VTuber もう一人のジブン ~keep your【Second Personality】~   作:no_where

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 俺たちがいるのは、赤茶けた岩山。荒野の戦闘フィールド。

 

 平日、水曜の夜9時。

 

 現実の体は、配信用に改装した学習机の前に座る。目元には、昨年の秋、日本で先行発売された、新型のVRグラス――『ホロビジョン』を掛けている。

 

「二人とも、ストップ。そこの岩陰、敵チームが潜んでる」

「え、そうなの?」

 

 対象の岩陰に『視点』を合わせ、【注目《Search》】。左手の小型キーボードを操作。シグナル一覧から【危険《watch out!!》】を選択して、張り付けた。

 

 両手の前には、VRゲーム用に特化された、PCのキーボード。マウスはない。FPSやTPSといったジャンルでは、通常の操作や、視点の変更といったものは、マウスで行うのが常だった。

 

「向こうは、たぶんまだ、こっちには気づいてないな」

 

 それが、2025年に新発売された『VRデバイス』によって、ジャイロ操作ならぬ、『視点』での操作による代替えが効くようなった。

 

 従来のゲームシステム上。割り当て必須だった、キー配置が不要になったわけだ。

 

 開発者も、俺たちゲーマーも、従来の『ゲームの常識性』から解放されつつあった。今年以降は、より細かな、複雑性のあるアクションが行えるようになるかもしれないって考えている。

 

「ハヤト君、なんであそこに隠れてるってわかったの?」

「逃走経路からみて、こっちから視覚外になるポイントって、あそこの一角しかないからな」

「もっと先に逃げたんじゃないの?」

「FALSE。この高台からだと、先の周囲まで見渡せる。ここからなら、逃走中の3人組が映るはず」

 

 ゲームのソフトウェアから、ダウンロードされたホログラムイメージ。向こうの岩陰からも死角になる、洞窟の曲がり角に、身を隠す俺たち。

 

「こっちから詰めちゃう?」

「そうだな。先手取った方が有利なのは、間違いない」

 

 すぐ側には、黒い三角耳を生やした女子と、白い髪をなびかせた女子が映る。二人とも、近未来の『サイバーパンク』とか呼ばれてた世界観の衣装をまとってる。対してその両手には、現代でも用いられている無骨な銃を握る。

 

 アサルトライフル、ライトマシンガン。

 

 ゲーム内での、アイテムとしての名称。

 スピットファイア《Spitfire》、スカー《FN SCAR》。

 

「ダメージもけっこう入ってたしな。メディカル使って回復中だろ」

「じゃ、はやく攻めなきゃ~」

「いや、今回は搦め手でいこうぜ」

 

 右手。数字とファンクションのみが分離されたキーボードを操作する。アイテムストックから手早く、スモークグレネードを選択する。ここに来るまでに入手していた、熱源感知ゴーグルを付ける。

 

「目くらまし?」

「そゆこと」

 

 ホログラム画面の左下、表示されたパーティメンバー、三人のライフ、残弾、MPが最大なのを確認してから、ショートカットの配列も入れ替えた。

 

「あぶりだしたところを、先手取って倒す。クロ、今回のジョブ『メイジ』だから、レベル3の崩落魔法使えたよな?」

「TRUE」

 

 三角形の耳を、ピコピコさせながら、どこかけだるげな表情でうなずく。

 

「スイも水魔法使えるよな」

「できるよ。けど、わたしマークスマンだから、ダメージほとんど入らないよ?」

「いいよ。攪乱させることが大事だから。相手がデコイに攻撃始めたら、遠慮なく銃弾をブチ込んでやってください」

「心得たぁ! 全力でトリガーハッピーするっ!!」

 

 パワー系女子が、嬉しそうな声で宣言なさる。ホロビジョンに無線認識させたインカムの向こう側では、同じ高校のクラスメイトが1名、間違いなく、嬉々とした表情で笑っていらっしゃる。

 

「んん、ぶち殺すぜぇ…!」

 

 もう一方のご令嬢も、低い声で平然と言い放つ。できれば今すぐ、現実の男子共に問いかけたい。キミらの言う『可憐で清楚な優等生』って、どこにいるの?

 

「いくぞ。カウント3」

「にっ!」

「1」

 

 

 GO!

