一夏ちゃんに狙われた俺は、どうしたらいい? 作:銭湯妖精 島風
蘭から久しぶりに千冬さんのダメなエピソードを聞いてから早くも
年明けの喧騒ほどではないが、世間は色目気合い 何というか甘い匂いが、そこらかしこから香ってくる
「なんつーか、みんな元気だなぁ」
「彼女持ちの お前に言われるの何か腹立つな」
休み時間なのでダラけて机に突っ伏し何気なく言うと、俺の前に座っていた梶田が振り返り、そんな事を言う
「へいへい、さーせんねー」
「羨ましいぜ、あんな絶世の美少女からチョコを貰えるなんてよ!」
「なんか、暑苦しいぞ梶田」
俺の返事が気に入らなかったのか梶田は、何故か熱弁し始めて、少々面倒だな と感じる
今日の日付けは2月の14日、世間で言うとバレンタインデーであり煮干しの日だ
だから、教室を始めとした至る所からチョコレートの甘い匂いが漂って来ている、多分先生も気付いては居るが、もともと緩々な校風だから気付かないフリをしている様だ
まぁ授業中とかに つまみ食いとかしたら流石に怒られると思うけども
そんな訳で朝からチョコレート獲得戦争が勃発していて、恋人持ちからのドヤ顔がチラホラ見え、独り身勢がチョコレートを獲得しようとしてあの手この手を使っていて、なかなかに騒がしい
「で、リク? お前は一体どんなチョコを彼女から貰ったんだ?」
「おん? 貰ってない」
「は? そんな訳ないだろ?」
面倒だから机に突っ伏したまま梶田と目を合わせないで答えると、何か凄い声色で威圧感された、失礼なヤツだ
「いやマジで」
「・・・いや、まぁ確かにまだ休み時間だしな、うん」
マトモに話す気が無い事に気付いたのか梶田は何か納得してくれる
コイツ、ホント良い奴なんだよなぁ、見た目も悪くないし黙ってればモテそうなんだけど、黙ってれば
「相変わらず寒いと冬眠中の野生動物みたいだなリク」
「よく言われる、すげぇ戦利品だな数馬。何人分だ それ」
梶田との雑談が一区切りしたタイミングで呼び出されていた数馬が笑いながら戻ってきて言うので身体を起こし数馬を見ると、大きめの紙袋一杯のチョコを持っていたので尋ねてみる
「えーっと大体30ぐらいか? 呼び出されて行ったら便乗で一斉に渡されてさ、正確な数はわかんね」
「お前、本当モテんな」
「本当、羨ましい」
この御手洗数馬と言う男、頭脳明晰容姿端麗の癖に気さくで自分の学力をひけらかす事をしないし、
それ故に、数馬はめちゃくちゃモテる、まぁ一夏ほどではないが、うん
ちなみに弾がクラスメイトの女子とチョコの交換をしているのが見えたが、特に理由はないが、見なかった事にしよう
「俺、彼女居るって毎度毎度言ってるんだけど、押し付けられて」
「くっっ一度は言ってみたいな、そんなセリフ」
「そうゆう事を言ってるからモテないんだと思うぞ?梶田」
「リク、真実は時に人を傷付けるんだぞ?智和が可哀想だろ?」
「そうだな、すまん梶田」
「くっころ」
俺と数馬の追撃に梶田がよく分からない事を言った所で予鈴が鳴り、各々が自席に戻り次の授業の準備を始める
ま、それはそれとして、一夏がチョコを錬成していたのは知ってるんだ、実は
ただ まだ直接受け取ってはいないので、梶田には嘘はついていない
なんかスゲェ気合い入ってて
そういえば例年、一夏からチョコを貰ってたけど、てっきり余り物とか食べきれない奴のお裾分けだと思ってたけど、違ったかも知れない
作って配ってたのがカモフラージュで、本命を俺に渡してたのかも・・・まぁわかる訳ないわなぁ
一夏、恐ろしい子
だいぶ巻きで進めてます
お許しください