剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ   作:炎の剣製

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025話 修学旅行編 2日目(02) ラブラブキッス大作戦

 

 

さて、客観的に見て言わせてもらおう。なにがあった?

月詠とわかれた後に皆のいる場所に戻ってみればなぜかネギ君は38度の熱を出して倒れてしまったと聞く。

綾瀬がいうには知恵熱でぶっ倒れたというが、はてさてなにがあったのか。

その後に旅館に戻ってみればみたで目を覚ましたネギ君はロビーで顔を赤くしながらなにか考え事に耽っており時折意味不明な言動や行動をとっていた。

その奇怪な行動に生徒達もさすがに心配になったらしく雪広を中心としたグループになにがあったのか聞かれて、

 

「いや、あの別に何も! 誰も僕に告ッたりなんか…!」

 

その一言が発端となり騒ぎが生じてネギ君は意味不明な言葉を並べながらも一緒にいたカモミールとともにどこかに走り去ってしまった。

そこで影から見守っていたアスナと刹那に話を聞いてみた。

 

「アスナ。それに刹那」

「あ、士郎さん」

 

二人はなにか集中していたのか俺の言葉にやっと気づいてくれたようだった。本当になにがあった?

 

「二人ともネギ君がああなった理由は知っているか? 俺は直接現場にはいなかったのでよく状況を把握しきれていないのだが…」

「あー……えっとね。これって士郎さんに話しても大丈夫かな、刹那さん?」

「士郎さんなら大丈夫でしょう。他言はしないと信じていますから」

 

なにか刹那にはずいぶんと信頼されているな、俺? まぁ別に悪い気はしないが。

 

「やはりなにか知っているのか」

「はい。それなんですがね……」

 

 

 

それから二人に俺がいない間にネギ君が宮崎に告白されたことを聞いてなるほどと相槌をうった。

するとあまり驚いていない俺を二人は、

 

「え! 士郎さん、何その落ち着きよう!?」

「もしかして宮崎さんの気持ちを知っていたのですか?」

「いや? 奈良公園で早乙女と綾瀬に無理やり連れてかれた後に事情を聞いてみたら宮崎が勇気を出すとか事前に聞いていたからな」

 

 

「―――なるほどねぇ~。それでネギったら頭パンクしちゃったのね」

「そのようだな、姉さん」

「………」

「………」

 

一瞬、沈黙。

 

「「わ!?」」

 

二人は遅れて姉さんがひょっこりと現れたことに驚いた。

と、いうよりアスナはともかく刹那はてっきり気づいていたと思ったのだが。

 

「い、イリヤさん……驚かさないでよ」

「いつからいらしたんですか…?」

「ついさっきよ。それよりシロウ。ちょっといい?」

「なんだ、姉さん?」

「さっき一度みんなとはわかれたって言っていたけど何処にいっていたのよ? レイラインにも反応してしてくれないから心配したのよ?」

「あ……そういえばそうですね。てっきり近くにいるものかと思っていましたが……」

「ああ……そのことか。まぁ、別に話しても構わないだろう。実は昨日の敵陣にいた月詠にずっと見られていたのでしかたなく人気がない場所まで移動して会っていたのだ」

「「「なっ!?」」」

 

直後三人はすごい驚いた顔をしてすぐになにがあったのか問いただしてきた。

 

「ふぅ……なに、戦闘事はしていないから安心しろ。あちらも今日は動かないと言われたからな。だがネギ君とは別の意味で告白まがいなことを言われたな」

 

俺は一回ため息をついた後、三人に月詠はとんだ戦闘狂だということを伝えた。

 

「殺し愛、って…その月詠? って奴どうかしているんじゃないの?」

「適切な回答をありがとう、アスナ。だがこちら()の世界ではさして珍しいことではないのだよ?」

「と、いいますと?」

「なに、ただ仕事をするだけじゃ高ぶる気持ちを抑えられない者もいるということだ。

例えばより強い奴と戦いたいという欲求は裏の者でなくとも誰しもが持っているだろう。健全的に言えばスポーツがいい例だ。

そしてそれは戦場でも通じることだ。月詠はその欲求のリミッターが少し、いやかなりはずれているかもしれないな。

だから明日もし仕掛けてくるようなら適当にあしらって避けられない戦闘以外は引いた方が身の為だぞ? あの手の類は目をつけられるとどこまでも追ってくるからな。

特に刹那。お前は俺の次に目をつけられているから注意しておけ。奴は……正直言ってしまえば俺は相手したくない」

「あら? シロウにしては弱気な発言ね。別にシロウなら倒せるでしょう?」

「手をつくせばな。だが今日あいつと会って確信した。あいつはフィナと同じ属性だ。だから俺は刹那が心配でならない」

「え゛? フィナって、もしかしてあのフィナ……?」

 