 

 

 飛びだす。コマンドを実行。

 

 

 【magic code Execution Type_WIND】

 

 

 戦闘前のブリーフィングで設定した、『風属性の魔法』を詠唱。

 

 

 【Enchant Level_1】

 

 

 属性を付与。

 

 操作するキャラクタの足下に、碧色の魔法陣を生成。

 キーボードを操作。割り振ったジャンプボタンを押す。

 

 

 【Extend_Action!!】

 

 

 MP《マナポイント》の1割と引き換えに、再跳躍。

 

 いわゆる『二段ジャンプ』。

 彼方への距離を一気に詰めるべく、なにもない空を踏みつける。

 

 高速度の滑空。

 見るべき視点を移動しつつ、クイックキーを操作。飛翔しながら上半身の向きを入れ替えて、そちらに向き直る。

 

「ッ!」

 

 物陰から、半身だけを晒していた相手プレイヤーが反応。でかいチェーンガンを吊り下げた大男だ。向こうも、リアルで連携を取っていたら「敵だ!」とか叫んでいたかもしれない。

 

 跳び去りながら、攻撃用のキー操作と、視点移動を同時に行う。

 

「サプライズ、好きだろ?」

 

 手にしたスモークグレネートを投擲。放物線を描き、後ろの岩壁に当たって跳ね返る。相手チームが隠れているはずの一帯から、白い煙が巻きあがった。間髪遅れて、着地する。

 

「さぁ、パーティの始まりだ! 一人も逃がすなよ!!」

「とーぜん!」

「敵影発見。詰めて、スイ」

「お任せっ! おらおらおらっ!!」

 

 

 『ガガガガガガガガガガガッ!!!!!』

 

 

 連射音。スピットファイアの火線が唸りをあげる。相手もあわてて反撃するが、白煙に紛れていて、あらん方角に乱射した。反対側のこっちにまで弾丸が飛んでくる始末だ。

 

「詠唱完了。スイ、下がって」

「了解っ!」

 

 

 【magic code Execution Type_EARTH】

 【Shoot Level_3】【OverBreak!!】

 

 

 レベル3の土魔法が発動する。

 轟音。相手チームが隠れた、頭上の落盤が崩壊する。

 

「んん…生き埋めになるか、ハチの巣になるか、選ばせてやるぜ…」

「惚れるー! じゃあ、これもオマケしちゃうよー!」

 

 

 【magic code Execution Type_WATER】

 【Shoot Level_1】【Extend_Generator!!】

 

 

 極めつけ。直接的なダメージは入らないものの、人体を押し流すほどの水柱が放たれる。煙幕に混ざり、足を止められた相手は、必然的に上からの落盤を受けることになった。

 

 

 【Shield Break!!】

 

 

「右のやつ、シールド割れた! ライフミリだよ! low、low!!」

「了解。リロードしたら少し下がって、こっちが入れ替わりで撃つ」

「オッケー。ライフトレード勝てそうだし、このまま距離詰めるよっ!」

 

 さらなる銃音。サイドから囲み、体制が崩れた相手を十字放射の形で追い詰める。跳弾。空薬莢が跳びはねる。

 

 約二年間。様々な対戦ゲームのランカーマッチ域で、鍛えぬかれたソルジャー女子。互いを絶妙な位置でカバー。猟犬のごとく敵を追い詰める。

 

 反対側。俺も戦闘モードに切り替える。

 

 

 【OpenMode.Executor】

 

 

 フレンドリーファイアを避けるための、二丁拳銃の安全装置を解除。

 両手に構えて、最前線に突撃。

 

 ゲームオリジナル仕様の、ハンドガン。

 武器の名称は『ブレイクショット《Breakers》』。

 

 カラスの羽を模した、黒いデカールシール。

 銃口の下に、マズルスパイクの付いた、やや特殊な形状の拳銃だ。近接戦闘も可能だが、扱いには、一癖も二癖もあって愛好者は多くない。

 

 ゲーム稼働初期。全員が手探りで最適解を求めていた頃、即座に「これだ!」と直感して以来の相棒だ。しかし当時の攻略サイトには、概ね『C-』のクソ評価を受けていた。「え? マジ?」と、かなり微妙な気持ちになったのを覚えてる。

 

 まぁ、それはともかく、

 

「来たな」

 

 空を跳んでいた際に、視認した大男を確認する。こっちも赤外線ゴーグルを外して、白煙から出てきたところを待ち受ける。

 

「悪いが、この先は通行止めだ」

 

 先手必勝。二丁拳銃を構え、飛びだしてきた人影を狙い打つ。

 

