一夏ちゃんに狙われた俺は、どうしたらいい? 作:銭湯妖精 島風
一夏ちゃん視点
鈴と今後の方針を話した後、教室に戻るとリクが居らずトイレかな?と気に留めないでいたがリクが教室に戻ってきた時の表情を見て、何か有った事に気付いたので何処に行っていたのか尋ねると、トイレに行っていたとリクは答えた
うん、リクは嘘はついてない。嘘はついてないだけだけど
追求をしようとしたら時間が来てHRが始まってしまったので一旦追求を諦めHRを受けてHR後に改めてリクへ追求をしてみるが、はぐらかされてしまう
やっぱり何か隠してると確信したが、鈴に『リクにも隠したい事の1つや2つぐらい有る筈よ』と諭され渋々追求を諦める
そんなこんなで昼休みになり鈴に
「・・・一先ず、カミソリの犯人の目星がついたわ。犯人は3年の先輩で、だいたい半年前にリクが困っていた先輩を助けたらしいわ、もともと思い込みが激しいタイプだったみたいね」
鈴は手帳を見ながら言う、こう言う情報を短時間で集められるのは本当凄いなぁといつも思っている
「次なんだけれど、その先輩が今日の朝に下駄箱とウチの教室から出てきた所の目撃情報が有ったわ、推測だけれどリクの机にラブレターでも入れたんじゃないかしら?」
「ふぅん、そっか」
人を好きになる事自体を止める事は誰にも出来ない、だから先輩がリクの事を好きになってしまったのは仕方ない事だ、先輩がどんな人間であっても、だ
まぁ好き勝手させるかは別問題だけどね?
「ひとまず、リクからアンタを引きはがして自分が有利な位置に着こうとする理性は有るようだし、流石にリクに直接被害は出ないでしょう。多分ストーカーになるでしょうけど」
と鈴は肩を竦めていう、ストーカーになってる時点で被害出てると思うのだけれど、私の気のせいだろうか?
「取り合えず、まだ犯人を制裁できるだけの材料が揃っていないから活動は続けるわ、アンタは放課後に告白を断ってきなさい?まずはそれからよ」
「そうだね、それが筋だもんね?」
鈴の言葉に頷き一先ずは、ラブレターをくれた彼へ誠意あるお断りの言葉を考える
そんなこんなで午後の授業を受け放課後になり、相変わらず顔色の悪いリクとリクを心配している弾と数馬を置いて鈴に引っ張られる様にして教室を後にして指定場所へと向かう
「弾と数馬は後で合流する予定よ」
「え?うん・・・ん?」
鈴の言葉を流しそうになったが、なんか引っ掛かり首を傾げ
「弾と数馬、こっちに来るの?」
「そうよ、リクもそう言っていたって弾が言ってたわよ?」
そういわれ、途端にリクが心配になってきたが、もう指定場所の東校舎屋上に辿りついてしまったので、今更引き返す訳にも行かず軽くため息を吐きフェンスにより軽く下を向くと北校舎裏が見え、茜色の生徒が見える
そういえば犯人の先輩の容姿について聞いていなかったと思い振り返るが鈴の姿は消えていた、相変わらずすばしっこいなぁ鈴は
軽く苦笑してフェンス越しに雲を眺めていると彼が現れた
「ま、待たせたかな?」
「うぅん、大丈夫。さっき来たばかりだよ」
彼は大分緊張している様で少し挙動がおかしいけど特に指摘せず彼の言葉の続きを待つ
「織斑一夏さん、俺は貴女の事が好きです。付き合ってください、お願いします」
彼は色々と前置きを省いて単刀直入に告白してくる、うん思いっきりの良さは評価できるね、うん
「ごめんなんさい、君の気持は嬉しいけれど、私には心に決めた人がいるから、君と交際できない」
「知ってた、栗田の事だろう?見ていたら分かるよ、応援してるから俺」
彼を真っすぐ見て断ると彼は苦笑してそう言われ、少し恥ずかしくなってしまい彼に背を向けフェンス越しに北校舎裏でリクが襲われてるのが目に入り
「リク?!ごめん行かなきゃ」
「うん、頑張って」
私は彼にそれだけ告げて駆け出し屋上から階段へ入り、パルクールの要領で3階まで降りて開いていた窓から飛び降り急いで走り北校舎裏へ向かう
北校舎裏へ入る角を曲がるとリクが襲撃犯のナイフを持った腕を掴んでいたので
「リク、そのまま維持して」
「一夏?なんで」
リクが疑問を投げかけて来たけど、襲撃犯を無力化する方が先決と思い蘭に教えてもらった右後ろ回し蹴りを放ち襲撃犯の意識を刈り取り、ハッと気づき翻ったスカートを押さえて
「・・・見えた?」
「・・・いえ、見てません」
私も問いにリクは軽く顔を逸らして言う、これは見られてしまった!と確信し顔が熱くなっていくのを自覚する
でも見られたのがリクで良かったとも思うしリクになら見られても良いかな?を思う少し複雑な心境になってしまった
お待たせしました
一夏ちゃんは強い娘ですw