その名が出た途端、姉さんも顔を顰めた。

 

「あの、士郎さん? フィナって誰……? イリヤさんもなにか嫌なものを思い出したような顔になってるんだけど」

 

意外に話しについていけていたのかアスナも会話に参加してきていたがそこでようやく疑問点を上げてきた。

 

「ああ。麻帆良の地に来る前にエヴァとは種族は違うが戦った吸血鬼なんだが……」

「「吸血鬼……!?」」

「私が言うわね。フィナって奴ね……同性の、しかも美少年の血しか吸わないとかいう変態なのよ。それがどこで気に入られたのかシロウを追いかけてきてね。あのときのシロウはもうそれは全力で逃げたわ」

「あれはすさまじい恐怖だった。一度本気で撃退してやったが今でも思い出すと鳥肌が立つ……」

「うわぁ……それは確かに。……え! それじゃもしかして月詠って奴、刹那さんのこと……」

「……それ以上は言わないでください、アスナさん。私も鳥肌が立ってきましたから……」

 

刹那は目を点にして顔を青くして俯いている。まぁ心情は推して知るべしだな。

そんな話をしていたところ、お風呂場の方からネギ君の泣き叫ぶ悲鳴が聞こえてきた。

 

「…なんだ? この時間だと教師専用時間だから問題はないと思うのだが」

「ねぇシロウ、悠長にしているけどいいの? なぜかネギの魔力が暴走しているみたいよ?」

「いや、なぜかな? もうこれは慣れと言ってもいいな。俺の勘では殺生事ではなく愉快な厄介事を引き起こした方が高いと本能が告げている」

「あ、それなんとなくわかるかも。またなにをやらかしたのかしらネギの奴?」

「とりあえず現場に向かってみましょうか」

 

……で、現場に駆けつけてみれば案の定。俺は男性のため一緒に行かなかったが風呂場の中ではネギ君がなにかやらかしたらしい。

そして一緒にいた朝倉にはさっさと服を着てもらい尋も―――…ゲフンッゲフンッ! 話し合いをするためにまたロビーに集合していた。

とりあえずネギ君には一言言っておかなければ。

 

「……なぁ、ネギ君。この世界では魔法の存在は隠匿されるものということは理解しているな?」

「は、はい!」

「……して、先ほどの魔力の暴走はどう説明してくれるのだ? 返答によっては俺もそれなりの手段を取らせてもらおうと思っているのだが……」

「あ、え、えっと…その…あうぅ……」

 

少し泣きが入っているがここで甘えを入れてはダメな子になると判断したので俺は引きつり気味の笑顔を崩さず説教を続けていた。

 

「まぁまぁ士郎さん。そんなネギ君責めないでよ? 元を辿れば私がネギ君追い詰めたのが悪いんだからさ」

「朝倉……」

 

だがそこに今回の元凶の暢気な声が聞こえてきたので意識をそちらに即座に移した。

 

「よくもまぁそう悪びれもなく言えたものだな、朝倉?」

「そうよ、朝倉。あんまり子供をいじめるもんじゃないわよ」

「イジメ? ノンノン、まさか。私がそんなことするわけないじゃん」

「そうっすよ。むしろブンヤの姉さんは俺っち達の味方だぜ」

「報道部突撃班、朝倉和美。カモっちの熱意にほだされてネギ君の、いやここにいるメンバーの秘密を守るエージェントとして協力することにしたからよろしくね」

 

そういって、朝倉はネギ君に今までのネガや写真を渡しているが、果たしてそれは本当なのだろうか?