 

 【HIT!!】

 【DAMAGE COUNT 8, 15,21,39,46,50!!】

 

 

 攻撃が命中。与えたダメージ量としての数字が表示される。

 

「……っ!」

 

 両手で持つ格好の、電動機関砲《チェーンガン》をぶら下げた大男が、全身に銃口の火花を浴びながらも、こちらを睨んだ。

 

 反撃体制。ゲームシステム上の『怯み《ノックバック》』が、発生しない。

 

「かってぇな。物防特化か」

 

 想定の半分以下の数字を視やりつつ、攻撃を継続する。大男の持つチェーンガンの砲身が回転する音、低い唸り声が聞こえる。それでもダメージレースには勝てるだろうと、攻撃を継続。だが、

 

 

 【magic code Execution Type_EARTH】

 【Construction Level_2】【Extend_Generator!!】

 

 

 赤茶けた色の魔法陣が生成。

 土属性の魔法が発動した際の発光色が見えた。

 

 ゲームユーザーからは、『建築』と揶揄される防御魔法。

 地面の『土』をリソースに、即席の壁が立ちふさがる。

 

 

 【RESIST!!】

 【NO_DAMAGE!!】

 

 

 銃弾が阻まれる。音声通信を介して、情報を共有。

 

「敵タンク。物理特化の上に、土属性だ。岩ブロックを生成して壁にしてる。ちょっとマズイな、タイマンだと相性が悪そうだ」

「オッケー! こっちはクロちゃんと二人で、なんとかする~!」

「ん。こっちの敵は、火属性のガンナーと水属性のメイジ」 

「この編成だと、水はヒーラータイプだな。できればそいつから落としてくれ。大男のヘイトは俺が稼いどく」

「了解。でもハヤト君」

「なんだ?」

「そいつも、わたしが倒してしまっても、構わんのだろう?」

 

 言ってくれるぜ。思った時、『土壁』の一部だけが、綺麗にくり抜かれた。その向こう側には、チェーンガンの銃口部分が覗く。

 

「やべっ」

 

 

 『!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

 

 反撃が来た。

 一帯の空気、すべてを燃焼させ、爆発させたかのような乱射。

 

「紙装甲に、偏差角度の広い銃撃はキツいんだよな」

 

 走りながら火線を避けるが、相手の弾丸が『散らばる』性質のせいで、ダメージ判定が入る。

 

 

 【HIT!!】

 【DAMAGE COUNT 32,56,81!!】

 

 

 しかも、さすがの重兵器だ。一撃がいってぇ。

 普通にやりあったら、余裕で、撃ち負ける。

 

「うら!」

 

 とにかく射線から逃れるように、横方向に走り続ける。側面に周り込んで撃ち込んでやろうと考えるも、相手も予想していたらしい。

 

 

 【magic code Execution Type_EARTH】

 【Construction Level_2】【Extend_Generator!!】

 

 

 しっかり新手の『土壁』を生成して、銃口も移動させる。その場に佇んで、90度だけ視点を動かす方法で、小回りの利かないチェーンガンの欠点をカバーする。弾道が追いかけてくる。

 

 

 『!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

 

 自身の耐久力を生かした『芋対応』だが、耐久力が低めの『溶けやすい』風属性には、思いっきりブッ刺さっている。手強い。かなり慣れたプレイヤーだ。

 

「ハヤト、もしかして苦戦してるの?」

「おう。ぶっちゃけ手詰まり感あるな!」

「了解だよ。死んだら蘇生する。安心してヘイト稼いでろ」

「頼もしいなぁ!」

 

 パワー系ご令嬢の優しさが、身に染みる。

 

 煙幕が少し晴れる。岩雪崩と水泡。計六名の銃撃と魔法が入りまじる。画面の情報量は最高潮だ。それでも思考の隙間には余裕がある。「今回は中々、配信映えするだろうな」とか思う。

 

「跳ぶか」

 

 ショートカットキーを操作。

 

【magic code Execution Type_WIND】

【Enchant Level_1】【Extend_Action!!】

 

 

 属性付与《チャント》。跳躍《ホップ》。再跳躍《ステップ》。

 MPが全体の2割を消失。

 

 

『!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

 

 それでも火線に追いつかれる。止まない銃弾の雨。

 固定砲台よろしく、相手はチェーンガンをブッパし続ける。銃口回りだけを覆っていない、簡易的なトーチカに対して、どう対応するか。

 

