出したぞ?誰だ対話できそうって言ったの・・・俺だよぉ
先輩が急に眼のハイライトを消し謎の微笑みを浮かべ始めて、めっっちゃ怖いんだけど、逃げたい
「大丈夫、私が君を救ってあげる・・・ほら、死もまた救済とも言うし?」
「いや、何を言ってるのか、さっぱり分からないのですが?あの、会話してください。お願いします」
先輩はハイライトを消したままニッコリと笑み言うので問いかけてみたが、これは届いてなさそうだな・・・勘弁してくれ
「君はアイツに何か弱みを握られているのでしょう?だから嫌々従っている・・・だから私が、君を苦しみから救ってあげるよ、大丈夫・・・君を独りになんてしない、私も一緒に逝くから・・・ね?」
「だから、マジで会話を・・・それは不味いのでしまって貰えません?」
ポケットから刃渡り95mmの折り畳み式アーミーナイフを取りだし抜き身にして俺へ切っ先を向けて言ってきたので説得を試みるが、これは効果は無さそうだ
と言うか、逃げるに逃げられない、この人は絶対に見境なくナイフ振るタイプだ、此処でどうにかしないと、と俺は腹を括り深呼吸して先輩を見据える
アーミーナイフを右手に持ち緩く立っている、その姿は素人のようだ・・・素人で有ってくれ
「最初は痛いかも知れないけれど、すぐに痛くなくなる様に頑張るから安心して?逝くよ」
「何を安心しろと?俺は死にたくないんだけど!!」
振られたアーミーナイフを避けながら、どこかでアーミーナイフを奪わなきゃなと思い、隙をついてアーミーナイフを持つ先輩の腕をつかんだ瞬間
「リク、そのまま維持して」
「一夏?なんで」
突然現れた一夏が言い、俺の質問に答える前にスカートを翻して華麗な右後ろ回し蹴りが先輩にクリティカルヒットして彼女の意識を刈り取る
一夏、強くね?まぁ助かったけど・・・マジ助かったわ
お待たせいたしました