剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ   作:炎の剣製

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更新します。

※この小説はあらすじにも書いてありますが、自己満足で書いていただけのもので、それ以上でもそれ以下でもありません。
キャラのセリフが少し説明文ぽいのは、未熟なものだと察してください。


017話 新学期、対真祖編(04) ネギとアスナの奇襲

Side カモミール・アルベール

 

 

士郎の旦那とエヴァンジェリンが戯れている間に俺っちは兄貴に話しかけることにした。今が好機と見ていいからな。

 

(なぁなぁネギの兄貴、奴がほんとうに今回の事件の犯人の吸血鬼の真祖なんですかい?)

(え、うん。そうみたい……でもなんか士郎さんは真祖だと知っていたのに臆せずに話しかけているみたい。さっきなんて略称でエヴァンジェリンさんのことを呼んでいたし)

(はぁー……すごいっすね、士郎の旦那。しかしエヴァンジェリンがひるんでいるうちの今がチャンスっす)

(チャンス?)

(ああ、アスナの姐さんを連れて人目のないところにいこうぜ?)

 

それからなんとかアスナの姐さんを人目のないところに連れてくることに成功したので俺っちは考えを話すことにした。

 

「用って、何?」

「さあ?」

「さて! それじゃぱぱっと説明するぜ! 今の奴は力が弱まっていて今は従者の茶々丸に頼るしかない。そこでネギの兄貴とアスナの姐さんがサクッと仮契約を交わしてどちらか一方を倒してしまえばいいって寸法だ」

「ええ!?」

「仮契約ってあのキスをする奴!?」

「ああ。アスナの姐さんは筋がよさそうなんでいいパートナーになりやすぜ?」

 

やっぱそう簡単に承諾してくんねぇ事はわかっていたぜ。だが!俺っちを甘く見ちゃいかねぇよ?

その後、あの手この手の話をしてようやく決心がついたのか仮契約に成功した……のはいいんすけど、おでこじゃ正式な契約にならないっすよ?

でも、構わないっす! これで奴らに一泡吹かせることができるぜ!

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

Side ネギ・スプリングフィールド

 

 

アスナさんととりあえず仮契約を交わしてからその後、エヴァンジェリンさんと行動していた茶々丸さんが一人になるのを待っているんですが、

いくら状況を有利にするためとはいえなんかいやだなぁ……。

アスナさんも「なんか辻斬りみたいでイヤね」と言っていましたし、

 

「そんなこと言ったってあきらかに奴が一人になったほうがこっちは二人で優勢なんだから一気にぼこっちゃったほうがいいぜ?」

「うう、でも……」

「やっぱりクラスメイトだしねぇ……」

「こっちは命を狙われてるんすよ? なら……あ! 茶々丸って奴が一人になったぜ! チャンスじゃねぇか!?」

「でもでも! まだ人目が目立つからもうちょっと待って!」

 

うう、やっぱり気が進まないよぉ。でもカモ君の言う通りなのは確かだし。もう少しやってみよう。

それで僕とアスナさん、カモ君は茶々丸さんを追ったんですが、茶々丸さんは風船が木に引っかかってしまって泣いている少女のためにいきなり飛んで取ってあげてました。

 

「……今思ったんですけど茶々丸さんって一体どんな人なんですか?」

「さ、さあ? あまり話さないから知らない……」

「イヤ、ロボだろ? やっぱり日本は進んでいるな。普通にロボが学校通っているんだから」

「ええ!? 茶々丸さんて人間じゃなくてロボットだったの!?」

「えええええ!?」

「いや、どこからどうみてもロボットだろ!?」

 

それからいろいろ口論をした後、落ち着いて尾行を再会しましたが茶々丸さんってロボットだったんだぁ。

そしてついていくこと数分して階段を登っているおばあさんをおんぶして助けていたり、どぶ川で箱に入れられて流されている子猫を助けたりしていて、

 

「メチャクチャいい人じゃない!? なんか町の人気者みたいだし!」

「えらい!」

「いや、だがな……!」

 

そしてカモ君のいった人通りのない場所までいってなにをするのかなと思っていたら、突然、まわりから子猫や鳥達が集まってきて茶々丸さんは餌をあげていました。それはとても癒しの空間のように感じました。

 

「……いい人だ」

 

僕とアスナさんは感動してほろ苦い涙を流してしまいました。

 

「ちょっと待ってくれ! 兄貴は命を狙われているんでしょ!? 人目が着かない場所でちょうどいいっすからやっちまいやしょう!」

 

確かにそうだけど……まだ迷いが消えない。ほんとうにこれでいいだろうか?

でも、今迷っちゃって被害を出すのもイヤですから……覚悟を決めなくちゃ。

そして僕とアスナさんは茶々丸さんの前へと姿を現した。

茶々丸さんもこちらに気づいたようで、

 

「こんにちは、ネギ先生、神楽坂さん……油断しましたが、お相手します」

「戦う前に、僕を狙うことはやめてもらうことはできませんか?」

「それは駄目です。マスターの命令は絶対ですので、申し訳ございません」

「そうですか。仕方ないです、アスナさん……」

「うん、ごめんね……」

「パートナーを神楽坂さんに選びましたか。いいパートナーですね、ですが負けるわけにはいきません」

 

茶々丸さんは戦闘体制に入ったので僕も、

 

「契約執行!10秒間!ネギの従者『神楽坂明日菜』!!」

 

僕が唱えた瞬間にアスナさんが予定通りに茶々丸さんに向かって走っていきガードをはじいてデコピンを決めていました。

すごい! いつも以上にアスナさんが機敏になっている!

