一夏ちゃんに狙われた俺は、どうしたらいい? 作:銭湯妖精 島風
そんなこんな暇を持て余して校舎の屋上から海を眺めていると、チカチカと閃光が瞬いている事に気付く
「なんだ、アレ? ヒュージ・・・じゃないな、鐘が鳴ってない」
そう、ヒュージならば出現を知らせる鐘が鳴り響く筈なので、ヒュージでは無い
となると、他の要因になる訳だけど、俺には皆目見当もつかない
「双眼鏡とか視覚強化系のスキルが有れば見えるんだろうけど」
そんな都合の良い事はなく、そもそもチャームすら持ち歩いていない、本当に学園内を徘徊してるだけだ
と、まぁ閃光の正体が気になりつつも視界端に表示されている時計を見れば一夏が、ログインを予定している時刻に迫っていたので一旦寮へ戻る事にし、階段を下り寮への道を歩く
目に映る木々花々 その香り、歩む度に返ってくる床や地面の感触、すれ違うリリィや職員の姿と声、その全てにおいて何一つ偽物と思えないと何度目かの事を思う
だからこそ怖い、此処に馴染んで
俺にとって此処が生きる世界になってしまわないか、此処とリアルの境目を区別出来なくなってしまわないか、とか考えてしまう
束さんの技術力を持ってすれば電脳世界へ人間1人 電脳生命体へする事なんて容易い事だろう、まぁそれを
「・・・一夏が居てくれるなら何処にいようと構いはしないけどな」
何より1番怖い事、それは一夏と居られなくなる事だ。もう俺は一夏が居ない生活に耐えられる自信がない、それこそ世界に絶望して世界を滅ぼす悪党へなる可能性もある・・・いや先に自分で命を断つか、うん
まぁ周りの力が強いメンツが、そんな事をさせないだろうけどな
仮に一夏が何かしらの理由で死んだりした場合、俺より先に千冬さんが闇堕ちして場合によっては束さんは千冬さんの味方をするだろう
そうなったら多分、高い確率で世界は滅亡するだろう・・・一夏の生死で世界の命運に関わるのはヤバいな
そんな何の為にもならない事をウダウダと思考し、寮の部屋へ戻ると丁度一夏がログインしていた
「あ、リクおかえり。どこに行ってたの?」
「あ〜・・・散歩?」
暇を持て余して学園内を徘徊してきたので一応は散歩と言っても大丈夫だろう、多分
「そうなんだ、何か見つかった?」
「一柳って娘がレギオン募集してた、あとは海辺の廃墟群の方で閃光が瞬いてた」
「レギオンかぁ・・・私達には関わりが少ないね?」
「そうだな」
一夏が微笑み尋ねてきたので答えると、一夏も俺と同じ様な考えをしているのか、そう言ったので頷いておく
「よし、それじゃぁ見に行ってみようか」
「ん? 何を?」
「閃光の正体、だよ? ほら現場に行けばリクの
と一夏は自身のチャームの入ったケースを担ぎ、俺のチャーム入りケースを差し出してくる
「ま、確かにな。どうせこの後に何するか決めて無かったし、行ってみるか」
俺は一夏からケースを受け取り担ぎながら一夏の言葉に頷き、一夏と共に閃光が瞬いていた現場へ向かう事にした
さて、鬼が出るか蛇が出るか はたまたヒュージが出るか、楽しみだ
「さて、結構海側だったよな・・・」
「どう?分かりそう?」
元はマンションだった廃墟の上に立ち辺りを見渡し目的地の当たりをつけようとすると一夏に尋ねられたので
「多分大丈夫・・・ん? なぁ一夏、アレ」
「どうしたね?」
進行方向 左手の山に不自然な痕を発見し一夏へ声を掛けて指で示し
「アレ、あそこの2箇所、煙上がってないか?」
「あ、本当だ。あの2箇所だけ煙が上がってるね」
「・・・あの辺りが現場か」
ケースの中に手を突っ込みマギを身体に浸透させて廃墟から飛び降り呟く
なんとなく楽しくなってきた
お待たせしました