一夏ちゃんに狙われた俺は、どうしたらいい? 作:銭湯妖精 島風
一通りの雑談をした後、勉強会は解散となったので帰り際に鈴に
一応、帰ってすぐに話をする可能性も有ったから少し様子見をして貰う様には言っておいたから多分、大丈夫だろう・・・多分
そんなこんなで夏休みも残り少なくなってきた今日この頃、俺は個人的には苦手な先輩に呼び出され、久々に制服を着て部室へと向かい、部室の扉の前で深呼吸すると
「早く入って来たまえよ、栗田君?」
「・・・はい」
中から先輩に言われ『なんで、分かった?』と戦慄しながら返事をして部室の中に入ると約1ヶ月ぶりの相変わらず大人しそうな見た目に反して人を食った様な笑みを浮かべている先輩が全開の窓を背に立っていた
「やぁ栗田君、久しぶりだね? 呼び出しに応じてくれて感謝するよ」
「お久しぶりです梶田先輩」
俺が返答すると先輩は肩を竦め『優希で良いと言っているんだけどねぇ』とヤレヤレみたいな表情をして言う
「・・・要件は何です? 部活についてとは聞きましたけど」
「君はせっかちな方ではない筈なんだけどね? あぁごめんごめん、そんなに睨まないでくれ」
相変わらずの先輩を軽く睨む様に見ると、いつもの様にクック笑う、これだから俺はこの人が苦手なんだよ
「さて本題だけれど、文化祭でする演目の役者が本決まりしたから、使用する衣装の調整を頼みたい」
「分かりました、じゃぁ先に話した様に、俺が中心になって作業をすれば良いんですよね?」
「あぁ、それで構わないよ。今年衣装班には3年が居ないし1年も居ないし君に一任する事になる」
そう言い先輩は窓際から壁際にある机に移動しA4サイズの茶封筒を持ち上げ俺に差し出す
「これが今回の役者の採寸表だ、使ってくれ」
「嫌に手際が良いですね、必要って話しましたっけ?」
「ははは、去年・一昨年と衣装班が忙しそうに採寸していたのを覚えていただけさ」
先輩は軽く笑い用意した理由を言う、そりゃ毎年恒例の事象なら覚えていてもおかしくないか、うん
「使用する衣装は演劇部が毎回利用させて貰っているクリーニングに出しているから、作業自体は来週からだね」
「わかりました、他に要件はあります?」
先輩の言葉に返答すると再び先輩は肩を竦め
「君はせっかちな方では・・・そう睨むな栗田君、そこまで露骨に必要最低限の会話だけされると流石のボクでも傷付くかも知れないぞ?」
「傷付く人は、そんな人を食った様な笑みを浮かべて煙に巻くような事を言わないと思いますけど・・・」
俺が軽く睨みながら言うと先輩はカラカラと笑う、うーん この先輩黙ってなくても美少女なんだけど口を開いたらマイナス点しかないな・・・黙ってたら文句なしの美少女なんだけど、勿体ない
「確かに、君の言う通りかもしれないね? さて・・・最近、織斑ちゃんとは どんな感じかな?」
「・・・どんな感じ、とは?」
人を食った様な笑みを浮かべていた先輩は再び窓辺に移動して俺に背を向けて聞いてきて、質問の意図が読めずに聞き返す
「夏休み前に交際を始めたのだろう? その後の進展具合はどうだい? って事さ」
「・・・なんで知ってるんですか?いや、マジで」
先輩は俺に背中を向けたまま質問の意味を説明してくれるが、新たな謎が浮上して来て再度聞き返す
「え?普通に織斑ちゃんから聞いたけど? あぁ君はボクに苦手意識を持っているから、必要最低限の付き合い方だけれど、織斑ちゃんとはソコソコ仲良くしている、ボクとて花の女子中学生だ仲のいい後輩と恋バナの1つや2つするさ」
「あ、そうっすか。把握したっす」
情報元が一夏なら良いか、と思うと同時に目の前の先輩が恋バナに興味ある様に思えずに困惑する
いや、案外その辺りは年相応の感性をしているのだろうか?謎だ
お待たせしました