「頭上に注意、だ」

 

 跳躍前の場所を過ぎ去っていく。鉛弾の大嵐。落ちれば蜂の巣が確定。

 さらに魔法を詠唱する。

 

 

【magic code Execution Type_WIND】

【Enchant Level_2】【Extend_Action!!】

 

 

 高速跳躍《ラッシュ》。

 残るすべてのMPと引き換えに、空中での稼働時間を継続させる。

 

「さぁ、行こうか。眼にも留まらぬ速さでな!!」

 

 風の加護を得て、空を奔る。

 

 足下から広がる翡翠色の輝きが、なにも無い空中に、質量を持った足場を造りだす。前方に向かって疾走する。

 

 現verの一般的な評価では、ガンナーと風属性は弱い。DPSが低くなりがちで他属性に撃ち負ける。とか言われてるわけだが。

 

「使い方次第だ」

 

 空中最後の足場で、二丁拳銃のマガジンを交換。リロード。

 

「酔うなよ。諸君」

 

 視点操作。自分の眼下を【注目】するように、仕向ける。

 

 視点が180度移動。

 

 態勢としては、空中で逆さまになった格好。そのまま前宙しつつ、密度が薄くなりはじめた白煙の手前。大男の頭がある場所に、照準《レティクルサイト》を合わせたまま、攻撃キーを押し続ける。

 

 

 【HIT!!】

 【Head shot!!】

 【DAMAGE COUNT 59,67,79,85,99,102!!】

 【SHIELD BREAK!!】

 

 

 昔の貴婦人はおっしゃった。

 正面から勝てなければ、相手の真上を取ればいいじゃない。

 

「『盾』を破壊」

 

 真上から、大男の頭頂部のみに銃弾をブチ込み、システム上のダメージ倍率で、エネルギーシールドの破壊に成功。

 

 そのまま前方に一回転する格好で着地。即座に視点を反転させる。

 

 同時にチェーンガンの音が尽きる。弾切れだ。

 

 相手は下手をすると、なにが起きたのか、把握してないだろう。どういうわけかシールドが一気に削れた。とか思っているかもしれない。

 

「悪いな、スイ」

 

 背後から一気に接近する格好で肉薄。正面と左右を『土壁』で覆っているために、相手は逃げ場がない。おまけにチェーンガンのリロード時間は、全武器の中でもっとも長い。どうやって対応すべきか、当然、判断に迷う。

 

「コイツのキルは、もらってく」

 

 近接行動キーをクリック。二丁拳銃の砲身部が変化。銃全体が突起状態の形状と化す。打ち込む杭のように、剥きだしになったマズルスパイク。

 

 超小型のパイルバンカースタイル。ロマン武器っていいよな。

 

「うらぁっ!」

 

 思わず声にだしながら、左右のストレートを繰りだすようにして、超至近距離から攻撃する。背中と脇に、超振動の鉄槌を撃ち込んだ。

 

 

 【CRITICAL HIT!!】

 【DAMAGE COUNT 258!! 519!!】

 【DOWN!!】

 

 

 背後からのダメージ倍率で、ライフを10割持っていく。

 それでも【死亡】には至っておらず、ゲームシステム上では【戦闘不可】という扱いで、蘇生が可能だ。

 

「んじゃ、またどこかでな」

 

 演者の声を意識して、武器の形状を銃に戻し、トドメを刺した。

 

 

 【Enemy Player has been Defeated !!】

 

 

 キル数が1増える。敵の身体が消失。所持していたアイテムをその場にドロップして消えた。徐々に煙幕も晴れていった時、同じログが二度流れた。

 

「やったー! ダブルキルだーっ!」

 

 視点の先。敵プレイヤーを二名倒して、その場で、ぴょんぴょん跳ねる、パワー系女子がいた。煽りかな?

