VTuber もう一人のジブン ~keep your【Second Personality】~   作:no_where

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 悪い夢を見ている。

 

 xxxx@xxx

 なにも知らない連中が

 御大層な正義感と、正論だけを振りかざす。

 技能はなく、技術も学ばず。拠り所は数だけ。

 

 xxxx@xxx

 人間の本質は、あの頃から何も変わらないのだ

 正直、あきれて、物も言えない。

 

 xxxx@xxx

 ひとつ、昔話をしよう。

 団塊世代の老人たちが

 まるで武勇伝の如く、自慢げに口にする『学生運動』。

 彼らは言ったよ。君達と同じようにな。

 

 xxxx@xxx

 俺たちは、かつて『敵』と戦った。

 相手は『悪』だ。途方もなく大きな存在の全容は

 結局最後まで見えないままだった。

 しかし、我々の活動により

 『悪』の一部は、確かに考えを改めたのだ。

 

 xxxx@xxx

 …バカバカしい話だよ。

 後に彼らは大学を卒業し

 肩書きを振りかざすだけの大人になった。

 

 xxxx@xxx

 20年後。同じように大学へ進学し

 当時の映像技術や、音響機材に関して語り合う僕らのことを

 彼らは、実際には戦うことのできない『オタク』と呼んだ。

 

 xxxx@xxx

 いったい、貴方がたは『なにもの』と戦っているのか。

 軽々しく踊らされ、誘導されて。

 扇動され、団結し、目に映った対象を自動的に攻撃するだけ。

 それでなにか、変わったか?

 

 xxxx@xxx

 私を一方的に責める貴方がたは、ただの木偶だ。

 もはや『人の意志』など介在していない。

 年号が変わるだろうといわれる昨今においても

 我が国の人々は、昭和初期の人間と変わらないのだ。

 

 xxxx@xxx

 悲しい事だ。

 機械のみが高度化する、この時代。

 人の精神は、はるか紀元前より変わらぬままだろう。

 信じようが、信じまいが、いずれ人は機械に劣る。

 強く、深く実感している次第だ。

 

 xxxx@xxx

 世界の『演出』。

 酔いしれているのは、仮想敵を生みだしているのは

 他ならぬ自分たちなのだと、いつ、知るのか。

 

* * *

 

「…っ!」

 

 嫌な夢を見た。目を覚ましたのは真夜中だった。

 

 布団ではないベッド。身の丈に合ってない、ぶかぶかのスウェット。ほんの一瞬だけ感じた違和感は、正しく繋がった記憶の回路によって蘇る。

 

「…いま、何時だ…?」

 

 ベッドのチェストから、スマホを手に取る。午前5時。普段よりも早い起床になったのは、昨晩、早目に就寝を取ることにした結果だろう。

 

 竜崎さんの家(というか別宅)におじゃまして、『LoA』の試合を20戦まで終えたら、夕方近くになっていた。それから3人で、明日の朝、つまり今日の朝と昼ごはんの買いだしにでかけた。

 

 あかねは流石に、例のコスプレをしたままの格好じゃなかった。というか、普通に外は寒かったので上着を着た。着物はそのままだった。

 

 つまりは所謂『2Pカラー』であり、案の定、視線を集めまくっていたが、本人は平然と買い物カゴを持ち、手際よく買い物を進めていた。

 

 もう一方の女子は、試食コーナのおばちゃんと仲良くなって、世間話で盛り上がっていた。その間に、気づけば俺たち二人と離れているという、正真正銘の迷子ムーブを発動させた。

 

 帰ってきてからは、残ったカレーを温めなおして食べて、二人がアニメ鑑賞会をする一方で、俺は皿洗いをやっていた。ジャンケンで負けたのだ。

 

 代わりに、一番湯の権利を得てシャワーを浴びれた。そのあとは、この部屋のベッドを借りて横になると、すぐに意識が落ちた。

 

 俺は昔から、寝付きが良いらしい。

 

「…ん? 誰か、起きてるのか…?」

 

 部屋の外。扉の向こう側。昨日三人で過ごしたリビングの方から、わずかに光の気配が届いている。

 

 ほんの少し逡巡したあと、俺は起きあがることにした。寝直すには、さっきの悪夢が全身にしみわたっている。

 

 借りてきたスウェットを脱いで、昨日の私服に着替える。畳んだものは、とりあえずベッドの端に置いて、スマホを掴んで外にでた。

 

 カチャリと、扉が開く音が、薄暗い早朝の室内に響く。なかば予想していた通り、この部屋の主が、顔をあげてこっちを見た。

 

「あかね。もしかして、ずっと起きてたのか?」

「一度寝た。一時間前に起床した」

 

 彼女はテーブル席の方に座り、ノートPCのキーを軽く叩いていた。服装も昨日から変わっていて、今は有名スポーツメーカーの、上下揃いの青ジャージを着ている。

 

