一夏ちゃんに狙われた俺は、どうしたらいい? 作:銭湯妖精 島風
社畜の成り損ないの様な状態になった文化祭と一夏へのプレゼントを買いに行ったらチャラ男に絡まれて撃退したり、一夏とデートに行ったら前回撃退したチャラ男に再度絡まれて再び撃退したり、一夏の誕生日を祝ったりした怒涛の9月も過ぎ去り10月になって暫く経った今日この頃、俺は演劇部の部室で外から聞こえる喧噪を耳にしながら苦手だが信用はしている先輩と対峙している
「待たせてしまってすまなかったね、漸く彼等の正体の裏付けを取る事が出来たよ」
「いえ、無理なお願いだったのは理解していますから、ありがとうございます梶田先輩」
いつもは人を食った様な笑みを浮かべている先輩だが今日は真面目な表情をしていて俺の言葉を聞き『優希で良いと言っているんだけどねぇ』と肩を竦めて言う
先の襲撃の後、嫌な予感がしていた俺は先輩に件のチャラ男について相談をしていたのだ
「その事については置いておいて・・・ボクにナンパを仕掛けてきて君によって撃退された彼等の事だけれど、彼等は本当にヤクザの子供の様だ、それも組長の息子らしい」
「なるほど、だからあんなに意地を張っていたと」
先輩は俺の言葉に頷き呆れたように肩を竦めヤレヤレと顔を振る
「それから組の鷹神組、組長は荒川秀二だそうだよ。組長自身武闘派らしいけど堅気には手を出さない方針なんだけど、どうも自分の子供には甘くなりがちの様だね」
「・・・なんとも傍迷惑な」
「まったく、その通りだ」
俺の言葉に先輩は苦笑して頷く
本当に迷惑だ、何か起こってからでないと警察に相談も出来ないし、今は様子見しかできないのが口惜しい
「改めて、ありがとうございました、梶田先輩」
「構わないよ、ボクにとっても他人事ではない案件になりそうだったしね?」
そう言い先輩は再びヤレヤレと肩を竦めて
「結果的にはボクは大丈夫そうだったけれど、君に関しては楽観視は出来ないかも知れない、知り得た情報からすると彼等は君を探し続けている様だ」
「それに関しては予想通りですから大丈夫です」
そう、あの日わざわざ来るかも分からない俺を待ち伏せていた奴らが、そう簡単に諦める訳がないと思っていたからだ
そして危惧すべきことはレゾナンスでの待ち伏せを辞めて俺を探し出した時だ、アイツ等が何処に住んでいるかは知らないが、レゾナンスに居たのなら移動手段込みで俺の生活区域と被る可能性も十二分にある
「まぁ君ならば、そうだろうねぇ」
なんか納得した様な事を先輩は言い
「一応は最悪を想定しておくといい、君は彼等よりは強かった、しかし現役のヤクザに勝てる保証もないのだから」
「・・・分かりました」
と先輩は珍しく茶化さずに年上の風格を出して言う、いつもこうなら苦手意識が目減りすると思うのだけれどねぇ・・・とか思いつつ返事をすると
「それじゃぁそろそろ時間もないし、準備に入ろうか、座りたまえ」
「・・・はい、よろしくお願いします」
先輩は壁際からパイプ椅子を取り展開してニヤリと笑みながら俺に言う、本当なら逃げ出したい所だが、これが先輩が俺に要求した対価なので仕方ない
「この数か月で随分と髪が伸びたね? やはりこれならばウィッグを使うよりエクステでアレンジした方が良さそうだ」
「お好きになさってください」
俺の背後に立ちガサゴソと準備しつつ新年度以降ずっと散髪をサボっていて伸びっぱなしの髪を弄り先輩は言う
なんだかんが髪が長いメンツが俺の周りには多いから特に気にしていなかった結果がこのざまだ、笑うしかない
とりあえず、メイクとかの腕については先輩を信じよう、何せ演劇の時は自分でしている筈だから
お待たせしました
うん、今年度中に完結しないのが確定しましたw
久しぶりの更新で一夏ちゃんが出てこなくてすまない