 

「兄貴、いまだ!」

「う、うん!ラス・テル・マスキル・マギステル……光の精霊11柱。集い来たりて敵を射て……ッ!」

「兄貴!手をこまねいていたら反撃受けちまう!今のうちに!」

「うう!『魔法の射手・(サギタ・マギカ・)連弾・(セリエス・)光の11矢(ルーキス)』!!」

 

僕はカモ君の一声で魔法を放った。だけど茶々丸さんは、

 

「すいません、マスター……もし私が動かなくなったら代わりにネコ達にエサを……」

「! やっぱり駄目―!! 戻ってきて―――!!」

 

そして僕の言うとおりに魔法の射手(サギタ・マギカ)は戻ってきましたけど思ったより威力が高かったので受けたら僕でも……でも、茶々丸さんが傷つくよりは……

そんなことを矢が迫ってきている中考えていると突然目の前に巨大な岩のような剣が降ってきました。

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

Side 衛宮士郎

 

 

なにやら胸騒ぎがしたので俺は急いでネギ君を探していると近くで戦闘が行われているらしくいつもより多大な魔力反応がしたのでそこに急行したら、そこではネギ君とアスナ、そして茶々丸が戦闘を行っていた。

っ! あれほど戦うときは相談しろといっておいたのに! 俺はネギ君が魔法を放った瞬間、あの魔力量では茶々丸の体が壊れてしまうと判断しすべて打ち抜こうとしたが、ネギ君は突然魔法を反転させて自分のほうに仕向けた。

やはり。

ネギ君はこんなことをする子ではないと判断し安堵して、即座にこの状況を作り出した元凶を後でのめす方針で、手早く心象世界から彼の大英雄ヘラクレスが使っていた斧剣を投影してネギ君の前に落とした。

そして魔法の矢はすべて斧剣の前にぶつかり消滅した。

少し驚いていたがどうやら茶々丸も撤退したようだ。

 

「な、な……なんだこりゃ?」

「ネギ大丈夫!?」

「は、はい。無事です……」

「それならよかった」

 

三人が呆気に取られている中、俺は後ろに立って話しかけた。

 

「し、士郎さん!?」

「え!? じゃこのゴツゴツした巨大な剣は士郎さんが!」

「ああ。投影、解除(トレース・カット)……」

 

俺は即座に無銘・斧剣を消して無言でネギ君の頭に手を伸ばした。

 

「ご、ごめんなさッ……!」

「無事でよかった……」

「え……?」

「もう少し遅ければネギ君は自分の魔法を受けることになった。最初戦闘を見たときは正直落胆したんだ。まさかこんな手を使うとは思っていなかったのでな。だが、ネギ君はやっぱりこんなことはいけないことと判断して魔法の矢を反転させたのだろう?」

「……はい、やっぱりどんなことがあっても僕の生徒ですから」

「その答えが聞ければ十分だ。大丈夫、ネギ君はまだ道は誤っていない。……それで、だ。まだネギ君の決心がついていなかったというのに茶々丸にネギ君とアスナを嗾けたのはどこのどいつかね?」

「それはこのエロカモ、って……あれ? いないわ」

「逃がすと思うか? 投影開始(トレース・オン)!」

 

俺はすかさず逃げようとしていたカモミールの四方八方に黒鍵を打ち込み逃げ場を封じた。

 

「ひぃ!? お助け!」

「やはり貴様か、カモミール?」

 

それからカモミールをこっぴどくしかった。だが懲りていないようで、

 

 

「そ、それより士郎の旦那?さっきのごつい剣といい今の魔法といいなんて魔法なんだ? さすがの俺っちでもわからなかったぜ! アーティファクトでもないし……」

「ふう……使ってしまったからには仕方がないか。先ほどの魔術は投影といってものの複製を作り出す能力だ」

「複製……?」

「そうだ。聞くより見たほうが早いな。投影開始(トレース・オン)

 

すぐにネギ君の持っている杖を投影した。だが、なんだこれは? 一見ただの杖なのに魔法の力がすごく込められている。

そういえば、この杖はもとの担い手であるサウザンドマスターからもらったものといっていたな?

遠坂の家にあったあのキチガイステッキとは比べるのもおごがましい程に素晴らしい魔法の杖だな。

 

「すごい! 士郎さんてこんなことができたんですか!」

「ああ。もともと俺はこれしか能がないからな」

「え? でも他にも前に音響阻害の魔法も使っていましたよね?」

「それもだが投影も俺の唯一使えるものの副産物に過ぎない」

「副産物ですか? あ! それよりこれっていつまで形を保っているんですか?」

「やはり聞いてくるか。まあ驚かないで聞いてくれると助かる。一度投影したものは先ほどのように自分で消すか壊れるまで半永久的にずっと残っている」

「それはさすがにありえねぇっすよ!」

 

すかさずカモミールが突っ込んできた。魔法に詳しい奴なのだから当然の反応か。

 

「そうなの、ネギ?」

「ええ。これも魔力で作られたならすぐにただの魔力に戻ってしまうはずですから」

「確かに普通ならそうだ。だから俺が使う投影は異端なんだよ」

「異端……」

 

三人はそれを聞いて俯いていた。だからあまり教えたくなかったんだが。しかたがない……。

 

「さあ、それよりもうすぐ暗くなるから帰るとしよう」

 

この重たい空気を吹き飛ばすことにした。

 

 




原作でも自分に反転させていましたが、どの程度の威力があるんですかね?

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