「一時間前って、4時じゃん」

「ん。あたしは大体いつも、その時間には起きている」

「マジかよ。早いなぁ」

「睡眠時間は足りてるから。週末は間で少し、仮眠もとるし」

「そっか。ところでそれ、なにしてんの?」

「予定の確認と、進捗の修正。ついでに世界各国の経済誌と、信頼のおけるニュースサイトの新着を確認してた」

「仕事じゃん」

「趣味。たまたま、誰かの役にたって、経済が回る」

「つまり働いてるんじゃん」

「そゆこと」

 

「……」

「……」

 

 そこで一旦、会話がとぎれた。

 

「祐一は、もう起きる? それとも、少し眠る?」

「起きようかな。昨日はすぐに眠れたから、俺も睡眠は十分ぽい」

「わかった。じゃあ、お茶かコーヒー煎れたら飲む?」

「ありがとう。コーヒーもらえるかな」

「ん」

 

 あかねが立ち上がり、シンクの方に向かう。俺もあとに続いた。

 

「そのコーヒーメーカーも、最新のやつ?」

「そう。あたしみたいな素人でも、美味しく作れる。砂糖とミルクは?」

「いや平気。そのままで」

「ブラック派?」

「そうそう。最初は苦手だったけど、慣れたらそっちのが美味いなって思うようになった」

「…苦手だったのに、コーヒー飲んでたの?」

 

 俺はうなずいた。

 

「うちの父さんがさ、普段は緑茶とか飲んでるんだけど、昼のご飯休憩が終わったら、その時だけ、かならず一杯ブラックコーヒー飲んでから、仕事場に戻るんだ」

 

 その時の姿が、小学生当時の俺にも、格好良く映った。

 

「大人の男は、仕事をする前にはきっと、コーヒーを飲むのが普通なんだって、勝手に思っててさ。その時から真似してたんだ」

「一緒だね」

「え?」

「あたしの愚兄も、普段は水を飲むようにしてるけど、一日一回だけ、熱いコーヒーを飲む。働く大人は、そういうものだと思っていた」

 

 ――ことことこと。

 

 温かいコーヒーができあがるまで。俺たちはしばらく、適当な話をして時間をつぶした。

 

「祐一は、養子だって聞いた」

「うん、そうだよ」

 

 以前、竜崎達彦さんがウチに来た時に。話の流れで、俺の出自というか、今の両親とは血が繋がってないことを話した。

 

 わざわざ自分から話すことでもないけれど、常連のじいちゃんや、最初に友達になってくれた滝岡なんかも知っている。

 

「祐一は、家族のこと、好き?」

「大好きだよ。父さんと母さんは、俺が守るって、誓ってる」

「優先順位、第一位というわけね」

「そう。だから最初は、そらの提案も断ろうと思ってた」

 

 だけど結果として、彼女はきっと、俺を良い方向へ、導いてくれたと思う。

 

「そらにも、あかねにも、竜崎さんにも。あと【セカンド】と、そういった新しい可能性を生みだしてくれた、大勢の人たちにも、今はすごく感謝してる」

 

 まだ具体的な成果はでてないけれど。あのまま、ぐるぐると、同じところを回っていたら。毎日は相変わらず息苦しくて、辛かっただろうなと思えた。

 

「あたし達は、幸せな時間を生きている」

「そうかもなー。…いや、うーん、どうなんだろ。結構しんどいなーとか、ツレーわー、って思うこともあるような…」

「それは仕方ない。ただ、仕方ないのが普通だと口にして、感覚を麻痺させてなれるか、実は工夫次第で、もっと良い方向にいけるんじゃないかと考えるか。そこには大きな隔たりがある」

「…俺が言うのもなんだけど、あかねも結構、考え方が大人っぽいっていうか『中学生らしくない』よな」

「人間を、あんまり好きになれなかったからね」

 

 ――しゅんしゅんしゅん。

 

「ねぇ、祐一は、アイドルの条件ってなんだと思う?」

「ん?」

 

 とつぜん、そんな質問を与えられた。

 

「なんの話?」

「……」

 

 こちらの返す質問には応えない。ただ、あかねはじっと、答えを待っているように沈黙した。

 

 ――とくとくとく。

 

 黒い液体が生みだされていく。香ばしい匂いが、暖房の効いた部屋に充満しはじめる。

 

「…そうだなぁ。たぶん、他人のことが、好きになれるかどうかなんじゃないかな」

「FALSE」

 

 ぽつりと答えた。答えは、否。

 

「ウソはよくない」

「べつに、嘘ついてるつもりはないぞ」

「言い方を改める。あたしは『真実を交えた虚言を必要としていない』」

「……」

 

 彼女の言葉を翻訳すると『模範解答は必要ありません』か。

 