カモミールと朝倉が組むのはなにか裏があるような気配が……。

 

「とりあえず問題は起こさないに越したことはないから助かる。だがこれだけは覚えておけ、朝倉」

「なんですか、士郎さん?」

「もしお前の手によって秘密が漏洩されるものならば記憶は確実に弄られる事は覚悟をしておけ。しかも強引な手によってな。裏の世界はそれだけ危険だということだからな」

「イ、イエッサー……」

 

とりあえず脅しはかけておいたから当分は大丈夫だろう。刹那や姉さんにもその意は伝わったようで一緒に目を光らせていた。

それにアスナやネギ君もびくびくと震えていたことはまぁ別の話だが。

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

Side 衛宮イリヤ

 

 

解散後、シロウは夜の警戒も込めて先にお風呂に入りにいった。

混浴で同席しようと思ったけどきっかりと断られた。別にいいじゃない、知らない仲じゃないんだしという言葉に「誤解を招く発言はしないでくれ!」といってさっさと行ってしまった。

もう、シロウは相変わらずそういうことに関しては初心なんだから。

そんなことを一人になりながら歩いていたらなにかカモミールとカズミが外でなにかやっているのを見かけて面白そうなので話しかけてみた。

 

「カズミ、カモミール。もう生徒の出入り禁止時間は過ぎているわよ? なにをやっているの」

「げっ!? イリヤさん!」

「イリヤの姐さん!?」

 

二人(?)は私が現れたのがそんなにまずいのか顔を青くしている。でも、「げっ!?」はさすがにひどいんじゃない?

 

「なにをそんなにあわてているのかしら? 私にばれたらまずいことなのかな?」

「そ、それは……(カモっち! イリヤさんに話しても大丈夫かな!? 後が怖そうなんだけど)」

(む、むぅ……いや、結構イケルかもしれねぇな)

(どういうこと……?)

(まぁ、まずは説明からしようぜ、朝倉の姉さん。話にあわせてくれればそれできっとうまくいくぜ)

(信じるよ、カモっち!)

 

どうやら話し合いは済んだようね。それじゃどんな言い訳が聞けるのかな?

だけど、その言い訳は私にとってとても魅惑的な事だと知りつい乗ってしまった。

後に後悔するだろうけどいい機会ね。カモミールにもある手はずはしておいたから夜が楽しみだわ。ふふふ…。

 

 

 

──Interlude

 

 

 

イリヤが朝倉とカモに会った数刻後、朝倉は旅館内で騒ぎすぎた一部の3-Aの面々にある提案を持ち出していた。

 

「……と、いうわけで名づけて『くちびる争奪!!修学旅行でネギ先生&士郎さんとラブラブキッス大作戦』!!」

「ええ!?」

「ネギ君と!? それに士郎さんも!?」

 

辺りが騒ぎ出したとき、何名かの目が光ったことを朝倉は当然見逃していなかった。

特に今日は刹那を必死に追いかけていたはずのこのかの目が真剣そのものになっていたことを。

それを見て朝倉とカモは一筋の汗を浮かべた。

 

(ねぇねぇカモっち?)

(いわんでもいいでっさ。あれは、本気の目だぜ)

(だよねぇ、やっぱり。イリヤさんに許可を得て士郎さんの名前も出したけど予想以上に食いついちゃったようね)

(ま、このかの姉さんには悪いが分が悪いから今回は諦めてもらった方がいいかもな。相手が悪すぎるし……)

 

しかし、朝倉達は予想通りの展開としていたのでさっさと説明を済ませて監視カメラの配備や他いろいろにてんやわんやするのだった。

そして、違う場所では夕映に組み合わせを変わってほしいというこのかの姿があった。

 

「別に構いませんが、このかさん…本気なんですね?」

「うーん…まだよーわからんけど、だけどウチ……士郎さんのことが気になってしかたないねん。アスナに相談して少し和らいだけどやっぱり胸のドキドキがとまらへん。だから今回のこれで自分の気持ちに正直になれたらええなと……やっぱ駄目やろか? のどかと違って中途半端で…」

 

このとき、夕映はこのかの言葉に感嘆とした気持ちを覚えていた。

同時にとてもこのかのことが綺麗に見えた。恋をすれば人は変わるというがまさにそうだろうと思ったのだ。

 

「いえ、それだけ聞ければ充分です。では私はのどかとこのかさんに勝利を捧げる為に裏工…じゃなくて協力させていただきます」

「え、でも出れるのは各班二人だけやろ?」

「別に協力者がいては駄目とは言われていませんから大丈夫でしょう? それよりがんばるですよ!」

「了解や!」

 

このかは笑顔で夕映に感謝した。

 

 

 

Interlude out──

 

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

Side 衛宮士郎

 

 

うっ!? なんだ、この寒気は…? まるでアクマを降臨させたような。いや、今回俺は何も関与していないからきっと気のせいだ!

