一夏ちゃんに狙われた俺は、どうしたらいい?   作:銭湯妖精 島風

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花車

 

 

梶田や数馬と下らないやり取りをしたり弾からチョコの配給を貰ったり、帰宅して一夏から立派なトリュフチョコを貰い、妙にリアルなクマ型のチョコを束さんから貰ってリアクションが取り辛かったりした煮干しの日を超えて

 

2月の半ばには演劇部が勢揃いし、時期部長を決める会議をして、なんとか部長になる事を回避する事が出来た、割と危なかった、うん

 

 

そんな平和な忙しさがあった2月が終わり、3月

 

 

本年度も、もう終わり俺達は本格的に進路を見据えないといけない時期になる訳だが、その前に大きなイベントが残っている

 

そう、卒業式だ

 

 

今生の別れでは無いかも知れないが、別れを惜しみ、新しい門出を祝う日

 

 

そういう訳で、下駄箱に入っていた見覚えのある便箋に見覚えのある文面で呼び出しの場所が北校舎裏を指定されていたので、卒業式出席後に向かう

 

 

こんな手の込んだ事をする変わり者なんて、片手で足りるぐらいしか知らないので、大体差出人の予想は出来ている

 

そんな事を考えつつ北校舎裏に到着すると、茜色のボブで前髪が長くて片目が隠れている身156㎝の女子が立っていた

 

 

「あ・・・来てくれたんだ」

 

 

彼女は俺に気付き嬉しそうな表情を浮かべる、今度は俺に何をさせたいのだろう、この人は

 

 

「待たせてしまった様で、すみません」

 

 

「うぅん、気にしないで大丈夫だよ」

 

 

俺が軽く謝ると彼女は少し焦った様に言い軽く手を振る、この人・・・本当、実力が相当だな と改めて思う

 

 

「て、手紙にも書いたのだけれど、わ、わわ、私は君の事が好きなの、だから私とお付き合いしてください!!」

 

 

先輩の出方をうかがっていると、意を決した先輩が赤面しながら告白してきた

 

「ごめんなさい」

 

「な、な・・・なんで・・・?」

 

俺が告白を断ると先輩は、前回同様 断られるのを想定していなかった様な表情をして聞いてくる

 

「なんでって、そりゃぁ彼女居ますし? 先輩も知ってるでしょう? 先輩、一夏とも仲良いですし・・・というか、いつまで続けるんです?」

 

 

「・・・やれやれ、君はそんなに せっかちな方では無い筈なのだけれどね? あぁボクが悪かったよ、そんなに睨まないでくれたまえ、余計にふざけたくなってしまう」

 

 

俺の言葉に梶田先輩は、後輩に告白しにきたヤンデレな先輩を演じるのを止めて、普段の口調に戻して相変わらず人を食った様な表情で俺へ言う

 

 

「ふふ、すまないね。性格が悪くて」

 

「いえ、もう諦めてますから」

 

「言ってくれるね、君」

 

 

俺の返事が、気に入ったのかニコニコしている先輩を見て改めて思う、黙ってたら絶対モテるだろうなぁと

 

 

「ふぅ・・・約10ヶ月前、ボクの誘いを受けてくれて、ありがとう。本当に君には感謝しているよ」

 

 

「・・・え? 先輩? なんです? なんか変な物でも?」

 

 

「流石に失礼だぞ、栗田君? いくらボクだって人に感謝ぐらいするんだぞ?」

 

 

人を食った笑みを止め真剣な表情で言う先輩に驚いて、失礼な事を口走ると、先輩が珍しく苦笑して言われ、ひとまず謝っておく

 

 

「君が演劇部に来てくれなければ文化祭も成功しなかったかも知れない」

 

 

「いえ、俺は大した事は」

 

 

「君にとっては大した事では無いのかも知れない、だけれど他人からすれば、それは偉業だと言う事だってあるのだよ?」

 

 

「・・・そういうものですか?」

 

 

「あぁ、そうゆう物だよ」

 

先輩は本気で そう思っている様で真剣な表情で言う

 

本当、先輩には敵わない。彼女の言葉には力があって、自然と正しく思える

 

 

それこそ先輩の持つ演技力が成せるワザなのかも知れない

 

 

「ボクは先に夢へ向かって行かせて貰うよ、ボクに会う方法で1番手っ取り早いのは智和に自宅へ案内して貰う事、かな? ま、連絡先は知っているだろう? そこに連絡してくれても構わないよ」

 

 

「はい、機会が有れば。先輩、頑張ってくださいね」

 

 

「うん、ありがとう栗田君。さぁ部室へ行こうか、きっとみんな待っているからね」

 

「はい」

 

先輩は俺ね背中を軽く叩いてから先に部室へと歩き出し、俺も数歩遅れて彼女へ続く

 

 

梶田先輩の夢への門出に幸多からん事を

 

 






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