「アイドル《偶像》に必要なものを大別すると、答えは3つだ」

 

 答えを述べていく。

 

「1つめ。自分の立ち位置、およびキャラクター性を客観視できるかということ――自分を除いたこの世界、他人の視覚から得られた情報が、どういう形で処理されるのか。それを正しく理解すること」

 

 仮面を剥ぐ。

 

「2つめ、人の気持ちに寄りすぎないこと。これはアイドルよりも『医者』や『カウンセラー』の視点として捉えた方がわかりやすい。いわゆる『いいお医者さん』『医者に向いている』人たちは、他人のキモチを、情報伝達の仕組みが機能しているという考えができている」

 

 つまりは『嬉しい』とか『悲しい』といったココロの働きが、人間という知能生命体の自立神経を通じて、正常な仕組みとして機能している。事実を明確に捉えているということだ。

 

 また、それを事実だと認めているために、仮に現場でどれだけ理不尽な目にあったとしても、自分の中で一定の目標が維持されている以上、その仕事を続けていくことができる。

 

「3つめ。以上2つの『ジブンと他人』の関係性を理解した上で、総合的に【人間が好きだ】という判断を下せるか。可能なのであればその【人】は、本質的に【他者より求められる存在】になりうることができる」

 

 そう。『人間のことが好きだから』。

 これが俗に言われる『人気者』の最低条件。

 

 『他人から求められる人物像』としての、絶対条件だ。

 

 そして、きっと。

 ヒトが、人として生きるための、必要最低条件でもある。

 

 

「…あたしは、時々、こんな風に思うことがある」

 

 そんな俺の答えに、正解だ《TRUE》とも、間違いだ《FALSE》とも応じず、彼女は口にした。

 

「この世界こそが、どこかの、誰かが考えた、2週目なんじゃないかって。あたし達こそ、キャラクタ性を付与された偶像《アイドル》で、永遠に【1週目】…2マイナス1の世界。その背中を追いかけてだけなんじゃないかって」

「…そういうの、きっと、誰もが一度は考えるんじゃないかな。ほら、エンタメ関連で話題になる、ループものって、大体そういう構造じゃん」

 

 本当の答えは一生見つからない。少なくとも、自分たちの世界が1週目なのか、あるいはそれ以降なのか。この肉体が本当に生きているのか。単なるデータの塊じゃないのかなんて、考えるだけ無駄だ。

 

 分かるとすれば、たとえば、自分がテレビゲームをプレイしている時。異世界転生系のラノベを読んでいる時。あるいはどこかの投稿サイトに、無造作に転がった小説でも読んでいる時だ。

 

 俺たちの中にある、この意識そのものが、【対象の世界】を俯瞰しているという事実確認が行われなければ、その域には到達できない。

 

「そうとは限らないわよ」

「…えっ?」

 

 まるで俺の考えを見越したように、あかねが言った。

 

「アメリカの科学者が定義した『シンギュラリティ・ポイント』と呼ばれる概念を、祐一は知っている?」

 

 マグカップの中に、黒いコーヒーが注がれた。

 

「シンギュラリティって、確かアレだろ。なんか、AIがすげぇ賢くなる的なヤツ」

「そう。現状のAIは、教師なし学習や、GANネットワークと呼ばれる手法を取り入れることで、新しいパターン構築を自動的に生成できる。ただしそれは、あくまでも、人間側が設定した分野、その範囲内のできごとに限られる」

 

 あかねは、淡々と言葉を続けた。

 

「2024年における、AI《人工知能》は、放っておいても、自分で学習して、ある程度には賢くなる。ただし将棋AIは、将棋しか強くなれない。画像識別AIは、識別の精度しか向上しない。対話AIは、お喋りのパターンしか増えない」

「…競馬予想AIは、競馬の予想だけが上手くなる?」

「そうね」

 

 コーヒーのマグを、俺に渡して、語る。

 

「それらは、あくまでも人間側が設定した、単一のルールに則った上での機能改善。複合的な学習能力の向上は、まだまだ難しい。だけどこの先も、ずっとそうとは限らない」

 

 カフェインの苦みが、話を聞く、俺の思考速度も向上させた。

 

「なにか、ブレイクスルーのキッカケが起きるか、ボトルネックの蓋が外れると、AIは本当の意味で、自己学習のみで、複合的な知識を習得できるようになる」

 

 複合的な知識を習得できるということは。さらに派生して、また新しい概念を、アイディアを、アレンジして誕生させることもできるようになる。ということだ。

 

「…テレビからインターネットの動画へ移行した。youtuberから、VTuberが生まれた。人間の創作的な発想や工夫を、人工知能《AI》もまた行えるようになる。そして、実質的な肉体を持たないAIは【時間的制約を受けない】」

「うん。そこは大きいよな」

 

 そうなると必然。

 人間よりも、AIの方が、早くアイディアを生みだせる。という事にもなる。

 