 

「…どうしたんですか、士郎さん?」

 

そこに一緒にいた刹那とアスナが心配そうに聞いてきた。

 

「いや、なんでもない。あえて言うなら害意はない殺気をこの旅館が覆っているような、嫌な感じだ」

「刹那さんと同じような事いうのね、士郎さんも」

「まぁ同業者じゃなくてもこれくらいは感じるだろう。ところでネギ君はどうした?」

「ネギ先生なら士郎さんがお風呂にいっている間に見回りで外に出て行ったようです」

「俺が警備しているのだから心配ないと伝えたのだが……」

「はい。ですがネギ先生もなぜか士郎さんと同じく寒気を感じたようで……」

「そんな嫌な気分を晴らすために出て行ったわけか」

「はい、そのようで」

「ふぅ、わかった。では館内は俺が警備しているから二人はお風呂に入って来い。関係者としてこの時間でも認められているからな」

「ありがと士郎さん! それじゃさっさといこっか、刹那さん」

「そうですね。ではお願いします」

「まかされた」

 

二人と別れた後、新田先生と会い3-Aのクラスは今夜はやけに騒がしいので注意の程、お願いしますよと伝えられた。

虫の知らせ、というのか? 先ほどの寒気はやはり気のせいではないと感じ始めていた。

そこで姉さんとは会わないなと別思考に移っていると目の前に楓と古菲(変な空気を纏って)が歩いてきたので注意しようとしたら、

 

…突然古菲に襲いかけられた。なんでさ?

とりあえず古菲の放ってきた割と本気らしい拳(枕)を一歩後ろに下がりながら受けて力を後ろに流した。それでも少し痺れた。

 

「あやー、やっぱり士郎老師には真正面からの拳は通じないアルね?」

「……これは何の遊びだ、古菲に楓?」

「理由は話せんでござるが訳あって士郎殿の唇をいただきに参った」

 

そういいながらも、楓は颯爽な動きで古菲と即席の連携ながらもうまい枕攻撃をしてきた。

なぜかは知らないが本気の意志は伝わってきたので俺も相手をすることにした。……今気を抜くと後が怖そうだからだ。

…あー、旅館外に出て行った(逃げ出した)ネギ君が今はとても恨めしい。

だがそんな思考も許されないようで二人はどんどん攻めてきているのでまずは古菲の足をつまずかせた後、首根っこを掴んで楓に投げてやった。

それに驚いて古菲を受け止めている楓を尻目に俺は即座に楓の後ろに回り、

 

「ッ!」

「さて、楓。昨日の昼間に俺は言ったな? 騒ぎは起こすな、と。そこのところを理解できていなかったようで俺はとても悲しいよ……」

「その割に、顔が素晴らしいほどの笑顔なのはどういったことでござるか……?」

「それがな、新田先生に騒ぎを起こす生徒はロビーで正座させるという素晴らしい提案をもらってね。昨日言ったことを実行しようと思った―――…」

 

その瞬間、楓は古菲を片手に抱えているというのにものすごいスピードでその場から離脱した。

 

「残念だ。首謀者を聞き出そうとしたのだがな……しかたがない」

 

俺は腕を組みおもむろに顔を頭上に設置されている監視カメラに向けて一言、

 

「さて、では今宵騒いでいる者達の狩りを始めるとしよう。ああ、いっておくが加減はしないことを約束しよう」

 

 

◆◇―――――――――◇◆

 

 

Side 朝倉和美

 

 

私は正直お遊び気分でこの大会を企画したのだけど、裏目に出てしまったと現在ライブで後悔中。

まさか士郎さんがあそこまでできるとは思っていなかった。

楓さんと古菲をやり過ごすどころか仕掛けた本人達は逃げ出し、士郎さんのなんらかの魂に火を入れてしまった。なんか監視カメラに向いた表情の口元が三日月につり上がっていたのは錯覚だと今は思いたい。

 

「どどど、どうしよう! カモっち!?」

「い、いや……まだ大丈夫だ。そのうちイリヤの姐さんが現れるからなんとかなんだろ! それより今はネギの兄貴をって、なっ!?」

「え? どうしたの、カモっち? ………はい?」

 

画面には異様な空気を漂わせている士郎さんを抜いて5人ものネギ君が旅館を徘徊していた。

思わずカモっちと一緒に混乱したけど司会者がこれではどうしようもないので、

 

「お、おおっと!? これはどういうことだ!? ネギ先生が5人! しかも一斉に告白タイム!?

