一夏ちゃんに狙われた俺は、どうしたらいい?   作:銭湯妖精 島風

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買い出し

 

 

 

更なる心配な事が脳裏を過ってしまったが、俺にはソレを調べる方法も確認する方法もなにもない

 

ひとまず束さんが一夏に自由行動させているから今のところは大丈夫なのだろう、と自分を納得させてスーパーへの道を歩く

 

家から10分程歩きスーパーに辿り着き、入り口に有った安売りのチラシを入手してザッと目を通しつつ

 

 

「そういえば学校はどーするんだ? 」

 

隣で俺と同じくチラシに目を通している一夏へ尋ねる

 

「ん? 普通に通うけど? 」

 

俺の質問にキョトンとした表情をして首を傾げ一夏は答えたので

 

 

「お前な・・・男子生徒が女子生徒にクラスチェンジしてんだぞ? 一般常識的に考えたら・・・いや、待てよ?」

 

 

常識的に考えたら1週間弱で性転換なんてしない、だから普通に他人の空似とか思うだろうし、織斑って苗字は珍しいが一夏と千冬さん以外に居ない訳じゃないから同姓同名って誤魔化す事も出来る

 

考えたくはないが、束さんなら記憶の改竄が出来る装置を作って使用したり関係各所の記録の改竄だって出来る訳だから

 

 

「すまん、なんでもない。とりあえず春休み終わったら色々大変かもな」

 

 

「ん? おう? 」

 

一夏は不思議そうに俺を見て首を傾げて返事をしてくる

 

 

さて一夏はモテる、物凄くモテる

 

 

基本的に何でもそつなくこなす器用さ、困っている人を見捨てない優しさ、誰に対しても平等に接し気配りもできる気さくさ、見た目も良いし性格も良い

 

 

根が真面目であり、決めた事をやり通す意識の強さもある。モテて当たり前の様な存在なのだ一夏は

 

 

俺や弾、数馬とバカやってるのが不思議な奴な訳だ、うん

 

 

そう一夏はモテる、女子には勿論、男子にもモテる まぁ男子の場合はリスペクトみたいな感じが大半だった訳だが、一夏は美少女になってしまった

 

つまり男子が、こんな聖人の様な美少女をほっとける訳が無い

 

きっと一目惚れをして告白してくる男子が出てくるだろう、場合によっては力尽くで・・・とかもあり得る

 

「・・・それはそれでヤバイか」

 

「ん? 何が? 」

 

俺の呟きにカートにカゴをのせて押してきた一夏が反応する

 

「あぁ、いやさ お前、かなり美少女になったじゃん? 見た目だけなら華奢な美少女だし、きっと一目惚れした男子が告白しにくるだろうって話」

 

一夏には敢えて力尽くで の件を言わずに説明すると

 

「お、おう。そうか」

 

なんか少し顔を赤くして俺から顔を逸らして、それだけ言う。 なんで照れてんだコイツ 事実だろうに

 

 

「さ、さぁ! 昼は何を食う? 」

 

「あー・・・どうすっかな、ウミもソラもいねーしな」

 

一夏が無理矢理話を切り替えてきたので俺は弟妹に合わせて献立考える必要が無いのを思い出して言う

 

上の妹(ウミ)は小学生だから、あんまし気にしなくても良いが下の妹(ソラ)は幼稚園児だ、好き嫌いをさせない為に工夫をしたりしていたから、基本は2人に合わせた献立を考えていたので、今 逆に困惑している

 

「とりあえず、束さんを労おうぜ? なんか色々と骨折ってくれたみたいだし」

 

「だな、とりあえず見ながら考えるか」

 

俺は一夏の言葉に頷きチラシ片手に店内へ入り商品を眺めながら献立を考える

 

 

「昼まで、そんなに時間ないし時間が掛からない方が良いか? 」

 

商品を流し見しやがら一夏へ尋ねる

 

「そうだな、でも束さん 今日、泊まってくか分かんないしなぁ」

 

と一夏も少し困った様子で言う、束さんが泊まっていくなら夕飯を豪華にして労えるから少し説得してみよう、と思いつつ

 

肉コーナーでトンカツ用の肉を見つけたので

 

「昼はトンカツにしないか? 」

 

「そうするか、えーっと」

 

一夏は俺の提案を受け入れて肉の厳選を始める、どうゆう訳か一夏は目利きが出来る、だからいつも良い物を買ってくるから不思議だ

 

「よし、トンカツの肉はOK、あとはキャベツと付け合わせか? 」

 

 

と一夏は言うが早いかカートをカラカラ押して野菜コーナーへ歩き始める

 

「あと、夕飯分と明日の朝飯分もだな」

 

俺も一夏を追って歩みだし夕飯の献立を考える、ひとまずニンジンが有ったから それを使ったモノが良い

 

朝飯に関しては、卵とハムとかベーコンとか有れば問題無いだろう、気を使わないといけない弟妹も居ないし

 

 

とか色々考えながら一夏と話し合ってカゴへ商品を入れ会計をしてレジ袋2つ分の荷物を持って帰路を歩く、道中 一夏が荷物を持とうとしてくるので その都度 言いくるめて帰路を歩き家に辿り着く

 

キッチンに入り荷物を下ろすと、少し疲れた様子の束さんがソファーに寄りかかっていたので

 

「お疲れ様 束さん、今から昼飯作るから少し待ってて」

 

「ん〜・・・ありがと〜、ご飯出来たら起こして? 時差で眠くて・・・」

 

と束さんは言い返事を聞く前にソファーに横になって寝始めたので

 

「一夏、ブランケット掛けてあげて? 」

 

「おう」

 

一夏はソファーの横にある棚からブランケットを取り出して束さんにかけ、キッチンに来て

 

「一緒にやろうぜ? 」

 

「そうだな、そうするか」

 

一夏の言葉に頷き昼飯用の材料を残して その方を冷蔵庫へ入れて昼飯を作り始める

 

そういや、一夏は時差大丈夫なのか? まぁ大丈夫なんだろう多分

 

 





続きましたw



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