 イコール

 

「AI《ヒト》が、人間よりも賢くなり、進化のスピードが上がる」

 

 それが、シンギュラリティという名の可能性。

 

「レイ・カーツワイルによれば、そうした事が起きるのが『2045年ごろ』だと言われてる」

「でもその説は、けっこう否定的な意見もあるって、テレビで聞いたぞ」

「その道の第一人者が語るのを否定したところで、一般人に真相なんて分からないからね。世の大勢は、基本的に否定から入る。コメンテータは否定するだけで共感を得られる。賛成するよりも、世の中の人たちを味方につけられる」

 

 あかねにしては珍しく、ちょっとムキになっていた。

 その表情が、正直ちょっと可愛かった。

 

「シンギュラリティが起きると、この世界は、実は誰かの創作物であったとか、あるいはそれこそが、単なる子供の妄言なのか。そういった命題に対する回答が、AIの解析によって分かってしまうかもしれない」

「神様はいるのか、いないのかとか、そういう事もわかるのかな」

「わかるだろうね。ただ、それを信じるかどうかは、また別の問題だけど」

「ダメじゃん。それだと結局、今となんにも変わらねーよ」

 

 俺は苦笑いしながら、コーヒーに口付けた。

 

「そう。だからね、あたしは、人間を好きになりきれないの」

 

 あかねも、同じ様にコーヒーを口付けながら、無表情に笑った。

 

「どうしても、人間の想像力には限界がある。その理由は、毎日を生きるのに精一杯だから。みんな、余裕がないから。だから嫌い。機械の方が優れていると思ってしまう」

 

 ふうふう、吐息を吹きかけて。

 そっと口付けるように、コーヒーを飲んだ。

 

「…祐一の根っこの部分は、きっと、あたしによく似ている」

「かもな。そっちの言ってることはすげぇわかるし」

「うん。でも伸ばした幹と葉は、まったく別のモノだね」

「そうだな。俺たちはきっと、たくさんの親切な人たちに出会えたんだと思う」

 

 だから、その人たちの為に、生きたいと願うんだ。

 

「…祐一の、元のご両親の話を、聞いてもいい?」

「いいよ。ただ、オフレコで頼むよ」

「ん」

 

 言葉にしようと思ったのは、どうしてか。ただ、悪い事にはならないという、不思議な確信があった。

 

「俺の本当の父さんは、テレビ局のプロデューサーだった」

「東京の?」

「そう。結構、地位も高くて、視聴率も取れるような人だった」

 

 だけど。

 

「ある日、父さんがプロデューサーを務めた番組内で、ヤラセが発覚した。それが発覚した元が、父さんの番組にレギュラー出演していた芸能人からの告発でさ。ツイッター上で、その内容を発信したんだよ」

 

 それから。

 

「普段は、番組制作のプロデューサーの名前なんて、まったく意に介してないような人たちが、焚きつけられた火元に集まりはじめたんだ。遊び半分でやってきて、父さんのアカウントを監視して、みんなで攻撃しはじめた」

 

 そして。

 

「父さんは、対応を間違えた。本人は、みんなの言う『ヤラセ』を、演出の内だと信じて番組を作ってたんだよ。それまではずっと、そのやり方で成功してたし、みんな喜んで見てくれてたからさ」

 

 だけどある日とつぜん、自分の作品の『演出』が、ヤラセだったと言われた。

 

「みんなから、謝れ、謝罪しろと言われたんだよ。それで、なにも知らない連中が、勝手なことを抜かすなよ。みたいなリプを、自分の本音を、誰もが目につくところに、ブチ撒けたんだ」

 

 父さんは、ワルモノにされた。

 

「確か、あかねがこのまえ家に来た時に、俺がツイッターなんかのSNSをやってないって言ったら、炎上したのかって聞いたよな」

「聞いた」

「炎上したのは、俺じゃなくて、父さんなんだ。その時、俺はまだ5歳で、だけど当時から、スマホでSNSの使い方なんかは覚えてたから。自分の父親が責められてる。日本中のみんなから『謝れ!』って言われてるのは、実感として分かってた」

「ん」

「それとは別の話になるんだけど、俺の母さんって、元々あんまり身体の丈夫じゃない人で、入退院を繰り返してるような女性だったんだけど。ヤラセだって言われた一件以来、父さんの仕事が減ったんだ。

 入院費や治療費を払うのが難しくなったから、退院して、家にいる時が多くなったんだけど。やっぱり、良くなかったんだよな」

 

 俺の本当の母さんは、病気で亡くなってしまった。本当の父さんは、そんな母さんのことが大好きで、生きる理由を無くしてしまった。

 

 そして、ふらふらと。

 

 俺を連れて、母さんの地元にやってきて、帰りに、駅のホームに飛び込もうとした。そうすることを、俺はわかっていた。

 

