一夏ちゃんに狙われた俺は、どうしたらいい? 作:銭湯妖精 島風
徐に目を開けると、そこにはシミ1つない白の天井が見える
「此処は・・・」
ピッピッと等間隔で鳴る電子音を聴きながらボンヤリした頭で考える、確か俺は束さん謹製のサイバースペースに居た筈だ
目を開ける寸前に酷い目に遭った気がするが、まぁ今はどうでもいい
今、問題なのは、此処が現実かサイバースペースのどちらであるか、だ
そのどちらで有るかが俺に区別出来ると思えない、束さん頑張り過ぎ
「・・・まぁこのままって訳にも行かないし起きてみるか」
そう思い身体を起こし辺りを見渡して今の状況を確認する
点滴台に心電図モニター、そこから伸びてる管とコード・・・下手に動けないなコレ
そう思い、さてどうしよう?と思っていると
「あ、目が覚めたんだね?リッくん」
「まぁね、おはよう束さん」
「うん、おはよう」
落ち着いたお姉さん冬の装いな感じの束さんが病室(仮)に入って来て、俺に気づいてニッコリと笑み問われたので、返事を返し
「束さんが居るって事は、此処は現実って事で良いのかな?」
「そうだね、それで合ってる」
「そっか、ありがとう」
どうやら此処は現実らしい、良かった。戻って来れてる
現実へ戻って来れた事に安堵し肩の力を抜き気づく
「・・・あの、束さん? 俺、なんか髪伸びてない?」
「え? あぁ
「いや、ちょっと理解が出来てない。分かる様に説明して」
俺が理解出来ずに待ったをかけると束さんは少し思案顔をしつつ口を開く
「えーっとね? リッくんの治療に使った装置は簡単に言うと対象を量子変換して0と1の数列にして無理矢理 不具合を直すってモノなんだけど、例えば怪我の場合、損傷箇所や欠損部位が極々少数なら材料を投入する必要は無いんだ、元の体積から変換しても変動は極々微小になるからね」
「壊れてるデータ量が少ないから外部か足さなくても修復出来る訳か」
「そうゆう事、でね? 損傷箇所が広大な場合、外部から材料を投入しないと元の体積を使用しちゃうから帳尻を合わせる為に身長や体重の減少が発生してしまうって訳」
「俺の場合、緊急だったから材料の用意が間に合わなくて身長と体重が犠牲になってる、と」
束さんの説明を聞き、それは仕方ないからなぁと思う
そもそも背骨や脊髄が粉砕・玉砕・大喝采してて良くて車椅子生活だった訳だから多少身長体重が減少した程度の副作用なら安い物だ
と思い、1つ気になった事が出来た
「それじゃ、何で髪が伸びてるの?」
「ん〜そこはバグかなぁ? 正直 治療後に出力する時に髪とか爪は、正確に出力する必要は無いから主要な機能を優先して開発改良して実用化してるんだよねぇ」
「まぁ確かに爪も髪も切れば事足りる訳だし、それもそうか」
死ぬ瀬戸際では些細な副作用だな、と思い納得する
「束さん、改めて ありがとう」
「構わないよ、君は私の可愛い弟分なのだから」
俺がお礼を言うと束さんはニッコリと笑み俺の頭を撫でて言う
「さてさてリッくん、残念ながら目が覚めたからと言っても即日退院とは行かないんだ」
「やっぱり?」
「念の為に精密検査を受けて貰う必要が有ってね、検査自体の順番もあるから後数日・・・最短3日は入院生活が続くよ」
「そっか、分かった。ありがとう束さん」
「ううん、構わないよ。リッくん」
最短3日か、つまり3日後に鈴による折檻がある可能性があるのか、避けれるかな? 無理そうな気がしてきたな、うん
まぁいいや流石の鈴も病み上がりの俺に即死技の秘奥義とか使って来ない筈だ・・・多分、いや そうであって欲しい
次回から再び不定期になる予定です
悪しからず