なぜかユエ吉が写っていますが多分協力者として入ったのでしょうか!? おおっと、そこに士郎さんが登場!? あ……ネギ君撲殺!? と、思ったがこれはダミーだったようだ!?

残念なことに司会の私も状況がまったく理解できていません! 誰か助けて!!」

 

 

 

 

 

 

Side 衛宮士郎

 

 

「まったく……性質の悪い悪戯をしかけたものだ。ところで綾瀬、大丈夫か?」

「あ、はいです。それより先ほどのは一体……?」

「さぁな。それより綾瀬。本当にこれはなんなんだ?」

「あ、えっとですね……」

 

問いただそうとしてふと後方から気配を感じ振り向いた瞬間、俺の意識はある女性の目を見た瞬間薄れていった。

 

 

 

Side 綾瀬夕映

 

 

「くっ……まさか、姉さんもこの企画に参加、していたとは……無、念……」

「おとなしく寝ていなさい、シロウ。それじゃユエ、シロウは連れて行くわね」

 

どうやってイリヤさんはシロウさんを眠らせたかは分かりませんがこのような話は聞いていませんので正直混乱しているのですが、

 

「で、ですがこのかさんの件はどうするのですか…?」

「それがね、私もいくならドーンとって言ったんだけれど急に萎縮しちゃって……出てきなさい、コノカ」

「はいな……」

 

そこにはゆでだこのように顔を赤く染めたこのかさんが出てきた。

 

「それで決心はついたの、コノカ?」

「やっぱりウチ、恥ずかしいわ……だから、今はこれだけでかんべんなぁ」

 

そういってこのかさんは士郎さんの頬についばむように口付けをした。

それだけでも充分すぎると思ったのは私だけでしょうか?

 

「……ちょっと、頬じゃ駄目じゃないコノカ?」

「はうぅ…もう堪忍して!」

 

そしてこのかさんは部屋を飛び出していった。

 

「ふぅ……まぁ及第点というところね。それじゃユエ。ノドカのところにいってあげなさい。今はロビーの方にいると思うから。本物のネギもそこにいるわ」

「わ、わかりましたです……」

 

私は逸る気持ちでのどかの向かったロビーに急いだのですがちょうどそこには本物のネギ先生とのどかがいたので一安心したです。

そして先生の子供らしい回答を聞いてやっぱりまだ10歳だと再確認できたです。まぁ当然といえば当然ですが。

あのように迫ってくるネギ先生はとてもではないですが嫌ですから。

すると話が済んだのか二人して戻ろうとしていたので私はのどかに足掛けをしてネギ先生は抱きかかえようとしたようですが間に合わずうまい具合に口でのキスをしていました。

……よかったですね、のどか。

その後、やはり新田先生に捕まってしまいましたが、これはまぁ別にいいでしょう。

それより心配なのは士郎さんです。私が部屋から出て行こうとした間際にイリヤさんの微笑が聞こえてきましたから。

 

 

 

 

……少し前、

 

 

「よっしゃー! 宮崎のどか仮契約(パクティオー)カードとイリヤの姐さんがマスター側の衛宮士郎仮契約(パクティオー)カードをゲットだぜ!」

「このかはスカカードかぁ……ま、残念だったということで。よっしゃずらかるよ、カモっち!」

「…なるほど、やはり貴様等が主犯か朝倉にカモミール」

 

入り口に復活したのであろう士郎が仁王立ちをしていた。その表情は阿修羅(ワラキア)の如く。

 

「ぴぎぃぃぃぃぃいいいっ!!!??」

「ひぃぃぃぃぃいいいっ!!!」

 

そしてロビーに集められた生徒達は士郎と新田による説教+正座を味わうことになった。

特に朝倉、楓は膝の上に小物ながらも仏像を乗せられカモにいたっては足下にマッサージの凸凹を置かれ苦悩したとか。

ちなみにイリヤはうまく逃げおおせた。というより士郎が見逃した。

士郎的には倍返しが怖いと後に語ったという。

 

 

 




イリヤさん、士郎と仮契約しました。
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