 止めたくて、お父さんの味方はここにいるんだよって。

 それだけをとにかく伝えたくて。

 

「――――」

 

 俺は迷わず、父さんよりも先に飛び込んだ。

 大人がみんな、唖然としていた。俺を見下ろしていた。

 

 その中には、手にしていたスマホを、

 

 まるで条件反射のように。

 

 『撮れ高を見つけた』。

 

 とても言うように。

 

 助けも呼ばず、悲鳴も上げず。

 

 まるで脳みそが命令した

 

 『普段やっている、正しいことをやれ』

 

 と言われ、忠実に従い、何も考えず。

 

 疲れた頭を、カラッポにして。

 

 シャッターを押す瞬間を待ちわびる。

 

 がらんどうの目をした、現代の人間たちの、生きるに値する価値観が並んでいた。

 

「祐一」

「うん。ちゃんと生きてるよ。俺も、本当の父さんもね」

 

 意識を引っ張り上げる。

 苦々しいブラックコーヒーを啜る。

 

「飛び込むタイミングが、早すぎたんだ。もしかしたら、大丈夫だって、確信してたのかもしれないな」

「祐一」

「あはは。その時さ、迷わず飛び込んでくれたのが、当時まだ駅員をしてた安永ってじいちゃんで。抱えて、端の方に押し付けてくれてさ。めっちゃ怒られた」

「祐一」

「そこからは、なんかいろいろあって。父さんも疲れてたから、児童施設の大人から、父親やれる状況じゃない、子供を育てられる精神じゃないって言われて、そっからいろいろあって、小学校に上がった年に、今の家に引き取られたんだ」

「祐一、ごめん」

 

 ふるえる手の中から、苦いコーヒーのマグが取り上げられた。

 ことん、ことん。テーブルの上に二つ分の音が続いた。

 それから、やさしい温もりが、すぐ側にやってきた。

 

「あたしのような人間が、聞くべきじゃなかった」

「…っ」

 

 そんなことはない。この話をすれば、普通の人は、そんなつらい過去があったのか。重すぎる。なんて言うかもしれない。

 

 だけど、正直なところ『ヤラセ』が発覚してしばらくした後。

 

 家に、お父さんがいて。お母さんもいて。

 二人がそろっていて。三人で一緒の時間を過ごせて。朝から晩までごはんを食べて、買い物にもでかけて、一緒のベッドで眠って。

 

 それは、まぎれもない、しあわせな日々だったんだ。幸福な時間だったと記憶に残してしまったんだ。当時の、俺が抱えもっていた、圧倒的なさびしさを、埋め合わせることができたんだ。

 

「…俺はさぁ、本当に…恨んでないんだよなぁ……」

 

 実の父親を追い詰めた有象無象の人たちを、けっして、憎みきることができない。

 

「……時々思うんだよ。もしかしたら、俺……普通じゃないんじゃないかって……頭おかしいんじゃないかって…思うんだ……」

 

 同じ様に、自分たちは『正しいことをした』と思っている人たちも、SNSで父さんを責めたことの是非を、今もまったく疑っていないだろう。そういうものだ。人間は、そういうものなんだ。

 

「あたしは、祐一の本質は、善なるものだと思う」

 

 ぽつりと。

 実の肉声となる、つぶやきが聞こえた。

 

「貴方は誰よりも正しい。むかしのお話にでてくるウサギのように、貴方は、自らを火の中に落とし込んで供物にしても、誰かのためにあろうとする。正しく、尊き存在」

 

 人を好きになりきれなかったという女の子が。

 とてもやさしい声で囁いた。

 

「【セカンド】は、貴方のような人間の為に作られた。どうか、愚かしくとも、夢を見て。貴方だけが信じる希望を、この世界の延長戦上に抱いてみせて」

 

 それはとても、清らかな声だった。

 

「貴方のような人間が今を生きている。未来の夢を口にする。高らかにでも。ひそやかにでも構わない。独善的でも、偽善的でも気にしない」

 

 人の声は、こんなにも美しいのかと思えるぐらい、澄んでいた。

 

「夢を持った人間が、今このとき、同じ空の下で生きている。そんな貴方の助けになれるのだという喜びを、同じセカイの果てにいる人々にも、信じさせてあげて。きっと、共感したみんなが貴方の力になってくれるから」

「……うん……ありがとう……」

 

 夜が、ゆっくりとあけていく。

 俺はこの時代に生まれて、やっぱり良かったと、そう思えた。

 

* * *

 

 日曜の朝は、三人でサンドイッチを作った。瑞々しい、レタスやトマト、生ハムをはさんだり、ペースト状にしたゆで卵に、塩コショウ、マヨネーズを和えたのを挟んだり、ジャムを塗ったり。

 

 中には、からしをたっぷり塗った『アタリ』を忍び込ませたり。完成したそれらを、昨日、買い出しで向かった先の近くで見つけた、100円均一のランチボックスに盛り付けた。

 

 食事をするテーブルの上。赤いスイートピーを差した花瓶の側にそれらを配置し、波々と牛乳をそそいだ、透明な『二人分のグラス』と共に、写真を撮った。

 

 

 宵桜スイ@Sui_yoizakura

 これより、Vtuberゲーム部、第1次強化合宿をはじめるっ!

