一夏ちゃんに狙われた俺は、どうしたらいい? 作:銭湯妖精 島風
ラージ級ヒュージと接敵して約10分、一夏の苛烈な拳打によりヒュージには幾つもの凹みが見られるが、まだ元気に触手を振り回して暴れている
「意外としぶといな」
「そうだね、これはセオリー的に心臓を潰さないと倒すのが難しいパターンかな?」
触手と榴弾を躱しながら言うと一夏が言う、確かに こう言う謎の超生物みたいな敵の場合、制御機構やら何やらが集約されている心臓部を破壊しないと撃破出来ないって作品が多々ある
なんなら心臓部を破壊しない限り無限に再生するとか言うパターンすら存在する、その場合はかなり面倒だ
「今更だけど、ヒュージ討伐ってレギオン単位のリリィを投入するのがベターなんじゃ?」
「そうかも、2人じゃ少しキツいね」
俺の言葉に一夏は軽く苦笑し答えつつ、ヒュージに一撃叩き込む
ソロでヒュージ討伐を成せるリリィは存在する、少なくとも俺は1人知っている
しかし、そんな事が出来るリリィなんて、ほんの一握りの実力者だけだろうし、必ずしも1対1の状況になるとも限らない
だからヒュージ討伐は基本的にレギオン単位のリリィを投入する筈だ、9名も居れば不測の事態に対応も出来るし、人数が増えれば その分レアスキルのバリエーションも増えて状況に対応出来る能力がチームとして上がる
それに単純な火力がソロとレギオンだと9倍になる訳だし?
そんな訳で、2人だと単純火力が足りない状態になっているのが今の状況だ
まぁ正しくは削り切るには時間が掛かるってのが正解なんだけどな?うん、一夏が何回もヒュージを凹ませてるから、いつかは倒れるはずなんだ、うん
そう、いつかは倒れる。つまり増援のリリィが来るまでにヒュージを討伐出来ないと言う事だ、まぁ特に拘る必要は無いと思うけども
「おっと・・・無茶苦茶に暴れ始めたな」
「だいぶ削れたみたいだね」
一夏がヒュージをボッコボコに凹ませ続けた結果、ヒュージも生命の危機を感じたのか無茶苦茶に触手を振り回したり広範囲に榴弾をばら撒いたりし始めて下手に近寄れなくなってしまう
「どうする?」
「射撃で仕留める?いや無理か、私がボッコボコに凹ませてるのに動いてるし」
一旦距離を空けて廃墟の影に隠れてヒュージの様子を伺いつつ一夏と作戦会議をする
増援のリリィが到着するまで楽観的に見て5分ぐらい、安全第一で回避を重視して射撃による牽制と誘導に徹する事もアリはアリだ、俺と一夏の2人だけじゃ少し荷が重いし
「でも、それじゃ面白くない。せっかくのレアスキルが有るんだしな」
「じゃぁ役割交代する?私がタゲ取る役・・・アレ、タゲ取れるかな?」
「まぁ取れなくても視えるし大丈夫だろ」
「オッケー、じゃぁそれで」
一夏との作戦会議を済ませ、深呼吸してエゼルリングを握り直して集中し廃墟の影から飛び出しヒュージへ駆ける
そしてレアスキルを発動しヒュージへ至る道を見極め速度を落とさずに触手と榴弾の隙間を縫ってヒュージの懐に飛び込み装甲の隙間に刃を深く突き刺す
「これでどうだ?まだか?」
その身体に刃を深く突き刺されたヒュージは体液を撒き散らしながら大暴れしピシピシと嫌な音がエゼルリングから聞こえる気がするが構わずに、更に深く突き入れると、ヒュージがビクンと大きく跳ね急に脱力して俺の方へ落ちて来たのでエゼルリングを引き抜こうとしたら刀身がポッキリと折れ、足を滑らせ転けてしまい、ヒュージの下敷きになってしまう
「大丈夫?リク」
「くそ、最後の最後に・・・は? 来るな一夏、コイツ自爆する気だ」
此方へ駆け寄ってくる一夏にレアスキルで視えた事を伝える、ガッツリ足を挟まれてる俺は間に合わないと悟る
「今、助けるから」
「いや、間に合わない。全く俺ってヤツは」
やれやれ と肩を竦めて苦笑した瞬間、ヒュージは自身の体内にある榴弾を一斉に起爆して自爆し、俺を道連れにする
これは一夏・・・いや鈴に怒られる案件かも知れない
ほんと俺は詰めが甘い、反省しよう
お待たせしました