一夏ちゃんに狙われた俺は、どうしたらいい? 作:銭湯妖精 島風
そんな訳で人の大河に身を任せる事、約2時間を費やし漸く拝殿に辿り着き、賽銭箱に賽銭を入れ大鈴を鳴らし手を合わせ、昨年の無事への感謝と本年の幸せ、ついでに邪念を少々願っておく
最後に一礼し顔を上げると、見覚えのある背中が見えたが、いやまさか彼が居る筈がないと思い、気のせいだと判断して御守りを購入する為に社務所の方へ移動する
「やっぱこっちも混んでるな」
「そうだね、まぁ初詣だし、仕方ないよ」
「ふぅ、ちょっと束さん疲れちゃったから先に敷地の外に出ておくね?」
「逃しませんよ?束」
「ひょっっ」
御守り購入の最後尾がどこかな?と見渡しながら話していて束さんが、そんな事を言った瞬間、音もなくヌルっと現れ束さんの肩を掴み穏やかな笑みをたたえる顔の作りが箒に似ている女性が言う
束さんが驚くぐらいだ、俺も心臓が止まりそうになるぐらい驚いた、マジで全く気付かなかった
おかしいな、この人は剣士であって忍者じゃなかった筈なんだけど
「全く貴女という子は仕方ない子ですね、人の手は幾ら有っても良いというのに」
「いやぁ〜 それはそうかも知れないけれど、束さんってば次の予定があるので、はい」
「いいですか束? 一体どれだけの月日を貴女の母をしてると思っていますか? 貴女の嘘や誤魔化しなんて分かりますよ?」
「ひぇっっ」
ん〜相変わらず穏やかな人だなぁハタキさん、見た目は束さんより少し歳上に見える程度なんだけど、この見た目で2児の母親、つまり束さんと箒を産んでるんだよなぁ
蓮さんといい、ハタキさんといい、なんか若さの秘訣でもあるのだろうか?
少なくとも母さんに関しては何も特別な事はして無いのは間違いない、していたら俺が気づく、うん
「そういう訳で、リク君と一夏君・・・束はこちらで回収していきますね?」
「あ、はい」
「分かりました」
ハタキさんは俺達の方へ向き穏やかな笑みを浮かべて言うので、ひとまず了承しておく
「では着替えて来なさい束、もし逃げる様な事が有れば・・・わかっていますね?」
「ひゃいっっ」
おーいつも誰にでも物怖じしない束さんがビビってる、流石の束さんも産みの親には頭が上がらない様だ
束さんは自由奔放だから幼い頃から刷り込まれているんだろう、きっと
少し情け無い声で返事をして居住区へ早足で駆けていく束さんを見送り再びハタキさんの方を向くと
「束の方からおおよその事は聞いています、んー・・・大変だったと思いますが良かったですね、一夏君」
「あーえーんー・・・はい」
ハタキさんは、少し言葉を選んだ様子で言い、一夏も少し返事をし辛そうに曖昧な返事をする
まぁ2人の複雑な気持ちは分かる、なにせ一夏は誘拐された結果、性転換して意中の
一般的に誘拐された事は不幸な出来事だ、でも誘拐されていなければ一夏は性転換して俺と交際出来ていないのだから、なんとも言葉にし辛い事だろう
「それと箒には一夏君が元男児である事は伝えていませんので、ご安心を」
「ありがとうございます、ハタキさん」
「いえいえ」
巫女服の美女と晴着の美少女が会話してるのは絵になるなぁ、こっそり写真撮って保存しとこ
そういえば鈴は進路を決めたんだろうか、いやまぁ鈴の事だ 中国に戻るつもりでいるだろうな
俺個人としては鈴も含めて、この近辺の高校へ進学したいけど、鈴は一度決めたら突き通すタイプだから、俺がどうこう言える訳がない
やれやれ、進路を考えるのは少し億劫だな
受験勉強も始めないといけないのか、ほんと億劫だ
なんか受験しないで入学が出来たりしねーかな?
お待たせ致しました