 

 黒乃ユキ@Yuni_kurono

 朝ごはん食べたら、三人でフェスに潜ります。

 マッチングしたらよろしく~

 

 

 写真付きのツイートを行うと、リプ欄には「美味しそう」とか「隙あらば女子力アピール」といったコメントが並ぶ。

 

 風見@kazamidori_15

 ハヤトはいないの?

 

 宵桜スイ@Sui_yoizakura

 ここにはいませんねー。

 

 黒乃ユキ@Yuni_kurono

 ディスコードで、連携は取ってるよ~。

 

 ――で、まぁ。一応、俺本人の意向も組んでもらい、天王山ハヤトは、ここには居ませんよ。あくまでも、配信の時にちょっとだけ顔をだしただけで、帰りましたよ。という事にしてもらった。

 

 

 風見@kazamidori_15

 ハヤトって、やっぱり、二人と同じ年頃の男子なんだね

 

 風見@kazamidori_15

 三人とも、まだ中学生ってところ、かな?

 

 

 ――ただ、やはり中には、妙にするどいフォロワーもいた。基本的には、二人からはレスポンスを返さないので、スルー安定だ。

 

 俺もアカウントは持ってないが、ツイート自体は見えるので、なんとなく気になって「風見」という名前を追った。

 

 あまり稼働してないアカウントだった。週に一度、ツイートしていればいい方で、その内容もたった一言「予定通り」といった、ある意味で正しい『つぶやき』が並んでいた。

 

 特定の内容に関するリツイートや、活動報告といったものもない。二人のように、食事風景をアップロードするといった、自己顕示欲の一切も見せていない。

 

 ただ、稼働してから何年も経っている。その間、月単位で放置された形跡がない。ある意味で、いつ捨ててもいいアカウントとして、稼働させているという感じだった。

 

(…誰かのサブアカっぽいな…)

 

 普段は、そこまで気に留めない。ただ本当に、なんとなくだが、この『風見』という人物が気になった。

 

「祐一、どうかした?」

「いやなんでもない。それより、そろそろ食っていい?」

「いいよ。ツイート終わった」

「フフフフフ。祐一くん。実は女子と二人、同じ屋根のしたで一晩過ごしてて、今も隣にいるんです。とかいうのがバレたら、スキャンダルだねっ!」

「ん。なにかあったら、責任を取ってもらう」

「…その責任をまっ先に回避しようとしてるのが、他ならぬ俺なんですけど?」

「甲斐性のない男」

「そうだよ! ラブコメの主人公はそんなこと言わないよっ」

「なった覚えはないし、なりたくねぇよ…」

「えっ、なんで!? わたしはなりたいよ! 王道を往くラブコメの主人公に、わたしはなりたい!!」

「そらは、生まれる性別を間違えたんじゃないか…?」

「女子力《パンチ》ッ!」

「あべし。やめろください」

 

 世紀末かよ。新年号に変わって5年しか経ってないってのに。俺たち男子が恋焦がれ、求めてやまない大和撫子は、いつのまにか、絶滅してしまったようだ。

 

「とりあえず、食べよ。祐一、飲み物は牛乳でいいよね?」

「うん。サンキューな」

「ん」

 

 波々と、昨日買ってきた、紙パックの牛乳が注がれる。一旦スマホは脇にどけ、三人そろって両手を合わせた。

 

「いただきます」「いただきまーす」「頂きます」

 

 毎日、ごはんを食べられる事に感謝を。

 食卓を囲めることに、ありがとう。

 

「それでさぁ、祐一くん。今日の試合どうする? 連勝ボーナス入って、一気に1万位ぐらいまで上がったけど。最後負けちゃったよね」

「確かにな。相手のランクもかなり高かったのあるけど、ガチでチーム対策取られてたよな」 

「ん。3キャラまで禁止できる最初のバンピックで、祐一の得意なJG《ジャングラー》を、BAN(使用禁止)にして、向こうのチームは、さらにべつのJG《ジャングラー》を2人とった」

「完全に、俺を潰そうと徹底してたよなぁ」

 

 BANピックでは、敵味方のチームを含めて『同キャラ被り』も禁止されるので、結果論ではあるが、こっちのチームとしては、合計5人のJGの使用が禁止される形になった。

 

