一夏ちゃんに狙われた俺は、どうしたらいい? 作:銭湯妖精 島風
束さん視点
『それじゃぁ、仮想世界を楽しんでね?』と りっくん へ言い通信をオフにして仮想世界のプログラムを起動させ座っていた椅子の背もたれへ背を預け天井を見上げ息を吐く
「・・・山を越えてくれた、良かった」
彼を安心させる為に先程まで勤めて繕っていた表情を放棄し、心からの安堵と封じ込めていた疲労を曝け出す
幸いこの室内には装置の中の りっくん と私しかいないので気を緩めても気が咎めない
私は椅子に背を預けながら彼の入っている楕円形の装置へ目を向け
「搬送から緊急手術を経てから集中治療・・・そこから意識回復まで約1週間、本当気が気でなかったな・・・」
私自身、元々作業を始めたら集中してしまい徹夜とかよくする方だから多少は耐性は有った筈なのだけど、今回は嫌に疲労を感じる・・・私にとって彼はそれほどに大切な存在だという事だろう、まぁそんな事分かり切っていたのだけれどね?
「本当に良かった」
椅子から立ち上がり装置に触れ呟く
この装置は急造品、それ故に不具合が発生する可能性も十分あった。意識も戻らない可能性だってあったが、どうにかなってくれて良かった
まぁ彼には・・・私以外は知らない皆には明かしてない裏技を秘密裏に仕込んでいるから彼が死ぬ事は万に一つも無いのだけれどね?
今後、未来の事を考えれば、もっと前に仕込みを済ませておけば良かったと今更後悔しているが、過去は変えられないので未来に向けて仕込みを施す
この世で私以上の先駆者はおらず、今だ私の開発物に並び立つ物を作れた者はいない、現行最強の名を関しているアレを彼が扱えるように、原初にして至高のリミッター処理なんてさてれいない子を使った
私と
「この子と一緒に居ればもう二度と君は、いーちゃんを悲しませる大怪我を負う事はなくなる筈だよ」
まぁ、その事実に気が付く時が来ない事が一番良いのだけれどね?
私が彼の入った装置に触れ彼に語り掛ける様に独り言を呟いていると不意に病室の扉がノックされ開かれ
「失礼します」
茜色のボブで前髪が長くて片目が隠れている美少女が少々固い表情で入室してきたので、私は顔だけ彼女に向けて
「こうして直接会うのは初めてだね?梶田優希ちゃん」
「そうですね、篠ノ之束博士」
私の言葉に表情が硬いまま答え彼女は、 りっくん の入った装置に歩み寄り
「その・・・栗田君の様子はどうですか?」
「さっき意識は回復したから、もう心配ないと思うよ」
「そう、ですか・・・良かった」
彼女は私の言葉を聞き安堵した表情をして、私へ向き直り
「想定外の事態とは言え栗田君が、この様な状態になってしまい申し訳こざいませんでした」
「構わないよ、報告を聞き指示を出していたのは私だしね?ホント読み違えたよ・・・まぁ結果的には良い機会だったのかもね?」
「良い機会、ですか?」
彼女は私の言葉に首を傾げ聞いてきたので
「あぁ、此方の話だよ。気にしないで?」
「・・・はい」
私がそう言うと彼女はこれ以上は踏み込まず頷いて返事をする
「そうそう、これまで依頼ご苦労様だったね?色々とありがとうね?」
「いえ、有り余る報酬を頂いていますし、それに今では彼等は可愛い後輩ですから」
「そう?それでもありがとう、お陰で いーちゃんは想いを遂げられた訳だし、ね?」
そう、私は いーちゃんや りっきん 達には内緒で学校内を始めとした色々な場所に協力者を手配していた
彼女、梶田優希は協力者の1人だ、たまたま彼女の兄や父と知り合いだったから伝手で依頼をしたって訳
もしもの時は実家が病院だし役にしか経たないだろうしね?うん
そんな思惑は今回的中してしまった、運が良いのか悪いのかは分からない
さぁ、あとは りっくん の自己回復と装置のチカラを信じて待つだけだ、あぁあとで いーちゃんに連絡しなきゃなぁ
お待たせいたしました
これ今年中に終わるかな?w