一夏ちゃんに狙われた俺は、どうしたらいい? 作:銭湯妖精 島風
ジャァーと蛇口から水が流れ排水溝へと流れていく、それを眺めて思い出した様に手を洗い顔を上げる
そこには鏡が有り俺の顔が映り、少し疲労した様な表情をしている
昔程じゃないけど、母さんに似てるなぁとか思う・・・髭、生えてこなかったなぁ、うん
そんな事を考えつつ、少し乱れた髪を整えてから蛇口を捻り水を止めてハンカチで手を拭く
特に左手の薬指付近は念入りに拭く、そうじゃないと結婚指輪と指の隙間が蒸れて痒くなったりするんだ、いやマジで
波乱の高校生活開始から約10年の月日が流れ、俺達は今 IS学園で教員をしている
俺が整備士科で一夏が実技、まぁ一夏は向こう最低1年は産休中、俺は一夏と相談して産休を取得する予定だ
話は変わるが、年に1回ぐらいの割合で、鈴・セシリア・ラウラ・シャルロットから各々の専属整備士になってくれないか? と勧誘を受けているが、全て断っている
一夏と離れて単身赴任は御免被るからな、うん
トイレを出てコツコツと靴を慣らし、肩を回しつつ目的地へと戻ると分娩室前の長椅子に、俺の両親と千冬さんに千冬さんの旦那さん、長椅子の横にウミとソラが立っていて長椅子を挟んで逆サイドに束さんとクロエが立っている、身内が勢揃いだ
ソラ以外は成人しているからか比較的に落ち着いているが、ソラは何でかソワソワしてうて、なんか逆に俺が冷静になれているのでソラには感謝しておこう、言わないけど
「おいソラ、あまりソワソワして動くなよ。お前がソワソワしても何も変わらないぞ?」
「わ、分かってけど・・・なんで お兄ちゃんは落ち着いてられるの?今、一夏ちゃんが頑張ってるんだよ?」
IS学園の制服を身に纏った最近反抗期気味のソラが、そう言い俺に嚙みついてくる。最近ホント生意気になったもんだが、これも成長かぁとしみじみ思う
やれやれ10数年前は、俺を にー って呼んできて可愛かった、まぁ今も可愛い妹である事は変わらないんだけど
「いやぁなんか、お前がソワソワの見てると不思議と落ち着いていられるんだよ、なんでだろうな?」
「お姉ちゃん、お兄ちゃんがイジメるよぅ」
俺の言葉にソラはキっ俺を睨み、隣に立つ
「兄さんは、もう少しソラに優しくした方が良い」
「十分優しくしてきたと思うんだけどな?足りないか?」
「全然足りない」
少し前に成人したウミは
内心 肩を竦めていると、分娩室からオギャーと過去に2回は聞いた声が聞こえ分娩室へ繋がる扉を看護師の人が開く
「どうぞ、入室なさって下さい」
「どうやら産まれた様だな、リク・・・お前が最初に行くのが筋だろう?」
「そうだね、行ってくる」
千冬さんに言われ俺は頷き扉へ歩むと千冬さんに軽く背中を叩かれて送り出されて扉を潜り一夏の元へ向かう
「お疲れ様、一夏」
「うん、ありがとうリク」
少し疲れた様子の一夏が微笑み言い
「私たちの赤ちゃん、だよ」
そう言って自分が抱いていた赤ん坊を俺に差し出してくる、産まれたてホヤホヤのシワシワな新生児、そんな我が子を俺は抱き
「ようこそ、栗田家へ歓迎しよう盛大にな。まずは名前だな、名前は・・・・」
この子の一生を左右する大事な名前、今日まで一夏と話し合い検討を繰り返して来た
「名前は、
「ふふ、よろしくね、六夏」
俺の陸は大字で6を意味していて、その六と一夏から夏を合わせて六夏、男女関係なく使えるしな、うん
ちなみに陸も男女関係なく使える名前らしい、少し前まで知らなかった
ともあれ、俺と一夏の子供ならば、これ以上の名前は無いだろう、少なくとも第1子には的確だと思う
さて、守るべきモノが増えたし、これからも頑張らないとな
よし、頑張るぜ
前回で最後みたいな後書きでしたが、気がはやってエピローグを書く事を忘れていました
キリよく100で完結させたいので、蛇足を1話書くかも知れません