 JGは、いわゆるmobaにおける『点取り屋』のポジションだ。野球やサッカーと同じで、勝利条件を満たすには、なによりも『得点』を稼がないと、勝利に直結しない。

 

 mobaにおいて、その得点源とは『相手プレイヤーを倒すこと』だ。これを言いかえると、mobaというゲームにおいて、もっともやってはいけないことは、HPがゼロになって死んでしまうこと、だ。

 

 上級者ほど、そうした事実を理論立てて理解している。だから丁寧に、死なないように立ち回るし、攻める側は、常にリスクとリターンを天秤にかけられる。

 

「序盤はタワーも折って、いけいけ~って感じだったのにね。終盤で急にひっくり返されちゃったよね」

「上手かったよな。ゲームの中盤までは、ずっと我慢して、キャラのレベル上げ《ファーム》を徹底してたよな。こっちはレーン戦を押してたけど、相手3人ともデスしてなかったし、俺が相手のジャングル潜ると、すぐに1対2の形で妨害してきたからなぁ」

「終盤、相手のJG《ジャングラー》が育ったあと、痺れをきらした誰かが、無理にレーンプッシュしてたところを、1対2で奇襲されて倒されて、そこから崩壊した」

「…アッ、ハイ。その節はご迷惑をおかけしました…」

「いやまぁ、アレはしょうがない」

「で、ですよねっ!」

「十分防げた事故だったけど、長時間のプレイで意識もだいぶ朦朧としてたし、仕方ない。予想して然るべきミスだった」

「…えーと…遠回しに文句言われてます?」

「おう。タンク役が一人で突っ込んで、キル取られるとか、おまえなにやってんだよ。チームプレイしろよ。とか煽られてもおかしくないからな」

「祐一くん! 最近わたしに厳しくないですか!?」

「TRUE。でも時には言うのも、優しさ」

「うぅ…ごめんよぅ」

 

 はむはむ。と、ハムサンドを食べながら、しょんぼり。ほんの一瞬だけ、俺もこの顔を写真にとって、保存したいなとか思った。

 

「とにかくまぁ、そういうわけで。こっからの相手は、俺の得意なキャラを最優先でBANした上で、さらに言うと、隙あらば、そらを倒すというムーブを仕掛けてくると思う」

「え、わたしなの!?」

「弱い奴から倒す。それが勝負の世界の絶対条件」

「ふえぇ! やめてよぉ! みんな、俺より強いやつに会いにいってよぉ!」

「悪いけどな、そら。ここら辺のマッチから、だいたい対戦相手に選ばれる連中はみんな、そらにとって『俺より強いやつ』になるからな?」

「そ、そうだった…! ボコボコにされてしまう! ワンチャン、Eランクの無能が、Sランクのトップランカーを倒せるような、特殊能力に目覚めたりしませんかっ!?」

「ねぇよ。こっから先は、効率と最適解を追求し続ける連中が集まってる領域だ。相手の一手ミスを見逃さず、迅速に食らいついて、少数以下の勝率を稼ぎだす『ゲームは遊びじゃねぇ!』を素でいく鬼の住処だよ?」

「コワイ! 無慈悲っ!」

 

 そう。現実は無慈悲である。

 

「負けても折れない、なんとかしようとする人間が上にいく」

「まぁ、あかねの言う通りなんだけど。今回はもう時間的に練習する余裕がないから。今まで以上に連携を密にしよう」

「具体的には?」

「試合が中盤を超えて、長丁場になりはじめたら、そらは一旦引くこと。画面上のミニマップに、相手プレイヤーの姿が映ってなかったらレーンプッシュしないこと。装備とパラメータの振り分けも、終盤戦を意識したものでいこう」

「あのぅ、わたしの『セイバー』さんは、どうしたらよかとです? あんまり防御高くないんだよね。キャラ変える?」

「いや、そらは1キャラ優先して使った方がいい。もし『セイバー』がバンされたら、ピック先を変えるしかないけど――で、俺から提案なんだけど。あかね」

「なに?」

「そっち、タンク系のヒーロー、使えるか?」

「そこそこには。野良で合わせることあるし」

「じゃあ頼む。編成的には、タンク2、ジャングル1でいこう」

「えっ、それって大丈夫? 火力たりなくない?」

「これは『もしも』の場合の編成な。いわゆる『カウンターピック』ってやつ」

「かうんたー? 反撃するの?」

 

 そうそう。と俺はうなずいた。

 

「普段はバランスの良い編成を目指すけど。相手がハヤト対策で、JGの枠を二人分取ってくるようなことがあれば、こっちはさらに対策として、HPと守備の高いタンク系を、二人取るんだ」

「そらも言ったけど、DPS《瞬間攻撃力》の確保は?」

「その点は無理に競わなくていい。俺の提案は、持久戦に強い形にすることだから」

「でも相手が育っちゃうと、マズイんじゃない?」

「そうでもないよ。むしろ、後半戦までゲームがもつれ込むと、ジャングラーとタンクなら、タンク有利まである」

「え、そうなの?」

 