 

「みんな見た? 見たよね~。これがわたしの実力なんだよなぁ!」

 

 どや顔する、ヴァーチャルのキャラクタを見送りつつ、一応、周辺を警戒する。勝ち抜きのサバイバルゲームなので、ここで『漁夫』られると厄介だが、幸い、視認できる範囲に、敵チームの影はなさそうだ。

 

「敵影なし」

 

 

 【openmode.Lives】

 

 

 戦闘モードを解除。ホロビジョンで映る光景の一部に、共有された視聴者のコメント、投げ銭とも言われるスーパーチャットのログが流れていく。

 

 

:なんださっきの。宙返りして攻撃とか、あんな事できるんか。

:俺のやってるGMと違う。

:二丁拳銃、見た目だけとか言われるのに、普通に勝つのがすごい。

:酔いました。責任とって結婚してください。

:ハヤト、魅せプやめて。風二丁のnoobがまた増えるからさぁ。

:お前がキャリーしたらええんやで。

 

 

 流れるコメント群は、昨年、VRデバイスの発表と同時期に新設された、新規のプラットフォームを介している。

 

 

 正式名称

 『サウザンド・エピックス』

 

 

 日本のゲーム企業および、VTuberと呼ばれる演者を配信する企業。それら両面からの協力によって完成した、ゲーム配信、観戦に特化した共有プラットフォームだ。

 

 市販のコンシューマ、ネットゲーム、インディーズといった開発ジャンル留まらず、最新のゲームタイトルが集まってくる。

 

 また対戦ゲームでは、同一のクラウドサーバーを解することで、視聴者はプレイ中のゲーマー視点をリアルタイムに切り替え、共有することが可能だった。

 

 そして、そのプラットフォームの特徴を利用して。

 2026年の今年、大手ゲーム企業が開発した、VR対応タイトルが、

 

 

 『GUN & MAGIC』

 

 

:いいなぁ。俺も『ビジョン』欲しいわ。

:未だにどこも絶賛売り切れ中だからなー。

:PC単体でも、GMできるけど、もはや必須ですわ。

 

 

 『銃と魔法』

 

 

 日本では今一つ流行しない、FPS、TPS。

 銃撃戦をモチーフとした対戦ゲームに、RPG《ロールプレイングゲーム》と融和性の高い『MP《マナ》』と『四属性の魔法』といった設定を取り込んだ。

 

 火は直接的な攻撃。

 水は妨害と回復。

 土は防御。

 風は移動に関したバフ関連。

 

 これに各銃の特製を組み合わせ、さらには3vs3のチーム戦、勝ち残りのバトルロワイヤルにすることで、日本人も好みやすい『ファンタジー感のあるパーティ』が組める。

 

 またゲームキャラクタ、自らが操作する外見に関しては、【セカンド】を開発した、ネクストクエストが関わっている。

 

 【セカンド】の3Dモデリングを、ゲームデータにコンバートする。modに近い特性を利用することで、VTuberとして活動する、もう一人のジブンを、唯一無二の操作キャラクタとして扱える。

 

 

SYSTEM:

 稼働フィールドが縮小を開始するまで、あと2分です。

 2分後、ダメージエリアが拡大します。

 

 

 ゲームのナビ音声が流れる。スイが銃をあげるエモーションを取って、

 

「よぉーし! 次いこうぜー!」

 

 元気よく言う。その頭部めがけて、パァンと、銃弾が命中した。

 ライフゲージが1割、減少する。

 

「きゃ!? ちょ、なに! 痛いんですけど!?」

「わたしの獲物、取った罰…」

「クロちゃん! だからって撃たないでよ! このゲーム、フレンドリーファイアのダメージしっかり入るんだからね!?」

「うるさい。ラスショだけ持ってく、ハイエナ女め」

 

 パァン、パァン。

 

 さらに二発。素でヘッドショットが決まる。味方へのダメージは補正が掛かるので軽減されるが、それでも2割ぐらい、ごそっと減った。

 

「なにすんのー! 死ぬでしょー! やんのかコラー!?」

「いいぜ、かかってこいよ」

「上等だー!」

 

 ババババババババ!! パァンパァンパァンパァン!!

 

 なぜか、味方同士で打ち合いが始まった。

 流れるコメントも、いっせいに『草』が生えている。

 

「はいはい。次いくぞー。遅れてエリア外で死んでも知らんからな」

 

 俺も素で返してしまう。リアル、ゲーム、共々に。大体いつものやりとりなので、二人がケンカを始める横目で、無視してアイテムを漁る俺。

 

「おらおらおら!!」

「死ね死ね」

 

 バババババ。バシュッ。ヒット。ダメージ。

 チュンチュンチューン。バシュッ、ヒット、ダメージ。

 

 HPが二割ほど減少した。俺の。

 

「やめてくれません!? 流れ弾やら跳弾やら、いろいろ当たって痛いんで!」

 

 二次災害やめてください。

 真の敵は味方に在るのかもしれないとか思う、今日この頃だった。

 

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