一夏ちゃんに狙われた俺は、どうしたらいい? 作:銭湯妖精 島風
文化祭に向けての企画会議から暫く経った今日この頃、元々抱えていた衣装の調整と同時進行でクラスで使うメイド服を新造するという些か無謀な事を敢行する事になって少し疲労が溜まっていたのか、毎朝聞いている目覚ましのアラームにイラつきながら起きて体を起こす
「・・・なんかダル・・・い・・・?」
目覚ましに手を伸ばしアラームを止めると、サラリと見慣れた色の髪の毛が視界に入り困惑するし、クローゼットを開け姿見で自分の姿を確認する
「・・・マジか?」
俺の姿が映る筈の姿見に、困惑顔の少し茶色よりの黒髪が背中半ばまである黒目の少女が そこには映っていた
「俺まで性転換した?なんでだ?」
確かに一夏という前例が居る以上、人間を性転換させる技術は存在する、それは理解できる
だが、それはあくまでも技術が存在するだけで、俺が性転換する要因に心当たりが全くない事が問題なのだ、まさか突然性転換する奇病に発症したなら話は別だが、流石に突飛すぎると思う
それから暫く思考を巡らせるが、やはり思い当たる節が全くない、例外中の例外で言うなら束さんが犯人と言う可能性が有るが、多忙で俺を目の前で経過観察できないのに、束さんがこんな事をする訳がない筈だ
そんな具合で思考を巡らせているとコンコンと扉がノックされ
「リク、起きてるか?」
「・・・あ、あぁ起きてるよ」
「もう朝ご飯出来てて束さんが待ってるぞ?もしかして体調悪いのか?」
「体調は問題ない、すぐ行くから先に食べといてくれ」
「分かった、体調悪かったら無理するなよ?」
さて、これはどういう事なのだろう?一夏が男に戻っているぞ?
「うーん・・・分からん」
一先ずは朝ご飯を食べてから考えよう、よくよく考えなくても寝起きで脳みそに栄養素が届いていないしね
そう決めた俺は寝間着を脱ぎクローゼットに掛かっている中間期用の白い長袖のセーラー服をササっと着る・・・なぜ着れた俺
さも毎日来ているかのように自然にセーラー服を着る事が出来た自分自身に戦慄しつつ髪をウナジの部分で結い自室を出てリビングへ向かう
「あ、りーちゃんおは~」
「おはよう束さん、一夏もおはよう」
「おはよう、リク・・・うん顔色は悪くないな」
相変わらずニッコニコニーと年齢不相応の無邪気な笑顔で挨拶してくる束さんに挨拶を返し一夏に挨拶すると、一夏は俺の顔色を窺い安心した様に言いニコッと笑む、その表情にドキッとする、やめてくれ一夏、今のお前は俺によく突き刺さる
あー俺って性別関係なく一夏が好きなんだなぁと認識していると
「おぁ~朝からお熱いですなぁ~」
「ちょっ束さん、恥ずかしいから」
俺と一夏のやりとりを見てニヨニヨとしながら、からかう様に言う
ほんと、この人は良い性格してると思うわ、マジで
そんな訳で誤魔化すために定位置に座り一夏の作ってくれた朝食へ手を伸ばすと、遠くから名前を呼ばれている気がして振り向くと視界が暗転し自室の床の上でメイド服を傍らに横たわっていて、いつ見ても美少女の一夏が心配そうに俺を見下ろしていた
「あ、起きた?もう、寝るならちゃんと布団で寝ないとダメだよ?」
「あれ?・・・あぁそうか作業中に寝落ちしたのか俺、すまん」
メイド服作成の終盤で一気に仕上げようと作業をしていたら、そのまま寝落ちしてしまった様で体のアチコチが痛い、バッキバキだわ
それにしても、凄まじい夢を見た気がするけど、束さんにからかわれたことしか覚えてないな・・・まぁいいか、今日も学校だしそうゆっくりもしていられないしな、うん
大変お待たせ致しました
毎年の事ながら繁忙期に突入し修羅場の為、執筆時間があんまり捻出できていません
気長に更新をお待ちいただけると幸いです