 俺はもう一度うなずいて、スマホを寄せて、攻略サイトのページを開く。そこに並ぶアイテムリストは、ゲーム中にヒーロを強化できる『装備一覧』だ。

 

「この辺を見てほしいんだけど。防御寄りの装備ってさ、特殊効果で、周囲の敵にスリップダメージを与えたり、ダメージの一部を、防御無視で反射したりする効果を持つのがあるんだ」

「あっ、ほんとだ。書いてあること、なんか強そうだねぇ」

「実際強い。攻撃する側としては、3種のスキルを使い切って、一瞬で倒しきれないと、こういう防具の特殊効果をモロに受けて、ジリ貧になって殴り負けたりするんだよ」

「あー、そういうことあるねぇ」

 

 俺の記憶でも、主にそらが、やられる側に回っていた。

 

「しかも、相手が攻撃特化の二人で、こっちがタンク二人になると、必然的に集団戦の形になりやすいんだよ」

「どうして?」

「攻撃を仕掛けても、仕掛けられた方もタフだからな。簡単にはやられないんだよ。すると、残るチームメンバーが、その場に駆け寄ってくる。つまり1戦の戦闘時間が長くなることで、他が援護に来る時間を作ってしまうってことになる。そういう状況にもつれ込んだところを、俺が叩いて、キルをもぎ取る」

 

 本当の意味で『得点力』だけが、ゲームの勝敗を決定付ける要因になるのであれば、ぶっちゃけた話、オフェンス特化の『JGが3人編成』でもいいわけだ。

 

 だが現実は、そうはいかない。何故ならこれは『バランス調整を施されたコンピューターゲーム』だからだ。

 

 一般的に『ナーフ』と呼ばれる、下方修正が入るのもそうだが、基本的には、多人数での対人戦を売り文句にしているゲームなのだから、そこには必ず、商業的に生き残れる、成功することを計算した、ゲーム製作者、制作チームの意図というものが反映される。

 

 往々にして『最適解の攻略法が一つしかない』と判断された作品は、率直に言って『底が浅い、クソゲー』などと言われて批判されるし、人も残らない。

 

 究極的にバランスの取れたゲーム環境というのは『ジャンケン』だ。完全公平な3すくみが成り立ち、それぞれに意味と役目があり【最強かつ最弱】であることだ。

 

 それが複雑になったものが、多様性。

 

 ユーザーからは『自由度』とも呼ばれるもの。自由度のある選択肢を、なるべく多くのプレイヤーが、直感的に持てること。自分の個性にあった役割が、発揮できること。

 

 そう思える環境が存在してこそ、対象の『コンピューターゲーム』は、大勢に支持される。

 

 だからこそ、大勢のプレイヤーから指示されている『LoA』では、けっして『JG3名の編成が最強』とはならないし、同じ役割を2人被せてしまった時点で、特定の編成に弱くなるように、設計されているのだ。

 

「もちろん、こっちもタンクを二人入れる時点で、逆に弱い部分が目立つようになる。特に序盤戦、火力がなくてキルが取れないのに、相手が上手く連携とると、装備が整ってないタンクがやられて、レベル差もついて、そのまま負けるパターンな」

「ふむふむ。最初が肝心っ! ってことだね」

「TRUE。相手ジャングルが二人だと、一人は開幕いきなり、こっちのジャングルまで入ってきて『荒らし』たりする」

「そう。序盤で一気に決着つけてくる感じだな。だから、相手がそういう動きを見せてきたら、タワーの守りを捨ててもいい。優先して相手のJGを追いかけて、視界確保を最優先で頼む。こっち側の経験値モンスターを狩られて、最初にレベル差つけられるのは、すげぇヤバイ」

「了解です!」

「りょ」

「それと、もしカウンターピック的な編成になったら、その試合は動画に残そう。試合終えたあと、3人で良かったところ、悪かったところを話し合って、動きを修正しながらやっていきたい。どうかな?」

「いいと思いまーす。時間ないけど、せっかく3人そろってるんだから、意見をだしあって、修正しながらやった方がいいよねっ」

「あたしも、賛成」

「じゃ、映像をキャプチャできる環境も用意しよう。昨日と同じで、視点はそらのスマホ本体でいこう」

「うん。わかった」

「ん。食べたらすぐ、始めよ」

「だな。とりあえず昼まで10戦。できれば15戦。やるからには、ぜんぶ勝つぞ」

「お~!」

「ん、負けない」

 

 一つずつ、意思を重ね合わせ、ゲームの世界に潜っていく。

 

 大事なのは、どこまで、その世界で夢中になれるかだ。そういう意味で、俺たち3人は、このチームは、世界のトップランカーと比べても見劣りしない。

 

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