一夏ちゃんに狙われた俺は、どうしたらいい? 作:銭湯妖精 島風
優姫さんの指示の元、智和と生き埋めになっていたリリィを発掘して救出しヒュージの体液塗れで瓦礫に埋まり掛けているリリィ2人の方へ向かおうとして智和に腕を掴まれる
「ちょっちょっ待って、まさか素手で2人の救助するつもり?」
「なにか、問題があるのか?」
「問題しか無いって、ヒュージはヤベーもん持ってる可能性が有るんだから」
一度捕まれた腕を見てから智和へ目を向けて尋ねると、軽く焦ってる様な表情で俺の質問に答える
見た目からしてバケモノ、その体液なら人体に有害であって当たり前だ
どこかで聞いたが、野生動物ですら人間に有害な寄生虫や病原体を保有しているのが当たり前らしいのだから、ヒュージなら尚更だろう
そんなやり取りをしてる内に救護隊がヘリで到着し、防護服を着た隊員がアッと言う間に2人を救出・収容し、生き埋めになってたリリィも救護隊に連れられてヘリに乗り飛び去った
「・・・仕事が早ぇぇ」
「彼等は優秀だからね、おかげで僕等は仮に負傷しても生きていれる」
いつの間にか隣りに立っていた優姫さんが俺の肩を軽く叩き言われ、ヒュージの残骸に目を向けて思う
こんなのと戦っている時の負傷が軽い訳が無い、幾らマギによって身体が強化されているとは言え、この巨体から繰り出される触手は相当な質量を有している筈だ、だから下手しなくても手足の1本ぐらい簡単に吹っ飛ぶだろう、少なくとも骨は折れる
「百合ヶ丘に確認したら撤収の許可が出た、やはりコレが目標だった様だね? さぁ帰ろう、戦闘こそ無かったけれどスキルも使っていたし疲れたろう?」
「そうですね、百合ヶ丘へ帰りましょう」
「走ったから汗かいたし帰ったらシャワー浴びたい」
優姫さんの言葉に頷き百合ヶ丘へ歩き出すと、ミッションクリアと文字が表示された後、リザルトに移り俺のレベルが上がりステータスが少し上昇した
うん、変な感じがする。なんかリアル過ぎて此処がゲームの中って事を忘れてるし不意に思い出して変な気分になる
まぁゲームじゃなかったらヒュージなんてバケモノと戦いたく無いけども
そんなこんな百合ヶ丘への帰路を自問自答しながら歩き、敷地内に入ると
「それじゃぁボクは生徒会長へ報告をしてくるから此処で」
「あ、ウチも姉様についてくから」
「分かりました、また」
優姫さんと智和と別れ、俺は寮へ向かおうとして
「そこのアナタ、入学式の時間が変更になったわ、寮へ行くのは構わないけれど、指定の時間までには講堂へいらっしゃい?」
「・・・分かりました」
通りすがりの先輩に言われたので適当に返事をして、特に知り合いがいる訳でもないし暇なので寮への道を覚えるついでに学園内を徘徊する事にした
やはりリアル過ぎて笑えないが、緑は目に優しいから良い。そんなこんなで高台にある足湯へ辿り着き景色を眺める
「木々に侵食される市街地だった廃墟・・・か」
そこがリリィとヒュージの主戦場なのだろう、マギを使わないでも肉眼で分かるぐらいに戦闘の痕跡が見える
「・・・はぁ、早く此処から出たいな。何もかもがリアルで違和感がなくて逆に変な気持ちになる」
それに一夏と会えないと言うのも結構シンドイ、一夏の作った味噌汁が飲みたいなぁ
とか1人でボンヤリとしていると、入学式の時間が迫ってきたので仕方なく講堂へ向かう事にした
そういえば束さんがウィンドウ越しに一夏と会話ができるとか言ってたな・・・早く会いたいな
初手で説教かも知れないけど、甘んじて受けよう。今ならトリプルアクセル土下座を披露出来る自信もあるし
束さんに頼んで一夏もサイバースペースにイン出来ないだろうか? 少なくとも一夏が居れば正気を保てる気がするんだ・・・うん
お待たせ致しました